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最終章
悪魔の子
しおりを挟む「ママが待ってりゅーってゆーからついてきた……」
バシッと鈍い音がするのと同時に真っ赤に腫れた小さい男の子…
この子がルジャーク国王の子供……
まだこんなに小さいのに、檻の中に入れて、、この扱いはあまりにもひどすぎるわ……
確かにシンの言うとおり、ルジャーク国は野蛮な国かもしれないけど、子供に罪はないのに…
どうにか子供は逃してあげられないかしら…
にしても、この子供を見てると、何だかとても暖かい何かに包まれたような気がするのよね…不思議だわ…
子供が捕らえられた檻の前で6国の代表者達が何やら話し合っているが、少し遠くから見ている私には内容までは聞きとれない
すぐに出してあげたいけど、、そんな事したら私まで大罪人ね
それでも、、子供を……傷つけるなんて、、できないし
どうにか誰も傷つかない方法があると良いのだけれど…
はぁ、、この戦争いつまで続くのかしら…先が思いやられるわ
「あの!!い、いま!」
1人の兵士の声に皆んなが一斉にその兵士の方を向く
「ルジュークの王が、その子供を助けにこちらに向かっているという報告が入りました!」
その言葉に周りの空気が一瞬で凍ったのが嫌でも感じられた
「各国兵士ども、周りをしっかり固めろ!絶対に救出させてはならんぞ、この作戦が失敗したらここにいる全員が死ぬ事になる!」
「その通りだ、まぁ、子供を愛してやまないヤツの事だ…この作戦が失敗する事はなかろう…直ちに、ヤツの処刑を全員に見てもらうための映像を全ての国に繋げよ」
「ふぉふぉやっと恐れがなくなるのじゃな」
…っ
映像で流すって…
処刑を大っぴらに晒すなんて…
そんなの酷すぎるわ
「子供を処刑台の近くまで連れてけ」
ただ見ているだけの自分に嫌気がさす…
連れて行かれた子供の後ろを見ながら、自分の手をギュッと握る
「マリンよ、お前も表へ出なさい、お主に助けられたと殆どの人がお礼を申しておる、どの国の人からも崇め奉られるであろうな」
「何故表へ出なければならないのですか?」
処刑シーンを間近で見るなんてまっぴらだわ!
「ふぉふぉ、別に深い意味はないんじゃが、女神さまと言われておるお主が近くにいる方が、皆のものも安心するじゃろ」
…言っている意味は分からないけど
断るわけにもいかないし、、行くしか選択肢はないようね…
はぁ
ルジャークの王、本当にこのまま、殺されてしまうのかしら
なんだか、それを賛成できない自分がいるのだけれど…
どうしてかしら…
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