皆さん勘違いなさっているようですが、この家の当主はわたしです。

侯爵家の後継者であるリアーネは父親に呼びされる。

「次期当主はエリザベスにしようと思う」

父親は腹違いの姉であるエリザベスを次期当主に指名してきた。理由はリアーネの婚約者であるリンハルトがエリザベスと結婚するから。
リンハルトは侯爵家に婿に入ることになっていた。

「エリザベスとリンハルト殿が一緒になりたいそうだ。エリザベスはちょうど適齢期だし、二人が思い合っているなら結婚させたい。急に婚約者がいなくなってリアーネも不安だろうが、適齢期までまだ時間はある。お前にふさわしい結婚相手を見つけるから安心しなさい。エリザベスの結婚が決まったのだ。こんなにめでたいことはないだろう?」

破談になってめでたいことなんてないと思いますけど? 
婚約破棄になるのは構いませんが、この家を渡すつもりはありません。



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