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ハードで楽しい深夜のお仕事
第12話
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僕と奈落はタワーマンション内の最上階に上がるエレベーターに飛び乗った。
ウィィン。
「槇さん…もしかして、事務所に寝泊まりしてるのかな?
家に帰る暇が無いとか…。」
「どうだろう。
週3くらいは家に顔出してるとは思うけど。
俺もそうだけど…、結構実家嫌いじゃないんだよなぁ。
居心地いいんだよなぁ。やっぱ。
生まれ育ったってのもあるけど、安心する誰かが必ずいる家って…落ち着くだろう。
槇ちゃんは仕事は出来る分、そういう心にゆとりのある時間も大事にするんだよな。
だから意外と忙しい時は余計に隙があれば実家に戻ってると思うんだ。
ほら、効率!
槇ちゃんって、やることなす事無駄が無くて効率良いだろ。
ストレスはなるべく貯めないようにしてるはずだよ。」
「そうなんだ…。
じゃあ、奈落は今回の僕との仕事は大変だね。
滅多に実家に帰れないんだよね。」
なんだか少し申し訳ない気分になった。
基本24時間監視なんて、精神的にはきっとキツいはずだよな。
1年つて制約があるにしろ、どこかで息抜きしないとメンタルやられそうだよ。
「ん…まあな。
けど…いっぱいいっぱいになったら、無理にでも爽に押し付けて帰るかも。
俺が精神不安定だったらお前のサポートなんてまともに出来ないだろう。
ま、今月は神楽の事もあるから帰らない方が身の為なんだけどさ。」
「そうか…サブサポーターは、そういう時の代理もするのか。
サポーターのメンタルケアも大事って事か。
ふむ…あらゆる事を前もって想定してるんだね。
話しを聞くだけで本当に凄いと思うよ。
プロ意識が高いよ。華京院って。」
「お!褒めてんの?嬉しい!
自慢じゃないけど、上の組織や人間がしっかりしてるから、こっちも安心して仕事に集中出来るんだよ。
華京院の強みってやつかな。」
確かに…導いてくれる人が、信頼出来る人なら安心して仕事に向かえるよな。
ん…華京院の話しって本当に飽きないし、知れば知るほど、もっと深く関わりたくなってしまう。
奈落や槇さん、爽さんそして…神楽さんの家…凄く興味が湧くよなぁ。
行ってみたいなぁ。
要塞みたいな家に、子供いっぱいの家。
騒がしくて…暖かい家。
ポン。
「着いたね。
降りよう。」
僕と奈落はエレベーターを降りて事務所の前まで歩いた。
この前は少年が吹っ飛ばされて驚いたけど、さすがに今日は無いから廊下も静まり返っていた。
ガチャ。
扉の鍵は槇さんの言う通りに開いていた。
「…失礼します…。槇さん…?」
僕は恐る恐るドアを開けて中を覗いた。
「有村君ー?中に入って!
今、ちょっと手が離せないから。」
事務所の奥から槇さんの声がした。
僕は槇さんの言う通りに、奈落と室内に入って行った。
「いや~ごめんごめん。
キッチンでガスコンロ使ってたからね。
まずは、朝食を食べよう。
糖分を頭に入れないと仕事の効率が下がるからね。」
紺色のエプロン姿の槇さんが、菜箸を左右に振りながら現れた。
「あ!あの、これ…母から。
今日はよろしくお願いします!」
「えっ、ありがとう。
こっちこそ、よろしくなのに。
気を遣わせて悪かったね。」
僕の差し出した菓子折りを受け取って、奥の方に消えて行った。
「ほら、有村行くぞ!
奥で槇ちゃんの手料理食うぞ!」
槇さんの手料理…!
想像しただけでも美味しそうに思えるから不思議だ。
ウィィン。
「槇さん…もしかして、事務所に寝泊まりしてるのかな?
家に帰る暇が無いとか…。」
「どうだろう。
週3くらいは家に顔出してるとは思うけど。
俺もそうだけど…、結構実家嫌いじゃないんだよなぁ。
居心地いいんだよなぁ。やっぱ。
生まれ育ったってのもあるけど、安心する誰かが必ずいる家って…落ち着くだろう。
槇ちゃんは仕事は出来る分、そういう心にゆとりのある時間も大事にするんだよな。
だから意外と忙しい時は余計に隙があれば実家に戻ってると思うんだ。
ほら、効率!
槇ちゃんって、やることなす事無駄が無くて効率良いだろ。
ストレスはなるべく貯めないようにしてるはずだよ。」
「そうなんだ…。
じゃあ、奈落は今回の僕との仕事は大変だね。
滅多に実家に帰れないんだよね。」
なんだか少し申し訳ない気分になった。
基本24時間監視なんて、精神的にはきっとキツいはずだよな。
1年つて制約があるにしろ、どこかで息抜きしないとメンタルやられそうだよ。
「ん…まあな。
けど…いっぱいいっぱいになったら、無理にでも爽に押し付けて帰るかも。
俺が精神不安定だったらお前のサポートなんてまともに出来ないだろう。
ま、今月は神楽の事もあるから帰らない方が身の為なんだけどさ。」
「そうか…サブサポーターは、そういう時の代理もするのか。
サポーターのメンタルケアも大事って事か。
ふむ…あらゆる事を前もって想定してるんだね。
話しを聞くだけで本当に凄いと思うよ。
プロ意識が高いよ。華京院って。」
「お!褒めてんの?嬉しい!
自慢じゃないけど、上の組織や人間がしっかりしてるから、こっちも安心して仕事に集中出来るんだよ。
華京院の強みってやつかな。」
確かに…導いてくれる人が、信頼出来る人なら安心して仕事に向かえるよな。
ん…華京院の話しって本当に飽きないし、知れば知るほど、もっと深く関わりたくなってしまう。
奈落や槇さん、爽さんそして…神楽さんの家…凄く興味が湧くよなぁ。
行ってみたいなぁ。
要塞みたいな家に、子供いっぱいの家。
騒がしくて…暖かい家。
ポン。
「着いたね。
降りよう。」
僕と奈落はエレベーターを降りて事務所の前まで歩いた。
この前は少年が吹っ飛ばされて驚いたけど、さすがに今日は無いから廊下も静まり返っていた。
ガチャ。
扉の鍵は槇さんの言う通りに開いていた。
「…失礼します…。槇さん…?」
僕は恐る恐るドアを開けて中を覗いた。
「有村君ー?中に入って!
今、ちょっと手が離せないから。」
事務所の奥から槇さんの声がした。
僕は槇さんの言う通りに、奈落と室内に入って行った。
「いや~ごめんごめん。
キッチンでガスコンロ使ってたからね。
まずは、朝食を食べよう。
糖分を頭に入れないと仕事の効率が下がるからね。」
紺色のエプロン姿の槇さんが、菜箸を左右に振りながら現れた。
「あ!あの、これ…母から。
今日はよろしくお願いします!」
「えっ、ありがとう。
こっちこそ、よろしくなのに。
気を遣わせて悪かったね。」
僕の差し出した菓子折りを受け取って、奥の方に消えて行った。
「ほら、有村行くぞ!
奥で槇ちゃんの手料理食うぞ!」
槇さんの手料理…!
想像しただけでも美味しそうに思えるから不思議だ。
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