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3話-1 This is not for the broken hearted (これはお前のためじゃない)
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ー1ー
それは先天性の病だった。
とある村で生まれた子供が、満月の夜に突如として暴れ始める。
青い目の集団の中で、よく目立つ赤い目つき。
彼が異端と扱われるまでにさほど時間はかからなかった。
その村が人口の少ない村だったことも、その差別の過激さを増長させた。
そんな彼にとって唯一の幸運は、村人に忌み嫌われながらも両親が彼を保護したことだろう。
外での扱いは酷いものであったが、家では普通の生活を送れていた。
その後、村人の差別が激しさを増すと、彼は一人家を出たが、病の故か同年代に比べ体が強かった彼にとって、森で動物を狩ることは困難とはいえ出来ないことではなかった。
そして16になると、彼は忌み嫌われる存在ではなく、恐怖の対象として畏怖されるようになったのである。
誰も彼を虐めることはない。
ようやく平穏を手に入れたのだ。
だが、彼が真に欲したのはそんなことではなかった。
多くの人間が承認欲求を持つように、
彼も誰かに認めて欲しかったのだ。
誰かの何かになりたくて。
ーなれなくて。
必死に足掻いて。
ー捨てられて。
遂にどうしようもなくなって。
でも諦めきれなくて。
そうして、皆が通る思春期の葛藤に、だが他の誰よりも深いその葛藤に悩んだ彼は、
「やあ、少年。君が噂の狼少年ってやつかい?」
その日、彼女に出会った。
ー2ー
「…ん……」
ベッドの方から呻き声が聞こえる。そろそろ眼を覚ますだろう。さて、どんな反応をするだろうか。
先程焼きあがったトーストを片手にその様子を伺う。やがて、ベッドから一人の女がゆっくりと体を起こした。
「…んー、あれ?ここ何処だっ…け…」
寝惚け眼(まなこ)をこする彼女と目が合う。
すると、女の顔が次第に赤く染まり始め、
「てめえ!私に何しやがった!?」
という怒声と共に枕や目覚まし時計がこちら目掛けて投げ込まれた。
とりあえず身に危険を及ぼす物だけを手で退けながら、パン耳のサクサク具合を楽しむ。そういえば、そろそろ珈琲が沸く時間か、とのんびり席を立った。
「無視してんじゃねえぞ!」
そんな彼の様子に怒りを覚えたのか、とうとう女が殴りかかってくる。
対して、彼は冷静に飛び込んでくる角度を見極めると、左手をそこに捻(ねじ)こんだ。
そして、殴られた彼女はそのまま逆方向に飛んでいき、結果見事にベッドの上へと返り咲いた。
「……」
女は一言も喋らない。
どうやら二度寝したようだ。
彼は左手を握りしめ、手に違和感がないか確認すると、その手でカップを口に寄せた。
….苦い。
どうやら砂糖を入れ忘れたようである。
しかし、口中に広がるほろ苦い味は、在りし日の思い出を彼に想起させた。
ー3ー
「…遂に俺を殺しに来たか。」
彼は嘆息した。
別にこの女と面識があるわけではない。
ただ、その風体や纏う雰囲気から、彼女が風の噂に聞いていた「狩人」なのだろうと察したのだ。
異形のモノを殺し、生活の糧とする者たち。
きっと、彼の復讐を恐れた村人たちに依頼でもされたのだろう。
いよいよくたばる時が来たようだ。
彼がそんな覚悟を決めていた一方で、
しかし彼を見つめる女は、
「…いやそこは、『狼少年』ってそういうことじゃないだろ、って突っ込むところでしょ。」
なんて素っ頓狂なことを言っていた。
「……は?」
彼は思わず聞き返す。すると、呆れたように彼女は言った。
「おいおい、ギャグは繰り返したら冷めるじゃないか。そこは1発で分かってくれないと。」
言ってることが通じない。これはわざとしているのか。もしくは、そもそも自分が場の雰囲気を読み違えていたのか。
そのようにして、彼が混乱に頭を痛めていると、彼女は笑いながら言った。
「あはは。ごめんごめん、悪かったよ。」
そして懐から金属製の容器を取り出すと、俺の横に座りコップを渡してきた。
「少年、私と少し話さないか?」
ー4ー
コップを手に取ると、彼女はそこに珈琲を注いだ。砂糖とミルクを要求すると、手を振ってそれらが無いことをアピールされた。仕方なくそのまま口をつけることにしたが、案の定そのコーヒーは飲めたものではなかった。
「あんた、よくこんなの飲めるな。」
と皮肉交じりに言ってみると、
「大人の嗜みさ。」
と返された。
その言葉がどっちつかずの自分を馬鹿にしてるように感じて、何度か啜ってみるものの、やはり飲めず、彼はコップを下に置いた。
「君の考えは合ってるよ。」
瞬間、唐突に放たれた彼女の言葉を、しかし彼の耳ははっきりと捉えた。
馴れ合いを求めた彼女の突然の裏切りに、驚きのあまり横を振り向く。
目と目があった。
女は静かに微笑んでいた。
「村の人に君を殺してくれって頼まれてね。とりあえず様子を見に来たんだ。」
逃げなきゃならない。体がそう叫んでいる。
だが、彼女の黒く澄んだ瞳が、彼の体を吸い込んで離さない。
息が苦しい。
体が動かない。
「ねえ…」
女は顔を覗き込んだ。
「君は人を殺したことがあるかい?」
女は遂に微笑みを絶やさなかった。
彼は瞳に意識を吸い込まれ、思考が溶けていくような感覚に陥りながら、まだ微かに感覚の残る口を必死に動かした。
「ね……ねぇ…よ…」
その返答は彼女にとって満足できるものだったのだろうか。
女は空を見上げた。
「そっか…」
それから勢いよく立ち上がると、2,3歩徒らに足を進めてから、こちらへ振り返った。
「じゃあ殺さない。」
その言葉と同時に、体から力がどっと抜けていくのを感じた。見れば、彼女の体を纏っていたプレッシャーのようなものが、まるで初めから無かったかのように消えている。
だが息を荒くする自分の体が、確かにそこであった事実を物語っていた。
「はぁ…はぁ…。俺の言葉なんか信じていいのかよ。」
彼女に睨まれただけで満身創痍だ。
しかし、許してやると言われて素直に喜ぶほどプライドは安くない。息を切らしながらも悪態をつくことが、今の彼にできる精一杯の抵抗だった。
だが、彼女は一切の迷いなく口を開いた。
「君を信じるんじゃないさ。」
「私は私の目利きを信じてるんだよ。」
屁理屈だ。そう思ったが、口には出さなかった。
それ程にその言葉は
明瞭で、
綺麗で、
思わず憧れを抱くほどに
美しかった。
それは先天性の病だった。
とある村で生まれた子供が、満月の夜に突如として暴れ始める。
青い目の集団の中で、よく目立つ赤い目つき。
彼が異端と扱われるまでにさほど時間はかからなかった。
その村が人口の少ない村だったことも、その差別の過激さを増長させた。
そんな彼にとって唯一の幸運は、村人に忌み嫌われながらも両親が彼を保護したことだろう。
外での扱いは酷いものであったが、家では普通の生活を送れていた。
その後、村人の差別が激しさを増すと、彼は一人家を出たが、病の故か同年代に比べ体が強かった彼にとって、森で動物を狩ることは困難とはいえ出来ないことではなかった。
そして16になると、彼は忌み嫌われる存在ではなく、恐怖の対象として畏怖されるようになったのである。
誰も彼を虐めることはない。
ようやく平穏を手に入れたのだ。
だが、彼が真に欲したのはそんなことではなかった。
多くの人間が承認欲求を持つように、
彼も誰かに認めて欲しかったのだ。
誰かの何かになりたくて。
ーなれなくて。
必死に足掻いて。
ー捨てられて。
遂にどうしようもなくなって。
でも諦めきれなくて。
そうして、皆が通る思春期の葛藤に、だが他の誰よりも深いその葛藤に悩んだ彼は、
「やあ、少年。君が噂の狼少年ってやつかい?」
その日、彼女に出会った。
ー2ー
「…ん……」
ベッドの方から呻き声が聞こえる。そろそろ眼を覚ますだろう。さて、どんな反応をするだろうか。
先程焼きあがったトーストを片手にその様子を伺う。やがて、ベッドから一人の女がゆっくりと体を起こした。
「…んー、あれ?ここ何処だっ…け…」
寝惚け眼(まなこ)をこする彼女と目が合う。
すると、女の顔が次第に赤く染まり始め、
「てめえ!私に何しやがった!?」
という怒声と共に枕や目覚まし時計がこちら目掛けて投げ込まれた。
とりあえず身に危険を及ぼす物だけを手で退けながら、パン耳のサクサク具合を楽しむ。そういえば、そろそろ珈琲が沸く時間か、とのんびり席を立った。
「無視してんじゃねえぞ!」
そんな彼の様子に怒りを覚えたのか、とうとう女が殴りかかってくる。
対して、彼は冷静に飛び込んでくる角度を見極めると、左手をそこに捻(ねじ)こんだ。
そして、殴られた彼女はそのまま逆方向に飛んでいき、結果見事にベッドの上へと返り咲いた。
「……」
女は一言も喋らない。
どうやら二度寝したようだ。
彼は左手を握りしめ、手に違和感がないか確認すると、その手でカップを口に寄せた。
….苦い。
どうやら砂糖を入れ忘れたようである。
しかし、口中に広がるほろ苦い味は、在りし日の思い出を彼に想起させた。
ー3ー
「…遂に俺を殺しに来たか。」
彼は嘆息した。
別にこの女と面識があるわけではない。
ただ、その風体や纏う雰囲気から、彼女が風の噂に聞いていた「狩人」なのだろうと察したのだ。
異形のモノを殺し、生活の糧とする者たち。
きっと、彼の復讐を恐れた村人たちに依頼でもされたのだろう。
いよいよくたばる時が来たようだ。
彼がそんな覚悟を決めていた一方で、
しかし彼を見つめる女は、
「…いやそこは、『狼少年』ってそういうことじゃないだろ、って突っ込むところでしょ。」
なんて素っ頓狂なことを言っていた。
「……は?」
彼は思わず聞き返す。すると、呆れたように彼女は言った。
「おいおい、ギャグは繰り返したら冷めるじゃないか。そこは1発で分かってくれないと。」
言ってることが通じない。これはわざとしているのか。もしくは、そもそも自分が場の雰囲気を読み違えていたのか。
そのようにして、彼が混乱に頭を痛めていると、彼女は笑いながら言った。
「あはは。ごめんごめん、悪かったよ。」
そして懐から金属製の容器を取り出すと、俺の横に座りコップを渡してきた。
「少年、私と少し話さないか?」
ー4ー
コップを手に取ると、彼女はそこに珈琲を注いだ。砂糖とミルクを要求すると、手を振ってそれらが無いことをアピールされた。仕方なくそのまま口をつけることにしたが、案の定そのコーヒーは飲めたものではなかった。
「あんた、よくこんなの飲めるな。」
と皮肉交じりに言ってみると、
「大人の嗜みさ。」
と返された。
その言葉がどっちつかずの自分を馬鹿にしてるように感じて、何度か啜ってみるものの、やはり飲めず、彼はコップを下に置いた。
「君の考えは合ってるよ。」
瞬間、唐突に放たれた彼女の言葉を、しかし彼の耳ははっきりと捉えた。
馴れ合いを求めた彼女の突然の裏切りに、驚きのあまり横を振り向く。
目と目があった。
女は静かに微笑んでいた。
「村の人に君を殺してくれって頼まれてね。とりあえず様子を見に来たんだ。」
逃げなきゃならない。体がそう叫んでいる。
だが、彼女の黒く澄んだ瞳が、彼の体を吸い込んで離さない。
息が苦しい。
体が動かない。
「ねえ…」
女は顔を覗き込んだ。
「君は人を殺したことがあるかい?」
女は遂に微笑みを絶やさなかった。
彼は瞳に意識を吸い込まれ、思考が溶けていくような感覚に陥りながら、まだ微かに感覚の残る口を必死に動かした。
「ね……ねぇ…よ…」
その返答は彼女にとって満足できるものだったのだろうか。
女は空を見上げた。
「そっか…」
それから勢いよく立ち上がると、2,3歩徒らに足を進めてから、こちらへ振り返った。
「じゃあ殺さない。」
その言葉と同時に、体から力がどっと抜けていくのを感じた。見れば、彼女の体を纏っていたプレッシャーのようなものが、まるで初めから無かったかのように消えている。
だが息を荒くする自分の体が、確かにそこであった事実を物語っていた。
「はぁ…はぁ…。俺の言葉なんか信じていいのかよ。」
彼女に睨まれただけで満身創痍だ。
しかし、許してやると言われて素直に喜ぶほどプライドは安くない。息を切らしながらも悪態をつくことが、今の彼にできる精一杯の抵抗だった。
だが、彼女は一切の迷いなく口を開いた。
「君を信じるんじゃないさ。」
「私は私の目利きを信じてるんだよ。」
屁理屈だ。そう思ったが、口には出さなかった。
それ程にその言葉は
明瞭で、
綺麗で、
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