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45.第三王子の提案
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短い会話の後、ドアが開かれ入室を促される。わたしは思わずゴクリと唾を飲んだ。
――この中に第三王子殿下がいらっしゃるのね。何を言われるのかしら。
わたしは意を決して部屋の中へ足を進めた。
目の前で第三王子殿下がソファに腰掛けている。すぐに第三王子は室内にいる人間に席を外すように指示をだした。第三王子の後ろに控えていた人はグレン様に本当に良いのかといった視線を送り、グレン様は問題ないと返す。
部屋には三人だけが残された。わたしはドアが閉められると第三王子に挨拶をする。
「第三王子殿下、お初にお目にかかります。錬金術師のエルザと申します。お会いできて光栄です。この度は色々とご配慮いただきありがとうございました」
「やぁ、エルザ嬢。よく来てくれたね。会えて嬉しいよ。僕の好意をちゃんとわかってくれていたようだね。本当に嬉しいな。さぁ、座って」
わたしは目の前の銀色の髪にエメラルドのような綺麗な目を持つ美しい男の人。思わず見とれそうになってしまう。顔が綺麗なだけでなく、王族としての気品がある。そこにいるだけで周囲の空気も変えてしまいそうだ。
――うわぁ。本当に綺麗な人……。
第三王子はとても上機嫌そうだ。言葉の選択も間違っていなかったようである。なんとなくだが、第三王子が自分の存在をアピールしたいように感じたのだ。
「ずっと君に会いたかったんだ。知っていると思うけど、僕はジルベール・エルデン。グレンは僕のことをジルって呼ぶよ」
わたしは『ずっと会いたかった』という言葉に一瞬引っかかったが、それよりも意味のわからないことを言われて困惑してしまう。にっこりとわたしに笑顔を向けてくるが、わたしにはその意図がよくわからない。グレン様の呼び方は何か関係があるのだろうか。グレン様は呆れた顔をしている。
――ここでグレン様との仲良しアピール? まさか、自分を愛称で呼べってこと? そんなことあるわけないわよね。
考えてもわからないので、今日の目的を訊くことにした。
「第三王子殿下、今日はどのようなお話でしょうか?」
「グレンはジルって呼ぶよ?」
第三王子はなぜだかさらに圧をかけてくる。グレン様はため息を吐いた。
「殿下、お戯れはおやめください。エルザ嬢が困っています。エルザ嬢、殿下は名前を呼んでほしいそうだ」
なんとまさかの要望だった。そんな要望きけるわけがない。わたしはグレン様とは違う。グレン様は第三王子の幼なじみで親友で側近。わたしはただの平民だ。そもそも、わたしは平和に暮らしたいのに、王族となんてお近づきになりたくない。
「……それは恐れ多いです」
「僕が許可してるんだよ?」
「いえ、本当に恐れ多いです」
「殿下、エルザ嬢を困らせないでください」
「グレンは名前で呼ばれているから良いじゃないか」
「それは、ウィンスレットがたくさんいてややこしいだけです。村の人も皆同じように呼びます」
本当に仲が良いんだなと二人のやりとりをみていたが、話は進みそうにない。わたしとしてはなるべく早くこの場を終わらせたい。
「……あの、では、ジルベール殿下とお呼びするということで如何でしょうか?」
これがわたしの最大限の譲歩だ。もちろん人前では極力呼ばないけれど、こういった場は仕方がないと諦めた。
グレン様がこれで我慢しろといった顔をすると第三王子は渋々了承してくれた。
「仕方ないなぁ。まぁ、これからいくらでも機会はあるか。また、こうやって遊びに来てくれると嬉しいな」
――止めてください。もう二度と来たくないです……。
「それは難しいかと……」
わたしは困った顔でやんわりと拒否すると第三王子は『どうして?』といった顔をする。
「わたしはただの平民です。ここに来られるような身分も教養もありません」
「それは大丈夫だよ。君の所作には問題ないし、教養は充分なんじゃないかな。教師も褒めていたしね。それに身分なんだけど、錬金術師として城に勤めない?」
「はい?」
第三王子はさらにとんでもないことを言い出した。お城勤めなんて絶対に無理だ。グレン様もこの話は知らなかったようで驚いた顔をしている。
「エルザ嬢に近くで働いてもらえたら良いなって」
「無理です! 何度も言いますけど、わたしは平民です」
――身分を詐称しているのにお城勤めなんて無理! 身元調査されたらこの生活が終わってしまうじゃない。
「じゃあ、王都で店を開く? 確かに城勤めは窮屈だよね。できれば僕が独占したいし。安心して、パトロンになるよ。僕の専属になって欲しいしね」
「有り難いご提案なのですが、お断りします」
「どうして?」
「王族の専属なんて平民のわたしには恐れ多いです」
「平民と言うけれど、君の所作には何の問題もないよね。まるで貴族のご令嬢のようだよ」
第三王子はにっこりと強めに圧をかけてくる。王族だけあってかなり強い圧だ。わたしは思わず視線をそらしそうになる。
「それは昔、貴族のお屋敷で母親と共にお世話になっていたからです」
「へぇ。では、それはどこのお屋敷? 使用人にも立派な教育をする家だなんて興味があるな」
「……お世話になっていた家のお話をするわけにはいけません」
「どうして言えないの?」
「どんなお話がお世話になった家に不利益をもたらすかわかりませんから」
「……まぁ、それもそうだね」
第三王子は意味深な顔をする。何か知っているのだろうか。正直、もう逃げ出したい。
――この中に第三王子殿下がいらっしゃるのね。何を言われるのかしら。
わたしは意を決して部屋の中へ足を進めた。
目の前で第三王子殿下がソファに腰掛けている。すぐに第三王子は室内にいる人間に席を外すように指示をだした。第三王子の後ろに控えていた人はグレン様に本当に良いのかといった視線を送り、グレン様は問題ないと返す。
部屋には三人だけが残された。わたしはドアが閉められると第三王子に挨拶をする。
「第三王子殿下、お初にお目にかかります。錬金術師のエルザと申します。お会いできて光栄です。この度は色々とご配慮いただきありがとうございました」
「やぁ、エルザ嬢。よく来てくれたね。会えて嬉しいよ。僕の好意をちゃんとわかってくれていたようだね。本当に嬉しいな。さぁ、座って」
わたしは目の前の銀色の髪にエメラルドのような綺麗な目を持つ美しい男の人。思わず見とれそうになってしまう。顔が綺麗なだけでなく、王族としての気品がある。そこにいるだけで周囲の空気も変えてしまいそうだ。
――うわぁ。本当に綺麗な人……。
第三王子はとても上機嫌そうだ。言葉の選択も間違っていなかったようである。なんとなくだが、第三王子が自分の存在をアピールしたいように感じたのだ。
「ずっと君に会いたかったんだ。知っていると思うけど、僕はジルベール・エルデン。グレンは僕のことをジルって呼ぶよ」
わたしは『ずっと会いたかった』という言葉に一瞬引っかかったが、それよりも意味のわからないことを言われて困惑してしまう。にっこりとわたしに笑顔を向けてくるが、わたしにはその意図がよくわからない。グレン様の呼び方は何か関係があるのだろうか。グレン様は呆れた顔をしている。
――ここでグレン様との仲良しアピール? まさか、自分を愛称で呼べってこと? そんなことあるわけないわよね。
考えてもわからないので、今日の目的を訊くことにした。
「第三王子殿下、今日はどのようなお話でしょうか?」
「グレンはジルって呼ぶよ?」
第三王子はなぜだかさらに圧をかけてくる。グレン様はため息を吐いた。
「殿下、お戯れはおやめください。エルザ嬢が困っています。エルザ嬢、殿下は名前を呼んでほしいそうだ」
なんとまさかの要望だった。そんな要望きけるわけがない。わたしはグレン様とは違う。グレン様は第三王子の幼なじみで親友で側近。わたしはただの平民だ。そもそも、わたしは平和に暮らしたいのに、王族となんてお近づきになりたくない。
「……それは恐れ多いです」
「僕が許可してるんだよ?」
「いえ、本当に恐れ多いです」
「殿下、エルザ嬢を困らせないでください」
「グレンは名前で呼ばれているから良いじゃないか」
「それは、ウィンスレットがたくさんいてややこしいだけです。村の人も皆同じように呼びます」
本当に仲が良いんだなと二人のやりとりをみていたが、話は進みそうにない。わたしとしてはなるべく早くこの場を終わらせたい。
「……あの、では、ジルベール殿下とお呼びするということで如何でしょうか?」
これがわたしの最大限の譲歩だ。もちろん人前では極力呼ばないけれど、こういった場は仕方がないと諦めた。
グレン様がこれで我慢しろといった顔をすると第三王子は渋々了承してくれた。
「仕方ないなぁ。まぁ、これからいくらでも機会はあるか。また、こうやって遊びに来てくれると嬉しいな」
――止めてください。もう二度と来たくないです……。
「それは難しいかと……」
わたしは困った顔でやんわりと拒否すると第三王子は『どうして?』といった顔をする。
「わたしはただの平民です。ここに来られるような身分も教養もありません」
「それは大丈夫だよ。君の所作には問題ないし、教養は充分なんじゃないかな。教師も褒めていたしね。それに身分なんだけど、錬金術師として城に勤めない?」
「はい?」
第三王子はさらにとんでもないことを言い出した。お城勤めなんて絶対に無理だ。グレン様もこの話は知らなかったようで驚いた顔をしている。
「エルザ嬢に近くで働いてもらえたら良いなって」
「無理です! 何度も言いますけど、わたしは平民です」
――身分を詐称しているのにお城勤めなんて無理! 身元調査されたらこの生活が終わってしまうじゃない。
「じゃあ、王都で店を開く? 確かに城勤めは窮屈だよね。できれば僕が独占したいし。安心して、パトロンになるよ。僕の専属になって欲しいしね」
「有り難いご提案なのですが、お断りします」
「どうして?」
「王族の専属なんて平民のわたしには恐れ多いです」
「平民と言うけれど、君の所作には何の問題もないよね。まるで貴族のご令嬢のようだよ」
第三王子はにっこりと強めに圧をかけてくる。王族だけあってかなり強い圧だ。わたしは思わず視線をそらしそうになる。
「それは昔、貴族のお屋敷で母親と共にお世話になっていたからです」
「へぇ。では、それはどこのお屋敷? 使用人にも立派な教育をする家だなんて興味があるな」
「……お世話になっていた家のお話をするわけにはいけません」
「どうして言えないの?」
「どんなお話がお世話になった家に不利益をもたらすかわかりませんから」
「……まぁ、それもそうだね」
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