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安東君は昼休みを待ちきれない
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朝から久瀬と話せて楽しかった。
あいつのコロコロ変わる表情が犬みたいで面白い。
カッコいいなんて事を忘れてしまう。
デカいからセントバーナード犬みたいだ。
ちょっと、想像してみる…首輪をつけて犬耳を着けてハアハアしてエサを待つ久瀬の姿。
うわー。可愛いペットだな。
「なーにニヤついてんだ?
最近のお前、彼女の話より久瀬の事で笑うよな。」
山形が久瀬の事を考えて、自席で肘をついて黒板の方を見ていた僕に話しかけて来た。
「そっか?でも面白い奴だろ。
イケメンなのに飾ってないし。
軽そうに見えるのに、真面目だったり。」
「確かにな。
変わってるよな。
イケメンで金持ちなんて、嫌な性格って思ってたけど。
可愛い後輩ってのは、あんな感じなんだな。」
「だろー!
あいつの性格って何ていうかな…意外と純粋なんだよなぁ。
今まで、真面な友達いなかったってのが信じられない。」
「ん?僕はわかるな。それ。
多分、寄ってくる奴らに問題あったんだよ。
見かけだの、金持ちだのに群がるハイエナに警戒してたんじゃないかな。
それで、お前に会って無償の愛を知ったんだ!」
山形が自分の両肩を抱きしめて言った。
「無償の愛って…大袈裟だな。
僕はマリア様とかじゃないよ。」
「いやいや、お前の博愛っぷりは良く言えば国宝級だぞ。
悪く言えば見境い無いみたいな。」
「ひどい言われ様だな。ったく。」
「えー。褒めてるんだぜ。
凄い奴だって。
俺は友達の中でもお前の博愛主義には尊敬の念を否めない。
他人のアラばっか探して、ゲラゲラ笑って自分の靴下の穴を見られないバカな奴らとは違う。
他人に自分のエネルギーを分け与える、その姿勢は誇らしくさえあるんだぜ。」
やたらと褒められて照れくさくなって来た。
「褒めても、何も出てこないぞ!」
「僕はお前のその、幸せそうにお節介を焼く姿を側から見て楽しむんだよ。
一種の癒しってやつかな。」
「癒しは彼女に求めろよ。」
「あのさ…最近の女子って強すぎなの!肉食系!癒しには草食男子に限る時代なんだよ。」
「はあ…。」
なるほど…中兄ちゃんも、その感じなんだな。
確かに、女子は強いな。
進路先の大学は8割が女だ。
波に飲み込まれたり、負けないようにしよう。
「ま、3月までは僕は、お前から目を離さないからな。
そのうち、お前を基にした小説でも書くさ。」
「…インパクトの薄い主役になるぞ!」
「ははは!間違いない!」
早く昼休みにならないかな。
時間が足りない気がする。
3月までだから…同じ学校に居られるのは…。
あいつのコロコロ変わる表情が犬みたいで面白い。
カッコいいなんて事を忘れてしまう。
デカいからセントバーナード犬みたいだ。
ちょっと、想像してみる…首輪をつけて犬耳を着けてハアハアしてエサを待つ久瀬の姿。
うわー。可愛いペットだな。
「なーにニヤついてんだ?
最近のお前、彼女の話より久瀬の事で笑うよな。」
山形が久瀬の事を考えて、自席で肘をついて黒板の方を見ていた僕に話しかけて来た。
「そっか?でも面白い奴だろ。
イケメンなのに飾ってないし。
軽そうに見えるのに、真面目だったり。」
「確かにな。
変わってるよな。
イケメンで金持ちなんて、嫌な性格って思ってたけど。
可愛い後輩ってのは、あんな感じなんだな。」
「だろー!
あいつの性格って何ていうかな…意外と純粋なんだよなぁ。
今まで、真面な友達いなかったってのが信じられない。」
「ん?僕はわかるな。それ。
多分、寄ってくる奴らに問題あったんだよ。
見かけだの、金持ちだのに群がるハイエナに警戒してたんじゃないかな。
それで、お前に会って無償の愛を知ったんだ!」
山形が自分の両肩を抱きしめて言った。
「無償の愛って…大袈裟だな。
僕はマリア様とかじゃないよ。」
「いやいや、お前の博愛っぷりは良く言えば国宝級だぞ。
悪く言えば見境い無いみたいな。」
「ひどい言われ様だな。ったく。」
「えー。褒めてるんだぜ。
凄い奴だって。
俺は友達の中でもお前の博愛主義には尊敬の念を否めない。
他人のアラばっか探して、ゲラゲラ笑って自分の靴下の穴を見られないバカな奴らとは違う。
他人に自分のエネルギーを分け与える、その姿勢は誇らしくさえあるんだぜ。」
やたらと褒められて照れくさくなって来た。
「褒めても、何も出てこないぞ!」
「僕はお前のその、幸せそうにお節介を焼く姿を側から見て楽しむんだよ。
一種の癒しってやつかな。」
「癒しは彼女に求めろよ。」
「あのさ…最近の女子って強すぎなの!肉食系!癒しには草食男子に限る時代なんだよ。」
「はあ…。」
なるほど…中兄ちゃんも、その感じなんだな。
確かに、女子は強いな。
進路先の大学は8割が女だ。
波に飲み込まれたり、負けないようにしよう。
「ま、3月までは僕は、お前から目を離さないからな。
そのうち、お前を基にした小説でも書くさ。」
「…インパクトの薄い主役になるぞ!」
「ははは!間違いない!」
早く昼休みにならないかな。
時間が足りない気がする。
3月までだから…同じ学校に居られるのは…。
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