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例えるならカカオ98%
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『今年は本命だけにする』
女子の会話に。
聞き耳を立てたつもりは無かったけど
あの子の声だけは
しっかり、俺まで届いてきた。
(やたらと目が合うな)
と思っていた。
こっちを見てると気が付いて
多分、それから何となく。
「おはよう」
「あ。お、おはよ」
挨拶を交わせば。
大きな荷物を後ろ手に隠すーー手作りか。
持ち帰るの大変そうだな……
貰う気満々で
冷やかしも覚悟して
返事はーー友達からと言うつもりで。
『ずっと好きでした』
そう、動いているんだろう唇を読む。
空き教室の廊下で呆けながら
呼び出されたのは親友の。
(なんで俺、盗み見とかして……)
薄く開けた扉の隙間
半開きの口閉じる間もなく
親友から漏れる「友達から」
"ずっと好きでした"
ーーああ成る程
俺の方が、だったのか。
チョコレートの匂いは
どこまでもほろ苦い記憶
甘酸っぱさは皆無の失恋秘話に。
女子の会話に。
聞き耳を立てたつもりは無かったけど
あの子の声だけは
しっかり、俺まで届いてきた。
(やたらと目が合うな)
と思っていた。
こっちを見てると気が付いて
多分、それから何となく。
「おはよう」
「あ。お、おはよ」
挨拶を交わせば。
大きな荷物を後ろ手に隠すーー手作りか。
持ち帰るの大変そうだな……
貰う気満々で
冷やかしも覚悟して
返事はーー友達からと言うつもりで。
『ずっと好きでした』
そう、動いているんだろう唇を読む。
空き教室の廊下で呆けながら
呼び出されたのは親友の。
(なんで俺、盗み見とかして……)
薄く開けた扉の隙間
半開きの口閉じる間もなく
親友から漏れる「友達から」
"ずっと好きでした"
ーーああ成る程
俺の方が、だったのか。
チョコレートの匂いは
どこまでもほろ苦い記憶
甘酸っぱさは皆無の失恋秘話に。
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