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第二十一話 新スキルと新魔法
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俺たちは互いの背中を預けて狼牙と対峙する。
「優羽、行くぞ!」
「おー!」
―グリュゥゥゥワァァァ!!!
俺たちの周りには、少なくとも三十体の狼牙がいる。
覚醒することによって、何度でもスキルを使える俺が二十五体程を。
そして、優羽が残りを担当するのが最善だろう。
「連続スキル【炎爆×4!】」
―ババババァーン!
―グリュゥゥ!!!
俺がスキルを使うと、狼牙が勢いよく飛んでいく。
「からの、多分使い方はあってるだろう新スキルいくぜ!」
「わかってないのね……」
「スキル 【雷撃!】」
―ビリビリビリ!
―グワァ―!
―…………
「よっしゃ! 予想通りだぜ!」
雷撃は、飛んでいった狼牙の一体に当たると、周りに感電していった。
そうして、電撃を与えられた狼牙は全て動かなくなった。
~~~~~~
モンスターを倒しました
レベルが最大になりました
~~~~~~
「よし、残りも一気にいくぜ!」
「スキル【刹那!】」
―ピュン!
「私も負けてられないね! 今度はちゃんと考えるよ!」
「氷属性魔法【凍結!!!】」
―キーン!
優羽は、狼牙の足だけを部分的に凍らした。
その包んでいる氷は部分的であるため、全体を包んでいた時よりも厚く、頑丈である。
―グリュ! グワァ!
狼牙は、氷が厚いため動くことができずにいる。
「私も新技に挑戦してみようかな!」
「追加魔法【氷晶!】」
「何も起きない。失敗しちゃったのかな……」
優羽が追加魔法を使ったが、何の変化や攻撃は無かった。
不安そうな顔で狼牙を見る。
―パリンッ!
―グリュゥゥゥワァァァ!!!
氷が解け、狼牙が優羽に襲い掛かろうとした時……
「私の勝ちだね」
―グワァァァ『パキンッ!』
その瞬間、見た目は変わっていないが、一気に狼牙の身体が凍ったように動かなくなった。
この魔法を使うには、身体のどこかが凍っていて、動いていないことが条件となる。
そう、氷晶は相手の内部の血液などの液体を過冷却状態にする魔法だったのだ。
そして、狼牙は自分の身体に刺激を与えたので、体中の液体が全て凍ったのだ。
「これで私もAランクハンターだね」
「追加魔法【解!】」
―パリンッ!
そして、解によって狼牙の身体は粉々に砕け散った。
「さっきの凄いな!」
「ありがと。進もすっかり強くなっちゃったね」
「どうだ! まだまだ使って無いスキルがあるんだがな!」
俺は、覚醒によってスキルが増えたが、どんなスキルかわからないので使っていない。
もし使って、他のみんなに危害が加わってはいけないと考えたからである。
「「「よっしゃー!!!」」」
「あっちも倒したようだな」
「だね」
悠斗たちの方も、一体倒すことができたようだ。
DランクのチームがAランク級の狼牙を倒すことは、とてつもない偉業だ。
見習いが倒すなんてのは、もちろんありえない話なのだが。
―ドンッ! ドンッ!
―グワアァァァァァァ!!!!!!
これまでとは、迫力も大きさも違う狼牙がゆっくりと近づいてくる。
「ボスが来たようだな」
「見習いがこんなのと戦っていいのかしら」
目の前にボスとして現れたのは、狼牙の進化系の獣狼牙だ。
獣狼牙は、『ケモノ族』の中でもトップレベルに位置しているモンスターで、『魔族』の上位層にも匹敵するレベルで強いモンスターだ。
そんなモンスターが、二人の前に現れたのだ。
◆
「これは、S級モンスターの気配だ! 今すぐ協会に連絡を!」
「あ、わかりました!」
「これは、俺たちでも倒せるかわからねぇなー」
「そうね。とてもじゃないけど、中にいる人たちの命はないでしょうね」
外では、さらに騒ぎになっており、遂にはハンターの本部である協会が動き出していた。
◆
「お、俺たちは……」
「下がってていいよ!」
「わかりました」
「「「頑張ってください!!!」」」
流石にこの五人でも、このモンスターと戦う勇気はなかったようで、応援の言葉を残して安全な場所へと避難する。
「今の俺たちなら、勝てるぞ!」
「当たり前じゃない。こんなとこで負けてられないわよ」
俺たちは、なぜか全く臆することなく、むしろワクワクしていた。
そして、両者とも戦闘態勢を取った。
―グワアァァァァ!!!!!!!
「「おりゃぁぁぁ!!!」」
「優羽、行くぞ!」
「おー!」
―グリュゥゥゥワァァァ!!!
俺たちの周りには、少なくとも三十体の狼牙がいる。
覚醒することによって、何度でもスキルを使える俺が二十五体程を。
そして、優羽が残りを担当するのが最善だろう。
「連続スキル【炎爆×4!】」
―ババババァーン!
―グリュゥゥ!!!
俺がスキルを使うと、狼牙が勢いよく飛んでいく。
「からの、多分使い方はあってるだろう新スキルいくぜ!」
「わかってないのね……」
「スキル 【雷撃!】」
―ビリビリビリ!
―グワァ―!
―…………
「よっしゃ! 予想通りだぜ!」
雷撃は、飛んでいった狼牙の一体に当たると、周りに感電していった。
そうして、電撃を与えられた狼牙は全て動かなくなった。
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モンスターを倒しました
レベルが最大になりました
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「よし、残りも一気にいくぜ!」
「スキル【刹那!】」
―ピュン!
「私も負けてられないね! 今度はちゃんと考えるよ!」
「氷属性魔法【凍結!!!】」
―キーン!
優羽は、狼牙の足だけを部分的に凍らした。
その包んでいる氷は部分的であるため、全体を包んでいた時よりも厚く、頑丈である。
―グリュ! グワァ!
狼牙は、氷が厚いため動くことができずにいる。
「私も新技に挑戦してみようかな!」
「追加魔法【氷晶!】」
「何も起きない。失敗しちゃったのかな……」
優羽が追加魔法を使ったが、何の変化や攻撃は無かった。
不安そうな顔で狼牙を見る。
―パリンッ!
―グリュゥゥゥワァァァ!!!
氷が解け、狼牙が優羽に襲い掛かろうとした時……
「私の勝ちだね」
―グワァァァ『パキンッ!』
その瞬間、見た目は変わっていないが、一気に狼牙の身体が凍ったように動かなくなった。
この魔法を使うには、身体のどこかが凍っていて、動いていないことが条件となる。
そう、氷晶は相手の内部の血液などの液体を過冷却状態にする魔法だったのだ。
そして、狼牙は自分の身体に刺激を与えたので、体中の液体が全て凍ったのだ。
「これで私もAランクハンターだね」
「追加魔法【解!】」
―パリンッ!
そして、解によって狼牙の身体は粉々に砕け散った。
「さっきの凄いな!」
「ありがと。進もすっかり強くなっちゃったね」
「どうだ! まだまだ使って無いスキルがあるんだがな!」
俺は、覚醒によってスキルが増えたが、どんなスキルかわからないので使っていない。
もし使って、他のみんなに危害が加わってはいけないと考えたからである。
「「「よっしゃー!!!」」」
「あっちも倒したようだな」
「だね」
悠斗たちの方も、一体倒すことができたようだ。
DランクのチームがAランク級の狼牙を倒すことは、とてつもない偉業だ。
見習いが倒すなんてのは、もちろんありえない話なのだが。
―ドンッ! ドンッ!
―グワアァァァァァァ!!!!!!
これまでとは、迫力も大きさも違う狼牙がゆっくりと近づいてくる。
「ボスが来たようだな」
「見習いがこんなのと戦っていいのかしら」
目の前にボスとして現れたのは、狼牙の進化系の獣狼牙だ。
獣狼牙は、『ケモノ族』の中でもトップレベルに位置しているモンスターで、『魔族』の上位層にも匹敵するレベルで強いモンスターだ。
そんなモンスターが、二人の前に現れたのだ。
◆
「これは、S級モンスターの気配だ! 今すぐ協会に連絡を!」
「あ、わかりました!」
「これは、俺たちでも倒せるかわからねぇなー」
「そうね。とてもじゃないけど、中にいる人たちの命はないでしょうね」
外では、さらに騒ぎになっており、遂にはハンターの本部である協会が動き出していた。
◆
「お、俺たちは……」
「下がってていいよ!」
「わかりました」
「「「頑張ってください!!!」」」
流石にこの五人でも、このモンスターと戦う勇気はなかったようで、応援の言葉を残して安全な場所へと避難する。
「今の俺たちなら、勝てるぞ!」
「当たり前じゃない。こんなとこで負けてられないわよ」
俺たちは、なぜか全く臆することなく、むしろワクワクしていた。
そして、両者とも戦闘態勢を取った。
―グワアァァァァ!!!!!!!
「「おりゃぁぁぁ!!!」」
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