13 / 21
京都にあなたと
第十三話 京都にあなたと3
しおりを挟む
水曜日の放課後、咲ちゃんと一緒に天王寺に服を買いに行った。
天王寺は大学からだと電車で三、四十分、終点まで乗っていく。価格が安くて最新トレンドを押さえた服屋さんが駅前のショッピングセンターに集中していて、徒歩十五分圏内で行き来できて、到着した夕方六時から大体のお店が閉店する夜九時までの少ない時間でも巡りやすい。
「初デートだから絶対ワンピースが着たいんだよ!」
わたしの中でワンピースは、勝負服。今日は絶対頑張るという気合をいれる意味で着ることが多い。一枚でメインコーデが決まるからだ。あとは寝坊した時だけど……。昔から決めていた、初めてデートに行く時にはワンピースを着るって。
「いいじゃん。どんなのを考えてんの?」
「君彦くんの横に立っても恥ずかしくない、大人な雰囲気の女性が着るようなのにしようと思ってる」
と息こんで天王寺に到着したけれど、
「あ~! かわいい~!」
レースがたくさん使われているものや、リボンがあしらわれているかわいらしいデザインばかり目がいってしまう。
「無理せず真綾の好きな服着たらいいとも思うけど、人生で初のデートだもんなぁ。気合いいれてぇよな」
「咲ちゃん、ごめんね。何店舗も連れまわしちゃって」
「ゆっくり選べばいいよ」
また違うお店に入る。二十代・三十代の女性に人気なブランドのお店だ。咲ちゃんは入ってすぐのハンガーラックにかかっていた一着のワンピースを手に取ると、わたしに言った。
「このベロアのワンピースどうだ?」
第一印象は真っ黒かな? と思ったけど、よく見ると、濃く深い紫色をしている。丸襟でその淵には同じ布で小さくフリルがつけられている。
「個人的に秋だとベロアとかコーデュロイ素材のものを思い浮かべるんだよな。コーデュロイはアクティブでカジュアルなイメージがあるから、神楽小路と一緒なら、上品な感じがするベロアかなぁって」
「すごい! 店員さんみたい!」
「ま、ファッション雑誌の受け売りだ」
そう言うと、鏡の前まで移動して、わたしの体にワンピースを当てる。
咲ちゃんが持っている状態だと膝が隠れていたけど、十センチ身長が高いわたしだと膝上になる。でも、短すぎず、ちょうどよさげ。
「真綾は肌白いし、今、髪の毛染めてて茶髪だろ。服が暗めの色でも重くなりすぎず似合ってきれいだと思うんだよ。だから浴衣の時も藍色をチョイスしたし。デートにしては色が暗いかもしれないけど、ベロアって光に当たると、なんていうか怪しく光るというか……どことなくセクシーって思わね?」
「ちょっとその感覚わかるかも」
「そんでもってベロアと言ったらこの独特の手触りが最高じゃん。神楽小路が触れてきた時のこと考えてもさぁ……」
「触れて……!?」
「おや~? 真綾チャン、何考えてんのかな~?」
「いや、えっと……」
にやにやと笑いながら訊いてくる咲ちゃんにたじろいでしまう。
「ワタシはハグのこと指してたんだが、真綾はそれ以上のことを想定したかぁ~」
「ま、まだキスもしてないのにそんなことまで……! うぅ、でも、ちょっと……考えたかもしれないけど……」
「待て待て。キス、まだなのか……?」
「へ? そうだよ? まだしてない」
正直に答えると、咲ちゃんは頭を抱え始めた。
「お前ら一か月何してたんだ……!? ウブすぎる! いや、オマエららしくてそれはそれでいいとは思うけど。そんなの少女漫画の中の話だって思って……! 真綾、絶対初デートいいものにしような!」
「う、うん!」
わたしはあのワンピースと、それに合わせる細いゴムベルトを買った。ベルトでウエストマークするだけでアクセントになる。コルセットのような太いベルトもインパクトがあっていいけど、歩いたり食べたりしたら苦しくなるかなと思って、柔らかいゴム製のものにした。バックルには、金色のお花がついている。こないだ君彦くんからプレゼントでもらった、お花のバレッタとも相性が良さそう。靴は家にある編み上げのブーツを合わせようと思う。
「服探し手伝ってくれてありがとうね」
「いいよ、これくらい」
「真綾が喜んでくれたならワタシも嬉しいぞ」
「あ、もう七時半だね……。ご飯どっかで食べていかない?」
「おう。行こうぜ」
「駿河くんに連絡しないでいいの?」
「総一郎には真綾と買い物行く話はしたら『じゃあ、ご飯は要らないですよね』って。なに食べる?」
「前は、ラーメン食べたもんね」
「そうだなぁ。あ、こないだ、総一郎と行くか悩んで行かなかったカフェでもいいか?」
「いいよ~!」
「ご飯みそ汁付きの定食もあれば、パスタもピザもあるって書いてあって」
「選ぶの楽しそう!」
さっそくお店に入る。わたしは大きなハンバーグと目玉焼きがのったロコモコ、咲ちゃんはからあげにとろろ丼がついている定食にした。
「おいしい!」
「オシャレなのに、味も量もしっかりしてるよな」
「メニューもたくさんあったし、良いお店を知れたよ。ありがとう」
いつか君彦くんとも来れたらいいな。彼はいったい何を選ぶだろう。
咲ちゃんと食事をしながら、最近読んだ本のこと、書いている途中の小説のこと、お互いの恋人について話す。
高校生まではおこづかいも少なくて、友達とご飯となるとファストフード店でバーガーとドリンクだったなぁ。本や服、コスメいろいろ欲しいものがあって、おこづかいが少ない時はドリンクのSサイズだけで何時間も粘ったり。千円を超えるものを食べるだけでもかなりハードルが高かった。今も値段はやっぱり気にするけど、選べる範囲が広がったところが「大学生になったなぁ」と感じる。
「こんなこと訊くのも変なんだけどさ」
「どうしたの?」
デザートが届いて、スマホで写真を撮っていると、
「今日服探しに行く相手、ワタシで良かったのか?」
咲ちゃんはコーヒーゼリーの上に乗ったアイスをスプーンでつつきながら言う。
「真綾は友達たくさんいるだろう? 地元にも、学校の友達も。その中からワタシでいいのかって。服の趣味も違うし、わたしは派手な色好きだけど、真綾は淡い色が好きだし。せっかく仲良くしてくれてるのに、こんなこと訊くのもホント失礼だけど。不安になることがあるんだよ」
視線を落とし、声にさっきの元気はない。わたしはお水を飲みほしてから、
「咲ちゃんって強そうなイメージあるけど、わたしよりも繊細で可憐だよね」
「ふぁっ!?」
咲ちゃんは勢いよく私の方を見る。
「四月の新歓の時に酔っ払った先輩から助けてくれたでしょ? 話したこともない、ただの同級生のわたしを守ってくれてカッコイイなって思った。こんなことできる女の子はきっと他にはいないってすごく同性として惚れちゃったよ。でもね、付き合っていく中で咲ちゃんは本当に人見知りで、恥ずかしがり屋さんで。だって、同じ授業の時、わたしが他の子と話してたら遠くから見てるけど、こっちに来ないし」
「そりゃあ、会話の邪魔になるしよぉ……」
「そんなことないよ。一緒にお話しよ」
「いいのか? 真綾も真綾の友達もみんなふわふわ系のかわいらしい子たちばっかだから、ワタシみたいなのが入って……」
「みんな本も、書くことも大好きな子たちばかりだから大丈夫だよ。胸を張って紹介するよ。大切なお友達、親友だよって」
不安そうにしている咲ちゃんに笑いかける。
「わたしは咲ちゃんが一番なんでも話しやすいって思ってる。お寝坊さんで、忘れ物が多くて、でも根は真面目で正義感が強くて、傷つきやすくて心配性。そんな人間くさい咲ちゃんが大好き」
「ワタシも優しくてアクティブで、か弱そうに見えてるのに、芯があって、何事にも情熱的な真綾が好きだ。ワタシも佐野真綾は大切な友達、親友だって言わせてほしい」
「これからもよろしくね」
「こちらこそ」
「また遊んだり、本貸し借りしたり、一緒に小説書いていこう」
「言われなくても」
どちらからともなく笑い合う。咲ちゃんの不安が少しでも消えたならいいな。
「咲ちゃんといると、すごく安心するんだよ」
「そっかぁ~。嬉しいぜ」
「なんだか君彦くんとどこか似てる気がしてるからかな」
「に、似てねぇよ! どこが似てる!?」
「んー、うまく説明は出来ないけど、二人とも好きだよ」
「好きって言われたら、それ以上なんも言えねぇじゃん」
咲ちゃんは苦笑いしながら、でもどこか照れくさそうにグラスに刺さっているストローに口をつけた。
天王寺は大学からだと電車で三、四十分、終点まで乗っていく。価格が安くて最新トレンドを押さえた服屋さんが駅前のショッピングセンターに集中していて、徒歩十五分圏内で行き来できて、到着した夕方六時から大体のお店が閉店する夜九時までの少ない時間でも巡りやすい。
「初デートだから絶対ワンピースが着たいんだよ!」
わたしの中でワンピースは、勝負服。今日は絶対頑張るという気合をいれる意味で着ることが多い。一枚でメインコーデが決まるからだ。あとは寝坊した時だけど……。昔から決めていた、初めてデートに行く時にはワンピースを着るって。
「いいじゃん。どんなのを考えてんの?」
「君彦くんの横に立っても恥ずかしくない、大人な雰囲気の女性が着るようなのにしようと思ってる」
と息こんで天王寺に到着したけれど、
「あ~! かわいい~!」
レースがたくさん使われているものや、リボンがあしらわれているかわいらしいデザインばかり目がいってしまう。
「無理せず真綾の好きな服着たらいいとも思うけど、人生で初のデートだもんなぁ。気合いいれてぇよな」
「咲ちゃん、ごめんね。何店舗も連れまわしちゃって」
「ゆっくり選べばいいよ」
また違うお店に入る。二十代・三十代の女性に人気なブランドのお店だ。咲ちゃんは入ってすぐのハンガーラックにかかっていた一着のワンピースを手に取ると、わたしに言った。
「このベロアのワンピースどうだ?」
第一印象は真っ黒かな? と思ったけど、よく見ると、濃く深い紫色をしている。丸襟でその淵には同じ布で小さくフリルがつけられている。
「個人的に秋だとベロアとかコーデュロイ素材のものを思い浮かべるんだよな。コーデュロイはアクティブでカジュアルなイメージがあるから、神楽小路と一緒なら、上品な感じがするベロアかなぁって」
「すごい! 店員さんみたい!」
「ま、ファッション雑誌の受け売りだ」
そう言うと、鏡の前まで移動して、わたしの体にワンピースを当てる。
咲ちゃんが持っている状態だと膝が隠れていたけど、十センチ身長が高いわたしだと膝上になる。でも、短すぎず、ちょうどよさげ。
「真綾は肌白いし、今、髪の毛染めてて茶髪だろ。服が暗めの色でも重くなりすぎず似合ってきれいだと思うんだよ。だから浴衣の時も藍色をチョイスしたし。デートにしては色が暗いかもしれないけど、ベロアって光に当たると、なんていうか怪しく光るというか……どことなくセクシーって思わね?」
「ちょっとその感覚わかるかも」
「そんでもってベロアと言ったらこの独特の手触りが最高じゃん。神楽小路が触れてきた時のこと考えてもさぁ……」
「触れて……!?」
「おや~? 真綾チャン、何考えてんのかな~?」
「いや、えっと……」
にやにやと笑いながら訊いてくる咲ちゃんにたじろいでしまう。
「ワタシはハグのこと指してたんだが、真綾はそれ以上のことを想定したかぁ~」
「ま、まだキスもしてないのにそんなことまで……! うぅ、でも、ちょっと……考えたかもしれないけど……」
「待て待て。キス、まだなのか……?」
「へ? そうだよ? まだしてない」
正直に答えると、咲ちゃんは頭を抱え始めた。
「お前ら一か月何してたんだ……!? ウブすぎる! いや、オマエららしくてそれはそれでいいとは思うけど。そんなの少女漫画の中の話だって思って……! 真綾、絶対初デートいいものにしような!」
「う、うん!」
わたしはあのワンピースと、それに合わせる細いゴムベルトを買った。ベルトでウエストマークするだけでアクセントになる。コルセットのような太いベルトもインパクトがあっていいけど、歩いたり食べたりしたら苦しくなるかなと思って、柔らかいゴム製のものにした。バックルには、金色のお花がついている。こないだ君彦くんからプレゼントでもらった、お花のバレッタとも相性が良さそう。靴は家にある編み上げのブーツを合わせようと思う。
「服探し手伝ってくれてありがとうね」
「いいよ、これくらい」
「真綾が喜んでくれたならワタシも嬉しいぞ」
「あ、もう七時半だね……。ご飯どっかで食べていかない?」
「おう。行こうぜ」
「駿河くんに連絡しないでいいの?」
「総一郎には真綾と買い物行く話はしたら『じゃあ、ご飯は要らないですよね』って。なに食べる?」
「前は、ラーメン食べたもんね」
「そうだなぁ。あ、こないだ、総一郎と行くか悩んで行かなかったカフェでもいいか?」
「いいよ~!」
「ご飯みそ汁付きの定食もあれば、パスタもピザもあるって書いてあって」
「選ぶの楽しそう!」
さっそくお店に入る。わたしは大きなハンバーグと目玉焼きがのったロコモコ、咲ちゃんはからあげにとろろ丼がついている定食にした。
「おいしい!」
「オシャレなのに、味も量もしっかりしてるよな」
「メニューもたくさんあったし、良いお店を知れたよ。ありがとう」
いつか君彦くんとも来れたらいいな。彼はいったい何を選ぶだろう。
咲ちゃんと食事をしながら、最近読んだ本のこと、書いている途中の小説のこと、お互いの恋人について話す。
高校生まではおこづかいも少なくて、友達とご飯となるとファストフード店でバーガーとドリンクだったなぁ。本や服、コスメいろいろ欲しいものがあって、おこづかいが少ない時はドリンクのSサイズだけで何時間も粘ったり。千円を超えるものを食べるだけでもかなりハードルが高かった。今も値段はやっぱり気にするけど、選べる範囲が広がったところが「大学生になったなぁ」と感じる。
「こんなこと訊くのも変なんだけどさ」
「どうしたの?」
デザートが届いて、スマホで写真を撮っていると、
「今日服探しに行く相手、ワタシで良かったのか?」
咲ちゃんはコーヒーゼリーの上に乗ったアイスをスプーンでつつきながら言う。
「真綾は友達たくさんいるだろう? 地元にも、学校の友達も。その中からワタシでいいのかって。服の趣味も違うし、わたしは派手な色好きだけど、真綾は淡い色が好きだし。せっかく仲良くしてくれてるのに、こんなこと訊くのもホント失礼だけど。不安になることがあるんだよ」
視線を落とし、声にさっきの元気はない。わたしはお水を飲みほしてから、
「咲ちゃんって強そうなイメージあるけど、わたしよりも繊細で可憐だよね」
「ふぁっ!?」
咲ちゃんは勢いよく私の方を見る。
「四月の新歓の時に酔っ払った先輩から助けてくれたでしょ? 話したこともない、ただの同級生のわたしを守ってくれてカッコイイなって思った。こんなことできる女の子はきっと他にはいないってすごく同性として惚れちゃったよ。でもね、付き合っていく中で咲ちゃんは本当に人見知りで、恥ずかしがり屋さんで。だって、同じ授業の時、わたしが他の子と話してたら遠くから見てるけど、こっちに来ないし」
「そりゃあ、会話の邪魔になるしよぉ……」
「そんなことないよ。一緒にお話しよ」
「いいのか? 真綾も真綾の友達もみんなふわふわ系のかわいらしい子たちばっかだから、ワタシみたいなのが入って……」
「みんな本も、書くことも大好きな子たちばかりだから大丈夫だよ。胸を張って紹介するよ。大切なお友達、親友だよって」
不安そうにしている咲ちゃんに笑いかける。
「わたしは咲ちゃんが一番なんでも話しやすいって思ってる。お寝坊さんで、忘れ物が多くて、でも根は真面目で正義感が強くて、傷つきやすくて心配性。そんな人間くさい咲ちゃんが大好き」
「ワタシも優しくてアクティブで、か弱そうに見えてるのに、芯があって、何事にも情熱的な真綾が好きだ。ワタシも佐野真綾は大切な友達、親友だって言わせてほしい」
「これからもよろしくね」
「こちらこそ」
「また遊んだり、本貸し借りしたり、一緒に小説書いていこう」
「言われなくても」
どちらからともなく笑い合う。咲ちゃんの不安が少しでも消えたならいいな。
「咲ちゃんといると、すごく安心するんだよ」
「そっかぁ~。嬉しいぜ」
「なんだか君彦くんとどこか似てる気がしてるからかな」
「に、似てねぇよ! どこが似てる!?」
「んー、うまく説明は出来ないけど、二人とも好きだよ」
「好きって言われたら、それ以上なんも言えねぇじゃん」
咲ちゃんは苦笑いしながら、でもどこか照れくさそうにグラスに刺さっているストローに口をつけた。
0
お気に入りに追加
2
あなたにおすすめの小説
百合ランジェリーカフェにようこそ!
楠富 つかさ
青春
主人公、下条藍はバイトを探すちょっと胸が大きい普通の女子大生。ある日、同じサークルの先輩からバイト先を紹介してもらうのだが、そこは男子禁制のカフェ併設ランジェリーショップで!?
ちょっとハレンチなお仕事カフェライフ、始まります!!
※この物語はフィクションであり実在の人物・団体・法律とは一切関係ありません。
表紙画像はAIイラストです。下着が生成できないのでビキニで代用しています。
女難の男、アメリカを行く
灰色 猫
ライト文芸
本人の気持ちとは裏腹に「女にモテる男」Amato Kashiragiの青春を描く。
幼なじみの佐倉舞美を日本に残して、アメリカに留学した海人は周りの女性に振り回されながら成長していきます。
過激な性表現を含みますので、不快に思われる方は退出下さい。
背景のほとんどをアメリカの大学で描いていますが、留学生から聞いた話がベースとなっています。
取材に基づいておりますが、ご都合主義はご容赦ください。
実際の大学資料を参考にした部分はありますが、描かれている大学は作者の想像物になっております。
大学名に特別な意図は、ございません。
扉絵はAI画像サイトで作成したものです。
極悪家庭教師の溺愛レッスン~悪魔な彼はお隣さん~
恵喜 どうこ
恋愛
「高校合格のお礼をくれない?」
そう言っておねだりしてきたのはお隣の家庭教師のお兄ちゃん。
私よりも10歳上のお兄ちゃんはずっと憧れの人だったんだけど、好きだという告白もないままに男女の関係に発展してしまった私は苦しくて、どうしようもなくて、彼の一挙手一投足にただ振り回されてしまっていた。
葵は私のことを本当はどう思ってるの?
私は葵のことをどう思ってるの?
意地悪なカテキョに翻弄されっぱなし。
こうなったら確かめなくちゃ!
葵の気持ちも、自分の気持ちも!
だけど甘い誘惑が多すぎて――
ちょっぴりスパイスをきかせた大人の男と女子高生のラブストーリーです。
独身寮のふるさとごはん まかないさんの美味しい献立
水縞しま
ライト文芸
旧題:独身寮のまかないさん ~おいしい故郷の味こしらえます~
第7回ライト文芸大賞【料理・グルメ賞】作品です。
◇◇◇◇
飛騨高山に本社を置く株式会社ワカミヤの独身寮『杉野館』。まかない担当として働く有村千影(ありむらちかげ)は、決まった予算の中で献立を考え、食材を調達し、調理してと日々奮闘していた。そんなある日、社員のひとりが失恋して落ち込んでしまう。食欲もないらしい。千影は彼の出身地、富山の郷土料理「ほたるいかの酢味噌和え」をこしらえて励まそうとする。
仕事に追われる社員には、熱々がおいしい「味噌煮込みうどん(愛知)」。
退職しようか思い悩む社員には、じんわりと出汁が沁みる「聖護院かぶと鯛の煮物(京都)」。
他にも飛騨高山の「赤かぶ漬け」「みだらしだんご」、大阪の「モダン焼き」など、故郷の味が盛りだくさん。
おいしい故郷の味に励まされたり、癒されたり、背中を押されたりするお話です。
ウブな政略妻は、ケダモノ御曹司の執愛に堕とされる
Adria
恋愛
旧題:紳士だと思っていた初恋の人は私への恋心を拗らせた執着系ドSなケダモノでした
ある日、父から持ちかけられた政略結婚の相手は、学生時代からずっと好きだった初恋の人だった。
でも彼は来る縁談の全てを断っている。初恋を実らせたい私は副社長である彼の秘書として働くことを決めた。けれど、何の進展もない日々が過ぎていく。だが、ある日会社に忘れ物をして、それを取りに会社に戻ったことから私たちの関係は急速に変わっていった。
彼を知れば知るほどに、彼が私への恋心を拗らせていることを知って戸惑う反面嬉しさもあり、私への執着を隠さない彼のペースに翻弄されていく……。
ナツキス -ずっとこうしていたかった-
帆希和華
ライト文芸
紫陽花が咲き始める頃、笹井絽薫のクラスにひとりの転校生がやってきた。名前は葵百彩、一目惚れをした。
嫉妬したり、キュンキュンしたり、切なくなったり、目一杯な片思いをしていた。
ある日、百彩が同じ部活に入りたいといい、思わぬところでふたりの恋が加速していく。
大会の合宿だったり、夏祭りに、誕生日会、一緒に過ごす時間が、二人の距離を縮めていく。
そんな中、絽薫は思い出せないというか、なんだかおかしな感覚があった。フラッシュバックとでも言えばいいのか、毎回、同じような光景が突然目の前に広がる。
なんだろうと、考えれば考えるほど答えが遠くなっていく。
夏の終わりも近づいてきたある日の夕方、絽薫と百彩が二人でコンビニで買い物をした帰り道、公園へ寄ろうと入り口を通った瞬間、またフラッシュバックが起きた。
ただいつもと違うのは、その中に百彩がいた。
高校二年の夏、たしかにあった恋模様、それは現実だったのか、夢だったのか……。
17才の心に何を描いていくのだろう?
あの夏のキスのようにのリメイクです。
細かなところ修正しています。ぜひ読んでください。
選択しなくちゃいけなかったので男性向けにしてありますが、女性の方にも読んでもらいたいです。
よろしくお願いします!

包んで、重ねて ~歳の差夫婦の極甘新婚生活~
吉沢 月見
恋愛
ひたすら妻を溺愛する夫は50歳の仕事人間の服飾デザイナー、新妻は23歳元モデル。
結婚をして、毎日一緒にいるから、君を愛して君に愛されることが本当に嬉しい。
何もできない妻に料理を教え、君からは愛を教わる。
ドSでキュートな後輩においしくいただかれちゃいました!?
春音優月
恋愛
いつも失敗ばかりの美優は、少し前まで同じ部署だった四つ年下のドSな後輩のことが苦手だった。いつも辛辣なことばかり言われるし、なんだか完璧過ぎて隙がないし、後輩なのに美優よりも早く出世しそうだったから。
しかし、そんなドSな後輩が美優の仕事を手伝うために自宅にくることになり、さらにはずっと好きだったと告白されて———。
美優は彼のことを恋愛対象として見たことは一度もなかったはずなのに、意外とキュートな一面のある後輩になんだか絆されてしまって……?
2021.08.13
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる