25 / 63
第二十四話 『覚醒者』の制約
しおりを挟む
「着いたぞ」
「でけぇなー」
「やっぱりすごいわねー」
俺たちは、ハンター協会に来ている。
その理由は、見習いハンターの俺たちがA級の狼牙とS級の獣狼牙を倒したからである。
そうして、俺たちは小会議室のような部屋に連れてこられた。
そこには、ハンター認定会の時にスクリーンに映っていた会長だ。
「会長、連れてきました」
「ご苦労だ。君たちもここで二人を見ていていなさい」
「「「はい」」」
そうして、何の説明も無しに目の前に大きな本くらいの石板が置かれた。
「あの、何をするのですか?」
「君たちの能力を測るのだ」
「それなら、ステータスの表示をしたのでいいのでは?」
「いいや、これはもっと詳しい能力を見れるのだ。君から手をかざしなさい」
「あ、はい」
話を無理やり進められているような気がしたが、言われた通りに優羽が石板に手をかざす。
―ボォン
すると、ステータスと同様に画面が表示された。
~~~~~~
<安治 優羽(あんじ ゆう)>
・役職 魔術師
・職業 聖者
・スキル 女神の加護
上級魔術師(魔力の消費をかなり抑える)
レベル65/100 次のレベルまでの必要経験値 45000
体力 600/750
打撃力 450/550
防御力 325/400
魔力 600(900)/900 (職業効果+300)
瞬発力 125/150
~~~~~~
「めっちゃレベル上がってる! やったー!」
「職業持ちで、しかも聖者ってやばいステータスだな!」
「これなら、狼牙を倒したのも納得がいくな」
初めに、いつも通りのステータスが表示された。
それを見た新宮さんたちは、納得した様な仕草を見せた。
そして、その後に画面が切り替わり、別の項目が映る。
~~~~~~
現在のハンターランク A
最終ランク予想 S
~~~~~~
「おお! すげ―じゃん!」
「Aランク? 私が⁉」
優羽は、画面を見て信じられないほど驚いている。
さっきまで見習いハンターだった人間が、急にAランクと判定されたのだから、驚くのも当然だろう。
新宮さんたちは、優羽の判定を見て、ワクワクしているように見える。
「それじゃあ、君も」
「はい、わかりました。あ、俺の役職は特別なんで驚かないでくださいよ!」
「何言ってんだ、あいつ?」
次に優羽と変わって、俺が石板に手をかざした。
―ボォン
同じように、画面に俺のステータスが表示された。
~~~~~~
<廻神 進(えがみ しん)>
・役職 ???
・職業 未開放
・スキル 解呪
炎爆
刹那
雷撃
除毛
………… その他125個のスキルを所持
レベル1/130 次のレベルまでの必要経験値1
体力 1/50
打撃力 1/50
防御力 1/50
魔力 1/50
瞬発力 1/50
~~~~~~
「役職が表示されていない⁉ しかも、最大値が『50』に下がってる!」
「それに、スキルが130個もあるじゃねぇかよ! すげぇー!」
「それなのに、レベルが『1』って不思議だねー」
表示されたステータスには、不明な点が二つあった。
一つは、最大能力値が『50』に下がっていることだ。
なぜかわからないが、とにかく悲しすぎる。
もう一つは、俺の役職である『覚醒者』が表示されていないことだ。
初めの頃のように『???』となっている。
「なんでだ? 俺のステータスには表示されているのに」
―ヒュゥン
そうして、俺は自身のステータスを表示して見せた。
~~~~~~
・役職 覚醒者
・職業 未開放
~~~~~~
「ほら、ここに書いてありますよ」
「そうだね。ちゃんと書いてる」
「「「…………?」」」
俺が表示したステータスには、ちゃんと『覚醒者』の表示がされていた。
しかし、優羽以外の人は、不思議そうな顔をしている。
「さっきと何も変わっていないぞー?」
「ああ、そうだな」
「二人にしか見えてないのかな?」
「それか、嘘だな」
「ちょ、本当ですよ!」
俺と優羽以外の人には見えていないようで、全く信じていない。
俺は、どうにか信じさせる方法を必死になって探す。
すると、新宮さんが口を開いた。
「それでは、君の役職はなんなんだ?」
「俺の役職は……」
俺は、信じてもらえるかわからないが、言うだけ言ってみることにした。
「かくせ……」
―ズキンッ!
「ぐあっ! 頭が……」
「ちょっと進⁉ 大丈夫⁉」
「おい! 大丈夫かよ!」
俺が役職の名前を口に出そうとすると、急にもの凄い頭痛に襲われた。
その痛みは一向に引きそうになく、意識がだんだんと薄れていく。
―ピコン
―『覚醒者』の存在を口外しようとしたので、ペナルティーとなります
「そんなのが、あったのかよ……」
俺は、アナウンスが聞こえるとすぐに気絶してしまった。
「進! しっかりして!」
「大丈夫だ。気を失っているだけだ」
石板が表示する画面は、次のページを表示していた。
~~~~~~
現在のハンターランク E?~S?
最終ランク予想 ∞
~~~~~~
「でけぇなー」
「やっぱりすごいわねー」
俺たちは、ハンター協会に来ている。
その理由は、見習いハンターの俺たちがA級の狼牙とS級の獣狼牙を倒したからである。
そうして、俺たちは小会議室のような部屋に連れてこられた。
そこには、ハンター認定会の時にスクリーンに映っていた会長だ。
「会長、連れてきました」
「ご苦労だ。君たちもここで二人を見ていていなさい」
「「「はい」」」
そうして、何の説明も無しに目の前に大きな本くらいの石板が置かれた。
「あの、何をするのですか?」
「君たちの能力を測るのだ」
「それなら、ステータスの表示をしたのでいいのでは?」
「いいや、これはもっと詳しい能力を見れるのだ。君から手をかざしなさい」
「あ、はい」
話を無理やり進められているような気がしたが、言われた通りに優羽が石板に手をかざす。
―ボォン
すると、ステータスと同様に画面が表示された。
~~~~~~
<安治 優羽(あんじ ゆう)>
・役職 魔術師
・職業 聖者
・スキル 女神の加護
上級魔術師(魔力の消費をかなり抑える)
レベル65/100 次のレベルまでの必要経験値 45000
体力 600/750
打撃力 450/550
防御力 325/400
魔力 600(900)/900 (職業効果+300)
瞬発力 125/150
~~~~~~
「めっちゃレベル上がってる! やったー!」
「職業持ちで、しかも聖者ってやばいステータスだな!」
「これなら、狼牙を倒したのも納得がいくな」
初めに、いつも通りのステータスが表示された。
それを見た新宮さんたちは、納得した様な仕草を見せた。
そして、その後に画面が切り替わり、別の項目が映る。
~~~~~~
現在のハンターランク A
最終ランク予想 S
~~~~~~
「おお! すげ―じゃん!」
「Aランク? 私が⁉」
優羽は、画面を見て信じられないほど驚いている。
さっきまで見習いハンターだった人間が、急にAランクと判定されたのだから、驚くのも当然だろう。
新宮さんたちは、優羽の判定を見て、ワクワクしているように見える。
「それじゃあ、君も」
「はい、わかりました。あ、俺の役職は特別なんで驚かないでくださいよ!」
「何言ってんだ、あいつ?」
次に優羽と変わって、俺が石板に手をかざした。
―ボォン
同じように、画面に俺のステータスが表示された。
~~~~~~
<廻神 進(えがみ しん)>
・役職 ???
・職業 未開放
・スキル 解呪
炎爆
刹那
雷撃
除毛
………… その他125個のスキルを所持
レベル1/130 次のレベルまでの必要経験値1
体力 1/50
打撃力 1/50
防御力 1/50
魔力 1/50
瞬発力 1/50
~~~~~~
「役職が表示されていない⁉ しかも、最大値が『50』に下がってる!」
「それに、スキルが130個もあるじゃねぇかよ! すげぇー!」
「それなのに、レベルが『1』って不思議だねー」
表示されたステータスには、不明な点が二つあった。
一つは、最大能力値が『50』に下がっていることだ。
なぜかわからないが、とにかく悲しすぎる。
もう一つは、俺の役職である『覚醒者』が表示されていないことだ。
初めの頃のように『???』となっている。
「なんでだ? 俺のステータスには表示されているのに」
―ヒュゥン
そうして、俺は自身のステータスを表示して見せた。
~~~~~~
・役職 覚醒者
・職業 未開放
~~~~~~
「ほら、ここに書いてありますよ」
「そうだね。ちゃんと書いてる」
「「「…………?」」」
俺が表示したステータスには、ちゃんと『覚醒者』の表示がされていた。
しかし、優羽以外の人は、不思議そうな顔をしている。
「さっきと何も変わっていないぞー?」
「ああ、そうだな」
「二人にしか見えてないのかな?」
「それか、嘘だな」
「ちょ、本当ですよ!」
俺と優羽以外の人には見えていないようで、全く信じていない。
俺は、どうにか信じさせる方法を必死になって探す。
すると、新宮さんが口を開いた。
「それでは、君の役職はなんなんだ?」
「俺の役職は……」
俺は、信じてもらえるかわからないが、言うだけ言ってみることにした。
「かくせ……」
―ズキンッ!
「ぐあっ! 頭が……」
「ちょっと進⁉ 大丈夫⁉」
「おい! 大丈夫かよ!」
俺が役職の名前を口に出そうとすると、急にもの凄い頭痛に襲われた。
その痛みは一向に引きそうになく、意識がだんだんと薄れていく。
―ピコン
―『覚醒者』の存在を口外しようとしたので、ペナルティーとなります
「そんなのが、あったのかよ……」
俺は、アナウンスが聞こえるとすぐに気絶してしまった。
「進! しっかりして!」
「大丈夫だ。気を失っているだけだ」
石板が表示する画面は、次のページを表示していた。
~~~~~~
現在のハンターランク E?~S?
最終ランク予想 ∞
~~~~~~
10
お気に入りに追加
144
あなたにおすすめの小説
![](https://www.alphapolis.co.jp/v2/img/books/no_image/novel/fantasy.png?id=6ceb1e9b892a4a252212)
日本列島、時震により転移す!
黄昏人
ファンタジー
2023年(現在)、日本列島が後に時震と呼ばれる現象により、500年以上の時を超え1492年(過去)の世界に転移した。移転したのは本州、四国、九州とその周辺の島々であり、現在の日本は過去の時代に飛ばされ、過去の日本は現在の世界に飛ばされた。飛ばされた現在の日本はその文明を支え、国民を食わせるためには早急に莫大な資源と食料が必要である。過去の日本は現在の世界を意識できないが、取り残された北海道と沖縄は国富の大部分を失い、戦国日本を抱え途方にくれる。人々は、政府は何を思いどうふるまうのか。
![](https://www.alphapolis.co.jp/v2/img/books/no_image/novel/fantasy.png?id=6ceb1e9b892a4a252212)
異世界成り上がり物語~転生したけど男?!どう言う事!?~
繭
ファンタジー
高梨洋子(25)は帰り道で車に撥ねられた瞬間、意識は一瞬で別の場所へ…。
見覚えの無い部屋で目が覚め「アレク?!気付いたのか!?」との声に
え?ちょっと待て…さっきまで日本に居たのに…。
確か「死んだ」筈・・・アレクって誰!?
ズキン・・・と頭に痛みが走ると現在と過去の記憶が一気に流れ込み・・・
気付けば異世界のイケメンに転生した彼女。
誰も知らない・・・いや彼の母しか知らない秘密が有った!?
女性の記憶に翻弄されながらも成り上がって行く男性の話
保険でR15
タイトル変更の可能性あり
『おっさんの元勇者』~Sランクの冒険者はギルドから戦力外通告を言い渡される~
川嶋マサヒロ
ファンタジー
ダンジョン攻略のために作られた冒険者の街、サン・サヴァン。
かつて勇者とも呼ばれたベテラン冒険者のベルナールは、ある日ギルドマスターから戦力外通告を言い渡される。
それはギルド上層部による改革――、方針転換であった。
現役のまま一生を終えようとしていた一人の男は途方にくれる。
引退後の予定は無し。備えて金を貯めていた訳でも無し。
あげく冒険者のヘルプとして、弟子を手伝いスライム退治や、食肉業者の狩りの手伝いなどに精をだしていた。
そして、昔の仲間との再会――。それは新たな戦いへの幕開けだった。
イラストは
ジュエルセイバーFREE 様です。
URL:http://www.jewel-s.jp/
『希望の実』拾い食いから始まる逆転ダンジョン生活!(改訂版)
IXA
ファンタジー
凡そ三十年前、この世界は一変した。
世界各地に次々と現れた天を突く蒼の塔、それとほぼ同時期に発見されたのが、『ダンジョン』と呼ばれる奇妙な空間だ。
不気味で異質、しかしながらダンジョン内で手に入る資源は欲望を刺激し、ダンジョン内で戦い続ける『探索者』と呼ばれる職業すら生まれた。そしていつしか人類は拒否感を拭いきれずも、ダンジョンに依存する生活へ移行していく。
そんなある日、ちっぽけな少女が探索者協会の扉を叩いた。
諸事情により金欠な彼女が探索者となった時、世界の流れは大きく変わっていくこととなる……
人との出会い、無数に折り重なる悪意、そして隠された真実と絶望。
夢見る少女の戦いの果て、ちっぽけな彼女は一体何を選ぶ?
絶望に、立ち向かえ。
![](https://www.alphapolis.co.jp/v2/img/books/no_image/novel/fantasy.png?id=6ceb1e9b892a4a252212)
異世界帰りの元勇者、日本に突然ダンジョンが出現したので「俺、バイト辞めますっ!」
シオヤマ琴@『最強最速』発売中
ファンタジー
俺、結城ミサオは異世界帰りの元勇者。
異世界では強大な力を持った魔王を倒しもてはやされていたのに、こっちの世界に戻ったら平凡なコンビニバイト。
せっかく強くなったっていうのにこれじゃ宝の持ち腐れだ。
そう思っていたら突然目の前にダンジョンが現れた。
これは天啓か。
俺は一も二もなくダンジョンへと向かっていくのだった。
![](https://www.alphapolis.co.jp/v2/img/books/no_image/novel/fantasy.png?id=6ceb1e9b892a4a252212)
ダンジョンのモンスターになってしまいましたが、テイマーの少女が救ってくれたので恩返しします。
紗沙
ファンタジー
成長に限界を感じていた探索者、織田隆二。
彼はダンジョンで非常に強力なモンスターに襲われる。
死を覚悟するも、その際に起きた天災で気を失ってしまう。
目を覚ましたときには、襲い掛かってきたモンスターと入れ替わってしまっていた。
「嘘だぁぁあああ!」
元に戻ることが絶望的なだけでなく、探索者だった頃からは想像もつかないほど弱体化したことに絶望する。
ダンジョン内ではモンスターや今まで同じ人間だった探索者にも命を脅かされてしまう始末。
このままこのダンジョンで死んでいくのか、そう諦めかけたとき。
「大丈夫?」
薄れていく視界で彼を助けたのは、テイマーの少女だった。
救われた恩を返すために、織田隆二はモンスターとして強くなりながら遠くから彼女を見守る。
そしてあわよくば、彼女にテイムしてもらうことを夢見て。
![](https://www.alphapolis.co.jp/v2/img/books/no_image/novel/fantasy.png?id=6ceb1e9b892a4a252212)
スキルハンター~ぼっち&ひきこもり生活を配信し続けたら、【開眼】してスキルの覚え方を習得しちゃった件~
名無し
ファンタジー
主人公の時田カケルは、いつも同じダンジョンに一人でこもっていたため、《ひきこうもりハンター》と呼ばれていた。そんなカケルが動画の配信をしても当たり前のように登録者はほとんど集まらなかったが、彼は現状が楽だからと引きこもり続けていた。そんなある日、唯一見に来てくれていた視聴者がいなくなり、とうとう無の境地に達したカケル。そこで【開眼】という、スキルの覚え方がわかるというスキルを習得し、人生を大きく変えていくことになるのだった……。
貧乏冒険者で底辺配信者の生きる希望もないおっさんバズる~庭のFランク(実際はSSSランク)ダンジョンで活動すること15年、最強になりました~
喰寝丸太
ファンタジー
おっさんは経済的に、そして冒険者としても底辺だった。
庭にダンジョンができたが最初のザコがスライムということでFランクダンジョン認定された。
そして18年。
おっさんの実力が白日の下に。
FランクダンジョンはSSSランクだった。
最初のザコ敵はアイアンスライム。
特徴は大量の経験値を持っていて硬い、そして逃げる。
追い詰められると不壊と言われるダンジョンの壁すら溶かす酸を出す。
そんなダンジョンでの15年の月日はおっさんを最強にさせた。
世間から隠されていた最強の化け物がいま世に出る。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる