総長様は可愛い姫を死ぬほど甘く溺愛したい。

別に、君じゃなくても良かった。

このどうしようもない寂しさを埋めてくれるのなら、別に誰だって良かった。

幸せをくれる人なら、誰だって好きになれた。

でも、俺の世界に、そんないい人はいなかった───。

汚い欲望と利益に溺れて、どうにかなってしまいそうだった。

でも、君だけは、君の住む世界だけはいつも温かくて、優しかった。俺もそこに一緒に連れて行ってほしかった。純粋な君を俺でいっぱいに染めたくて、俺だけを見てほしくて。

いつからだろう。君の隣に居られるだけですごく特別だったのは。すごく幸せな気持ちになれたのは。

君じゃなくても良かった、という戯言は、姿形なく消えてしまったんだ。

俺は、君じゃないとだめだった。

君以外は、泣きたくなるくらいにどうでもよかった。

俺の冷えきった心を温かく包み込んでくれる君が、この世界にたった1人しかいないってことに気づけたこと。

それだけで、俺の世界の色は、180度変わってしまったんだ。


他に好きな人が出来た、という理由で突然彼氏から別れを告げられた私。

雨の中、一人で泣いていた私の前に嵐のように突然現れて

「俺ん家、くる?」

なんでもない顔をして、そう言った大人の男の人。彼の瞳の色は、声を失ってしまうほどに冷え切っていて。

「そんなやつ、俺が忘れさせてあげる」

でも、とても優しくて。

「早く泣き止まないとキスするよ」

なんだかとても危険で

「やっと、抱ける」

とても甘々で

「桜十葉に手ぇ出したら俺がぶっ殺す…」

でもそんな彼は日本一最強のヤクザの息子だと知って

「俺のこと、……怖くなった?」

日本一最強の暴走族の総長様だと知って

「俺は桜十葉の隣にいないと、幸せ感じられないの」

私を甘く翻弄する彼に胸が苦しくなって、いつの間にか恋に落ちていました。

でもそんな彼と私には歪みすぎた過去があって…?



どこか危険で甘々な年上男子
    坂口裕翔

  -Sakaguchi Hiroto-
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      ×

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*あらすじ*

冬。私は大好きだった彼氏に振られた。雨の中、公園で1人泣いていた私に声をかけたのは、この世のものとは思えないほど綺麗な顔をした、かっこいい大人の人。出会ったときから甘々な年上男子に、甘く激しく翻弄されて。でもそんな彼には、何か隠し事があるようで──?
2人の恋を阻む、歪みすぎた裏の世界。そして裕翔が昔、犯してしまった罪とは───?これは、過去と現実を行き来する、切なくも甘い究極のラブストーリー!!
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