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情報とは最大の武器である
第8話
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僕は早速、槇さんにメッセージを送信する事にした。
折り紙を重ねて、色の参考にするようにして写真を添付する事にした。
「お疲れ様です。
赤、紫、藍色の系統の物あと、金糸銀糸の刺繍があるものは特に。
帯に重ねるだけで映えると思います。
一応色のサンプルにと折り紙写真を添付しました。
クリーニングってお金掛かりますよね。
反物だと高価ではないですか?」
送信。
ピロリン。
『ありがとう!選別してクリーニングするよ。
あ、クリーニングは俺がやるから大丈夫。
カットするから面積大きくないし、クリーニング経験あるから。
ま、多少毛羽立っても問題ないだろう。
もともとが酷いからな。
パッと見が大事だからな。
あと…長くなりそうだ。
電話かけても大丈夫かい?』
あ!メッセージ書く方が大変か。
『大丈夫です。』
送信。
ピピピピピピピピ。
すぐに電話の着信音が鳴った。
「はいっ!有村です。」
「ごめんごめん。
なるべくはメッセージで連絡取った方がいいのわかってるんだけど、長くなりそうだったから。
来月頭に間に合わせるには衣装も、急ピッチで仕上げないといけない。
で来週末土曜日に、事務所に来て貰いたい。
工業用ミシンがあるから、早急に衣装製作をしたいんだ。
ベースの衣装はそれまでに、豊田さんから全部預かって来る。
クリーニングも土曜日までには完成させておく。」
「あ、はい!喜んで。
朝からの方がいいですね。
時間も無いし。」
「そうなんだ…下手したら徹夜作業になるかもしれないけど。
もし、そうなったらお母さんには俺が説明するつもりなんだが、それでいいかな?」
「はい、大丈夫です。
よろしくお願いします。」
「朝、8時くらいからでも大丈夫かな?
何せ作業は俺と君の2人だけだ。
豊田さんが、午前中にデザインを詰めに来るから作成作業はその後すぐに取り掛かろう。
彼は外国人記者クラブと打ち合わせがあるからすぐに帰ってしまうんだ。
あっと、奈落に手伝わせるかどうかは君との間で話し合ってくれ。
何せ契約内容知らないんで、下手な事はさせられないし。」
「あ、はい。
こっちで話し合います。
じゃあ、土曜日にそちらに向かいます。」
「あ!一応、往復交通費も支払うし、給料払う契約書にサインをして貰いたいんだ。
出来れば印鑑持参で来てくれ。
ちゃんとした契約書を交わしておけば、ご両親も安心だろう。」
「あ、えっとはい。
あの、僕…母子家庭で父は幼い頃に亡くなってまして。」
「わ!ごめん。
知らなかったから。
悪気は無かったんだ。
でも、良いお母さんなんだろ。
有村君を見ればわかる。
それこそ、こっちもキチンと対応しないとね。」
「槇さん…。」
奈落はちゃんと、個人情報保護を守って母子家庭である事すら話して無かったんだ。
そして、槇さんもちゃんと、僕の親への対応を考えてくれてる。
今思う…なんて僕は幸せなんだ…。
仕事とは言え、彼等は僕の事を考えて行動してくれてるんだ。
樹さんが言った…尊敬出来る人と仕事するのが嬉しいって。
その通りだ。
僕はこの、槇さんとの仕事が好きなのか嫌いなのか…合ってるのか合ってないのかさえわからない。
だけど…この人と仕事がしたい。
この人と何かをやり遂げたい。
そんな気持ちがフツフツと湧いて来てる。
これが…仕事をする喜びなのかな…。
樹さんと同じ…きっとそうなんだ。
「じゃあ、土曜日の午前8時までに行きます。
電車で行くのは初めてだけど、スマホのアプリを使えば行けます。
新桜坂駅と若葉平駅の間くらいでしたよね。」
「そう。若葉台駅の方が近いよ。
地下通路に直結してるからそこから来るといい。
雨が降っても安心だ。」
「ありがとうございます!では、土曜日に。」
「ああ!腕まくりして待ってるよ!
じゃあね。」
ピッ。
電話を切ってしばらくスマホを見つめて、嬉しいため息をついた。
折り紙を重ねて、色の参考にするようにして写真を添付する事にした。
「お疲れ様です。
赤、紫、藍色の系統の物あと、金糸銀糸の刺繍があるものは特に。
帯に重ねるだけで映えると思います。
一応色のサンプルにと折り紙写真を添付しました。
クリーニングってお金掛かりますよね。
反物だと高価ではないですか?」
送信。
ピロリン。
『ありがとう!選別してクリーニングするよ。
あ、クリーニングは俺がやるから大丈夫。
カットするから面積大きくないし、クリーニング経験あるから。
ま、多少毛羽立っても問題ないだろう。
もともとが酷いからな。
パッと見が大事だからな。
あと…長くなりそうだ。
電話かけても大丈夫かい?』
あ!メッセージ書く方が大変か。
『大丈夫です。』
送信。
ピピピピピピピピ。
すぐに電話の着信音が鳴った。
「はいっ!有村です。」
「ごめんごめん。
なるべくはメッセージで連絡取った方がいいのわかってるんだけど、長くなりそうだったから。
来月頭に間に合わせるには衣装も、急ピッチで仕上げないといけない。
で来週末土曜日に、事務所に来て貰いたい。
工業用ミシンがあるから、早急に衣装製作をしたいんだ。
ベースの衣装はそれまでに、豊田さんから全部預かって来る。
クリーニングも土曜日までには完成させておく。」
「あ、はい!喜んで。
朝からの方がいいですね。
時間も無いし。」
「そうなんだ…下手したら徹夜作業になるかもしれないけど。
もし、そうなったらお母さんには俺が説明するつもりなんだが、それでいいかな?」
「はい、大丈夫です。
よろしくお願いします。」
「朝、8時くらいからでも大丈夫かな?
何せ作業は俺と君の2人だけだ。
豊田さんが、午前中にデザインを詰めに来るから作成作業はその後すぐに取り掛かろう。
彼は外国人記者クラブと打ち合わせがあるからすぐに帰ってしまうんだ。
あっと、奈落に手伝わせるかどうかは君との間で話し合ってくれ。
何せ契約内容知らないんで、下手な事はさせられないし。」
「あ、はい。
こっちで話し合います。
じゃあ、土曜日にそちらに向かいます。」
「あ!一応、往復交通費も支払うし、給料払う契約書にサインをして貰いたいんだ。
出来れば印鑑持参で来てくれ。
ちゃんとした契約書を交わしておけば、ご両親も安心だろう。」
「あ、えっとはい。
あの、僕…母子家庭で父は幼い頃に亡くなってまして。」
「わ!ごめん。
知らなかったから。
悪気は無かったんだ。
でも、良いお母さんなんだろ。
有村君を見ればわかる。
それこそ、こっちもキチンと対応しないとね。」
「槇さん…。」
奈落はちゃんと、個人情報保護を守って母子家庭である事すら話して無かったんだ。
そして、槇さんもちゃんと、僕の親への対応を考えてくれてる。
今思う…なんて僕は幸せなんだ…。
仕事とは言え、彼等は僕の事を考えて行動してくれてるんだ。
樹さんが言った…尊敬出来る人と仕事するのが嬉しいって。
その通りだ。
僕はこの、槇さんとの仕事が好きなのか嫌いなのか…合ってるのか合ってないのかさえわからない。
だけど…この人と仕事がしたい。
この人と何かをやり遂げたい。
そんな気持ちがフツフツと湧いて来てる。
これが…仕事をする喜びなのかな…。
樹さんと同じ…きっとそうなんだ。
「じゃあ、土曜日の午前8時までに行きます。
電車で行くのは初めてだけど、スマホのアプリを使えば行けます。
新桜坂駅と若葉平駅の間くらいでしたよね。」
「そう。若葉台駅の方が近いよ。
地下通路に直結してるからそこから来るといい。
雨が降っても安心だ。」
「ありがとうございます!では、土曜日に。」
「ああ!腕まくりして待ってるよ!
じゃあね。」
ピッ。
電話を切ってしばらくスマホを見つめて、嬉しいため息をついた。
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