底辺ハンターのリベンジダンジョン!~モンスターに全てを奪われたので、雑魚の俺が最強の役職『覚醒者』を駆使して復讐しようと思います~

近度 有無

文字の大きさ
上 下
62 / 63

最終話 復讐『完』

しおりを挟む
愛人あいと、ありがとな。お前のお陰だ」
「くそっ! あの一瞬で移動してきたのか⁉」

 俺は、無防備の魔王の正面に回り込んだ。
 その時、聞きなれた通知音が聞こえてきた。

 ―ピコンッ!


 ~~~~~~

 職業が解放されました。

 職業 『復讐者リベンジャー


 ~~~~~~


「これで終わりだァァァ!!!」

『俺のため』に、そして、『みんなの平和な生活』のために、俺はこいつにリベンジをする!

「フィニッシュスキル 【復讐リアベンジ!!!】」

 ―ドゴゴゴゴゴ!!!

「ぐわぁぁぁァァァ!!!」

 俺は、魔王の腹に拳を思いっきり突きつける。
 そして、そのまま力を込め続ける。

 ―ドゴゴゴゴゴ!!!

 あの日から、苦しいことや辛いことがたくさんあった。
 しかし、復讐のためにここまで頑張ることができた。
 だから、絶対にこいつを倒す!

「『復讐リベンジ』だァァァ!!!!!!」
「あああぁァァァァァァ!!!!!!」

 ―ドガァァァァァァン!!!

「……」
「……」

 しばらくの間、沈黙の時間が流れる。

「はぁ、はぁ、終わった……」

 ―バタンッ!

 俺は、力が尽きて、その場に倒れ込んでしまった。
 そして、これまで溜まっていた感情が一気に溢れ出る。

「よっしゃぁぁぁ!!!」

 俺は、大きな声で勝利の喜びを声に出した。

しん、おめでとー!!!」
しんくん、おめでとう!」
「二人のお陰だ、ありがとう」

 優羽ゆう愛人あいとが俺の元にやってきて、勝利を祝福してくれた。
 そして、俺も助けてくれてた二人に感謝の言葉をを告げる。

「これで、全てが終わったんだな……」
「そうだね」

 俺たちは、しばらくの間、ダンジョン内でこれまでのことを振り返ったり、これからのことを語り合った。
 魔王を倒したことによって、全てのモンスターが消えるので、ハンターという職業は必要なくなってしまうだろう。
 そして、俺たちにも普通の学校生活が始まる。
 ハンターとして活動していた時は、優羽ゆうと恋に発展するようなことは起こらなかった。
 学校では、もっと距離を縮めたいと思う。

 ―ガダンッ!

「ん? 何の音だ?」
「これは、嫌な予感がする……」

 話をしていると、何処からか大きな音が聞こえてきた。
 この音は、以前に聞いたことがあった。

 ―ガダダダダ!!!

「だ、ダンジョンが崩壊し始めた⁉」

 急にダンジョンの天井から岩が次々に落ちてきた。
 魔王を倒したことによって、ダンジョンの形の維持ができなくなったのだろう。

「またこうなるのかよ!」
「こうなるなら、早く出ておけばよかったー!」
「ひとまず、急いでダンジョンから出よう!」

 そうして、俺たちは出口に向かって全力で走っていく。
 俺は、超覚醒しているため、前回とは違って、置いていかれることなく走れている。

「んー、何か忘れているような……」

 ―ピコンッ!

「あっ!」
しん、どうしたの?」
「ごめん、やばいか……」

 ―バタンッ!


 ~~~~~~

 制限時間 残り00:00:00

 制限時間が0になりました。
 貴方は『記憶』を失います。

 ~~~~~~


しん! 大丈夫⁉」
しんくん⁉ 優羽ゆうちゃん、ひとまずしんくんを連れて出よう」

 俺は、通知音が聞こえたと共に、忘れていた大事なことを思い出した。
 そして、二人に話す暇もなく、倒れてしまった。
 微かな意識の中で、愛人あいとに担がれていることが分かった。

「これで、平和に……」

 俺は、すぐに意識を失ってしまった。
 しかし、『復讐』をすることができ、『平和』を手に入れることができた。
 俺はとても満足している。
 これで、慌ただしい日々も終わりを迎え、ゆっくりと眠りにつけそうだ。

 とても満足しているが、ただ一つだけ、心残りがある。

「青春がしたかった」
しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

日本列島、時震により転移す!

黄昏人
ファンタジー
2023年(現在)、日本列島が後に時震と呼ばれる現象により、500年以上の時を超え1492年(過去)の世界に転移した。移転したのは本州、四国、九州とその周辺の島々であり、現在の日本は過去の時代に飛ばされ、過去の日本は現在の世界に飛ばされた。飛ばされた現在の日本はその文明を支え、国民を食わせるためには早急に莫大な資源と食料が必要である。過去の日本は現在の世界を意識できないが、取り残された北海道と沖縄は国富の大部分を失い、戦国日本を抱え途方にくれる。人々は、政府は何を思いどうふるまうのか。

『おっさんの元勇者』~Sランクの冒険者はギルドから戦力外通告を言い渡される~

川嶋マサヒロ
ファンタジー
 ダンジョン攻略のために作られた冒険者の街、サン・サヴァン。  かつて勇者とも呼ばれたベテラン冒険者のベルナールは、ある日ギルドマスターから戦力外通告を言い渡される。  それはギルド上層部による改革――、方針転換であった。  現役のまま一生を終えようとしていた一人の男は途方にくれる。  引退後の予定は無し。備えて金を貯めていた訳でも無し。  あげく冒険者のヘルプとして、弟子を手伝いスライム退治や、食肉業者の狩りの手伝いなどに精をだしていた。  そして、昔の仲間との再会――。それは新たな戦いへの幕開けだった。 イラストは ジュエルセイバーFREE 様です。 URL:http://www.jewel-s.jp/

『希望の実』拾い食いから始まる逆転ダンジョン生活!(改訂版)

IXA
ファンタジー
凡そ三十年前、この世界は一変した。 世界各地に次々と現れた天を突く蒼の塔、それとほぼ同時期に発見されたのが、『ダンジョン』と呼ばれる奇妙な空間だ。 不気味で異質、しかしながらダンジョン内で手に入る資源は欲望を刺激し、ダンジョン内で戦い続ける『探索者』と呼ばれる職業すら生まれた。そしていつしか人類は拒否感を拭いきれずも、ダンジョンに依存する生活へ移行していく。 そんなある日、ちっぽけな少女が探索者協会の扉を叩いた。 諸事情により金欠な彼女が探索者となった時、世界の流れは大きく変わっていくこととなる…… 人との出会い、無数に折り重なる悪意、そして隠された真実と絶望。 夢見る少女の戦いの果て、ちっぽけな彼女は一体何を選ぶ? 絶望に、立ち向かえ。

異世界帰りの元勇者、日本に突然ダンジョンが出現したので「俺、バイト辞めますっ!」

シオヤマ琴@『最強最速』発売中
ファンタジー
俺、結城ミサオは異世界帰りの元勇者。 異世界では強大な力を持った魔王を倒しもてはやされていたのに、こっちの世界に戻ったら平凡なコンビニバイト。 せっかく強くなったっていうのにこれじゃ宝の持ち腐れだ。 そう思っていたら突然目の前にダンジョンが現れた。 これは天啓か。 俺は一も二もなくダンジョンへと向かっていくのだった。

ダンジョンのモンスターになってしまいましたが、テイマーの少女が救ってくれたので恩返しします。

紗沙
ファンタジー
成長に限界を感じていた探索者、織田隆二。 彼はダンジョンで非常に強力なモンスターに襲われる。 死を覚悟するも、その際に起きた天災で気を失ってしまう。 目を覚ましたときには、襲い掛かってきたモンスターと入れ替わってしまっていた。 「嘘だぁぁあああ!」 元に戻ることが絶望的なだけでなく、探索者だった頃からは想像もつかないほど弱体化したことに絶望する。 ダンジョン内ではモンスターや今まで同じ人間だった探索者にも命を脅かされてしまう始末。 このままこのダンジョンで死んでいくのか、そう諦めかけたとき。 「大丈夫?」 薄れていく視界で彼を助けたのは、テイマーの少女だった。 救われた恩を返すために、織田隆二はモンスターとして強くなりながら遠くから彼女を見守る。 そしてあわよくば、彼女にテイムしてもらうことを夢見て。

スキルハンター~ぼっち&ひきこもり生活を配信し続けたら、【開眼】してスキルの覚え方を習得しちゃった件~

名無し
ファンタジー
 主人公の時田カケルは、いつも同じダンジョンに一人でこもっていたため、《ひきこうもりハンター》と呼ばれていた。そんなカケルが動画の配信をしても当たり前のように登録者はほとんど集まらなかったが、彼は現状が楽だからと引きこもり続けていた。そんなある日、唯一見に来てくれていた視聴者がいなくなり、とうとう無の境地に達したカケル。そこで【開眼】という、スキルの覚え方がわかるというスキルを習得し、人生を大きく変えていくことになるのだった……。

貧乏冒険者で底辺配信者の生きる希望もないおっさんバズる~庭のFランク(実際はSSSランク)ダンジョンで活動すること15年、最強になりました~

喰寝丸太
ファンタジー
おっさんは経済的に、そして冒険者としても底辺だった。 庭にダンジョンができたが最初のザコがスライムということでFランクダンジョン認定された。 そして18年。 おっさんの実力が白日の下に。 FランクダンジョンはSSSランクだった。 最初のザコ敵はアイアンスライム。 特徴は大量の経験値を持っていて硬い、そして逃げる。 追い詰められると不壊と言われるダンジョンの壁すら溶かす酸を出す。 そんなダンジョンでの15年の月日はおっさんを最強にさせた。 世間から隠されていた最強の化け物がいま世に出る。

ザコ魔法使いの僕がダンジョンで1人ぼっち!魔獣に襲われても石化した僕は無敵状態!経験値が溜まり続けて気づいた時には最強魔導士に!?

さかいおさむ
ファンタジー
戦士は【スキル】と呼ばれる能力を持っている。 僕はスキルレベル1のザコ魔法使いだ。 そんな僕がある日、ダンジョン攻略に向かう戦士団に入ることに…… パーティに置いていかれ僕は1人ダンジョンに取り残される。 全身ケガだらけでもう助からないだろう…… 諦めたその時、手に入れた宝を装備すると無敵の石化状態に!? 頑張って攻撃してくる魔獣には申し訳ないがダメージは皆無。経験値だけが溜まっていく。 気づけば全魔法がレベル100!? そろそろ反撃開始してもいいですか? 内気な最強魔法使いの僕が美女たちと冒険しながら人助け!

処理中です...