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第1章「そんなやつ、俺が忘れさせてあげる」
ずっと、会いたかった 裕翔side
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あいつ、明らかに俺の事怖がってたよな…。
桜十葉はまだ不思議そうな顔をしているけれど、俺はその事にホッとする。
それと同時に、桜十葉が俺の知らない男と歩いてきたことに対して、今、すごく嫉妬している。
桜十葉に余裕のない男だと思われたくはないから、爽やかな顔をして嫉妬の嵐をどうにかして乗り切る。
でも俺の口はそんな好都合に動いてはくれなかった。
「あいつに呼ばれてんの?"おとちゃん"って。
その呼び方なんかキモイね。悪い子にはおしおきが必要だよね?ほら、俺ん家に行こ」
澄ました顔をしているけど、本当は焦りでいっぱいだ。余裕なんてないし、他の男に取られるかもしれないという焦燥感が俺の心を充満する。
そう言って俺は桜十葉の手を掴んで、その小さな手を包み込む。桜十葉を見ると、凄く顔を真っ赤にさせていてとても可愛い。
「お、お仕置……?私、なんか悪いことしたかなぁ?」
おどおどとしている姿が可愛すぎる。桜十葉の一つひとつの動作が全部可愛いとか思う俺、結構重症なのかもしれない。
「そーだよ。甘~いお仕置、ね?それよりさ、なんであの男と歩いてたの?てかあいつ誰?」
こんな事だけで焦る俺はもう本当に桜十葉の事が好きなのかもしれない。
「あ、あのね!今日お友達になってくれた柊 真陽くん!」
「俺の事はさん付けなのにそいつのことはくん付なんだ?そんなやつ、俺が忘れさせてやるよ」
そう言って俺は、人前も関係なく桜十葉の唇に触れるだけのキスをする。それだけでは満足出来なくて、大人の方の深いキス。
「んっ……、んぁ……」
桜十葉の口から漏れる甘い声に俺の理性が掻き立てられる。その甘い声、無意識なのか?
だとしたらそーとーやべぇよな。
さっきから人の視線がやばいくらいに集まっているのは分かっているけれど、この条聖学院とやらの生徒たちに桜十葉は俺のだと見せつける。
「んっ、……も、げんかい……」
桜十葉は腰が抜けてしまったのか俺の胸に倒れ込んできた。
「続きは俺の家でしよっか?ほら抱っこしてあげるから」
「む、……おんぶ!」
抱っこ、嫌だったかな。でもそんなことで不貞腐れる桜十葉、可愛い。
「はいはい。しっかり掴まっててね」
持ち上げた体は予想以上に軽かった。桜十葉はスタイルいいもんなぁ。桜十葉はきっと、自分がモテていることに気づいていない。
さっきだって色んな男が桜十葉のこと、顔を赤くして見つめていた。
それに桜十葉が男と2人で歩いてくるもんだからもう俺の心の中は嫉妬の嵐だった。
桜十葉は気持ちよさそうに俺の肩に顔を埋めた。
「裕翔、……くん」
恥ずかしそうに言った桜十葉の可愛い声。でもその後に続いた言葉に思考が停止する。
「なーに?」
なるべく、冷静になるんだ…。テンパったりしたらかっこ悪い。
「ううん、呼んでみただけだよ」
そう言ってもう一度顔を埋めた桜十葉の顔は恐らく真っ赤っかだろう。俺の事、頑張ってくん付けで読んでくれたんだ…。
そんなことを思うと変な気持ちになってしまうからやめて欲しい。
目線の先に俺の家が見えたので、俺の足は無意識のうちに早足になる。
そして家に着いた時にはもう、理性が壊れそうだった。ガチャリと鍵を開けて、俺は桜十葉をおんぶしたまま家の中に入ってベッドのある部屋へと向かう。
「ひ、裕翔くん?もう、下ろしていいよ…?」
「だーめ」
もう一度名前を呼ばれた時にはもう、俺の理性なんてものは虚しく崩れ去った。
桜十葉をベッドに押し倒して、強引に唇を奪う。甘い声が寝室に響く。
あー、やば……。頭くらくらする。
俺は何度も角度を変えて桜十葉に口付けをする。
もう、そこに俺の理性なんてものは存在しなくて、桜十葉の制服のボタンを外していた。
✩.*˚side end✩.*˚
桜十葉はまだ不思議そうな顔をしているけれど、俺はその事にホッとする。
それと同時に、桜十葉が俺の知らない男と歩いてきたことに対して、今、すごく嫉妬している。
桜十葉に余裕のない男だと思われたくはないから、爽やかな顔をして嫉妬の嵐をどうにかして乗り切る。
でも俺の口はそんな好都合に動いてはくれなかった。
「あいつに呼ばれてんの?"おとちゃん"って。
その呼び方なんかキモイね。悪い子にはおしおきが必要だよね?ほら、俺ん家に行こ」
澄ました顔をしているけど、本当は焦りでいっぱいだ。余裕なんてないし、他の男に取られるかもしれないという焦燥感が俺の心を充満する。
そう言って俺は桜十葉の手を掴んで、その小さな手を包み込む。桜十葉を見ると、凄く顔を真っ赤にさせていてとても可愛い。
「お、お仕置……?私、なんか悪いことしたかなぁ?」
おどおどとしている姿が可愛すぎる。桜十葉の一つひとつの動作が全部可愛いとか思う俺、結構重症なのかもしれない。
「そーだよ。甘~いお仕置、ね?それよりさ、なんであの男と歩いてたの?てかあいつ誰?」
こんな事だけで焦る俺はもう本当に桜十葉の事が好きなのかもしれない。
「あ、あのね!今日お友達になってくれた柊 真陽くん!」
「俺の事はさん付けなのにそいつのことはくん付なんだ?そんなやつ、俺が忘れさせてやるよ」
そう言って俺は、人前も関係なく桜十葉の唇に触れるだけのキスをする。それだけでは満足出来なくて、大人の方の深いキス。
「んっ……、んぁ……」
桜十葉の口から漏れる甘い声に俺の理性が掻き立てられる。その甘い声、無意識なのか?
だとしたらそーとーやべぇよな。
さっきから人の視線がやばいくらいに集まっているのは分かっているけれど、この条聖学院とやらの生徒たちに桜十葉は俺のだと見せつける。
「んっ、……も、げんかい……」
桜十葉は腰が抜けてしまったのか俺の胸に倒れ込んできた。
「続きは俺の家でしよっか?ほら抱っこしてあげるから」
「む、……おんぶ!」
抱っこ、嫌だったかな。でもそんなことで不貞腐れる桜十葉、可愛い。
「はいはい。しっかり掴まっててね」
持ち上げた体は予想以上に軽かった。桜十葉はスタイルいいもんなぁ。桜十葉はきっと、自分がモテていることに気づいていない。
さっきだって色んな男が桜十葉のこと、顔を赤くして見つめていた。
それに桜十葉が男と2人で歩いてくるもんだからもう俺の心の中は嫉妬の嵐だった。
桜十葉は気持ちよさそうに俺の肩に顔を埋めた。
「裕翔、……くん」
恥ずかしそうに言った桜十葉の可愛い声。でもその後に続いた言葉に思考が停止する。
「なーに?」
なるべく、冷静になるんだ…。テンパったりしたらかっこ悪い。
「ううん、呼んでみただけだよ」
そう言ってもう一度顔を埋めた桜十葉の顔は恐らく真っ赤っかだろう。俺の事、頑張ってくん付けで読んでくれたんだ…。
そんなことを思うと変な気持ちになってしまうからやめて欲しい。
目線の先に俺の家が見えたので、俺の足は無意識のうちに早足になる。
そして家に着いた時にはもう、理性が壊れそうだった。ガチャリと鍵を開けて、俺は桜十葉をおんぶしたまま家の中に入ってベッドのある部屋へと向かう。
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「だーめ」
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あー、やば……。頭くらくらする。
俺は何度も角度を変えて桜十葉に口付けをする。
もう、そこに俺の理性なんてものは存在しなくて、桜十葉の制服のボタンを外していた。
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