ダイアリー・ストーリー

青木 春

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メリークリスマスDeath

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部屋でこの日記を書いていると、扉をノックされた。







ご飯の時間らしい。







いそいそとリビング向かい、家族揃って夕食にした。クリスマス目前の今日、なかなか豪勢な食卓で、ラーメンもあればターキーもあって、ピザに、ネズミ、サンタクロースのローストまであった。







明日は家族が揃わないので早めのクリスマスをすることになっていた。







おや?と隣を見ると、弟はサンタクロースのローストを見て顔を強ばらせた。








「サンタさん、死んでない?」と我が弟は言った。







13歳になると決まってこのローストサンタ行事がある。
筆者も最初は驚いた「サンタさん死んでね?」って。







この時、サンタさんは存在しないと知ることになるのだ。これが大人の階段と言うやつである。







なぜこんな行事があるかって?







毎年、毎年25日になると子供が悪鬼になるのだ、冷や冷やどころじゃない。だから、その恐怖から解放されたとばかりに大人が






「サンタなんかいねえーよ、ばーかばーか今まで騙されやがって」と大人がアホみたいに喜ぶためである。








このローストサンタは近年も稀に起こるサンタ怪異事件で犠牲になった人達。







サンタクロースのローストは見た目こそ良くないが、生首がちょこんとお皿の上で行儀よくしていて、しばらく一緒にいると愛着も湧いてくる。ほどよく焼けたサンタさんはとても美味しそうだ。








あれ?よく見ればこのサンタさん、見覚えがあった。







雷雨の日、雲間に現れたダイソンの掃除機に吸われた、あのおじさんではなかろうか。

柔和な顔つき、白い眉、今は白い髭を生やしているが、紛れもないあの人である。









こんなところで会うとは奇遇ですね、と生首に話しかけた。サンタのおじさんはしんと瞳を閉じている。もちろんだが返事はかえってこない。






満腹になった筆者は風呂に入って床についた。







床についたものの、お腹がいっぱいすぎてお腹にが風船のように膨れ上がっている。いつまでも寝られずにごろごろしていると一階のリビングで物音がした。







現在時刻、12時だった。








この時、私たち家族は大きな勘違いをしていたことに気づいた。

弟は早生まれ、まだ12歳であった。にもかかわらずローストサンタ行事をしてしまった。まだ捧げものが必要なのにも関わらず、両親、筆者ともにプレゼントを用意していなかった。







恐ろしい夜の始まりである。




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