63 / 72
2章
63.サービスレーション sideエドヴァルド
しおりを挟む
「あれは一体、何をやっているんだ……」
俺の視線の先には、めくれ上がるスカートをモノともせず、せっせと木によじ登る少女の姿があった。
少女と言っても子供じゃない、むしろ年頃のはずだ。お転婆で片付けるには少々無理がある。
「つーか、ドロワーズって大っぴらに見せて良いもんじゃ無いよな?」
その堂に入った木登り姿を、俺がポカンと眺めている間にも少女ーーイリアはより高みを目指し、木の幹を登り続ける。
午後の穏やかな日が差すその横顔は、奇妙な凛々しささえあった。
***
ことの発端は、本日の調査時のくだらないやりとりだ。
先日のコンラートとの調査からさらに二日が過ぎ、アルハト周辺の調査も魔素で穢れた屑水晶の浄化もひと段落した、そんな穏やかな森での正午前。
「はぁ、やっと解放される」
俺は近場の倒木にドカリと座り、腰に括りつけたホルスターバッグからレーションを取り出した。
ここまでの調査で屑水晶を撒いた犯人への手がかりは見つからなかった。
しかし、バルファからの報告を受けた上役は、当初のイレギュラータイプの飽和……では無く。あーアレだ、今後は人為魔導災害って呼ぶんだよな。まぁソレの回避と言う目的を達成したこともあり、最早この地に大きな危険はないだろうと判断した。
そのため事後処理は後任に託し、俺たちS級チームでの調査はここいらで切り上げと言う事になった。
おそらく、明後日には迎えの馬車が来てこの地を発つだろう。
一刻も早くイオを探しに戻りたい。その気持ちを抑え、苛々と包み紙を裂いてレーションバーに噛り付き、親の仇の様に咀嚼していると、独特の香ばしさとナッツとドライフルーツの甘味が口に広がり、ささくれだった心を少しだけ宥めてくれる。
ただ、焼き菓子のようなそれは口の中の水分をごっそりと持っていくため、レーションと共に渡された小ぶりのボトルを口に運び茶で喉を潤した。
「ぬふっ、イリアちゃんお手製のレーション美味いだろ~」
俺が無言で咀嚼と嚥下を繰り返していると、自分の分を完食したらしいレオンがニヨニヨしながら話しかけてきた。
「ん? あぁ、非常食ってか、焼き菓子みたいだけどな」
そう、俺がいま食べているレーションは、数日前から世話になっている屋敷で働いているイリアと言う少女が作ってくれたものだ。
別に昼なぞ抜いても死にはしないと言うのに、彼女はせっせとレーションやら茶やらを俺たちに持たすのだ。
朝晩の妙に舌に合う美味い食事と、この甘い差し入れに、口にはしていないが俺はすっかり胃袋を掴まれている。
きっとレオンがイリアに入れ込むのは、容姿だけではなくこういった気配りな面も加味されているのだろう。
と言うか、あの娘は何故あの屋敷に居るんだろうな。
行き倒れていた所をエミリアに救われたと言っても、基本的に人間の寿命は短いのだからいつまでも屋敷に居るより、己の将来を考えるべきではないだろうか?
それに、ここへ来た当初から不思議に思っていたのだが、俺たちの前では屋敷の主人をエミリア様と呼ぶのに、屋敷の者だけの時はエミリア師匠と呼んでいるのを見かけるのだが、あの二人が何かを師事している間柄には見受けられないのに。
エミリアとあの小生意気な少年セスは時々魔導書を並んで読んでいるのは見かけるが……。
「てめっ、イリアちゃんの作ってくれたもんにケチつけんならそれ俺に寄越せ!」
「おい、こら!」
つらつらと疑問符を浮かべていると、俺の握っているレーションにレオンが手を伸ばす。
「別にケチつけた訳じゃないって、俺はレーションよりビスコッティの方が好きでって! レオンおまっ人のモノを取るんじゃない! 意地汚いぞ!」
空いた手でレオンの頭を押し返しレーションを守るが、レオンはノーマークになった俺のホルスターバッグからまだ手を付けていないレーションバーをサッと奪い取り、包み紙をむしり取ると、パカリと大きく開けた口に放り込んでしまった。
さすがS級ハンターと言うべきか、瞬く間もないその一連の動作は俺にレーションを奪還する隙も与えなかった。
「お前なぁ、こう言うモンは日持ちしやすいように水分を出来るだけ飛ばすから、そんな焦って食うと喉につまらせてるぞ」
「うっ!?」
「ほーら、言わんこっちゃない。大丈夫か?」
齧歯類みたいに頬を膨らませた獅子族に呆れていれば、案の定レーションを喉に詰まらせたレオンから呻き声が上がり、俺はその痩せた背中を叩いてやった。
しかし、無事にレーションを嚥下出来たらしいレオンが、今度は何かに打ちのめされたような顔で俺の顔を見上げた。
「……違う」
「は?」
「このレーション、ドライフルーツも入ってる」
「あぁ、入ってるな。それがどうかしたのか?」
「……これ、最初からか?」
レオンは俺の目をじぃっと見ながら、ワナワナと震えながら問う。
どうやらレーションのフレーバーに対して思うところがあるらしい。
「最初って何だよ、ドライフルーツが入ってると駄目なのか?」
「ダメじゃない! けど、俺のレーション今までナッツしか入ってなかったのに! 何で! 新参者のお前がこんなサービスしてもらってんだよぉ~!!」
「サービス?」
「それ! イリアちゃんの手作りレーションなんだぞ!」
「そうだが? って、お前なに泣いてんだよ!?」
俺が握ったままのレーションを指差しレオンは泣き喚く。
「それくらいって言うな~! 鉄壁のイリアちゃんがこんなっ、こんなぽっと出のエルフ野郎に~! う゛ぅ~こんにゃろ! こんにゃろ~!」
「ちょっ、叩くな! わめくな! 引っ掻くな! ったく何なんだよお前は」
俺はボコスカと人を殴るレオンの首根っこを鷲掴み放り投げるが、レオンは空中でクルリと体勢を整えて着地し、何事もなかったかのように喚き続ける。
「お前、甘党で果物とかも好きじゃねーか! イリアちゃんがなんでお前好みのモンばっかり作ってるのかって話しだよぉぉ~!」
「いや、んな事言われても?」
突然の苦情? に、俺が困惑しているとレオンは更にヒートアップする。
「うるさい! うるさい! 気のせいかと思ってたけど、食後のデザートがグレードアップしたのもお前が来てからだし! いつの間に仲良くなってんだよ! お前、純粋なイリアちゃんを弄びやがって~!」
「はぁぁ? つーか、弄ぶって人聞き悪いな! だいたい俺は、あの娘とは朝晩の飯の時に挨拶程度しか話してな……あー、あん時か? でも、あれくらい世間話だよな?」
俺は初日の夜に話したイリアの顔を思い出すが、親しく好物の話などした覚えはない。
「わーん! 人間はす~ぐ、エルフの良い感じの前評判にコロッと行くんだ~! なーにが神秘なる者だ! 儚き森の賢者だ! お前なんか女にだらしないゆるゆるエルフ野郎なのに~!」
「あーもー、素面の癖にめんどくせぇなこの猫は! だから人のモン盗るんじゃあない!」
騒ぎながらも再度、俺の持つレーションに齧り付こうとするレオンの額を、空いている手の中指でバチンと弾く。
「ぎゃんっ」
俺は額を抑えてうずくまるレオンを横目に、残りのレーションを口に放り込んだ。
しかし、イリアがどうして俺の好みを把握していたのかと言うのは確かに謎だ。俺はてっきり全員に同じレーションが渡されていると思っていたのだ。
「うーん……、世間のエルフのイメージに甘党で果物好きとかあったけか?」
精霊信仰やらの関係上、エルフ族はあまり故郷から出て行く事はなく、若い頃は国外にいても落ち着く先は故郷であることが多い。
そのため、他の種族が直接エルフを見ると言う機会は割と少ない。
エルフの血を引く俺が自分で言うのも何だが、そんなぼちぼちレアキャラである上に龍人に並ぶ古代種で、平均的な容姿も能力値も高いため、好き勝手に語られる世の中のエルフのイメージは妙に神聖視されている傾向にある。
でもなぁ故郷に帰れば容姿に恵まれないエルフ、魔法が不得手なエルフ、クソみたいな業突く張りなエルフも普通に居るんだがな。まぁ余談だ。
しかし、エルフの食の好みまで勝手な妄想が巷ではびこっていただろうか?
「お待たせしました。こちらも最終確認完りょ……って、なに遊んでいるんですか? お二人とも」
ボトルに入れられた香ばしい風味の茶でレーションを流し込んでいると、コンラートが展開した魔導陣片手に合流する。
「あぁ、俺がレオンに名誉棄損を受けていたところだ」
「お前が女にだらしないのは事実だろ~が!」
俺の言葉に傷一つない額を抑え、当て付けがましく俺の足元に転がっていたレオンが、顔だけを上げて抗議する。
「俺の交際履歴は全部ひっくるめて合意の上だったつーの。まぁ……確かに、お前がマーナムに居た頃は故郷を出たばかりで、少々ハメを外していた自覚はある……けど、今はもうそう言うのやめたんだよ、俺は」
俺が私生活を改めたのは八年前。
いや、むしろイオと出会って親しくなり、イオとの関係性を進めたいと思った時から少しずつ意識が変わっていたのだが、レオン相手に詳細を話す事もない。
「そうですよ、レオン。それにエドは今、異性派ではなく同性派ですので!」
言いながらコンラートは俺の肩に手を置き「ですよね」と微笑む。
「はっ! そういやエドお前、人間の男を探してるんだっけ?」
「俺は別に同性派と言うわけじゃない。イ……、友人を探してるだけだ。この件でお前らにとやかく言われる筋合いはない」
パシッと音を立て肩に乗せられた手を払い除けるが、コンラートは機嫌を悪くした様子もない。
「ふ~ん。まぁイリアちゃんを狙ってるわけじゃないんだな」
「狙うか! 大体、あの娘は未成年だろーが! 犯罪だっつーの!」
この話はこれで終わりとばかりに、俺は地面に胡坐をかいたレオンの脳天にチョップを落とすと「に゛ゃんっ!」と、どっかのメイリンのような声をあげた。
「ははは、まぁ、お喋りはこの辺にしておいて引き上げましょうか」
「あれ? バルファとセスはどうした?」
コンラートと共に行動していたはずの、二つの顔が見当たらない事に気付く。
滞在中にバルファに懐いたセスが、今日は魔女様の許可を得て同行していたはずなのだが。
「うん。バルファは途中で遭難者の遺品を回収していて、後から合流すると言うので置いて来ました。まったく真面目な事だね」
「なるほど」
バルファ隊長殿はガサツな発言や、脳筋な見かけに反し根は実直で真面目な男だ。
俺たちハンターは依頼中、任務中などに死者の痕跡を見つけた場合にギルドへ届け出る義務がある。
のだが、遺品回収や簡単な現場検証等の報告書を作成しなくてはならないため、一部のハンター、特に上級のモノになればなるほどそう言った報告を怠る傾向になる。
まぁ、報告で得られる小さな報酬なぞあって無い様なモノだから仕方ないのかもしれないが……。
「……ふむ、俺も手伝うか」
俺自身が人探しをしている身ゆえ……と言うのもあるが、俺の探し人がこういった場面で人一倍に真摯に遺品回収に取り組んでいた事が思い出されて、考えるより先に口が動いた。
「はぁ!? 貴方が行く事ないですよ。この辺りで野垂れ死ぬのなんて脆弱な人間だけですよ? それに獣に食い荒らされた残りと少々の荷がばら撒かれていたって事なので、事件性はほぼ無いとみて――」
「なぁなぁ、人間って何歳から成人なんだ?」
嫌な顔を隠そうともせず言い募るコンラートの古代種らしい発言に、空気を読まないレオンの間延びした声がかぶる。
「うーん、国によって法律はまちまちだが、人間の成人は十八から二十がほとんどだな」
俺はコンラートの弁には答えず、いまだ地面に胡坐をかいたままのレオンの襟をつかみ「お前も行くぞ」と引っ張り上げながら答えた。
「じゃあイリアちゃん未成年じゃねーぞ! とっくに四十過ぎてるって言ってたもん!」
「よ、四十っ!? いやいやいや、お前、それはあれだ……」
俺が猫掴み状態のレオンを立たせながら言葉を選んでいる横で「ブフォッ!!」と、吹き出したコンラートが俺の気遣いを無駄にした。
「なぁーに、体良くあしらわれてるんですか。貴方、人間の四十って言ったら、見目なんかバルファよりも年嵩って事になるんですよ」
「ん? どう言う意味だ?」
キョトンと瞳をまん丸にして、レオンはケラケラ笑うコンラートから視線を俺に移し問う。
全くもって気は進まないが、俺が言ってやるしかない。
「あー、つまりだな。それはおそらく、お茶を濁した……遠回しのゴメンナサイだな。アナタの事はそれほどでもーってやつだ」
「え」
なるべくダメージの無い様に配慮はしたが、俺の言葉にショックを受けたらしいレオンはポカンと口を開いて固まった。そんなレオンにコンラートが更に追い打ちをかける。
「あははは! 脈なしって事ですよ。獅子族ともあろう者が、あんな人間の小娘に相手にもされないだなんて、可笑しいったらないですね!」
そう言ってケラケラ笑うコンラートの笑い声が、うららかな陽だまりの森に響く。
まずったなと思った時には遅かった。
「……ぐるっ」
俺は耳を下げたレオンから、そっと距離を置く。
これはバルファの手伝いには行けそうにないなと思った次の瞬間ーー
バシィィィッ!!
レオンの強烈なローキックがコンラートの脛に決まり、その衝撃でコンラートがかけていた防衛魔法が発動、辺りに氷の矢が無差別に降り注ぐ。
「ちょっ、お前らやめろ! 今は仕事中なんだぞ!」
飛び散る氷の破片を避けながら俺は制止をしたが、その程度でキレたレオンは止まらないし、見た目の柔和さとは対照的なヤられたら倍返しのコンラートを止められるわけがない。即座に第二波の爆裂音が森に響き、爆風が頬を薙ぐ。
「あー、もー、俺は知らんからなー!」
俺はやれやれとため息を吐きながら距離をとり、二人の喧嘩を観戦する姿勢に入った。
***
「アホかお前ら!!」
怒声と同時に拳がゴン、ゴンと落とされ、レオンとコンラートは一瞬で食堂の床に撃沈した。
屋敷に帰った後、森に響いていただろう騒音で大方の事情を把握していたバルファに俺が補足説明をすると、二人は岩の様なゲンコツをもらい、そのまま始末書の刑に処された。
因みに俺は一応は二人を止めたので無罪放免。
あとは迎えの馬車が来るまで、寝るなり何なり好きにしてて良いのだが、始末書が三枚目に突入したレオンに『イリアちゃんに真相を確認してくれ~』と、に゛ゃーに゛ゃー泣きつかれ、致し方なく真相……この場合、実年齢か? とやらの確認をすべく、イリアの元へと向かっている。
「ったく、なんで俺が他人の色恋沙汰に」
食堂でバルファと世間話をしていたエミリアによれば、イリアは初日に俺がお茶を飲んだあのカゼボの先にある菜園に居るという。
エミリアにイリアの年齢を聞いても良かったが、エミリアを気に入ってるらしいバルファからのさっさと行け! と言う視線に追い出された俺は、教えられた通りにガゼボを越えて先に進んだ。
花壇をそのまま流用したらしい菜園があり、様々な野菜が植えられ、そのどれもが瑞々しい葉を、花を、そして実を結んでいた。
「へー、大したもんだ。よく育ってる」
植物なら俺も精霊魔術で育てる事は出来るが、最初から最後まで魔法で育てた野菜は魔力えぐ味が出るので食用に向かない。
だが、ここで出された食事にそう言った野菜は使われていなかった。
「まぁアイツなら、魔法を使わないでも育てられるから、えぐ味無く育てられるんだけどな……」
かつて、共に焼けた森の再生に努めた、今はただただ懐かしい横顔が思い出されて胸が痛む。
胸を痛める資格なんか俺には無いのにな……。
俺は無意識に落ちた視線を上げるが、菜園には人影が無かった。
入れ違いになってしまっただろうかと辺りを見渡せば、菜園から少し離れた場所には果樹も植えられており、背の低いベリーの低木や、イチジク、立派な枝ぶりの森オレンジの木が――
「っんんんー!?」
己の目に入った光景に、思わず変な声が喉から出てしまう。
視線の先、森オレンジの木にスカートをはためかせた女の子が、コアラの如くしがみついていたのだ。
――そして冒頭に戻る。
「いや、せめてスカートはやめた方が良いと思うんだが……」
俺が見守っている事にも気付かず彼女――イリアは慣れた様子で、めくれ上がるスカートをモノともせず、せっせと木によじ登っている。
しばらくすると幹が細くなり、これ以上は登れないと言う所でイリアは張り出した枝の上に立ち上がると、両手を空に翳すように上げた。
伸ばされた指の先には、まだ青さの残る彼女の頭と同じくらい大きな果実が実っている。どうやらアレを収穫したいようだが、やや高さが足りないのか、果実は彼女の指先を掠め頭上でゆらゆらと揺れる。
まるで子猫がオモチャに戯れるかのようなその姿は、少々愉快で可愛らしく、いっそ笑いを誘うのだが……。
「いやいやいや、木の上で両手を離したら危ないだろーが!」
呆けている場合ではないと、俺は慌ててイリアが転落した時に備えて走った。
俺の視線の先には、めくれ上がるスカートをモノともせず、せっせと木によじ登る少女の姿があった。
少女と言っても子供じゃない、むしろ年頃のはずだ。お転婆で片付けるには少々無理がある。
「つーか、ドロワーズって大っぴらに見せて良いもんじゃ無いよな?」
その堂に入った木登り姿を、俺がポカンと眺めている間にも少女ーーイリアはより高みを目指し、木の幹を登り続ける。
午後の穏やかな日が差すその横顔は、奇妙な凛々しささえあった。
***
ことの発端は、本日の調査時のくだらないやりとりだ。
先日のコンラートとの調査からさらに二日が過ぎ、アルハト周辺の調査も魔素で穢れた屑水晶の浄化もひと段落した、そんな穏やかな森での正午前。
「はぁ、やっと解放される」
俺は近場の倒木にドカリと座り、腰に括りつけたホルスターバッグからレーションを取り出した。
ここまでの調査で屑水晶を撒いた犯人への手がかりは見つからなかった。
しかし、バルファからの報告を受けた上役は、当初のイレギュラータイプの飽和……では無く。あーアレだ、今後は人為魔導災害って呼ぶんだよな。まぁソレの回避と言う目的を達成したこともあり、最早この地に大きな危険はないだろうと判断した。
そのため事後処理は後任に託し、俺たちS級チームでの調査はここいらで切り上げと言う事になった。
おそらく、明後日には迎えの馬車が来てこの地を発つだろう。
一刻も早くイオを探しに戻りたい。その気持ちを抑え、苛々と包み紙を裂いてレーションバーに噛り付き、親の仇の様に咀嚼していると、独特の香ばしさとナッツとドライフルーツの甘味が口に広がり、ささくれだった心を少しだけ宥めてくれる。
ただ、焼き菓子のようなそれは口の中の水分をごっそりと持っていくため、レーションと共に渡された小ぶりのボトルを口に運び茶で喉を潤した。
「ぬふっ、イリアちゃんお手製のレーション美味いだろ~」
俺が無言で咀嚼と嚥下を繰り返していると、自分の分を完食したらしいレオンがニヨニヨしながら話しかけてきた。
「ん? あぁ、非常食ってか、焼き菓子みたいだけどな」
そう、俺がいま食べているレーションは、数日前から世話になっている屋敷で働いているイリアと言う少女が作ってくれたものだ。
別に昼なぞ抜いても死にはしないと言うのに、彼女はせっせとレーションやら茶やらを俺たちに持たすのだ。
朝晩の妙に舌に合う美味い食事と、この甘い差し入れに、口にはしていないが俺はすっかり胃袋を掴まれている。
きっとレオンがイリアに入れ込むのは、容姿だけではなくこういった気配りな面も加味されているのだろう。
と言うか、あの娘は何故あの屋敷に居るんだろうな。
行き倒れていた所をエミリアに救われたと言っても、基本的に人間の寿命は短いのだからいつまでも屋敷に居るより、己の将来を考えるべきではないだろうか?
それに、ここへ来た当初から不思議に思っていたのだが、俺たちの前では屋敷の主人をエミリア様と呼ぶのに、屋敷の者だけの時はエミリア師匠と呼んでいるのを見かけるのだが、あの二人が何かを師事している間柄には見受けられないのに。
エミリアとあの小生意気な少年セスは時々魔導書を並んで読んでいるのは見かけるが……。
「てめっ、イリアちゃんの作ってくれたもんにケチつけんならそれ俺に寄越せ!」
「おい、こら!」
つらつらと疑問符を浮かべていると、俺の握っているレーションにレオンが手を伸ばす。
「別にケチつけた訳じゃないって、俺はレーションよりビスコッティの方が好きでって! レオンおまっ人のモノを取るんじゃない! 意地汚いぞ!」
空いた手でレオンの頭を押し返しレーションを守るが、レオンはノーマークになった俺のホルスターバッグからまだ手を付けていないレーションバーをサッと奪い取り、包み紙をむしり取ると、パカリと大きく開けた口に放り込んでしまった。
さすがS級ハンターと言うべきか、瞬く間もないその一連の動作は俺にレーションを奪還する隙も与えなかった。
「お前なぁ、こう言うモンは日持ちしやすいように水分を出来るだけ飛ばすから、そんな焦って食うと喉につまらせてるぞ」
「うっ!?」
「ほーら、言わんこっちゃない。大丈夫か?」
齧歯類みたいに頬を膨らませた獅子族に呆れていれば、案の定レーションを喉に詰まらせたレオンから呻き声が上がり、俺はその痩せた背中を叩いてやった。
しかし、無事にレーションを嚥下出来たらしいレオンが、今度は何かに打ちのめされたような顔で俺の顔を見上げた。
「……違う」
「は?」
「このレーション、ドライフルーツも入ってる」
「あぁ、入ってるな。それがどうかしたのか?」
「……これ、最初からか?」
レオンは俺の目をじぃっと見ながら、ワナワナと震えながら問う。
どうやらレーションのフレーバーに対して思うところがあるらしい。
「最初って何だよ、ドライフルーツが入ってると駄目なのか?」
「ダメじゃない! けど、俺のレーション今までナッツしか入ってなかったのに! 何で! 新参者のお前がこんなサービスしてもらってんだよぉ~!!」
「サービス?」
「それ! イリアちゃんの手作りレーションなんだぞ!」
「そうだが? って、お前なに泣いてんだよ!?」
俺が握ったままのレーションを指差しレオンは泣き喚く。
「それくらいって言うな~! 鉄壁のイリアちゃんがこんなっ、こんなぽっと出のエルフ野郎に~! う゛ぅ~こんにゃろ! こんにゃろ~!」
「ちょっ、叩くな! わめくな! 引っ掻くな! ったく何なんだよお前は」
俺はボコスカと人を殴るレオンの首根っこを鷲掴み放り投げるが、レオンは空中でクルリと体勢を整えて着地し、何事もなかったかのように喚き続ける。
「お前、甘党で果物とかも好きじゃねーか! イリアちゃんがなんでお前好みのモンばっかり作ってるのかって話しだよぉぉ~!」
「いや、んな事言われても?」
突然の苦情? に、俺が困惑しているとレオンは更にヒートアップする。
「うるさい! うるさい! 気のせいかと思ってたけど、食後のデザートがグレードアップしたのもお前が来てからだし! いつの間に仲良くなってんだよ! お前、純粋なイリアちゃんを弄びやがって~!」
「はぁぁ? つーか、弄ぶって人聞き悪いな! だいたい俺は、あの娘とは朝晩の飯の時に挨拶程度しか話してな……あー、あん時か? でも、あれくらい世間話だよな?」
俺は初日の夜に話したイリアの顔を思い出すが、親しく好物の話などした覚えはない。
「わーん! 人間はす~ぐ、エルフの良い感じの前評判にコロッと行くんだ~! なーにが神秘なる者だ! 儚き森の賢者だ! お前なんか女にだらしないゆるゆるエルフ野郎なのに~!」
「あーもー、素面の癖にめんどくせぇなこの猫は! だから人のモン盗るんじゃあない!」
騒ぎながらも再度、俺の持つレーションに齧り付こうとするレオンの額を、空いている手の中指でバチンと弾く。
「ぎゃんっ」
俺は額を抑えてうずくまるレオンを横目に、残りのレーションを口に放り込んだ。
しかし、イリアがどうして俺の好みを把握していたのかと言うのは確かに謎だ。俺はてっきり全員に同じレーションが渡されていると思っていたのだ。
「うーん……、世間のエルフのイメージに甘党で果物好きとかあったけか?」
精霊信仰やらの関係上、エルフ族はあまり故郷から出て行く事はなく、若い頃は国外にいても落ち着く先は故郷であることが多い。
そのため、他の種族が直接エルフを見ると言う機会は割と少ない。
エルフの血を引く俺が自分で言うのも何だが、そんなぼちぼちレアキャラである上に龍人に並ぶ古代種で、平均的な容姿も能力値も高いため、好き勝手に語られる世の中のエルフのイメージは妙に神聖視されている傾向にある。
でもなぁ故郷に帰れば容姿に恵まれないエルフ、魔法が不得手なエルフ、クソみたいな業突く張りなエルフも普通に居るんだがな。まぁ余談だ。
しかし、エルフの食の好みまで勝手な妄想が巷ではびこっていただろうか?
「お待たせしました。こちらも最終確認完りょ……って、なに遊んでいるんですか? お二人とも」
ボトルに入れられた香ばしい風味の茶でレーションを流し込んでいると、コンラートが展開した魔導陣片手に合流する。
「あぁ、俺がレオンに名誉棄損を受けていたところだ」
「お前が女にだらしないのは事実だろ~が!」
俺の言葉に傷一つない額を抑え、当て付けがましく俺の足元に転がっていたレオンが、顔だけを上げて抗議する。
「俺の交際履歴は全部ひっくるめて合意の上だったつーの。まぁ……確かに、お前がマーナムに居た頃は故郷を出たばかりで、少々ハメを外していた自覚はある……けど、今はもうそう言うのやめたんだよ、俺は」
俺が私生活を改めたのは八年前。
いや、むしろイオと出会って親しくなり、イオとの関係性を進めたいと思った時から少しずつ意識が変わっていたのだが、レオン相手に詳細を話す事もない。
「そうですよ、レオン。それにエドは今、異性派ではなく同性派ですので!」
言いながらコンラートは俺の肩に手を置き「ですよね」と微笑む。
「はっ! そういやエドお前、人間の男を探してるんだっけ?」
「俺は別に同性派と言うわけじゃない。イ……、友人を探してるだけだ。この件でお前らにとやかく言われる筋合いはない」
パシッと音を立て肩に乗せられた手を払い除けるが、コンラートは機嫌を悪くした様子もない。
「ふ~ん。まぁイリアちゃんを狙ってるわけじゃないんだな」
「狙うか! 大体、あの娘は未成年だろーが! 犯罪だっつーの!」
この話はこれで終わりとばかりに、俺は地面に胡坐をかいたレオンの脳天にチョップを落とすと「に゛ゃんっ!」と、どっかのメイリンのような声をあげた。
「ははは、まぁ、お喋りはこの辺にしておいて引き上げましょうか」
「あれ? バルファとセスはどうした?」
コンラートと共に行動していたはずの、二つの顔が見当たらない事に気付く。
滞在中にバルファに懐いたセスが、今日は魔女様の許可を得て同行していたはずなのだが。
「うん。バルファは途中で遭難者の遺品を回収していて、後から合流すると言うので置いて来ました。まったく真面目な事だね」
「なるほど」
バルファ隊長殿はガサツな発言や、脳筋な見かけに反し根は実直で真面目な男だ。
俺たちハンターは依頼中、任務中などに死者の痕跡を見つけた場合にギルドへ届け出る義務がある。
のだが、遺品回収や簡単な現場検証等の報告書を作成しなくてはならないため、一部のハンター、特に上級のモノになればなるほどそう言った報告を怠る傾向になる。
まぁ、報告で得られる小さな報酬なぞあって無い様なモノだから仕方ないのかもしれないが……。
「……ふむ、俺も手伝うか」
俺自身が人探しをしている身ゆえ……と言うのもあるが、俺の探し人がこういった場面で人一倍に真摯に遺品回収に取り組んでいた事が思い出されて、考えるより先に口が動いた。
「はぁ!? 貴方が行く事ないですよ。この辺りで野垂れ死ぬのなんて脆弱な人間だけですよ? それに獣に食い荒らされた残りと少々の荷がばら撒かれていたって事なので、事件性はほぼ無いとみて――」
「なぁなぁ、人間って何歳から成人なんだ?」
嫌な顔を隠そうともせず言い募るコンラートの古代種らしい発言に、空気を読まないレオンの間延びした声がかぶる。
「うーん、国によって法律はまちまちだが、人間の成人は十八から二十がほとんどだな」
俺はコンラートの弁には答えず、いまだ地面に胡坐をかいたままのレオンの襟をつかみ「お前も行くぞ」と引っ張り上げながら答えた。
「じゃあイリアちゃん未成年じゃねーぞ! とっくに四十過ぎてるって言ってたもん!」
「よ、四十っ!? いやいやいや、お前、それはあれだ……」
俺が猫掴み状態のレオンを立たせながら言葉を選んでいる横で「ブフォッ!!」と、吹き出したコンラートが俺の気遣いを無駄にした。
「なぁーに、体良くあしらわれてるんですか。貴方、人間の四十って言ったら、見目なんかバルファよりも年嵩って事になるんですよ」
「ん? どう言う意味だ?」
キョトンと瞳をまん丸にして、レオンはケラケラ笑うコンラートから視線を俺に移し問う。
全くもって気は進まないが、俺が言ってやるしかない。
「あー、つまりだな。それはおそらく、お茶を濁した……遠回しのゴメンナサイだな。アナタの事はそれほどでもーってやつだ」
「え」
なるべくダメージの無い様に配慮はしたが、俺の言葉にショックを受けたらしいレオンはポカンと口を開いて固まった。そんなレオンにコンラートが更に追い打ちをかける。
「あははは! 脈なしって事ですよ。獅子族ともあろう者が、あんな人間の小娘に相手にもされないだなんて、可笑しいったらないですね!」
そう言ってケラケラ笑うコンラートの笑い声が、うららかな陽だまりの森に響く。
まずったなと思った時には遅かった。
「……ぐるっ」
俺は耳を下げたレオンから、そっと距離を置く。
これはバルファの手伝いには行けそうにないなと思った次の瞬間ーー
バシィィィッ!!
レオンの強烈なローキックがコンラートの脛に決まり、その衝撃でコンラートがかけていた防衛魔法が発動、辺りに氷の矢が無差別に降り注ぐ。
「ちょっ、お前らやめろ! 今は仕事中なんだぞ!」
飛び散る氷の破片を避けながら俺は制止をしたが、その程度でキレたレオンは止まらないし、見た目の柔和さとは対照的なヤられたら倍返しのコンラートを止められるわけがない。即座に第二波の爆裂音が森に響き、爆風が頬を薙ぐ。
「あー、もー、俺は知らんからなー!」
俺はやれやれとため息を吐きながら距離をとり、二人の喧嘩を観戦する姿勢に入った。
***
「アホかお前ら!!」
怒声と同時に拳がゴン、ゴンと落とされ、レオンとコンラートは一瞬で食堂の床に撃沈した。
屋敷に帰った後、森に響いていただろう騒音で大方の事情を把握していたバルファに俺が補足説明をすると、二人は岩の様なゲンコツをもらい、そのまま始末書の刑に処された。
因みに俺は一応は二人を止めたので無罪放免。
あとは迎えの馬車が来るまで、寝るなり何なり好きにしてて良いのだが、始末書が三枚目に突入したレオンに『イリアちゃんに真相を確認してくれ~』と、に゛ゃーに゛ゃー泣きつかれ、致し方なく真相……この場合、実年齢か? とやらの確認をすべく、イリアの元へと向かっている。
「ったく、なんで俺が他人の色恋沙汰に」
食堂でバルファと世間話をしていたエミリアによれば、イリアは初日に俺がお茶を飲んだあのカゼボの先にある菜園に居るという。
エミリアにイリアの年齢を聞いても良かったが、エミリアを気に入ってるらしいバルファからのさっさと行け! と言う視線に追い出された俺は、教えられた通りにガゼボを越えて先に進んだ。
花壇をそのまま流用したらしい菜園があり、様々な野菜が植えられ、そのどれもが瑞々しい葉を、花を、そして実を結んでいた。
「へー、大したもんだ。よく育ってる」
植物なら俺も精霊魔術で育てる事は出来るが、最初から最後まで魔法で育てた野菜は魔力えぐ味が出るので食用に向かない。
だが、ここで出された食事にそう言った野菜は使われていなかった。
「まぁアイツなら、魔法を使わないでも育てられるから、えぐ味無く育てられるんだけどな……」
かつて、共に焼けた森の再生に努めた、今はただただ懐かしい横顔が思い出されて胸が痛む。
胸を痛める資格なんか俺には無いのにな……。
俺は無意識に落ちた視線を上げるが、菜園には人影が無かった。
入れ違いになってしまっただろうかと辺りを見渡せば、菜園から少し離れた場所には果樹も植えられており、背の低いベリーの低木や、イチジク、立派な枝ぶりの森オレンジの木が――
「っんんんー!?」
己の目に入った光景に、思わず変な声が喉から出てしまう。
視線の先、森オレンジの木にスカートをはためかせた女の子が、コアラの如くしがみついていたのだ。
――そして冒頭に戻る。
「いや、せめてスカートはやめた方が良いと思うんだが……」
俺が見守っている事にも気付かず彼女――イリアは慣れた様子で、めくれ上がるスカートをモノともせず、せっせと木によじ登っている。
しばらくすると幹が細くなり、これ以上は登れないと言う所でイリアは張り出した枝の上に立ち上がると、両手を空に翳すように上げた。
伸ばされた指の先には、まだ青さの残る彼女の頭と同じくらい大きな果実が実っている。どうやらアレを収穫したいようだが、やや高さが足りないのか、果実は彼女の指先を掠め頭上でゆらゆらと揺れる。
まるで子猫がオモチャに戯れるかのようなその姿は、少々愉快で可愛らしく、いっそ笑いを誘うのだが……。
「いやいやいや、木の上で両手を離したら危ないだろーが!」
呆けている場合ではないと、俺は慌ててイリアが転落した時に備えて走った。
0
お気に入りに追加
380
あなたにおすすめの小説
竜神に転生失敗されて女体化して不死身にされた件
一 葵
ファンタジー
俺、遠野悠斗は平凡な日常をそれなりに受け入れていた。そんなある日、自分の誕生日にほんの些細なご褒美を買ってご機嫌に帰る途中、通り魔に襲われそうになっている女性を見つける。とっさに庇う俺だったが、通り魔に胸を突き刺され、気づけば巨大な竜が目の前にいた!? しかもなんか俺女の子になってるし!?
退屈を持て余した封印されし竜神と、転生失敗されて女の子にされた俺の織り成す、異世界満喫ストーリー!
皆様のおかげでHOTランキング13位まで登ることが出来ました。本当にありがとうございます!!
小説家になろう様、カクヨム様でも連載中です。
DKが調教メスイキセックスされる話
S_U
BL
R-18作品です
男子高校生がモブに脅されて痴漢プレイやら玩具使われたりセッする話
※注意※
・いつも以上に下品
・喘ぎあり
・過激、エッチな表現あり
他に書いた作品
【弟×兄】→近親相姦もの
【ノンケがメスにされる話】→変態×ノンケ
【3人で出来るわけない!】→3p、双子×幼馴染
【言葉攻め】→後輩×先輩(社会人)
などなど…
転生したので異世界でショタコンライフを堪能します
のりたまご飯
BL
30歳ショタコンだった俺は、駅のホームで気を失い、そのまま電車に撥ねられあっけなく死んだ。
けど、目が覚めるとそこは知らない天井...、どこかで見たことのある転生系アニメのようなシチュエーション。
どうやら俺は転生してしまったようだ。
元の世界で極度のショタコンだった俺は、ショタとして異世界で新たな人生を歩む!!!
ショタ最高!ショタは世界を救う!!!
ショタコンによるショタコンのためのBLコメディ小説であーる!!!
双子攻略が難解すぎてもうやりたくない
はー
BL
※監禁、調教、ストーカーなどの表現があります。
22歳で死んでしまった俺はどうやら乙女ゲームの世界にストーカーとして転生したらしい。
脱ストーカーして少し遠くから傍観していたはずなのにこの双子は何で絡んでくるんだ!!
ストーカーされてた双子×ストーカー辞めたストーカー(転生者)の話
⭐︎登場人物⭐︎
元ストーカーくん(転生者)佐藤翔
主人公 一宮桜
攻略対象1 東雲春馬
攻略対象2 早乙女夏樹
攻略対象3 如月雪成(双子兄)
攻略対象4 如月雪 (双子弟)
元ストーカーくんの兄 佐藤明
【※R-18】イケメンとBL♡したいだけ
aika
BL
BL大好き!BLが生きがいである腐女子の花奈は、交通事故にあってあっけなく死んでしまう。
そして目が覚めると、美少年に生まれ変わりイケメンしか存在しない世界に転生していた。
腐女子の花奈としての記憶を持ったまま美少年に生まれ変わり、ありとあらゆるタイプのイケメンたちから総モテ状態。イケメンたちと自由気まま好き勝手にBLしまくる日常。
慣れない男性の身体で味わう快楽はたまらなく花奈を虜にしていく。
たくさんのイケメンたちと美少年に生まれ変わった自分の身体でBLエッチを楽しみたいという女の願望を描いた物語。
BLゲーム的な感覚で、次から次にあらゆるメンズとエッチなハプニングが起こる、ご都合主義BL小説。
変態村♂〜俺、やられます!〜
ゆきみまんじゅう
BL
地図から消えた村。
そこに肝試しに行った翔馬たち男3人。
暗闇から聞こえる不気味な足音、遠くから聞こえる笑い声。
必死に逃げる翔馬たちを救った村人に案内され、ある村へたどり着く。
その村は男しかおらず、翔馬たちが異変に気づく頃には、すでに囚われの身になってしまう。
果たして翔馬たちは、抱かれてしまう前に、村から脱出できるのだろうか?
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる