93 / 191
ナンバーズ
第25話
しおりを挟む
カチャ。
「はい。
こちら『真鍋産科小児科クリニック』です。
御予約でしょうか?」
先程の女性ではない。男性の声だ。
「いえ…真鍋先生に取材を申し込みたいのですが…。」
「私が、院長の真鍋だ。
今朝、電話を掛けてきたのは君かね?」
「あ、はい。
フリーライターの梶 塔矢と言います。
初めして。」
「初めまして。
…で、私にライターさんが何を?」
「色々あるんです。
今、相楽教授のところにいた鈴と言う女の子を預かってます。
それと、先生が過去に天外博士の研究の協力をしていた頃の『ナンバーズ』について、お聞きしたいんです。」
「ん…。あなたは今どちらに?
北海道から離れていますよね。」
「ええ、南関東に…。」
「そちらに鈴がいるので、伺いたいのは山々なのですが、ちょうど出産ラッシュでしてね。
こちらから離れられないんですよ。」
「そんな!こちらから伺います!
お話し頂けるのなら、ご都合の良い日にそちらに伺います!」
「そうですか…では、今週末の金曜日で大丈夫ですか?」
「もちろんです!時間は?」
「昼休みにしましょう。
今くらいの時間に病院にいらして下さい。」
「はい!ありがとうございます。
宜しくお願い致します。」
「はは。体育会系なんですね。
では、金曜日に。」
カチャ。
よっしゃああ!
真鍋先生も相楽教授同様、上品な感じで優しそうな感じだ。
夜には『ナンバーズ』だった奴らから直に話しが聞けるし。
着実に進んでる!
俺は有頂天になった状態のままに、金井に電話を掛けた。
プッ。
「金井、今夜『ナンバーズ』の人間と話す約束してる。
遅くなるかもしれないから、鈴を頼むよ。
後、金曜日の昼に真鍋先生と会う約束を取り付けた。
北海道S市に向かう往復の飛行機のチケットを手に入れてくれるか?」
「鈴の事は任せて下さい。
北海道には一泊ですか?
ホテルとかは…。」
「日帰りでいい!出費抑えたいからな。」
「はは、後払いですけどねー。
わかりました、手配しましょう。」
「後、今日は昨日より遅くなるから…鈴に菓子を食べさせておいてくれ。
待ってると悪いからな。」
「…ぷっ。わかりました。
まるで父親ですね。」
「まだ未婚で若いって!」
くそっ!笑いやがってー!
「梶…またね。」
鈴が金井と変わって電話に出た。
「鈴、頑張ってくるからな。」
「ん…ガンバ、ガンバ。」
「金井の言う事ちゃんと聞いておけよ。
じゃあな。」
初めはウザったかった鈴の存在が、今では俺に安らぎをくれてる。
チンクシャが可愛い…。
プッ。
電話を切って俺は、一旦マンションに戻って、夜の『ナンバーズ』との飲み会に備えて、少しの間昼寝をした。
「はい。
こちら『真鍋産科小児科クリニック』です。
御予約でしょうか?」
先程の女性ではない。男性の声だ。
「いえ…真鍋先生に取材を申し込みたいのですが…。」
「私が、院長の真鍋だ。
今朝、電話を掛けてきたのは君かね?」
「あ、はい。
フリーライターの梶 塔矢と言います。
初めして。」
「初めまして。
…で、私にライターさんが何を?」
「色々あるんです。
今、相楽教授のところにいた鈴と言う女の子を預かってます。
それと、先生が過去に天外博士の研究の協力をしていた頃の『ナンバーズ』について、お聞きしたいんです。」
「ん…。あなたは今どちらに?
北海道から離れていますよね。」
「ええ、南関東に…。」
「そちらに鈴がいるので、伺いたいのは山々なのですが、ちょうど出産ラッシュでしてね。
こちらから離れられないんですよ。」
「そんな!こちらから伺います!
お話し頂けるのなら、ご都合の良い日にそちらに伺います!」
「そうですか…では、今週末の金曜日で大丈夫ですか?」
「もちろんです!時間は?」
「昼休みにしましょう。
今くらいの時間に病院にいらして下さい。」
「はい!ありがとうございます。
宜しくお願い致します。」
「はは。体育会系なんですね。
では、金曜日に。」
カチャ。
よっしゃああ!
真鍋先生も相楽教授同様、上品な感じで優しそうな感じだ。
夜には『ナンバーズ』だった奴らから直に話しが聞けるし。
着実に進んでる!
俺は有頂天になった状態のままに、金井に電話を掛けた。
プッ。
「金井、今夜『ナンバーズ』の人間と話す約束してる。
遅くなるかもしれないから、鈴を頼むよ。
後、金曜日の昼に真鍋先生と会う約束を取り付けた。
北海道S市に向かう往復の飛行機のチケットを手に入れてくれるか?」
「鈴の事は任せて下さい。
北海道には一泊ですか?
ホテルとかは…。」
「日帰りでいい!出費抑えたいからな。」
「はは、後払いですけどねー。
わかりました、手配しましょう。」
「後、今日は昨日より遅くなるから…鈴に菓子を食べさせておいてくれ。
待ってると悪いからな。」
「…ぷっ。わかりました。
まるで父親ですね。」
「まだ未婚で若いって!」
くそっ!笑いやがってー!
「梶…またね。」
鈴が金井と変わって電話に出た。
「鈴、頑張ってくるからな。」
「ん…ガンバ、ガンバ。」
「金井の言う事ちゃんと聞いておけよ。
じゃあな。」
初めはウザったかった鈴の存在が、今では俺に安らぎをくれてる。
チンクシャが可愛い…。
プッ。
電話を切って俺は、一旦マンションに戻って、夜の『ナンバーズ』との飲み会に備えて、少しの間昼寝をした。
0
お気に入りに追加
43
あなたにおすすめの小説
ARIA(アリア)
残念パパいのっち
ミステリー
山内亮(やまうちとおる)は内見に出かけたアパートでAR越しに不思議な少女、西園寺雫(さいおんじしずく)と出会う。彼女は自分がAIでこのアパートに閉じ込められていると言うが……
ママと中学生の僕
キムラエス
大衆娯楽
「ママと僕」は、中学生編、高校生編、大学生編の3部作で、本編は中学生編になります。ママは子供の時に両親を事故で亡くしており、結婚後に夫を病気で失い、身内として残された僕に精神的に依存をするようになる。幼少期の「僕」はそのママの依存が嬉しく、素敵なママに甘える閉鎖的な生活を当たり前のことと考える。成長し、性に目覚め始めた中学生の「僕」は自分の性もママとの日常の中で処理すべきものと疑わず、ママも戸惑いながらもママに甘える「僕」に満足する。ママも僕もそうした行為が少なからず社会規範に反していることは理解しているが、ママとの甘美な繋がりは解消できずに戸惑いながらも続く「ママと中学生の僕」の営みを描いてみました。
消された過去と消えた宝石
志波 連
ミステリー
大富豪斎藤雅也のコレクション、ピンクダイヤモンドのペンダント『女神の涙』が消えた。
刑事伊藤大吉と藤田建造は、現場検証を行うが手掛かりは出てこなかった。
後妻の小夜子は、心臓病により車椅子生活となった当主をよく支え、二人の仲は良い。
宝石コレクションの隠し場所は使用人たちも知らず、知っているのは当主と妻の小夜子だけ。
しかし夫の体を慮った妻は、この一年一度も外出をしていない事は確認できている。
しかも事件当日の朝、日課だったコレクションの確認を行った雅也によって、宝石はあったと証言されている。
最後の確認から盗難までの間に人の出入りは無く、使用人たちも徹底的に調べられたが何も出てこない。
消えた宝石はどこに?
手掛かりを掴めないまま街を彷徨っていた伊藤刑事は、偶然立ち寄った画廊で衝撃的な事実を発見し、斬新な仮説を立てる。
他サイトにも掲載しています。
R15は保険です。
表紙は写真ACの作品を使用しています。
10u
朽縄咲良
ミステリー
【第6回ホラー・ミステリー小説大賞奨励賞受賞作品】
ある日、とある探偵事務所をひとりの男性が訪れる。
最近、妻を亡くしたというその男性は、彼女が死の直前に遺したというメッセージアプリの意味を解読してほしいと依頼する。
彼が開いたメッセージアプリのトーク欄には、『10u』という、たった三文字の奇妙なメッセージが送られていた。
果たして、そのメッセージには何か意味があるのか……?
*同内容を、『小説家になろう』『ノベルアッププラス』『ノベルデイズ』にも掲載しております。
天使の顔して悪魔は嗤う
ねこ沢ふたよ
ミステリー
表紙の子は赤野周作君。
一つ一つで、お話は別ですので、一つずつお楽しいただけます。
【都市伝説】
「田舎町の神社の片隅に打ち捨てられた人形が夜中に動く」
そんな都市伝説を調べに行こうと幼馴染の木根元子に誘われて調べに行きます。
【雪の日の魔物】
周作と優作の兄弟で、誘拐されてしまいますが、・・・どちらかと言えば、周作君が犯人ですね。
【歌う悪魔】
聖歌隊に参加した周作君が、ちょっとした事件に巻き込まれます。
【天国からの復讐】
死んだ友達の復讐
<折り紙から、中学生。友達今井目線>
【折り紙】
いじめられっ子が、周作君に相談してしまいます。復讐してしまいます。
【修学旅行1~3・4~10】
周作が、修学旅行に参加します。バスの車内から目撃したのは・・・。
3までで、小休止、4からまた新しい事件が。
※高一<松尾目線>
【授業参観1~9】
授業参観で見かけた保護者が殺害されます
【弁当】
松尾君のプライベートを赤野君が促されて推理するだけ。
【タイムカプセル1~7】
暗号を色々+事件。和歌、モールス、オペラ、絵画、様々な要素を取り入れた暗号
【クリスマスの暗号1~7】
赤野君がプレゼント交換用の暗号を作ります。クリスマスにちなんだ暗号です。
【神隠し】
同級生が行方不明に。 SNSや伝統的な手品のトリック
※高三<夏目目線>
【猫は暗号を運ぶ1~7】
猫の首輪の暗号から、事件解決
【猫を殺さば呪われると思え1~7】
暗号にCICADAとフリーメーソンを添えて♪
※都市伝説→天使の顔して悪魔は嗤う、タイトル変更
伏線回収の夏
影山姫子
ミステリー
ある年の夏。俺は15年ぶりにT県N市にある古い屋敷を訪れた。大学時代のクラスメイトだった岡滝利奈の招きだった。屋敷では不審な事件が頻発しているのだという。かつての同級生の事故死。密室から消えた犯人。アトリエにナイフで刻まれた無数のXの傷。利奈はそのなぞを、ミステリー作家であるこの俺に推理してほしいというのだ。俺、利奈、桐山優也、十文字省吾、新山亜沙美、須藤真利亜の6人は大学時代、この屋敷でともに芸術の創作に打ち込んだ仲間だった。6人の中に犯人はいるのか? 脳裏によみがえる青春時代の熱気、裏切り、そして別れ。懐かしくも苦い思い出をたどりながら事件の真相に近づく俺に、衝撃のラストが待ち受けていた。
《あなたはすべての伏線を回収することができますか?》

さんざめく左手 ― よろず屋・月翔 散冴 ―
流々(るる)
ミステリー
【この男の冷たい左手が胸騒ぎを呼び寄せる。アウトローなヒーロー、登場】
どんな依頼でもお受けします。それがあなたにとっての正義なら
企業が表向きには処理できない事案を引き受けるという「よろず屋」月翔 散冴(つきかけ さんざ)。ある依頼をきっかけに大きな渦へと巻き込まれていく。彼にとっての正義とは。
サスペンスあり、ハードボイルドあり、ミステリーありの痛快エンターテイメント!
※さんざめく:さざめく=胸騒ぎがする(精選版 日本国語大辞典より)、の音変化。
※この作品はフィクションです。実在の人物・団体とは関係ありません。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる