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Side - 12 - 3 - こおりのれいじょう -(挿絵あり)
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Side - 12 - 3 - こおりのれいじょう -
「わぁぁ!、博士のところにパンツを忘れてきたのです!」
「研究室でお漏らしでもされたのですかお嬢様・・・」
「うん、ちょっとね・・・気にしないで、明日回収してくるから」
それに気付いたのはお夕飯の後、メイドのリディアさんがお風呂の着替えを持って来てくれた時・・・夕方お父様が迎えに来て干してあるのを忘れてそのまま帰っちゃったのです。
「お風呂に入って来るのです」
ざぱぁ・・・
「ふぅ・・・今日も疲れたぁ・・・」
ここはお屋敷のお風呂場・・・元々は使用人達が使う広い共同浴場なのですがこの時間は私たち家族が入ります。
普通の貴族はお部屋の横に浴槽があって、そこで使用人に身体を洗ってもらうのが常識らしいのですが、前世の記憶がある私は幼い頃から断固拒否、だって他人に洗ってもらうのは恥ずかしいのです。
なので私だけ無理を言って共同浴場を使わせてもらっていたのです、でもそれを見た両親が広いお風呂に入る気持ちよさに気付いて真似をするようになって・・・今では家族全員、普通に自分で身体を洗うようになりました。
使用人達からはお風呂の世話やお掃除の負担が減って喜ばれているようで・・・。
それにお父様とお母様は、時々一緒に入ってイチャイチャしてるみたい。
使用人用とは言っても大貴族のお屋敷にある浴場なのです、小規模な室内プールくらいの広さで、大理石っぽい石で出来た豪華なお風呂です、テレビでで見た事があるお金持ちのお風呂みたいにライオンの口からお湯が出るやつ付けたいな・・・あれってこの世界で売ってるかなぁ。
ガチャ・・・
「ひぃっ!」
「あ・・・、お姉ちゃんごめん、入ってるの気付かなかった」
弟のコナンザが入って来ました、最近人前ではお姉様って言うようになったのに、2人の時はまだお姉ちゃんか・・・ふふふ、可愛い奴め。
「いいよ、一緒に入ろ、お姉ちゃんが洗ってあげよう」
「・・・うん」
ざぱぁ・・・
ごしごし・・・
「コナンザ、あまり身体おっきくならないね」
「うん」
「ほら前を向いて」
「わぁぁ!・・・前はいいよ!」
「遠慮しないで、ほらほらお姉ちゃんの言う事を聞くのだぁ!」
わきわき・・・
「いやぁぁ!」
ちゃぷ・・・
「うっく・・・ぐすっ・・・」
「何で泣くの、そんなに泣き虫だとお姉ちゃん心配だぞ」
「ごめんなさい・・・」
「こうしてると私達、鏡を見てるみたいにそっくりだね、私は傷だらけだけど・・・」
「・・・お姉ちゃん」
「さて、もう出ようか」
「うん」
ざぱぁ・・・
ふきふき
「ちゃんと髪を乾かして寝るんだよ」
「うん、おやすみなさい、お姉ちゃん」
コナンザの体を拭いてローブを着せて・・・私も自分のお部屋に戻ります。
お部屋の姿見の前でローブを脱ぐと・・・鏡に映っているのは10歳くらいの裸の女の子、私は魔力量が多いから普通の人間より成長が遅く寿命が長いのです。
「うん、可愛くない・・・」
色素の薄い肌、白に近い銀髪、青に近い灰色の瞳、血色の悪い薄い唇という見ているだけで寒そうな配色、そして鋭い目つき、色や全体の雰囲気は私が理世だった頃にやっていた昔の艦艇の名前をした女の子を集めて戦うゲーム「艦⚪︎これくしょん」に出てくる響ちゃんに似てるかなぁ。
ちなみに私の嫁は響ちゃんじゃなくて暁ちゃんだけどね・・・。
「何度見ても顔が怖い・・・」
自分でもドン引きするくらい顔が怖いのです、毎朝鏡に向かって「何で怒ってるんだよ」って呟いてるし、顔の造りは美少女といってもいいくらい整ってるのに悪役顔で何もかも台無しなのです、そして人見知りで家族以外とほとんど喋らない事が災いして・・・私は貴族達の間でこう呼ばれています。
「氷の令嬢」
又は傷だらけの身体を指して
「隻眼の令嬢」
外見で目立つのは背中の右肩から左の腰にかけてと左足、左腕、左の顔に大きな刀傷、使われた刃物が呪い付きだったので入れ墨みたいに赤黒くなって消えずに残っています。
顔の傷は左の額から左目を通って左の顎まで達していて片方の目は赤く濁ってほとんど見えていません、普段は眼帯で隠しているのです。
「へくちっ・・・」
「全裸で何してるんだろ私、早く服を着ないと風邪をひいちゃう」
メイドさんが用意してくれた服は子供用のパジャマ、私とお母様が共同で設立したファッションブランド「リーゼ」の人気商品なのです。
こんばんは、リーゼロッテ・シェルダン12歳です。
私の身体が何故傷だらけなのかは置いておいて、今日は私の着ているお洋服、それから私とお母様のお店「リーゼ」についてお話しようかな。
私が普段着ている服や下着のほとんどはお母様の手作りなのです、裁縫や刺繍が得意なお母様は私が「こんな感じの服がいい!」と言うとすぐに作ってくれます。
私は幼い頃から・・・いえ、前世から魔法使いに憧れていた事もあって普段着ているお洋服は黒いブラウスに膝下まであるスカート、革のロングブーツ、外出時は魔法使い風の黒いフード付きローブを羽織るといった格好が多いです。
ブラウスやローブはお母様の手による銀の刺繍入りなのです、タイツやレギンスが欲しいなぁって思っているのですが、どうやらこの世界には無いようで・・・。
タイツっぽいものはあるのですが伸縮が悪くてとても動きにくいのです、魔道具や錬金術を使ってナイロン繊維みたいな感じのものを何とか作れないか思案中なのですよ。
顔の傷を隠す眼帯はお母様との共同制作です、図案は私が作って刺繍も少し手伝いました!、黒い布に銀の刺繍があってとてもかっこいいのです!。
実は理世として生きていた時の母親が音楽好きで家には沢山のCDがありました、その中にかっこいい絵柄があったのです。
確かモーターヘッドというバンドのCDジャケットにいつも描かれている牙の生えた豚さんの絵で、理世の母親が「このかっこよさが分かったら理世もこっち側の人間よ!レミー最高!」と訳の分からない事を言って頭を振りながら爆音で聴いていたのを思い出したのでこの図案にしました。
大きくて大変だけど外出用のローブの背中にもこの刺繍を入れてもらう予定なのですよ!、24歳の理世の時にはとても着られない中二病っぽい服ですが今の私にはとても似合うと思うのです。
ロングブーツはお父様の弟であるシルベスター叔父様が手先が器用で、「リゼたんのブーツをおじさんが作ってあげるよ!さぁ足を出して!サイズを測ろうね!」と言って作ってくれました。
でもブーツを届けに来てくれた時に遠くでお父様と叔父様が「リゼたんのブーツ・・・・ブラックドラゴン・・・弓を使って森で仕留め・・・」などとよく分からない事を話してるのが聞こえたのです、このブーツと何か関係あるのでしょうか・・・。
シルベスター叔父様はうちの領地の経営を任されていて、普段は王都の北西部に広がるシェルダン領に住んでいます、お父様と同じく筋肉モリモリマッチョマン、武闘派でナイフ使いの名手、素手による殴り合いもかなり強いです。
幼い頃から私をとても可愛がってくれているのですよ。
お父様に聞いた話だと若い頃は王国騎士団特殊部隊に所属していて退役後は職を転々としていたみたい、食事をしようと訪れた田舎町の衛兵と揉め事を起こし、お父様が身柄を保護したのだとか・・・。
お母様が大量に作ってくれる私のお洋服はお屋敷のメイドさん達にとても好評で・・・10歳の時に私はお母様に提案をしてみたのです。
私がデザインしてお母様が形にしたお洋服を量産して販売するファッションブランドを作ったらどうかな・・・って。
元々お裁縫が大好きだったお母様は目を輝かせて私の提案に飛び付きました、幼い頃からお洋服のお店を持つのが夢だった、でも貴族の娘としてお父様の所に嫁ぎ、社交や家の仕事が忙しくなって夢は諦めていた・・・そう寂しそうに語るお母様の背中を押し、お父様に掛け合って資金を捻出させました。
うちはお金持ちなのに家族全員お金をあまり使いません、必要以上にドレスや宝石は購入しないし、無駄遣いもしません、お父様も仕事一筋でほとんど遊ばないのです。
久しぶりのお母様のおねだりに・・・お母様を溺愛するお父様はとても張り切って・・・王都の一等地に大きなお店を購入、洋服を作る工場を郊外に建てさせました・・・うちのお父様の行動力凄いな。
そして繊細なデザインと質の良さが貴族や裕福な平民に受け入れられて「リーゼ」は開店早々爆発的な人気になりました。
「リゼたん!、うちの領地に2号店作る事が決まったの!、うふふ、もっともっとお店を増やしてこの大陸中に「リーゼ」を作るの」
幼い子供のようにはしゃぐお母様、お店を始める前はあまり笑わない人だったけれど、今のお母様はよく笑い、とても生き生きとしているのです。
この「リーゼ」が僅か2年程でエテルナ大陸の全ての国に支店を展開する事になるとは、当時10歳だった私には予想もしてなかったのです・・・。
コンコン・・・
ガチャ・・・
「・・・ひっく・・・お姉ちゃん・・・ぐすっ・・・」
「どうしたのコナンザ・・・早く寝ないと明日また寝坊するよ」
「怖い夢を見たの・・・」
「仕方ないなぁ・・・じゃぁ一緒に寝ようか」
「うん・・・」
「お姉ちゃん、ぎゅってして・・・」
「はいはい」
ぎゅぅ・・・
「んぅ・・・お姉ちゃん、いい匂い」
「んふふ、コナンザは可愛いなぁ」
「おやすみコナンザ・・・」
「おやすみなさい、お姉ちゃん」
「明日は忘れずに博士のところに行ってパンツを回収しなきゃ・・・」
リーゼロッテさん(事件前)
リーゼロッテさん(事件後)
リーゼロッテさん(事件後+眼帯)
「わぁぁ!、博士のところにパンツを忘れてきたのです!」
「研究室でお漏らしでもされたのですかお嬢様・・・」
「うん、ちょっとね・・・気にしないで、明日回収してくるから」
それに気付いたのはお夕飯の後、メイドのリディアさんがお風呂の着替えを持って来てくれた時・・・夕方お父様が迎えに来て干してあるのを忘れてそのまま帰っちゃったのです。
「お風呂に入って来るのです」
ざぱぁ・・・
「ふぅ・・・今日も疲れたぁ・・・」
ここはお屋敷のお風呂場・・・元々は使用人達が使う広い共同浴場なのですがこの時間は私たち家族が入ります。
普通の貴族はお部屋の横に浴槽があって、そこで使用人に身体を洗ってもらうのが常識らしいのですが、前世の記憶がある私は幼い頃から断固拒否、だって他人に洗ってもらうのは恥ずかしいのです。
なので私だけ無理を言って共同浴場を使わせてもらっていたのです、でもそれを見た両親が広いお風呂に入る気持ちよさに気付いて真似をするようになって・・・今では家族全員、普通に自分で身体を洗うようになりました。
使用人達からはお風呂の世話やお掃除の負担が減って喜ばれているようで・・・。
それにお父様とお母様は、時々一緒に入ってイチャイチャしてるみたい。
使用人用とは言っても大貴族のお屋敷にある浴場なのです、小規模な室内プールくらいの広さで、大理石っぽい石で出来た豪華なお風呂です、テレビでで見た事があるお金持ちのお風呂みたいにライオンの口からお湯が出るやつ付けたいな・・・あれってこの世界で売ってるかなぁ。
ガチャ・・・
「ひぃっ!」
「あ・・・、お姉ちゃんごめん、入ってるの気付かなかった」
弟のコナンザが入って来ました、最近人前ではお姉様って言うようになったのに、2人の時はまだお姉ちゃんか・・・ふふふ、可愛い奴め。
「いいよ、一緒に入ろ、お姉ちゃんが洗ってあげよう」
「・・・うん」
ざぱぁ・・・
ごしごし・・・
「コナンザ、あまり身体おっきくならないね」
「うん」
「ほら前を向いて」
「わぁぁ!・・・前はいいよ!」
「遠慮しないで、ほらほらお姉ちゃんの言う事を聞くのだぁ!」
わきわき・・・
「いやぁぁ!」
ちゃぷ・・・
「うっく・・・ぐすっ・・・」
「何で泣くの、そんなに泣き虫だとお姉ちゃん心配だぞ」
「ごめんなさい・・・」
「こうしてると私達、鏡を見てるみたいにそっくりだね、私は傷だらけだけど・・・」
「・・・お姉ちゃん」
「さて、もう出ようか」
「うん」
ざぱぁ・・・
ふきふき
「ちゃんと髪を乾かして寝るんだよ」
「うん、おやすみなさい、お姉ちゃん」
コナンザの体を拭いてローブを着せて・・・私も自分のお部屋に戻ります。
お部屋の姿見の前でローブを脱ぐと・・・鏡に映っているのは10歳くらいの裸の女の子、私は魔力量が多いから普通の人間より成長が遅く寿命が長いのです。
「うん、可愛くない・・・」
色素の薄い肌、白に近い銀髪、青に近い灰色の瞳、血色の悪い薄い唇という見ているだけで寒そうな配色、そして鋭い目つき、色や全体の雰囲気は私が理世だった頃にやっていた昔の艦艇の名前をした女の子を集めて戦うゲーム「艦⚪︎これくしょん」に出てくる響ちゃんに似てるかなぁ。
ちなみに私の嫁は響ちゃんじゃなくて暁ちゃんだけどね・・・。
「何度見ても顔が怖い・・・」
自分でもドン引きするくらい顔が怖いのです、毎朝鏡に向かって「何で怒ってるんだよ」って呟いてるし、顔の造りは美少女といってもいいくらい整ってるのに悪役顔で何もかも台無しなのです、そして人見知りで家族以外とほとんど喋らない事が災いして・・・私は貴族達の間でこう呼ばれています。
「氷の令嬢」
又は傷だらけの身体を指して
「隻眼の令嬢」
外見で目立つのは背中の右肩から左の腰にかけてと左足、左腕、左の顔に大きな刀傷、使われた刃物が呪い付きだったので入れ墨みたいに赤黒くなって消えずに残っています。
顔の傷は左の額から左目を通って左の顎まで達していて片方の目は赤く濁ってほとんど見えていません、普段は眼帯で隠しているのです。
「へくちっ・・・」
「全裸で何してるんだろ私、早く服を着ないと風邪をひいちゃう」
メイドさんが用意してくれた服は子供用のパジャマ、私とお母様が共同で設立したファッションブランド「リーゼ」の人気商品なのです。
こんばんは、リーゼロッテ・シェルダン12歳です。
私の身体が何故傷だらけなのかは置いておいて、今日は私の着ているお洋服、それから私とお母様のお店「リーゼ」についてお話しようかな。
私が普段着ている服や下着のほとんどはお母様の手作りなのです、裁縫や刺繍が得意なお母様は私が「こんな感じの服がいい!」と言うとすぐに作ってくれます。
私は幼い頃から・・・いえ、前世から魔法使いに憧れていた事もあって普段着ているお洋服は黒いブラウスに膝下まであるスカート、革のロングブーツ、外出時は魔法使い風の黒いフード付きローブを羽織るといった格好が多いです。
ブラウスやローブはお母様の手による銀の刺繍入りなのです、タイツやレギンスが欲しいなぁって思っているのですが、どうやらこの世界には無いようで・・・。
タイツっぽいものはあるのですが伸縮が悪くてとても動きにくいのです、魔道具や錬金術を使ってナイロン繊維みたいな感じのものを何とか作れないか思案中なのですよ。
顔の傷を隠す眼帯はお母様との共同制作です、図案は私が作って刺繍も少し手伝いました!、黒い布に銀の刺繍があってとてもかっこいいのです!。
実は理世として生きていた時の母親が音楽好きで家には沢山のCDがありました、その中にかっこいい絵柄があったのです。
確かモーターヘッドというバンドのCDジャケットにいつも描かれている牙の生えた豚さんの絵で、理世の母親が「このかっこよさが分かったら理世もこっち側の人間よ!レミー最高!」と訳の分からない事を言って頭を振りながら爆音で聴いていたのを思い出したのでこの図案にしました。
大きくて大変だけど外出用のローブの背中にもこの刺繍を入れてもらう予定なのですよ!、24歳の理世の時にはとても着られない中二病っぽい服ですが今の私にはとても似合うと思うのです。
ロングブーツはお父様の弟であるシルベスター叔父様が手先が器用で、「リゼたんのブーツをおじさんが作ってあげるよ!さぁ足を出して!サイズを測ろうね!」と言って作ってくれました。
でもブーツを届けに来てくれた時に遠くでお父様と叔父様が「リゼたんのブーツ・・・・ブラックドラゴン・・・弓を使って森で仕留め・・・」などとよく分からない事を話してるのが聞こえたのです、このブーツと何か関係あるのでしょうか・・・。
シルベスター叔父様はうちの領地の経営を任されていて、普段は王都の北西部に広がるシェルダン領に住んでいます、お父様と同じく筋肉モリモリマッチョマン、武闘派でナイフ使いの名手、素手による殴り合いもかなり強いです。
幼い頃から私をとても可愛がってくれているのですよ。
お父様に聞いた話だと若い頃は王国騎士団特殊部隊に所属していて退役後は職を転々としていたみたい、食事をしようと訪れた田舎町の衛兵と揉め事を起こし、お父様が身柄を保護したのだとか・・・。
お母様が大量に作ってくれる私のお洋服はお屋敷のメイドさん達にとても好評で・・・10歳の時に私はお母様に提案をしてみたのです。
私がデザインしてお母様が形にしたお洋服を量産して販売するファッションブランドを作ったらどうかな・・・って。
元々お裁縫が大好きだったお母様は目を輝かせて私の提案に飛び付きました、幼い頃からお洋服のお店を持つのが夢だった、でも貴族の娘としてお父様の所に嫁ぎ、社交や家の仕事が忙しくなって夢は諦めていた・・・そう寂しそうに語るお母様の背中を押し、お父様に掛け合って資金を捻出させました。
うちはお金持ちなのに家族全員お金をあまり使いません、必要以上にドレスや宝石は購入しないし、無駄遣いもしません、お父様も仕事一筋でほとんど遊ばないのです。
久しぶりのお母様のおねだりに・・・お母様を溺愛するお父様はとても張り切って・・・王都の一等地に大きなお店を購入、洋服を作る工場を郊外に建てさせました・・・うちのお父様の行動力凄いな。
そして繊細なデザインと質の良さが貴族や裕福な平民に受け入れられて「リーゼ」は開店早々爆発的な人気になりました。
「リゼたん!、うちの領地に2号店作る事が決まったの!、うふふ、もっともっとお店を増やしてこの大陸中に「リーゼ」を作るの」
幼い子供のようにはしゃぐお母様、お店を始める前はあまり笑わない人だったけれど、今のお母様はよく笑い、とても生き生きとしているのです。
この「リーゼ」が僅か2年程でエテルナ大陸の全ての国に支店を展開する事になるとは、当時10歳だった私には予想もしてなかったのです・・・。
コンコン・・・
ガチャ・・・
「・・・ひっく・・・お姉ちゃん・・・ぐすっ・・・」
「どうしたのコナンザ・・・早く寝ないと明日また寝坊するよ」
「怖い夢を見たの・・・」
「仕方ないなぁ・・・じゃぁ一緒に寝ようか」
「うん・・・」
「お姉ちゃん、ぎゅってして・・・」
「はいはい」
ぎゅぅ・・・
「んぅ・・・お姉ちゃん、いい匂い」
「んふふ、コナンザは可愛いなぁ」
「おやすみコナンザ・・・」
「おやすみなさい、お姉ちゃん」
「明日は忘れずに博士のところに行ってパンツを回収しなきゃ・・・」
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