幸福は君の為に

周乃 太葉

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プロローグ

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黒い部屋に黒い服に身を包んだ一人の男

この部屋の壁に掛けられ、唯一光が当たっている大きな肖像画を前に祈りを捧げる


貴方のおかげで私は生きてる…

貴方のせいで私は生きなければならない…


貴方がいれば私は私でいられる…

貴方がいるせいで私は私でいるしかない…


貴方を見つめるのは、私だけでいい

貴方が見るのは、私だけでいい


貴方はどうしたら振り向いてくれる?

貴方はどうしたら愛してくれる?


男は祈りの姿勢から立ち上がり、肖像画に描かれている銀髪紫眼の女性に触れた。

貴方を愛してる…

貴方を憎んでる…


貴方を助けたい

私を助けて


貴方の下僕を

私の神様

男は静かに涙を流し、肖像画から離れた
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