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第四十七話 謎スキル『解呪』、遂に解明⁉

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 ―キュゥゥゥ

「なに⁉ 身体が吸い込まれていく!」
「うわぁぁぁ!!!」

 急に場面が渦を巻きだした。
 そして、僕はその場面の中へと吸い込まれていった。


 ◆


「はっ! ここは?」
愛人あいと、目を覚ましたか!」
しんくん、それに優羽ゆうちゃんまで……」

 目を覚ました愛人あいとは、俺たちが目の前にいることにビックリしているようだ。

愛人あいとくん、さっき、走馬灯みたいな夢を見たでしょ?」
「な、なんでそれを知っているんだ⁉」

 愛人あいとは、大きな声を出して尋ねてきた。
 それもそうだ、夢が他人にバレていたら恐ろしい。

「あれは、私たちの魔法で、愛人あいとくんの記憶を呼び起こしたんだよ」
「ということは、あれが本当の僕の記憶ということか」
「そうなるな。愛人あいと、お前は騙されていたんだ」

 俺は、少し厳しめの口調で言った。
 現実を受け止めてもらうためにも、仕方がないことだ。

「……っ、うっ、みんな、ごめん……僕のせいで、沢山の人が……」

 本来の愛人あいとが戻ってきたようで、涙を流しながら謝っている。

「お前のせいじゃない。お前をだました、あいつが悪いんだ」
「そうだよ! 愛人あいとくん、一緒に」倒しに行こうよ!」
「……⁉ 僕が、君たちと一緒にいてもいいのかい? 君たちを傷つけたのに……」

 愛人あいとは、俺たちに対して、かなりの罪悪感を抱いているようだった。
 こいつは、本当は優しい奴なんだ。
 ボッチで居た俺と仲良くしてくれたんだから、それは確信している。

「気にすんなよ! 俺たちも、過去を覗いたんだけど、仕方がないことだよ」
「っ、うっ、二人とも、ありがとう!」
「泣くなって、イケメンな顔が台無しだぞ」

 こうして、俺たちは愛人あいとと共に新宮あらみやへの復讐を決意した。
 ダンジョンから出ようとした時、ある問題が見つかった。

「それにしても、愛人あいとの姿をどうにかしないとな」
「僕にはどうしようもないんだよね」

 それは、愛人あいとの容姿であった。
 流石にハンターの仲間とはいえ、魔族の姿でいるのは印象が良くない。

「どうやって魔族になったの?」
「それが、あまり覚えていないんだ。ここで死ねないと思っていたら、急に力が湧いてきて、そこからは呪われたように、意識が奪われたんだ」
「呪い⁉」
「ああ、そうだけど」
しん、何かいい案が思いついたの?」
「ああ、あのスキルが使えるかもしれない」
「あのスキルって?」

 俺は、『呪い』という言葉を聞いて、あることを思い出した。
『ある特定の状態異常を治す』、この効果を持つスキルで、初めから使い道がわかっていなかったスキルだ。

「【解呪リフレッシュ】だ!」

解呪リフレッシュ』、そう、このスキルこそが愛人あいとを元の姿に戻すために必要なスキルなのだと考えたのだ。
 どの状態異常にも効果が無い、それならば、呪いに効く可能性が高い。

「それ、初めから持ってるザコスキルじゃん!」
「ザコって言うな!」
「それで、元に戻れるのか?」
「多分な。とにかく、やってみよう」

 そうして、俺は愛人あいとに向かって、『解呪リフレッシュ』を使ってみる。

「スキル 【解呪リフレッシュ】」

 頼む、治してくれ! でないと、このスキルは本当にザコスキルになってしまう!

 俺は、全力で効果があることを願う。

 ―ビリビリッ

「ウグッ!」
「っ⁉ 大丈夫か⁉」

 突如、愛人あいとが苦しそうにし始めた。
 確実に何かは起きている。

「うわぁァァァァァ!!!」
『ヤメロォォォ!!!』
「この声は⁉ あの時の!」

 愛人あいとから、別の声が聞こえた。
 この声は、魔族状態の時に効いた声と全く一緒だ。
 恐らく、そいつが愛人あいとのことをコントロールしていたのだろう。

愛人あいと、踏ん張れ! もう少しで行けるぞ!」
「ぐうぅぅ! これは、僕の身体だ! 勝手に入ってくるなァァァ!!!」
『グ、グワァァァァァァ!!!』

 ―ザァァァ

 愛人あいとの口から、灰のようなものが飛んでいった。
 そうして、愛人あいとの身体に変化が起こる。

 ―スゥゥゥ

「おお! 角や翼が消えていくぞ!」

 すぐに魔族の特徴である、角・羽・尻尾が消えた。
 消えたということは、魔族ではなくなったということだろう。

「すごーい! しん、やるじゃん!」
「どーよ! これが俺の力だぜ!」
「二人とも、本当にありがとう」

 愛人あいとが、微笑みながら、照れくさそうに感謝の言葉を告げた。
 俺と優羽ゆうは一度、顔を合わせてから愛人あいとの方を見て言った。

「「いいってことよ!」」

 こうして、本格的に愛人あいとが俺たちのチームに戻った。
 しかし、こうして笑っていられるのは、残り僅かだろう。
 なぜなら、一週間後、人間世界を戦場にハンターとモンスターの決戦が始まるのだから。
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