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Side - 15 - 1 - ちちのかなしみ -(挿絵あり)
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Side - 15 - 1 - ちちのかなしみ -
こんにちは、はじめまして田中太郎と申します。
拙者は・・・いや私はどこにでも居るような普通の2児の父親でした。
子供2人と愛する妻がいて、下の子供も成人して2年ほど経ちましたので全く手がかからなくなりました、これからは妻と2人で息子と娘、孫に囲まれて幸せな老後を楽しむんだろうなと思っておりました。
あと10年と少しで定年退職、人見知りな娘はちゃんと結婚できるのだろうか、孫と観るアニメは何にしようかと今から楽しみにしておりました。
10日ほど前に愛する娘が亡くなりました、殺されたのです。
犯人は捕まったものの報道番組で騒がれマスコミには追い掛け回されました、警察にも呼び出され、慌ただしい思いをしているうちに10日も過ぎていました。
葬式も済ませ、親戚も帰り、家には妻と息子が居るだけです、もう疲れて寝ているのかもしれませんね。
あれだけ明るかった我が家がまるで別の家のように思えます。
思えば娘は反抗期のない子供でした、会社の同僚の中には「お父さんきもい!」「お父さんの下着と一緒に洗濯しないで!」などと自分の娘に言われて泣いていた父親もいましたが、理世は、・・・娘は私に向かって酷い言葉を吐いたことは一度もありませんでした。
いつも笑って「お父さんまたアニメ見てるー、今季のおすすめは何?」「漫画借りて行くね、あ、この前のブラックラグーンってやつすごい面白かったよ!、双子ちゃん可愛かったぁ!」などと話したり、娘というよりは気の合う友人のようでした。
仏壇の隣にはお供物に囲まれてエピフォンのレスポールカスタムが置いてあります、アニメに影響されて私が部屋に飾ろうと買ってきたギターでしたが、娘が「かっこいい!」と言って亡くなる前まで熱心に練習していました。
「お父さん、何かアニメの曲弾いてあげよっか?」笑いながら私に話しかける姿が思い出されてまた涙が溢れます。
今は夜9時を回ったところでしょうか部屋の中は真っ暗でよく分かりません。
仏壇の前に座って娘との思い出に涙していた私は明かりをつけるために立ち上がろうとしました。
すると突然仏壇の前、畳が明るく輝き、魔法陣・・・・私が好きで見ていたアニメに出てくるような大きな魔法陣が浮かび上がりました。
拙者・・・じゃなかった私はおかしくなってしまったのでしょうか、・・・はっ!もしかして異世界転移なのでござるか!、チート!、ハーレム!、俺また何かやっちゃいました?、の世界でござるか!、まて、待つでござる!、拙者にはまだ悲しみに暮れる妻と息子を支えなければ!・・・。
光に目が慣れると私の目の前には黒い眼帯をした銀髪の、魔法使いの格好をした小さな女の子が立っていました、キラキラと光る魔法陣の上に浮かぶように。
女の子は私を見つめ、口を開いて何かを喋っているのですが言葉が分かりません、どこの言葉だろう、変わった言葉だな・・・。
それにしてもこの子可愛いな、アニメに出てくるキャラよりかわいいぞ・・・。
「あははー、私バカだ、日本語でしゃべらなきゃ通じないよね、・・・久しぶりだね!お父さん!」。
リーゼロッテさん(Side-15 Ver)
こんにちは、はじめまして田中太郎と申します。
拙者は・・・いや私はどこにでも居るような普通の2児の父親でした。
子供2人と愛する妻がいて、下の子供も成人して2年ほど経ちましたので全く手がかからなくなりました、これからは妻と2人で息子と娘、孫に囲まれて幸せな老後を楽しむんだろうなと思っておりました。
あと10年と少しで定年退職、人見知りな娘はちゃんと結婚できるのだろうか、孫と観るアニメは何にしようかと今から楽しみにしておりました。
10日ほど前に愛する娘が亡くなりました、殺されたのです。
犯人は捕まったものの報道番組で騒がれマスコミには追い掛け回されました、警察にも呼び出され、慌ただしい思いをしているうちに10日も過ぎていました。
葬式も済ませ、親戚も帰り、家には妻と息子が居るだけです、もう疲れて寝ているのかもしれませんね。
あれだけ明るかった我が家がまるで別の家のように思えます。
思えば娘は反抗期のない子供でした、会社の同僚の中には「お父さんきもい!」「お父さんの下着と一緒に洗濯しないで!」などと自分の娘に言われて泣いていた父親もいましたが、理世は、・・・娘は私に向かって酷い言葉を吐いたことは一度もありませんでした。
いつも笑って「お父さんまたアニメ見てるー、今季のおすすめは何?」「漫画借りて行くね、あ、この前のブラックラグーンってやつすごい面白かったよ!、双子ちゃん可愛かったぁ!」などと話したり、娘というよりは気の合う友人のようでした。
仏壇の隣にはお供物に囲まれてエピフォンのレスポールカスタムが置いてあります、アニメに影響されて私が部屋に飾ろうと買ってきたギターでしたが、娘が「かっこいい!」と言って亡くなる前まで熱心に練習していました。
「お父さん、何かアニメの曲弾いてあげよっか?」笑いながら私に話しかける姿が思い出されてまた涙が溢れます。
今は夜9時を回ったところでしょうか部屋の中は真っ暗でよく分かりません。
仏壇の前に座って娘との思い出に涙していた私は明かりをつけるために立ち上がろうとしました。
すると突然仏壇の前、畳が明るく輝き、魔法陣・・・・私が好きで見ていたアニメに出てくるような大きな魔法陣が浮かび上がりました。
拙者・・・じゃなかった私はおかしくなってしまったのでしょうか、・・・はっ!もしかして異世界転移なのでござるか!、チート!、ハーレム!、俺また何かやっちゃいました?、の世界でござるか!、まて、待つでござる!、拙者にはまだ悲しみに暮れる妻と息子を支えなければ!・・・。
光に目が慣れると私の目の前には黒い眼帯をした銀髪の、魔法使いの格好をした小さな女の子が立っていました、キラキラと光る魔法陣の上に浮かぶように。
女の子は私を見つめ、口を開いて何かを喋っているのですが言葉が分かりません、どこの言葉だろう、変わった言葉だな・・・。
それにしてもこの子可愛いな、アニメに出てくるキャラよりかわいいぞ・・・。
「あははー、私バカだ、日本語でしゃべらなきゃ通じないよね、・・・久しぶりだね!お父さん!」。
リーゼロッテさん(Side-15 Ver)
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