43 / 63
第四十二話 突破口
しおりを挟む
「スキル 【刹那!】」
―ピュン!
「スキルは無効化できると言っているだろう!」
「【解除】」
―シュゥゥ
「大人しく殺されるんだな!」
「剣術 【迅雷……」
「氷魔法 【吹雪!】」
―ビュウゥゥン!
愛人の周りを冷たい風と雪で取り囲んだ。
「チッ、あと少しのとこで邪魔が入る!」
「炎魔法 【炎輪!】」
―ボワッ!
愛人は、炎魔法によって、優羽の氷魔法をかき消した。
役職は『魔術師』ではなく、『戦士』だが、魔力の能力値もそこそこあるので、魔法が使えているのだろう。
俺は、果敢に攻撃するが、一向に当たる気配が無い。
何度も優羽に助けてもらっている。
「考えろ、何か突破口があるはずだ」
今の俺に託されたこと、それは、『スキルによる攻撃をどうやって愛人に当てるか』、を考えることだ。
愛人が使っている【解除】には、何か欠点があるはずだ。
それを、俺は探し出さなければならない。
そのためには、何度も攻撃を繰り返す必要があるのだ。
「次だ!」
「連続スキル 【刹那】【雷撃】」
―ピュン
―ビリビリッ
俺は、別々の方向から、二つのスキルを時間差でに使ってみた。
これで、【解除】の効果範囲や条件を知ることができる。
「これで当たると思ったんですか?」
「【解除】」
―シュゥゥ
俺が使ったスキルを両方とも無効化された。
しかし、始めに使った刹那の方が先に無効化され、その後に雷撃が無効化された。
これは、考えるうえで大事な要素だ。
「それならこれはどうだ!」
「いつの間に詰められた⁉」
「【筋肉!】」
俺は、目の前にまで距離を詰めて、スキルを使って筋力を強化して攻撃してみる。
「おりゃぁぁぁ!!!」
―ぽんっ
「フッ、弱すぎる」
俺のパンチは、全く効いておらず、俺自身も力が籠っていないのがわかった。
「危ない!」
「無魔法 【超重力!】」
―ドッ!
「クッ、お前、僕の邪魔をして楽しいか!」
―ビュウゥゥン!!!
「優羽、逃げろ!」
「もう遅い!」
―グサッ
「う、ゔゔ……」
「ザコが邪魔をするからいけないんだ」
愛人の持っている剣は、優羽の腹部を貫通していた。
優羽は、口から血を吐き、目が虚ろになっている。
「くそ野郎があぁぁぁぁ!!!」
俺は、頭に血が上がって何も考えられなくなり、身体が無意識のうちに愛人の方へと向かっていた。
「だから、きみは何もできないんだって」
「うるせぇぇぇ!!!」
「強化スキル 【能力上限解放!】」
【能力上限解放】によって、俺の全ての能力値が強化された。
それによって、魔法も使うことが可能になっているのだ。
そして俺は、見たことも聞いたこともない魔法を使っていた。
「闇魔法『纏』 【影!】」
―ゴゴゴゴゴ
【影】を使うと、俺の身体は、闇に包まれたかのように黒く染まった。
「そんなことしても関係ない!」
「【解除】」
―………
愛人は、【解除】を使ったが、俺の身体に変化は一切なかった。
「それは、こっちのセリフだぁぁぁ!!!」
「なに⁉ 効いていないだと⁉」
―ドスンッ
「ぐはっ!」
愛人の腹から、鈍く低い音が聞こえた。
そうして、俺は愛人を吹っ飛ばした。
―シュゥゥゥ
「あれ、進君だよね? 大丈夫だったー?」
「あ、西野さん!」
真っ黒な身体の俺をちゃんと認識してくれ、声を掛けてくれたのは西野さんだった。
この人は、本当にいいタイミングで来てくれる。
「西野さん、優羽の手当てをお願いします! こっちは俺に任せてください!」
優羽を治すことは、西野さんにしかできないことだ。
そのため、俺は優羽のことを西野さんに託すことにした。
「優羽、大丈夫か⁉ 進君、こっちは私に任せろ! 行くぞ」
「瞬間移動!」
―シュゥゥゥ
そして、西野さんは、優羽を連れてダンジョンの外へと出て、治療をしてくれた。
「くそっ、一人逃がしてしまった」
「愛人、お前に勝つための方法が見つかったよ」
「そんなの、たまたまに決まっているだろ! 次は効かん!」
「口調が乱れてるぞ。せっかくいろいろ試したのに、無駄になっちまったよ」
愛人の口調は、荒々しくなり、王子様とは程遠い存在へと変わってしまっている。
俺は、愛人に攻撃を与える方法を見つけた。
それは、魔法とスキルを混合させることだ。
俺は今、【影】によって、常に魔法を纏っているので、スキルを使うだけでいいのだ。
しかし、【影】がいつまで持つかわからないので、早く決着を付けたい。
「うるせぇぇぇ!!! お前は、お前だけは許さんぞ!」
「それは、こっちのセリフだ。優羽の身体に傷を付けやがって……」
「「絶対にぶっ倒してやる!!!」」
―ピュン!
「スキルは無効化できると言っているだろう!」
「【解除】」
―シュゥゥ
「大人しく殺されるんだな!」
「剣術 【迅雷……」
「氷魔法 【吹雪!】」
―ビュウゥゥン!
愛人の周りを冷たい風と雪で取り囲んだ。
「チッ、あと少しのとこで邪魔が入る!」
「炎魔法 【炎輪!】」
―ボワッ!
愛人は、炎魔法によって、優羽の氷魔法をかき消した。
役職は『魔術師』ではなく、『戦士』だが、魔力の能力値もそこそこあるので、魔法が使えているのだろう。
俺は、果敢に攻撃するが、一向に当たる気配が無い。
何度も優羽に助けてもらっている。
「考えろ、何か突破口があるはずだ」
今の俺に託されたこと、それは、『スキルによる攻撃をどうやって愛人に当てるか』、を考えることだ。
愛人が使っている【解除】には、何か欠点があるはずだ。
それを、俺は探し出さなければならない。
そのためには、何度も攻撃を繰り返す必要があるのだ。
「次だ!」
「連続スキル 【刹那】【雷撃】」
―ピュン
―ビリビリッ
俺は、別々の方向から、二つのスキルを時間差でに使ってみた。
これで、【解除】の効果範囲や条件を知ることができる。
「これで当たると思ったんですか?」
「【解除】」
―シュゥゥ
俺が使ったスキルを両方とも無効化された。
しかし、始めに使った刹那の方が先に無効化され、その後に雷撃が無効化された。
これは、考えるうえで大事な要素だ。
「それならこれはどうだ!」
「いつの間に詰められた⁉」
「【筋肉!】」
俺は、目の前にまで距離を詰めて、スキルを使って筋力を強化して攻撃してみる。
「おりゃぁぁぁ!!!」
―ぽんっ
「フッ、弱すぎる」
俺のパンチは、全く効いておらず、俺自身も力が籠っていないのがわかった。
「危ない!」
「無魔法 【超重力!】」
―ドッ!
「クッ、お前、僕の邪魔をして楽しいか!」
―ビュウゥゥン!!!
「優羽、逃げろ!」
「もう遅い!」
―グサッ
「う、ゔゔ……」
「ザコが邪魔をするからいけないんだ」
愛人の持っている剣は、優羽の腹部を貫通していた。
優羽は、口から血を吐き、目が虚ろになっている。
「くそ野郎があぁぁぁぁ!!!」
俺は、頭に血が上がって何も考えられなくなり、身体が無意識のうちに愛人の方へと向かっていた。
「だから、きみは何もできないんだって」
「うるせぇぇぇ!!!」
「強化スキル 【能力上限解放!】」
【能力上限解放】によって、俺の全ての能力値が強化された。
それによって、魔法も使うことが可能になっているのだ。
そして俺は、見たことも聞いたこともない魔法を使っていた。
「闇魔法『纏』 【影!】」
―ゴゴゴゴゴ
【影】を使うと、俺の身体は、闇に包まれたかのように黒く染まった。
「そんなことしても関係ない!」
「【解除】」
―………
愛人は、【解除】を使ったが、俺の身体に変化は一切なかった。
「それは、こっちのセリフだぁぁぁ!!!」
「なに⁉ 効いていないだと⁉」
―ドスンッ
「ぐはっ!」
愛人の腹から、鈍く低い音が聞こえた。
そうして、俺は愛人を吹っ飛ばした。
―シュゥゥゥ
「あれ、進君だよね? 大丈夫だったー?」
「あ、西野さん!」
真っ黒な身体の俺をちゃんと認識してくれ、声を掛けてくれたのは西野さんだった。
この人は、本当にいいタイミングで来てくれる。
「西野さん、優羽の手当てをお願いします! こっちは俺に任せてください!」
優羽を治すことは、西野さんにしかできないことだ。
そのため、俺は優羽のことを西野さんに託すことにした。
「優羽、大丈夫か⁉ 進君、こっちは私に任せろ! 行くぞ」
「瞬間移動!」
―シュゥゥゥ
そして、西野さんは、優羽を連れてダンジョンの外へと出て、治療をしてくれた。
「くそっ、一人逃がしてしまった」
「愛人、お前に勝つための方法が見つかったよ」
「そんなの、たまたまに決まっているだろ! 次は効かん!」
「口調が乱れてるぞ。せっかくいろいろ試したのに、無駄になっちまったよ」
愛人の口調は、荒々しくなり、王子様とは程遠い存在へと変わってしまっている。
俺は、愛人に攻撃を与える方法を見つけた。
それは、魔法とスキルを混合させることだ。
俺は今、【影】によって、常に魔法を纏っているので、スキルを使うだけでいいのだ。
しかし、【影】がいつまで持つかわからないので、早く決着を付けたい。
「うるせぇぇぇ!!! お前は、お前だけは許さんぞ!」
「それは、こっちのセリフだ。優羽の身体に傷を付けやがって……」
「「絶対にぶっ倒してやる!!!」」
0
お気に入りに追加
144
あなたにおすすめの小説
![](https://www.alphapolis.co.jp/v2/img/books/no_image/novel/fantasy.png?id=6ceb1e9b892a4a252212)
日本列島、時震により転移す!
黄昏人
ファンタジー
2023年(現在)、日本列島が後に時震と呼ばれる現象により、500年以上の時を超え1492年(過去)の世界に転移した。移転したのは本州、四国、九州とその周辺の島々であり、現在の日本は過去の時代に飛ばされ、過去の日本は現在の世界に飛ばされた。飛ばされた現在の日本はその文明を支え、国民を食わせるためには早急に莫大な資源と食料が必要である。過去の日本は現在の世界を意識できないが、取り残された北海道と沖縄は国富の大部分を失い、戦国日本を抱え途方にくれる。人々は、政府は何を思いどうふるまうのか。
![](https://www.alphapolis.co.jp/v2/img/books/no_image/novel/fantasy.png?id=6ceb1e9b892a4a252212)
異世界成り上がり物語~転生したけど男?!どう言う事!?~
繭
ファンタジー
高梨洋子(25)は帰り道で車に撥ねられた瞬間、意識は一瞬で別の場所へ…。
見覚えの無い部屋で目が覚め「アレク?!気付いたのか!?」との声に
え?ちょっと待て…さっきまで日本に居たのに…。
確か「死んだ」筈・・・アレクって誰!?
ズキン・・・と頭に痛みが走ると現在と過去の記憶が一気に流れ込み・・・
気付けば異世界のイケメンに転生した彼女。
誰も知らない・・・いや彼の母しか知らない秘密が有った!?
女性の記憶に翻弄されながらも成り上がって行く男性の話
保険でR15
タイトル変更の可能性あり
『おっさんの元勇者』~Sランクの冒険者はギルドから戦力外通告を言い渡される~
川嶋マサヒロ
ファンタジー
ダンジョン攻略のために作られた冒険者の街、サン・サヴァン。
かつて勇者とも呼ばれたベテラン冒険者のベルナールは、ある日ギルドマスターから戦力外通告を言い渡される。
それはギルド上層部による改革――、方針転換であった。
現役のまま一生を終えようとしていた一人の男は途方にくれる。
引退後の予定は無し。備えて金を貯めていた訳でも無し。
あげく冒険者のヘルプとして、弟子を手伝いスライム退治や、食肉業者の狩りの手伝いなどに精をだしていた。
そして、昔の仲間との再会――。それは新たな戦いへの幕開けだった。
イラストは
ジュエルセイバーFREE 様です。
URL:http://www.jewel-s.jp/
『希望の実』拾い食いから始まる逆転ダンジョン生活!(改訂版)
IXA
ファンタジー
凡そ三十年前、この世界は一変した。
世界各地に次々と現れた天を突く蒼の塔、それとほぼ同時期に発見されたのが、『ダンジョン』と呼ばれる奇妙な空間だ。
不気味で異質、しかしながらダンジョン内で手に入る資源は欲望を刺激し、ダンジョン内で戦い続ける『探索者』と呼ばれる職業すら生まれた。そしていつしか人類は拒否感を拭いきれずも、ダンジョンに依存する生活へ移行していく。
そんなある日、ちっぽけな少女が探索者協会の扉を叩いた。
諸事情により金欠な彼女が探索者となった時、世界の流れは大きく変わっていくこととなる……
人との出会い、無数に折り重なる悪意、そして隠された真実と絶望。
夢見る少女の戦いの果て、ちっぽけな彼女は一体何を選ぶ?
絶望に、立ち向かえ。
![](https://www.alphapolis.co.jp/v2/img/books/no_image/novel/fantasy.png?id=6ceb1e9b892a4a252212)
異世界帰りの元勇者、日本に突然ダンジョンが出現したので「俺、バイト辞めますっ!」
シオヤマ琴@『最強最速』発売中
ファンタジー
俺、結城ミサオは異世界帰りの元勇者。
異世界では強大な力を持った魔王を倒しもてはやされていたのに、こっちの世界に戻ったら平凡なコンビニバイト。
せっかく強くなったっていうのにこれじゃ宝の持ち腐れだ。
そう思っていたら突然目の前にダンジョンが現れた。
これは天啓か。
俺は一も二もなくダンジョンへと向かっていくのだった。
![](https://www.alphapolis.co.jp/v2/img/books/no_image/novel/fantasy.png?id=6ceb1e9b892a4a252212)
異世界転生はどん底人生の始まり~一時停止とステータス強奪で快適な人生を掴み取る!
夢・風魔
ファンタジー
若くして死んだ男は、異世界に転生した。恵まれた環境とは程遠い、ダンジョンの上層部に作られた居住区画で孤児として暮らしていた。
ある日、ダンジョンモンスターが暴走するスタンピードが発生し、彼──リヴァは死の縁に立たされていた。
そこで前世の記憶を思い出し、同時に転生特典のスキルに目覚める。
視界に映る者全ての動きを停止させる『一時停止』。任意のステータスを一日に1だけ奪い取れる『ステータス強奪』。
二つのスキルを駆使し、リヴァは地上での暮らしを夢見て今日もダンジョンへと潜る。
*カクヨムでも先行更新しております。
![](https://www.alphapolis.co.jp/v2/img/books/no_image/novel/fantasy.png?id=6ceb1e9b892a4a252212)
ダンジョンのモンスターになってしまいましたが、テイマーの少女が救ってくれたので恩返しします。
紗沙
ファンタジー
成長に限界を感じていた探索者、織田隆二。
彼はダンジョンで非常に強力なモンスターに襲われる。
死を覚悟するも、その際に起きた天災で気を失ってしまう。
目を覚ましたときには、襲い掛かってきたモンスターと入れ替わってしまっていた。
「嘘だぁぁあああ!」
元に戻ることが絶望的なだけでなく、探索者だった頃からは想像もつかないほど弱体化したことに絶望する。
ダンジョン内ではモンスターや今まで同じ人間だった探索者にも命を脅かされてしまう始末。
このままこのダンジョンで死んでいくのか、そう諦めかけたとき。
「大丈夫?」
薄れていく視界で彼を助けたのは、テイマーの少女だった。
救われた恩を返すために、織田隆二はモンスターとして強くなりながら遠くから彼女を見守る。
そしてあわよくば、彼女にテイムしてもらうことを夢見て。
![](https://www.alphapolis.co.jp/v2/img/books/no_image/novel/fantasy.png?id=6ceb1e9b892a4a252212)
スキルハンター~ぼっち&ひきこもり生活を配信し続けたら、【開眼】してスキルの覚え方を習得しちゃった件~
名無し
ファンタジー
主人公の時田カケルは、いつも同じダンジョンに一人でこもっていたため、《ひきこうもりハンター》と呼ばれていた。そんなカケルが動画の配信をしても当たり前のように登録者はほとんど集まらなかったが、彼は現状が楽だからと引きこもり続けていた。そんなある日、唯一見に来てくれていた視聴者がいなくなり、とうとう無の境地に達したカケル。そこで【開眼】という、スキルの覚え方がわかるというスキルを習得し、人生を大きく変えていくことになるのだった……。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる