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悩めるお金の使い方とサポーターとの関係

第11話

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 昼休みも3人で明日の事で盛り上がり、放課後まで気分良く過ごせた。
 奈落のお影もあって、宮地達は必要以上に近づいて来なかった。
 警戒してるようだ。

 これは、情報収集はゴールデン明け以降だな。
 今日1日は明日の事だけ考えよう。
 洋服…靴…そっか…靴は昨日買ったばっかだから、あれでいいかな?
 服装…放課後のお楽しみってどうするつもりなんだろう。

 教室で授業中もその事ばかり気になって仕方なかった。
 周りの生徒は相変わらず、僕を汚い物でも見るかのような視線で噂していたが、そんなの全然気にならない。
 ハエの方が気になるくらいだ。

 放課後。

ピロリン。

『一旦、帰宅して荷物置いたら、すぐに車で移動する。
 寄り道しないで帰れ。』
 
奈落のメッセージだ。

『OK!』
 
1度やってみたかった、キャラクターのスタンプを押してみた。

ピロリン。
『何これ?変なスタンプ(笑)。』
 
いやいや、奈落に言われたくないなぁ。

 僕は期待で胸を膨らませながら、速攻で教室をでた。
 下駄箱の靴は今日は、大丈夫だった。
 さすがに、連続だと先生にチクられるとでも考えたんだろう。
 駐輪場に走って、自転車に乗った。
 僕はこの時、意識が帰宅後の事に飛びすぎて、注意するのを忘れていた。
 周りの目を気にする事を怠っていた…。

 自転車をかっ飛ばし、アパートの駐輪場に自転車を置き、バッテリーを外した。
 カバンをアパートに投げ入れ、バッテリーを玄関に置いた。
「有村ー!」
 後ろから奈落の声が聞こえてきた。
 手を振る奈落の格好はやっぱり、制服からスーツに着替えてた。
 仕事だから仕方ないけど、明日もスーツにするのかな?

 部屋に鍵を掛けて、奈落の元へ駆け寄る。
「お待たせ。」
「向こうに、車待たせてるから行くぞ。」
 奈落に連れられるままに簡易駐車に行った。

「お初~~?えっ…と有村 恵君?」
 黒のワゴン車の中から手を振るサングラスの男の人。
「槇ちゃん。サングラスしてっと怖いって。
 挨拶くらい外せよ。」
 
 あ…槇ちゃんって確か、電話口で奈落のパンツをバラしてた…。
 
「おっと。ゴメンゴメン。
 初めまして。
 華京院 槇かきょういん まきです。
 奈落の2つ年上の従兄弟だよ~。」
「は、初めまして。有村 恵です。
 よ、よろしくお願いします。」
 
 サングラスを外した槇さんは、シャープな輪郭に高い鼻筋、まつげの長い切れ長の目、整った眉毛にストレートの黒いショートのヘアスタイル。
 よく見る女子ゲームの王子様のような顔立ちだった。
 奈落にも少し似てる雰囲気はあった。
 従兄弟だからだろうか。

「とにかく乗って。
ホテル近くだけど、数時間後には品物を倉庫にしまわなきゃならないから。」
「品物…?倉庫に…?ホテル…?」
「まーまー。とりあえず乗って!」
 
 僕は奈落に押し込まれるようにして、車に乗車した。
  運転は槇さんがするみたいだ。
 奈落は免許証無いのかな?
「有村ー!槇ちゃんは実はこの前までオーストラリアに行って最新のヤングカジュアルの取り引きをしてたんだ。
  …で、昨日バイヤー向けのミニファッションショーをホテルで行ってたんだ。
 つまり、ホテルには昨日のショーで使った品物が、まだクリーニング後の状態で残ってる。
 で、槇ちゃんに有村の写真を送って、着られそうな物を何点か用意してもらった。
 もちろん!有料販売だが、街中で探すよりいいだろ。
 早く済むし、最新のデザインだぜ!」
「さ…最新のデザイン!?はぁ…。」
「ショーで使った服は、正規の売り物には出せないし、その後は親族、家族内で販売が基本なんだけどね。
 安くても購入して貰えると、こちらも助かるんだよ。
 奈落から連絡来てこっちも喜んだんだから。」
「一石二鳥だろ!俺って天才!
 何着でもいいぞ!有村!格安販売だし。
 節約志向のお前向きな話だろ?」
「あ、うん。気兼ねなく選んでいいんだよね。」
「品物はいい。ブランドもソコソコの物だ。
 買って損は無いよん。」
  
 槇さんは物の言い方が優しい感じで、話しやすかった。
 奈落とは違うけど、打ち解けやすい、優しい感じが滲み出ていた。
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