9 / 15
いざ!お披露目会
しおりを挟む
《sideキルシュ》
小さい頃から舞踏会やらお披露目会やらに出てきてはいるが、学園入学初めてのお披露目会となると緊張もする、しかもエスコートする人がいるとなれば尚更…
「さっきぶり、キル」
冗談めかした言葉をして出てきたのはメルとその妹だった。が、いつもの見慣れている制服などではなく上品なドレスを着ていた。
「こんばんは。セシル様」
「お久しぶりです、セシル様。しっかりと話すのは初めてですね。クローネ家が次女のレミール・クローネと言います」
「あぁ、グリム家が長男のキルシュ・グリムだ。メル…メルビンとは同じクラスなんだ。今後ともよろしく頼む」
「そうですか…」
なぜか少しレミール嬢の空気が、冷たくなっている気がする…ではなく冷たかった。
(やはり、姉妹で仲がいいというのは本当だな。姉との時間が奪われるのが嫌なんだな)
冷気にあたりながらも少しホッコリした。
「やぁ!久しぶりだねぇ。メルビン嬢、レミール嬢。じゃあ行こうか時間も迫ってきてるし」
「あぁそうだな」
そう言って俺は丸に手を出した。そしたら、なぜか笑って手を取られた。
「なんで笑ってるんだ?」
「いや、なんか似合わないなーって」
笑うのを堪えようとして堪えられていない様な笑みを浮かべている。そんなやりとりをしてみんな進み出した。
馬車に揺られて数分が過ぎようとしていた。馬車は基本的に四人乗りだが手を引いて二人で乗り込んだからかメルとキル、レミとセシルとなっていた。
《馬車:メルビンとキルシュ》
「そこでさ、…ここが、……」
「あーわかるわ。そこなんだよな…、…」
「これがよくって…」
「こっちも……、そうそれ…」
と、学校のことやパーティのこと、最近ハマったことなど色々と話していた。
「ヴィリオ先生って細身なのに剣を振るう時の軸が変わらないの。やっぱり筋肉の付け方とかなのかな。魔能力を使っても強かったけど使わなくても強かったんだよね」
「それは俺も思った。しかも、植物とか人の身体の構造も把握してるらしいぞ」
「前も授業の分からないところ聞いたらわかりやすい説明で返してくれたし」
「まぁ、実は王家の家庭教師だったとか陰の部隊の一人だとか言われてるくらいだからな。陰の部隊なんて王家直属の暗殺者とか言われてて、それもあるかどうかなんて俺らには分からないけど」
「そんなところがミステリアスで素敵って人気も高いけどねw」
この調子で喋り続けていた。
《馬車:セシルとレミール》
「……」
「……」
なんで私はこんな所にいなくちゃいけないの。本当なら姉様と一緒の馬車になるはずだったのにっっ。
あのキルシュ・ダンテとかいう男もなに馴れ馴れしく“ メル ”って、しかもクラスが違うから姉様の様子を見に行けないことをいいことに仲良くなってるし…
「レミール嬢、そんなに嫌そうな顔をしないで睨みつけないでくださぁい」
「あら~、なんのことですの?睨み付けてなどいませんわ」
ふふふ、と笑って見たが昔のなんかの舞踏会で見た時と変わらず笑顔がキモい。顔だけが取り柄なのだからせめても見える顔をしてほしい。
「ねえ、君の姉さんの好きなものはなにかな?」
「はぁ?…」
は?なに言ってるのこいつ……
「最近少し喋るようになったんだけど、あまりキルほど打ち解けられないから、何か共通の話題をもっと見つけてみようと思って」
「逆に私があなたに教えなくてはいけない理由がありますか?あなたに塩を送る趣味はありません」
私は威嚇しながら、言い放った。まだ敬語を取ってないだけまじだと思ってほしい。
「いいじゃないか、僕と仲良くなるとメリットもあるよ。普通だったら喜んで飛びつくのに」
「その代わり姉を婚約者に捧げるなんてことしたくありません。」
こっちもこっちでこんな感じで話が進んでいた。
小さい頃から舞踏会やらお披露目会やらに出てきてはいるが、学園入学初めてのお披露目会となると緊張もする、しかもエスコートする人がいるとなれば尚更…
「さっきぶり、キル」
冗談めかした言葉をして出てきたのはメルとその妹だった。が、いつもの見慣れている制服などではなく上品なドレスを着ていた。
「こんばんは。セシル様」
「お久しぶりです、セシル様。しっかりと話すのは初めてですね。クローネ家が次女のレミール・クローネと言います」
「あぁ、グリム家が長男のキルシュ・グリムだ。メル…メルビンとは同じクラスなんだ。今後ともよろしく頼む」
「そうですか…」
なぜか少しレミール嬢の空気が、冷たくなっている気がする…ではなく冷たかった。
(やはり、姉妹で仲がいいというのは本当だな。姉との時間が奪われるのが嫌なんだな)
冷気にあたりながらも少しホッコリした。
「やぁ!久しぶりだねぇ。メルビン嬢、レミール嬢。じゃあ行こうか時間も迫ってきてるし」
「あぁそうだな」
そう言って俺は丸に手を出した。そしたら、なぜか笑って手を取られた。
「なんで笑ってるんだ?」
「いや、なんか似合わないなーって」
笑うのを堪えようとして堪えられていない様な笑みを浮かべている。そんなやりとりをしてみんな進み出した。
馬車に揺られて数分が過ぎようとしていた。馬車は基本的に四人乗りだが手を引いて二人で乗り込んだからかメルとキル、レミとセシルとなっていた。
《馬車:メルビンとキルシュ》
「そこでさ、…ここが、……」
「あーわかるわ。そこなんだよな…、…」
「これがよくって…」
「こっちも……、そうそれ…」
と、学校のことやパーティのこと、最近ハマったことなど色々と話していた。
「ヴィリオ先生って細身なのに剣を振るう時の軸が変わらないの。やっぱり筋肉の付け方とかなのかな。魔能力を使っても強かったけど使わなくても強かったんだよね」
「それは俺も思った。しかも、植物とか人の身体の構造も把握してるらしいぞ」
「前も授業の分からないところ聞いたらわかりやすい説明で返してくれたし」
「まぁ、実は王家の家庭教師だったとか陰の部隊の一人だとか言われてるくらいだからな。陰の部隊なんて王家直属の暗殺者とか言われてて、それもあるかどうかなんて俺らには分からないけど」
「そんなところがミステリアスで素敵って人気も高いけどねw」
この調子で喋り続けていた。
《馬車:セシルとレミール》
「……」
「……」
なんで私はこんな所にいなくちゃいけないの。本当なら姉様と一緒の馬車になるはずだったのにっっ。
あのキルシュ・ダンテとかいう男もなに馴れ馴れしく“ メル ”って、しかもクラスが違うから姉様の様子を見に行けないことをいいことに仲良くなってるし…
「レミール嬢、そんなに嫌そうな顔をしないで睨みつけないでくださぁい」
「あら~、なんのことですの?睨み付けてなどいませんわ」
ふふふ、と笑って見たが昔のなんかの舞踏会で見た時と変わらず笑顔がキモい。顔だけが取り柄なのだからせめても見える顔をしてほしい。
「ねえ、君の姉さんの好きなものはなにかな?」
「はぁ?…」
は?なに言ってるのこいつ……
「最近少し喋るようになったんだけど、あまりキルほど打ち解けられないから、何か共通の話題をもっと見つけてみようと思って」
「逆に私があなたに教えなくてはいけない理由がありますか?あなたに塩を送る趣味はありません」
私は威嚇しながら、言い放った。まだ敬語を取ってないだけまじだと思ってほしい。
「いいじゃないか、僕と仲良くなるとメリットもあるよ。普通だったら喜んで飛びつくのに」
「その代わり姉を婚約者に捧げるなんてことしたくありません。」
こっちもこっちでこんな感じで話が進んでいた。
8
お気に入りに追加
9
あなたにおすすめの小説
校長室のソファの染みを知っていますか?
フルーツパフェ
大衆娯楽
校長室ならば必ず置かれている黒いソファ。
しかしそれが何のために置かれているのか、考えたことはあるだろうか。
座面にこびりついた幾つもの染みが、その真実を物語る
明智さんちの旦那さんたちR
明智 颯茄
恋愛
あの小高い丘の上に建つ大きなお屋敷には、一風変わった夫婦が住んでいる。それは、妻一人に夫十人のいわゆる逆ハーレム婚だ。
奥さんは何かと大変かと思いきやそうではないらしい。旦那さんたちは全員神がかりな美しさを持つイケメンで、奥さんはニヤケ放題らしい。
ほのぼのとしながらも、複数婚が巻き起こすおかしな日常が満載。
*BL描写あり
毎週月曜日と隔週の日曜日お休みします。
マッサージ師にそれっぽい理由をつけられて、乳首とクリトリスをいっぱい弄られた後、ちゃっかり手マンされていっぱい潮吹きしながらイッちゃう女の子
ちひろ
恋愛
マッサージ師にそれっぽい理由をつけられて、乳首とクリトリスをいっぱい弄られた後、ちゃっかり手マンされていっぱい潮吹きしながらイッちゃう女の子の話。
Fantiaでは他にもえっちなお話を書いてます。よかったら遊びに来てね。
【R18】騎士たちの監視対象になりました
ぴぃ
恋愛
異世界トリップしたヒロインが騎士や執事や貴族に愛されるお話。
*R18は告知無しです。
*複数プレイ有り。
*逆ハー
*倫理感緩めです。
*作者の都合の良いように作っています。
最愛の番~300年後の未来は一妻多夫の逆ハーレム!!? イケメン旦那様たちに溺愛されまくる~
ちえり
恋愛
幼い頃から可愛い幼馴染と比較されてきて、自分に自信がない高坂 栞(コウサカシオリ)17歳。
ある日、学校帰りに事故に巻き込まれ目が覚めると300年後の時が経ち、女性だけ死に至る病の流行や、年々女子の出生率の低下で女は2割ほどしか存在しない世界になっていた。
一妻多夫が認められ、女性はフェロモンだして男性を虜にするのだが、栞のフェロモンは世の男性を虜にできるほどの力を持つ『α+』(アルファプラス)に認定されてイケメン達が栞に番を結んでもらおうと近寄ってくる。
目が覚めたばかりなのに、旦那候補が5人もいて初めて会うのに溺愛されまくる。さらに、自分と番になりたい男性がまだまだいっぱいいるの!!?
「恋愛経験0の私にはイケメンに愛されるなんてハードすぎるよ~」
転生したら、6人の最強旦那様に溺愛されてます!?~6人の愛が重すぎて困ってます!~
月
恋愛
ある日、女子高生だった白川凛(しらかわりん)
は学校の帰り道、バイトに遅刻しそうになったのでスピードを上げすぎ、そのまま階段から落ちて死亡した。
しかし、目が覚めるとそこは異世界だった!?
(もしかして、私、転生してる!!?)
そして、なんと凛が転生した世界は女性が少なく、一妻多夫制だった!!!
そんな世界に転生した凛と、将来の旦那様は一体誰!?
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる