3 / 30
第1章「そんなやつ、俺が忘れさせてあげる」
ずっと、会いたかった 裕翔side
しおりを挟む
あいつ、明らかに俺の事怖がってたよな…。
桜十葉はまだ不思議そうな顔をしているけれど、俺はその事にホッとする。
それと同時に、桜十葉が俺の知らない男と歩いてきたことに対して、今、すごく嫉妬している。
桜十葉に余裕のない男だと思われたくはないから、爽やかな顔をして嫉妬の嵐をどうにかして乗り切る。
でも俺の口はそんな好都合に動いてはくれなかった。
「あいつに呼ばれてんの?"おとちゃん"って。
その呼び方なんかキモイね。悪い子にはおしおきが必要だよね?ほら、俺ん家に行こ」
澄ました顔をしているけど、本当は焦りでいっぱいだ。余裕なんてないし、他の男に取られるかもしれないという焦燥感が俺の心を充満する。
そう言って俺は桜十葉の手を掴んで、その小さな手を包み込む。桜十葉を見ると、凄く顔を真っ赤にさせていてとても可愛い。
「お、お仕置……?私、なんか悪いことしたかなぁ?」
おどおどとしている姿が可愛すぎる。桜十葉の一つひとつの動作が全部可愛いとか思う俺、結構重症なのかもしれない。
「そーだよ。甘~いお仕置、ね?それよりさ、なんであの男と歩いてたの?てかあいつ誰?」
こんな事だけで焦る俺はもう本当に桜十葉の事が好きなのかもしれない。
「あ、あのね!今日お友達になってくれた柊 真陽くん!」
「俺の事はさん付けなのにそいつのことはくん付なんだ?そんなやつ、俺が忘れさせてやるよ」
そう言って俺は、人前も関係なく桜十葉の唇に触れるだけのキスをする。それだけでは満足出来なくて、大人の方の深いキス。
「んっ……、んぁ……」
桜十葉の口から漏れる甘い声に俺の理性が掻き立てられる。その甘い声、無意識なのか?
だとしたらそーとーやべぇよな。
さっきから人の視線がやばいくらいに集まっているのは分かっているけれど、この条聖学院とやらの生徒たちに桜十葉は俺のだと見せつける。
「んっ、……も、げんかい……」
桜十葉は腰が抜けてしまったのか俺の胸に倒れ込んできた。
「続きは俺の家でしよっか?ほら抱っこしてあげるから」
「む、……おんぶ!」
抱っこ、嫌だったかな。でもそんなことで不貞腐れる桜十葉、可愛い。
「はいはい。しっかり掴まっててね」
持ち上げた体は予想以上に軽かった。桜十葉はスタイルいいもんなぁ。桜十葉はきっと、自分がモテていることに気づいていない。
さっきだって色んな男が桜十葉のこと、顔を赤くして見つめていた。
それに桜十葉が男と2人で歩いてくるもんだからもう俺の心の中は嫉妬の嵐だった。
桜十葉は気持ちよさそうに俺の肩に顔を埋めた。
「裕翔、……くん」
恥ずかしそうに言った桜十葉の可愛い声。でもその後に続いた言葉に思考が停止する。
「なーに?」
なるべく、冷静になるんだ…。テンパったりしたらかっこ悪い。
「ううん、呼んでみただけだよ」
そう言ってもう一度顔を埋めた桜十葉の顔は恐らく真っ赤っかだろう。俺の事、頑張ってくん付けで読んでくれたんだ…。
そんなことを思うと変な気持ちになってしまうからやめて欲しい。
目線の先に俺の家が見えたので、俺の足は無意識のうちに早足になる。
そして家に着いた時にはもう、理性が壊れそうだった。ガチャリと鍵を開けて、俺は桜十葉をおんぶしたまま家の中に入ってベッドのある部屋へと向かう。
「ひ、裕翔くん?もう、下ろしていいよ…?」
「だーめ」
もう一度名前を呼ばれた時にはもう、俺の理性なんてものは虚しく崩れ去った。
桜十葉をベッドに押し倒して、強引に唇を奪う。甘い声が寝室に響く。
あー、やば……。頭くらくらする。
俺は何度も角度を変えて桜十葉に口付けをする。
もう、そこに俺の理性なんてものは存在しなくて、桜十葉の制服のボタンを外していた。
✩.*˚side end✩.*˚
桜十葉はまだ不思議そうな顔をしているけれど、俺はその事にホッとする。
それと同時に、桜十葉が俺の知らない男と歩いてきたことに対して、今、すごく嫉妬している。
桜十葉に余裕のない男だと思われたくはないから、爽やかな顔をして嫉妬の嵐をどうにかして乗り切る。
でも俺の口はそんな好都合に動いてはくれなかった。
「あいつに呼ばれてんの?"おとちゃん"って。
その呼び方なんかキモイね。悪い子にはおしおきが必要だよね?ほら、俺ん家に行こ」
澄ました顔をしているけど、本当は焦りでいっぱいだ。余裕なんてないし、他の男に取られるかもしれないという焦燥感が俺の心を充満する。
そう言って俺は桜十葉の手を掴んで、その小さな手を包み込む。桜十葉を見ると、凄く顔を真っ赤にさせていてとても可愛い。
「お、お仕置……?私、なんか悪いことしたかなぁ?」
おどおどとしている姿が可愛すぎる。桜十葉の一つひとつの動作が全部可愛いとか思う俺、結構重症なのかもしれない。
「そーだよ。甘~いお仕置、ね?それよりさ、なんであの男と歩いてたの?てかあいつ誰?」
こんな事だけで焦る俺はもう本当に桜十葉の事が好きなのかもしれない。
「あ、あのね!今日お友達になってくれた柊 真陽くん!」
「俺の事はさん付けなのにそいつのことはくん付なんだ?そんなやつ、俺が忘れさせてやるよ」
そう言って俺は、人前も関係なく桜十葉の唇に触れるだけのキスをする。それだけでは満足出来なくて、大人の方の深いキス。
「んっ……、んぁ……」
桜十葉の口から漏れる甘い声に俺の理性が掻き立てられる。その甘い声、無意識なのか?
だとしたらそーとーやべぇよな。
さっきから人の視線がやばいくらいに集まっているのは分かっているけれど、この条聖学院とやらの生徒たちに桜十葉は俺のだと見せつける。
「んっ、……も、げんかい……」
桜十葉は腰が抜けてしまったのか俺の胸に倒れ込んできた。
「続きは俺の家でしよっか?ほら抱っこしてあげるから」
「む、……おんぶ!」
抱っこ、嫌だったかな。でもそんなことで不貞腐れる桜十葉、可愛い。
「はいはい。しっかり掴まっててね」
持ち上げた体は予想以上に軽かった。桜十葉はスタイルいいもんなぁ。桜十葉はきっと、自分がモテていることに気づいていない。
さっきだって色んな男が桜十葉のこと、顔を赤くして見つめていた。
それに桜十葉が男と2人で歩いてくるもんだからもう俺の心の中は嫉妬の嵐だった。
桜十葉は気持ちよさそうに俺の肩に顔を埋めた。
「裕翔、……くん」
恥ずかしそうに言った桜十葉の可愛い声。でもその後に続いた言葉に思考が停止する。
「なーに?」
なるべく、冷静になるんだ…。テンパったりしたらかっこ悪い。
「ううん、呼んでみただけだよ」
そう言ってもう一度顔を埋めた桜十葉の顔は恐らく真っ赤っかだろう。俺の事、頑張ってくん付けで読んでくれたんだ…。
そんなことを思うと変な気持ちになってしまうからやめて欲しい。
目線の先に俺の家が見えたので、俺の足は無意識のうちに早足になる。
そして家に着いた時にはもう、理性が壊れそうだった。ガチャリと鍵を開けて、俺は桜十葉をおんぶしたまま家の中に入ってベッドのある部屋へと向かう。
「ひ、裕翔くん?もう、下ろしていいよ…?」
「だーめ」
もう一度名前を呼ばれた時にはもう、俺の理性なんてものは虚しく崩れ去った。
桜十葉をベッドに押し倒して、強引に唇を奪う。甘い声が寝室に響く。
あー、やば……。頭くらくらする。
俺は何度も角度を変えて桜十葉に口付けをする。
もう、そこに俺の理性なんてものは存在しなくて、桜十葉の制服のボタンを外していた。
✩.*˚side end✩.*˚
10
お気に入りに追加
196
あなたにおすすめの小説

美しい公爵様の、凄まじい独占欲と溺れるほどの愛
らがまふぃん
恋愛
こちらは以前投稿いたしました、 美しく残酷な公爵令息様の、一途で不器用な愛 の続編となっております。前作よりマイルドな作品に仕上がっておりますが、内面のダークさが前作よりはあるのではなかろうかと。こちらのみでも楽しめるとは思いますが、わかりづらいかもしれません。よろしかったら前作をお読みいただいた方が、より楽しんでいただけるかと思いますので、お時間の都合のつく方は、是非。時々予告なく残酷な表現が入りますので、苦手な方はお控えください。 *早速のお気に入り登録、しおり、エールをありがとうございます。とても励みになります。前作もお読みくださっている方々にも、多大なる感謝を! ※R5.7/23本編完結いたしました。たくさんの方々に支えられ、ここまで続けることが出来ました。本当にありがとうございます。ばんがいへんを数話投稿いたしますので、引き続きお付き合いくださるとありがたいです。この作品の前作が、お気に入り登録をしてくださった方が、ありがたいことに200を超えておりました。感謝を込めて、前作の方に一話、近日中にお届けいたします。よろしかったらお付き合いください。 ※R5.8/6ばんがいへん終了いたしました。長い間お付き合いくださり、また、たくさんのお気に入り登録、しおり、エールを、本当にありがとうございました。 ※R5.9/3お気に入り登録200になっていました。本当にありがとうございます(泣)。嬉しかったので、一話書いてみました。 ※R5.10/30らがまふぃん活動一周年記念として、一話お届けいたします。 ※R6.1/27美しく残酷な公爵令息様の、一途で不器用な愛(前作) と、こちらの作品の間のお話し 美しく冷酷な公爵令息様の、狂おしい熱情に彩られた愛 始めました。お時間の都合のつく方は、是非ご一読くださると嬉しいです。※R6.5/18お気に入り登録300超に感謝!一話書いてみましたので是非是非!
*らがまふぃん活動二周年記念として、R6.11/4に一話お届けいたします。少しでも楽しんでいただけますように。 ※R7.2/22お気に入り登録500を超えておりましたことに感謝を込めて、一話お届けいたします。本当にありがとうございます。

「君の為の時間は取れない」と告げた旦那様の意図を私はちゃんと理解しています。
あおくん
恋愛
憧れの人であった旦那様は初夜が終わったあと私にこう告げた。
「君の為の時間は取れない」と。
それでも私は幸せだった。だから、旦那様を支えられるような妻になりたいと願った。
そして騎士団長でもある旦那様は次の日から家を空け、旦那様と入れ違いにやって来たのは旦那様の母親と見知らぬ女性。
旦那様の告げた「君の為の時間は取れない」という言葉はお二人には別の意味で伝わったようだ。
あなたは愛されていない。愛してもらうためには必要なことだと過度な労働を強いた結果、過労で倒れた私は記憶喪失になる。
そして帰ってきた旦那様は、全てを忘れていた私に困惑する。
※35〜37話くらいで終わります。

【完結】殿下、自由にさせていただきます。
なか
恋愛
「出て行ってくれリルレット。王宮に君が住む必要はなくなった」
その言葉と同時に私の五年間に及ぶ初恋は終わりを告げた。
アルフレッド殿下の妃候補として選ばれ、心の底から喜んでいた私はもういない。
髪を綺麗だと言ってくれた口からは、私を貶める言葉しか出てこない。
見惚れてしまう程の笑みは、もう見せてもくれない。
私………貴方に嫌われた理由が分からないよ。
初夜を私一人だけにしたあの日から、貴方はどうして変わってしまったの?
恋心は砕かれた私は死さえ考えたが、過去に見知らぬ男性から渡された本をきっかけに騎士を目指す。
しかし、正騎士団は女人禁制。
故に私は男性と性別を偽って生きていく事を決めたのに……。
晴れて騎士となった私を待っていたのは、全てを見抜いて笑う副団長であった。
身分を明かせない私は、全てを知っている彼と秘密の恋をする事になる。
そして、騎士として王宮内で起きた変死事件やアルフレッドの奇行に大きく関わり、やがて王宮に蔓延る謎と対峙する。
これは、私の初恋が終わり。
僕として新たな人生を歩みだした話。

お飾り王妃の死後~王の後悔~
ましゅぺちーの
恋愛
ウィルベルト王国の王レオンと王妃フランチェスカは白い結婚である。
王が愛するのは愛妾であるフレイアただ一人。
ウィルベルト王国では周知の事実だった。
しかしある日王妃フランチェスカが自ら命を絶ってしまう。
最後に王宛てに残された手紙を読み王は後悔に苛まれる。
小説家になろう様にも投稿しています。
子持ちの私は、夫に駆け落ちされました
月山 歩
恋愛
産まれたばかりの赤子を抱いた私は、砦に働きに行ったきり、帰って来ない夫を心配して、鍛錬場を訪れた。すると、夫の上司は夫が仕事中に駆け落ちしていなくなったことを教えてくれた。食べる物がなく、フラフラだった私は、その場で意識を失った。赤子を抱いた私を気の毒に思った公爵家でお世話になることに。
勘違い妻は騎士隊長に愛される。
更紗
恋愛
政略結婚後、退屈な毎日を送っていたレオノーラの前に現れた、旦那様の元カノ。
ああ なるほど、身分違いの恋で引き裂かれたから別れてくれと。よっしゃそんなら離婚して人生軌道修正いたしましょう!とばかりに勢い込んで旦那様に離縁を勧めてみたところ――
あれ?何か怒ってる?
私が一体何をした…っ!?なお話。
有り難い事に書籍化の運びとなりました。これもひとえに読んで下さった方々のお蔭です。本当に有難うございます。
※本編完結後、脇役キャラの外伝を連載しています。本編自体は終わっているので、その都度完結表示になっております。ご了承下さい。


【完結】仰る通り、貴方の子ではありません
ユユ
恋愛
辛い悪阻と難産を経て産まれたのは
私に似た待望の男児だった。
なのに認められず、
不貞の濡れ衣を着せられ、
追い出されてしまった。
実家からも勘当され
息子と2人で生きていくことにした。
* 作り話です
* 暇つぶしにどうぞ
* 4万文字未満
* 完結保証付き
* 少し大人表現あり
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる