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最終日③
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「シーラ、頑張ったね!」
ディアナがボロボロ泣きながらシーラの手を握ってブンブン振り回した。
「私は何も…」
「いいの。いいの!私がシーラは頑張ったって思ってるからいいの」
そこにアレンも寄ってきて、
「シーラ、ディアナの気持ち受け取ってあげて。でないと終わらないよ」
アレンも心から嬉しそうに微笑んでいる。
「ディアナ、ありがとう」
ディアナはうんうん頷き、手を離した。
「じゃぁ、私は退散するね!貴方達はまだ話さないといけないことあるもんね!イザベラ行きましょう」
ディアナはパッと身を翻すと棚の前にいたイザベラを呼んだ。
「ふふっ、私達はお邪魔ね。シーラ、貴方はもう大丈夫よ。これはもう必要ないわ。あとは心のままに」
イザベラはそっとブレスレットを外し、
太鼓判を押してディアナと退散した。
ーー
気まずいわ…
強制的にふたりきりにされ、シーラはソワソワしてしまった。
するとアレンが
「まいったなぁ。俺としては急がせるつもりはなかったんだけど…」
嘘だ…神様とのゲームは今日が期日だ。
本当はめちゃくちゃ焦ってる。
「もし、結論が出てるなら…。返事、もらえるかな?」
シーラの様子から…
一縷の望みに賭ける!
「あ、わ、私…さっきまで婚約してて…」
ダメ押しだ!
「わかってるよ。そう簡単に切り替わるものじゃないだろう。付き合いたいとかじゃないんだ。…ただ、気持ちを知りたい…」
その言葉にシーラは思わず
「えっ?私、恋人になれないの!?」
ガバっと顔を振り上げ、アレンの腕を掴んだ。
「えっ?あ、いや」
「もう遅い?」
「な、何が?」
「私、アレンの恋人になれない?」
「えっ!?」
こ、これは…
アレンは一呼吸して状況を整理した。
「シーラ、それは俺の気持ちを受け取ってもらえるってことでいいんだね?」
「えぇ、私もアレンのことを想ってるわ」
「っ…!」
シーラは黙り込んでしまったアレンをチラッと見た。
どうしたのかしら…?
あっ…私、腕を…
アレンの腕を掴んでいることに気がついたシーラは腕をそっと離そうとした。
その時、
今度はアレンがガバっとシーラを抱きしめた。
「ありがとう!ありがとう!絶対絶対幸せにする!大好きだ!大好きだ、シーラ!」
嬉しさが爆発したアレンに
抱きしめられたままクルクル回された。
「あ、アレン…」
「ごめん。やりすぎた。ははっ」
シーラとアレンは見つめ合って微笑んだ。
神様、ありがとう。感謝します!
※※※
その様子を離れたところで見守っていた人影が3つ。
「ア゛レン~、ジーラぁ~」
感激のあまり涙と鼻水でぐちゃぐちゃになってるディアナ
「お嬢さん、おめでとうございます。アレン、報われたなぁ」
感慨深げにウンウン頷きながらディアナにハンカチを渡すエドガー
「ムムッ…だが、アレンなら…」
微笑むのを隠そうと渋い顔をしているフレッド
爽やかな風が吹く中
みんな初恋を拗らせた男の幸せを見守っていた。
ディアナがボロボロ泣きながらシーラの手を握ってブンブン振り回した。
「私は何も…」
「いいの。いいの!私がシーラは頑張ったって思ってるからいいの」
そこにアレンも寄ってきて、
「シーラ、ディアナの気持ち受け取ってあげて。でないと終わらないよ」
アレンも心から嬉しそうに微笑んでいる。
「ディアナ、ありがとう」
ディアナはうんうん頷き、手を離した。
「じゃぁ、私は退散するね!貴方達はまだ話さないといけないことあるもんね!イザベラ行きましょう」
ディアナはパッと身を翻すと棚の前にいたイザベラを呼んだ。
「ふふっ、私達はお邪魔ね。シーラ、貴方はもう大丈夫よ。これはもう必要ないわ。あとは心のままに」
イザベラはそっとブレスレットを外し、
太鼓判を押してディアナと退散した。
ーー
気まずいわ…
強制的にふたりきりにされ、シーラはソワソワしてしまった。
するとアレンが
「まいったなぁ。俺としては急がせるつもりはなかったんだけど…」
嘘だ…神様とのゲームは今日が期日だ。
本当はめちゃくちゃ焦ってる。
「もし、結論が出てるなら…。返事、もらえるかな?」
シーラの様子から…
一縷の望みに賭ける!
「あ、わ、私…さっきまで婚約してて…」
ダメ押しだ!
「わかってるよ。そう簡単に切り替わるものじゃないだろう。付き合いたいとかじゃないんだ。…ただ、気持ちを知りたい…」
その言葉にシーラは思わず
「えっ?私、恋人になれないの!?」
ガバっと顔を振り上げ、アレンの腕を掴んだ。
「えっ?あ、いや」
「もう遅い?」
「な、何が?」
「私、アレンの恋人になれない?」
「えっ!?」
こ、これは…
アレンは一呼吸して状況を整理した。
「シーラ、それは俺の気持ちを受け取ってもらえるってことでいいんだね?」
「えぇ、私もアレンのことを想ってるわ」
「っ…!」
シーラは黙り込んでしまったアレンをチラッと見た。
どうしたのかしら…?
あっ…私、腕を…
アレンの腕を掴んでいることに気がついたシーラは腕をそっと離そうとした。
その時、
今度はアレンがガバっとシーラを抱きしめた。
「ありがとう!ありがとう!絶対絶対幸せにする!大好きだ!大好きだ、シーラ!」
嬉しさが爆発したアレンに
抱きしめられたままクルクル回された。
「あ、アレン…」
「ごめん。やりすぎた。ははっ」
シーラとアレンは見つめ合って微笑んだ。
神様、ありがとう。感謝します!
※※※
その様子を離れたところで見守っていた人影が3つ。
「ア゛レン~、ジーラぁ~」
感激のあまり涙と鼻水でぐちゃぐちゃになってるディアナ
「お嬢さん、おめでとうございます。アレン、報われたなぁ」
感慨深げにウンウン頷きながらディアナにハンカチを渡すエドガー
「ムムッ…だが、アレンなら…」
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爽やかな風が吹く中
みんな初恋を拗らせた男の幸せを見守っていた。
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