50 / 77
第二話 紅梅
11-2
しおりを挟む
昨日と同じ板の間に通される。お茶も出してくれたが饅頭は出してくれなかった。当然か。
「それで、話とはなんでしょうか」
目を伏せて言う。その睫の長さに初めて気づいた。今は年齢相応に落ち着いたたたずまいだが、昔は美しい人だったんだろう。
「……やっぱり、あなたが『紅梅』なんじゃないかなって思って」
ぽろりと言葉が零れた。白さんは首を振り「またその話……」と呟いた。俺は息を大きく吸ってから、言った。
「『白梅』の菓子を作ったのは、洸斎永さんの追悼のためじゃないんですか?」
すると白さんはすっと視線をあげて、俺を見た。腹の底に力を入れて続ける。
「白梅は皆が好きな花だと聞きました。一方で白は葬送の色でもあります。あなたは『白梅』に、追悼の気持ちを込めたんじゃないですか」
すると白さんは口角をあげてわずかにほほ笑んだ。
「……何を考えているんだか」
「あの……お聞きしたいんです。あなたと洸斎永さんは、あの日、どこにいましたか?」
ぴくりと白淘嘉の眉が動いた。
「あの日?」
「大禍の始まった日……です。僕はその日、お二人が一緒にいたんじゃないかと思っています。街の外に、いらしたんじゃないですか」
「……何か証拠でも?」
低い声に含まれるのは、怒りか焦燥か、俺には判断することはできない。そのまま続ける。
「……劉珠宝店のご主人に聞きました。大禍のとき、あなたは街にはいなかった、と。劉さんは、あなたがひどい目に遭わなくてよかったと言っていました」
ごくりと、白淘嘉の細い喉が動くのが見えた。
「洸斎永さんが日記代わりに使っていた予定表には、大禍の頃の記録がありません。破り取られているんです。ほかの日にはきちんと日々の記録が書かれているのに。そこにはあなたとの、あの日の予定が書かれていたのでは、と思っています」
白淘嘉は目を伏せた。何も言わずに、手元の茶碗を見つめている。唾を飲み込んで俺は続けた。
「あの日、お二人は一緒だった。その時大禍が起きてしまった。洸斎永さんは州都に残り、あなたは隊商と一緒に避難したそうですね。……斎永さんは、きっとあなたには、安全なところに逃げてほしかったんでしょう。あなたが、大事だったから」
ふっ、と、白淘嘉が笑った。そして小さく首を振る。
「……そんなこと。ただの想像です」
俺は頷いて、ふところから、洸永遼から預かった押し花を出した。そして座卓の上に置いた。
「ええ。もう斎永さんには聞けないし、僕の想像でしかありません。もしすべてが想像なら、僕はこれを持って帰ります。だけど、もしそこに一片でも真実があるのなら、これはここに置いて帰ります」
……願いを込めて、白淘嘉を見る。届いて、ほしい。
「洸永遼さんは、お父さんの願いを届けたいと言っていました。糾弾したいとか、そういうことではありません。彼が知りたいのは、この押し花の相手が誰だったかという、ただそれだけです」
白淘嘉は、ふう、と長い溜息をついた。そしてゆっくりと顔を上げる。
「……あなたは、本当にしつこい」
「へへ。よく言われます。しつこさだけは負けません!」
「……負けましたよ、私は」
白淘嘉はすっと背筋を伸ばして、俺を見つめた。そしてゆっくりと話し始めた……。
――あなたの言うように、私はあの人と恋人関係にありました。あの日、私と彼は郊外の彼の別邸に行き、逢瀬を楽しんだ。……街が襲われているとも知らずに。
その知らせを聞いたとき、彼は蒼白になって。馬を駆って汀渚の街に戻っていきましたが、すぐに帰ってきた。町はもう、入れる状態じゃなかったんです。
彼の店の従業員の安否は不明、一方私のほうは、通いの従業員の無事が判明しました。すると彼に言われました。ちょうど西からの隊商が州都に着いたところだから、隊商とともに王都へ避難しろと。
もちろん私は嫌だと言った。けれど戦いが続けば、州都も危険にさらされるかもしれないから、早く行けと言われ。押し問答になりました。
やがて彼は苛立った様子で叫んだ。『もう沢山だ。君といると自分の罪をまざまざと見せつけられている気がする。目の前から消えてくれ』と……。私はかっとなって部屋を出て、州都に向かい、隊商と合流した。
しかしそこには、彼のご家族もいたんです。美しい奥様と、聡明な息子たち。旅の友としては正直最悪でした。あのひとはこれを知っていたはずだと思うと、はらわたが煮えくり返りました。けれど……子供たちは可愛く、無邪気に私を慕ってくれた。王都に着く頃には……複雑な気持ちになっていました。
王都に着いた私は、彼を待ちました。彼は州都から汀渚の町への支援を続けていましたが、州都が敵襲されることはなかった。……安堵しました。戦が終われば、妻子のいる王都に来てくれるだろうとも思いました。また会えると思っていた。そうしたら、憎まれ口のひとつでもきいてやろうと。
私は王都で店を開いて、軌道に乗せることもできた。しかし……彼はどれだけ待っても、私のところへは来てくれませんでした。彼が王都に来ていると風の噂には聞くのに、私の所には立ち寄ろうともしない。私は彼にとって、裏切りの象徴になってしまったんだと、だから二度と会うこともないんだと思いました。
じわじわと諦めに侵食されて月日がたち、やがて彼が亡くなったと、聞きました。
彼の葬儀は……遠くから見守りました。けれどやりきれなかった。私だって、追悼したかった。そして、2人で過ごした汀渚の街に帰りたかった。だから私は、王都の店を弟子に譲って、ここに帰ってきたんです……。
息もつかずに話し終えると、白淘嘉は深く息をついた。
20年の時を経て戻ってきた白淘嘉は、「白梅」を作り、劉さんに渡した。自分の追悼の気持ちが、この街の人々に届くことを願ったのだろう。
「話してくださって、ありがとう、ございます」
俺に言えるのはこれだけだった。そして、押し花を白淘嘉に差し出す。
「これは、あなたのものです。そして……洸斎永さんの心も、ずっとあなたにあったのだと、思います」
彼は俯き、小さく首を横に振った。
「言ったでしょう、あの人にとって私は……」
「……洸斎永さんは、とても真面目なひとだったんだそうですね。永遼さんが言っていました」
彼の言葉尻が消えるのを待って、言葉を選ぶ。
「酒も女も賭け事にも縁がなかったと。そんな斎永さんが、あなたとの時間だけは、予定表に書く程楽しみにしていた。けれど大禍が起こってしまって、斎永さんは自分を責めた」
白淘嘉は俯いたまま動かない。伏せられた睫が、わずかに揺れているように見えた。
「大きな悲劇が起きたとき、そこを幸運にも逃れられた人の中には、罪悪感を覚える人もいるそうです。自分だけが難を逃れてしまった、と。斎永さんもそうだったんじゃないかな。斎永さんは罪滅ぼしのために、州都に残ったのかも。だけどあなたには逃げてほしかったから、わざとひどいことを言ったのかなって」
「……また、想像を……」
ぽつりと呟く、その表情は見えない。俺は頷いて言った。
「そうですね。だけど確実なことがひとつだけあります。斎永さんの最後のひとことは、あなたの呼び名だったってこと、です」
ぴくりと、白淘嘉の細い肩が震えた。
「大事なひとには、生きていてほしいでしょ。一緒に死んでほしいなんて思うのは、恋かもしれないけど、愛ではないと思う。斎永さんは、とても強い人だったんだなって」
白淘嘉が、ゆっくりと顔を上げた。俺は持ってきた「白梅」の箱を胸元から出して、白淘嘉に示した。
「これ……すっごく美味しいので、『紅梅』も作ってほしいです。そうすれば、二人一緒になれる気がする。なんて、おせっかいかもしれないですけど」
えへへ、と笑うと、白淘嘉は滲む涙を指で拭って、僅かにほほ笑んだ。
「君は、緊張感がないというか、度胸があるというか」
「……誉め言葉として、頂いておきます」
彼は押し花をそっと自分のところへ引き寄せた。油紙を開いて、褪せた、けれど可憐な紅梅を見る。
「……永遼坊ちゃんには、知られたくなかった。あの日、父親がどこにいたのかなんて」
「俺、言いません。目的は、あなたに押し花を受け取ってもらうことだから」
「……ありがとう。これは、受け取るよ」
……やった!
俺は嬉しくなって、思わず笑った。すると白淘嘉も笑顔を見せた。
「君は、本当に、しつこいな」
=================
次回、第二話最終話です。
お付き合い頂けると嬉しいです。
「それで、話とはなんでしょうか」
目を伏せて言う。その睫の長さに初めて気づいた。今は年齢相応に落ち着いたたたずまいだが、昔は美しい人だったんだろう。
「……やっぱり、あなたが『紅梅』なんじゃないかなって思って」
ぽろりと言葉が零れた。白さんは首を振り「またその話……」と呟いた。俺は息を大きく吸ってから、言った。
「『白梅』の菓子を作ったのは、洸斎永さんの追悼のためじゃないんですか?」
すると白さんはすっと視線をあげて、俺を見た。腹の底に力を入れて続ける。
「白梅は皆が好きな花だと聞きました。一方で白は葬送の色でもあります。あなたは『白梅』に、追悼の気持ちを込めたんじゃないですか」
すると白さんは口角をあげてわずかにほほ笑んだ。
「……何を考えているんだか」
「あの……お聞きしたいんです。あなたと洸斎永さんは、あの日、どこにいましたか?」
ぴくりと白淘嘉の眉が動いた。
「あの日?」
「大禍の始まった日……です。僕はその日、お二人が一緒にいたんじゃないかと思っています。街の外に、いらしたんじゃないですか」
「……何か証拠でも?」
低い声に含まれるのは、怒りか焦燥か、俺には判断することはできない。そのまま続ける。
「……劉珠宝店のご主人に聞きました。大禍のとき、あなたは街にはいなかった、と。劉さんは、あなたがひどい目に遭わなくてよかったと言っていました」
ごくりと、白淘嘉の細い喉が動くのが見えた。
「洸斎永さんが日記代わりに使っていた予定表には、大禍の頃の記録がありません。破り取られているんです。ほかの日にはきちんと日々の記録が書かれているのに。そこにはあなたとの、あの日の予定が書かれていたのでは、と思っています」
白淘嘉は目を伏せた。何も言わずに、手元の茶碗を見つめている。唾を飲み込んで俺は続けた。
「あの日、お二人は一緒だった。その時大禍が起きてしまった。洸斎永さんは州都に残り、あなたは隊商と一緒に避難したそうですね。……斎永さんは、きっとあなたには、安全なところに逃げてほしかったんでしょう。あなたが、大事だったから」
ふっ、と、白淘嘉が笑った。そして小さく首を振る。
「……そんなこと。ただの想像です」
俺は頷いて、ふところから、洸永遼から預かった押し花を出した。そして座卓の上に置いた。
「ええ。もう斎永さんには聞けないし、僕の想像でしかありません。もしすべてが想像なら、僕はこれを持って帰ります。だけど、もしそこに一片でも真実があるのなら、これはここに置いて帰ります」
……願いを込めて、白淘嘉を見る。届いて、ほしい。
「洸永遼さんは、お父さんの願いを届けたいと言っていました。糾弾したいとか、そういうことではありません。彼が知りたいのは、この押し花の相手が誰だったかという、ただそれだけです」
白淘嘉は、ふう、と長い溜息をついた。そしてゆっくりと顔を上げる。
「……あなたは、本当にしつこい」
「へへ。よく言われます。しつこさだけは負けません!」
「……負けましたよ、私は」
白淘嘉はすっと背筋を伸ばして、俺を見つめた。そしてゆっくりと話し始めた……。
――あなたの言うように、私はあの人と恋人関係にありました。あの日、私と彼は郊外の彼の別邸に行き、逢瀬を楽しんだ。……街が襲われているとも知らずに。
その知らせを聞いたとき、彼は蒼白になって。馬を駆って汀渚の街に戻っていきましたが、すぐに帰ってきた。町はもう、入れる状態じゃなかったんです。
彼の店の従業員の安否は不明、一方私のほうは、通いの従業員の無事が判明しました。すると彼に言われました。ちょうど西からの隊商が州都に着いたところだから、隊商とともに王都へ避難しろと。
もちろん私は嫌だと言った。けれど戦いが続けば、州都も危険にさらされるかもしれないから、早く行けと言われ。押し問答になりました。
やがて彼は苛立った様子で叫んだ。『もう沢山だ。君といると自分の罪をまざまざと見せつけられている気がする。目の前から消えてくれ』と……。私はかっとなって部屋を出て、州都に向かい、隊商と合流した。
しかしそこには、彼のご家族もいたんです。美しい奥様と、聡明な息子たち。旅の友としては正直最悪でした。あのひとはこれを知っていたはずだと思うと、はらわたが煮えくり返りました。けれど……子供たちは可愛く、無邪気に私を慕ってくれた。王都に着く頃には……複雑な気持ちになっていました。
王都に着いた私は、彼を待ちました。彼は州都から汀渚の町への支援を続けていましたが、州都が敵襲されることはなかった。……安堵しました。戦が終われば、妻子のいる王都に来てくれるだろうとも思いました。また会えると思っていた。そうしたら、憎まれ口のひとつでもきいてやろうと。
私は王都で店を開いて、軌道に乗せることもできた。しかし……彼はどれだけ待っても、私のところへは来てくれませんでした。彼が王都に来ていると風の噂には聞くのに、私の所には立ち寄ろうともしない。私は彼にとって、裏切りの象徴になってしまったんだと、だから二度と会うこともないんだと思いました。
じわじわと諦めに侵食されて月日がたち、やがて彼が亡くなったと、聞きました。
彼の葬儀は……遠くから見守りました。けれどやりきれなかった。私だって、追悼したかった。そして、2人で過ごした汀渚の街に帰りたかった。だから私は、王都の店を弟子に譲って、ここに帰ってきたんです……。
息もつかずに話し終えると、白淘嘉は深く息をついた。
20年の時を経て戻ってきた白淘嘉は、「白梅」を作り、劉さんに渡した。自分の追悼の気持ちが、この街の人々に届くことを願ったのだろう。
「話してくださって、ありがとう、ございます」
俺に言えるのはこれだけだった。そして、押し花を白淘嘉に差し出す。
「これは、あなたのものです。そして……洸斎永さんの心も、ずっとあなたにあったのだと、思います」
彼は俯き、小さく首を横に振った。
「言ったでしょう、あの人にとって私は……」
「……洸斎永さんは、とても真面目なひとだったんだそうですね。永遼さんが言っていました」
彼の言葉尻が消えるのを待って、言葉を選ぶ。
「酒も女も賭け事にも縁がなかったと。そんな斎永さんが、あなたとの時間だけは、予定表に書く程楽しみにしていた。けれど大禍が起こってしまって、斎永さんは自分を責めた」
白淘嘉は俯いたまま動かない。伏せられた睫が、わずかに揺れているように見えた。
「大きな悲劇が起きたとき、そこを幸運にも逃れられた人の中には、罪悪感を覚える人もいるそうです。自分だけが難を逃れてしまった、と。斎永さんもそうだったんじゃないかな。斎永さんは罪滅ぼしのために、州都に残ったのかも。だけどあなたには逃げてほしかったから、わざとひどいことを言ったのかなって」
「……また、想像を……」
ぽつりと呟く、その表情は見えない。俺は頷いて言った。
「そうですね。だけど確実なことがひとつだけあります。斎永さんの最後のひとことは、あなたの呼び名だったってこと、です」
ぴくりと、白淘嘉の細い肩が震えた。
「大事なひとには、生きていてほしいでしょ。一緒に死んでほしいなんて思うのは、恋かもしれないけど、愛ではないと思う。斎永さんは、とても強い人だったんだなって」
白淘嘉が、ゆっくりと顔を上げた。俺は持ってきた「白梅」の箱を胸元から出して、白淘嘉に示した。
「これ……すっごく美味しいので、『紅梅』も作ってほしいです。そうすれば、二人一緒になれる気がする。なんて、おせっかいかもしれないですけど」
えへへ、と笑うと、白淘嘉は滲む涙を指で拭って、僅かにほほ笑んだ。
「君は、緊張感がないというか、度胸があるというか」
「……誉め言葉として、頂いておきます」
彼は押し花をそっと自分のところへ引き寄せた。油紙を開いて、褪せた、けれど可憐な紅梅を見る。
「……永遼坊ちゃんには、知られたくなかった。あの日、父親がどこにいたのかなんて」
「俺、言いません。目的は、あなたに押し花を受け取ってもらうことだから」
「……ありがとう。これは、受け取るよ」
……やった!
俺は嬉しくなって、思わず笑った。すると白淘嘉も笑顔を見せた。
「君は、本当に、しつこいな」
=================
次回、第二話最終話です。
お付き合い頂けると嬉しいです。
0
お気に入りに追加
57
あなたにおすすめの小説
![](https://www.alphapolis.co.jp/v2/img/books/no_image/novel/love.png?id=38b9f51b5677c41b0416)
極悪家庭教師の溺愛レッスン~悪魔な彼はお隣さん~
恵喜 どうこ
恋愛
「高校合格のお礼をくれない?」
そう言っておねだりしてきたのはお隣の家庭教師のお兄ちゃん。
私よりも10歳上のお兄ちゃんはずっと憧れの人だったんだけど、好きだという告白もないままに男女の関係に発展してしまった私は苦しくて、どうしようもなくて、彼の一挙手一投足にただ振り回されてしまっていた。
葵は私のことを本当はどう思ってるの?
私は葵のことをどう思ってるの?
意地悪なカテキョに翻弄されっぱなし。
こうなったら確かめなくちゃ!
葵の気持ちも、自分の気持ちも!
だけど甘い誘惑が多すぎて――
ちょっぴりスパイスをきかせた大人の男と女子高生のラブストーリーです。
![](https://www.alphapolis.co.jp/v2/img/books/no_image/novel/bl.png?id=5317a656ee4aa7159975)
サンタクロースが寝ている間にやってくる、本当の理由
フルーツパフェ
大衆娯楽
クリスマスイブの聖夜、子供達が寝静まった頃。
トナカイに牽かせたそりと共に、サンタクロースは町中の子供達の家を訪れる。
いかなる家庭の子供も平等に、そしてプレゼントを無償で渡すこの老人はしかしなぜ、子供達が寝静まった頃に現れるのだろうか。
考えてみれば、サンタクロースが何者かを説明できる大人はどれだけいるだろう。
赤い服に白髭、トナカイのそり――知っていることと言えば、せいぜいその程度の外見的特徴だろう。
言い換えればそれに当てはまる存在は全て、サンタクロースということになる。
たとえ、その心の奥底に邪心を孕んでいたとしても。
シンメトリーの翼 〜天帝異聞奇譚〜
長月京子
恋愛
学院には立ち入りを禁じられた場所があり、鬼が棲んでいるという噂がある。
朱里(あかり)はクラスメートと共に、禁じられた場所へ向かった。
禁じられた場所へ向かう途中、朱里は端正な容姿の男と出会う。
――君が望むのなら、私は全身全霊をかけて護る。
不思議な言葉を残して立ち去った男。
その日を境に、朱里の周りで、説明のつかない不思議な出来事が起こり始める。
※本文中のルビは読み方ではなく、意味合いの場合があります。
![](https://www.alphapolis.co.jp/v2/img/books/no_image/novel/bl.png?id=5317a656ee4aa7159975)
![](https://www.alphapolis.co.jp/v2/img/books/no_image/novel/bl.png?id=5317a656ee4aa7159975)
美しき父親の誘惑に、今宵も息子は抗えない
すいかちゃん
BL
大学生の数馬には、人には言えない秘密があった。それは、実の父親から身体の関係を強いられている事だ。次第に心まで父親に取り込まれそうになった数馬は、彼女を作り父親との関係にピリオドを打とうとする。だが、父の誘惑は止まる事はなかった。
実の親子による禁断の関係です。
オメガ修道院〜破戒の繁殖城〜
トマトふぁ之助
BL
某国の最北端に位置する陸の孤島、エゼキエラ修道院。
そこは迫害を受けやすいオメガ性を持つ修道士を保護するための施設であった。修道士たちは互いに助け合いながら厳しい冬越えを行っていたが、ある夜の訪問者によってその平穏な生活は終焉を迎える。
聖なる家で嬲られる哀れな修道士たち。アルファ性の兵士のみで構成された王家の私設部隊が逃げ場のない極寒の城を蹂躙し尽くしていく。その裏に棲まうものの正体とは。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる