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スパイ活動と保健室同盟(仮)
第3話
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何せ、あれだけ正義感のある人だし、薄々イジメについても知ってるようだ。
しかも、宮地にイジメをやめさせたがってる。
放課後、何とかして探してみようかな。
1年の早川…そうだ!
加納先生なら生徒を把握してるし、僕が聞いたところで不審がられないだろう。
部活動とかしていたら、その辺の情報も手に入れられる。
これで、樹さんの方と合わせれば、宮地だけでなく早川さんの情報も固まる…。
宮地に直接当たる事は出来ない分、こうやって傍から情報を集めなくては。
早川さんに至っては宮地の家庭環境をよく知ってるみたいだし。
中学時代の素行についても、かなりの情報を得られそうだ。
田中や安村の情報ももう少し、調べてみるか…基本彼等は宮地主導で動く…宮地がいない時はそれ程、必要に僕に関心を寄せない。
もしかすると…2人を宮地から遠ざけたり、引き剥がす方法があるかもしれない…ヒントでもいい…。
そして、宮地を孤立させられたら…せめて僕と宮地の立場は同じ1対1のイーブンになるかもしれない。
僕は授業そっちのけで放課後の事を考えながら、シャーペンをクルクル回した。
バシッ!
「ヒヤッ!」
頭上に軽い衝撃…。
恐る恐る顔を上げると、数学教師が丸めた教科書でポンポンと肩を叩いていた。
「先生の授業がつまらないか?
それとも、何か浮かれるような出来事でもあったのか?
テストの点数取れないなら、せめて学習態度で頑張って、成績上げてくれ。」
「はあ…すいませんでした。」
数学教師に怒られた僕を、田中と安村は指を指して笑っていた。
よもや、僕が自分達と宮地の間を引き剥がす公算を考えているなんて、思ってもいないのだろう。
僕はうつむき加減で、ショックを受けてるフリをしながら、再び思考を張り巡らしていた。
放課後、僕は一応保健室に向かった。
職員室で女子生徒の事を加納先生に聞くと、変な噂されたり変な目で見られたりする可能性があると思い、保健室に加納先生が居る事を願って扉を開けた。
ガラガラ。
「失礼します…。」
室内は閑散としていていた。
ふむ、やっぱりそう簡単に思い通りにはいかないか。
ガサッ。
ベッドから誰かが起き上がった。
あ…美少年!?
「マジで寝ちゃった。
保健室の割に寝心地良すぎるな…。」
小さい顔に大きな瞳、まつ毛バサバサ!
ストレートの艶やかな髪!
透き通るような白い肌…しかもかなりの幼顔!?
い、1年だよな…制服着てるし…見た事無いけど。
彼は、僕の存在など無いようにガン無視して前を通り過ぎた。
美少年だけど…冷たい感じ…。
「あ、あの君…。」
僕が声を掛けると、静かにこちらを振り向いた。
ゾワッ!
身体中に悪寒が走った。
今まで見た事ない、凍りつくような冷たい視線…。
孤独、憎悪、怨恨、妬み、…全ての負の感情の塊…。
僕は思わず、椅子に崩れるように座った。
そして…彼はそのまま、出て行ってしまった。
僕の膝はガクガクと震えていた。
何だ…今の…。
僕より細くて、強そうな人じゃないのに…あの空気感…異様過ぎる…!
「あ!足音…。」
少し、落ち着いてから気が付いた…彼もまた足音一つ立てずに、立ち去った。
あの幽霊と同じ…!?
昼休みに土屋先輩が言ってたのは彼の事…?
確かに、美少年だけど…土屋先輩は感じなかったのかな…この変な感じ…。
ガラガラ。
「おや、放課後まで保健室ですか?
まさか…同盟活動じゃないですよね。」
加納先生がゆっくりと入って来た。
「あ、あの…今出て行った生徒…。」
「えっ…誰ともすれ違ってないけど…。
誰かいたのかい?」
僕は更に恐ろしさを感じた。
なんなんだ…。
しかも、宮地にイジメをやめさせたがってる。
放課後、何とかして探してみようかな。
1年の早川…そうだ!
加納先生なら生徒を把握してるし、僕が聞いたところで不審がられないだろう。
部活動とかしていたら、その辺の情報も手に入れられる。
これで、樹さんの方と合わせれば、宮地だけでなく早川さんの情報も固まる…。
宮地に直接当たる事は出来ない分、こうやって傍から情報を集めなくては。
早川さんに至っては宮地の家庭環境をよく知ってるみたいだし。
中学時代の素行についても、かなりの情報を得られそうだ。
田中や安村の情報ももう少し、調べてみるか…基本彼等は宮地主導で動く…宮地がいない時はそれ程、必要に僕に関心を寄せない。
もしかすると…2人を宮地から遠ざけたり、引き剥がす方法があるかもしれない…ヒントでもいい…。
そして、宮地を孤立させられたら…せめて僕と宮地の立場は同じ1対1のイーブンになるかもしれない。
僕は授業そっちのけで放課後の事を考えながら、シャーペンをクルクル回した。
バシッ!
「ヒヤッ!」
頭上に軽い衝撃…。
恐る恐る顔を上げると、数学教師が丸めた教科書でポンポンと肩を叩いていた。
「先生の授業がつまらないか?
それとも、何か浮かれるような出来事でもあったのか?
テストの点数取れないなら、せめて学習態度で頑張って、成績上げてくれ。」
「はあ…すいませんでした。」
数学教師に怒られた僕を、田中と安村は指を指して笑っていた。
よもや、僕が自分達と宮地の間を引き剥がす公算を考えているなんて、思ってもいないのだろう。
僕はうつむき加減で、ショックを受けてるフリをしながら、再び思考を張り巡らしていた。
放課後、僕は一応保健室に向かった。
職員室で女子生徒の事を加納先生に聞くと、変な噂されたり変な目で見られたりする可能性があると思い、保健室に加納先生が居る事を願って扉を開けた。
ガラガラ。
「失礼します…。」
室内は閑散としていていた。
ふむ、やっぱりそう簡単に思い通りにはいかないか。
ガサッ。
ベッドから誰かが起き上がった。
あ…美少年!?
「マジで寝ちゃった。
保健室の割に寝心地良すぎるな…。」
小さい顔に大きな瞳、まつ毛バサバサ!
ストレートの艶やかな髪!
透き通るような白い肌…しかもかなりの幼顔!?
い、1年だよな…制服着てるし…見た事無いけど。
彼は、僕の存在など無いようにガン無視して前を通り過ぎた。
美少年だけど…冷たい感じ…。
「あ、あの君…。」
僕が声を掛けると、静かにこちらを振り向いた。
ゾワッ!
身体中に悪寒が走った。
今まで見た事ない、凍りつくような冷たい視線…。
孤独、憎悪、怨恨、妬み、…全ての負の感情の塊…。
僕は思わず、椅子に崩れるように座った。
そして…彼はそのまま、出て行ってしまった。
僕の膝はガクガクと震えていた。
何だ…今の…。
僕より細くて、強そうな人じゃないのに…あの空気感…異様過ぎる…!
「あ!足音…。」
少し、落ち着いてから気が付いた…彼もまた足音一つ立てずに、立ち去った。
あの幽霊と同じ…!?
昼休みに土屋先輩が言ってたのは彼の事…?
確かに、美少年だけど…土屋先輩は感じなかったのかな…この変な感じ…。
ガラガラ。
「おや、放課後まで保健室ですか?
まさか…同盟活動じゃないですよね。」
加納先生がゆっくりと入って来た。
「あ、あの…今出て行った生徒…。」
「えっ…誰ともすれ違ってないけど…。
誰かいたのかい?」
僕は更に恐ろしさを感じた。
なんなんだ…。
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