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第8章
9話 【白✖️黒の闘い】
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『えっ? 黒弧族が……』
希和は我に返った。それと同時に、担任とクラス全員が、気を失って倒れた。
倒れないで残っていたのは、シロのシャーマンである忌野希和と、クロのシャーマンの末裔の黒柳白斗だけだった。
希和がシャーマンとしての力を使って視ると、担任と生徒たちの心の中に眠っている、恨みや憎しみなどの負のエネルギーを集約し、操っているのが黒柳だとわかった。
トヨの遠隔からの助言で我に返った希和は、全身が真っ黒な毛で覆われ大きな尾を持ち、銀色に妖しく光る目をした狐の姿の黒柳を見た。黒柳の本当の姿を見破ったのだ。
「チッ、もう少しで、シロのお前の力を半減することができたのに」
黒柳は目を吊り上げ、希和を睨みつけながら、悔しそうに言った。
黒弧族は、人の憎しみや恨みが大好物なので、担任や生徒たちを利用して、希和の心の奥に潜む心を呼び覚まし、白妙族のシャーマンが持つ正義の力を弱めようとしたのだった。
「でも、まあいい。お前は、人間の心の闇の部分を見ようとしない。エセ正義感を気取った半人前だ!」
希和の弱点を巧みに突きながら、なおも、
「忌野さん、知っているか? "卑弥呼の名の表記の仕方を変えて、捏造した"のは、実はオレたちの先祖だ」
と言って、黒柳は希和の動揺を誘おうとした。
「卑弥呼は、我々黒弧族ではなく、白妙族を後継者として選んだ。だから、オレたちの先祖は卑弥呼に一矢を報いるため、彼女の名前をおとしめるものに変えて、後世に伝えたんだ」
黒柳は、自分の衝撃の告白によって驚いている希和の様子を、面白がって眺めた。
「卑弥呼の本当の名前を知りたいか? 実はオレも聞いていないから知らないんだ」
と、ニヤニヤしながら嘘をついた。
黒柳は、卑弥呼の本当の名前を父親から聞いていたが、それは切り札となりうる情報なので、希和には悟られないようガードした。
希和は我に返った。それと同時に、担任とクラス全員が、気を失って倒れた。
倒れないで残っていたのは、シロのシャーマンである忌野希和と、クロのシャーマンの末裔の黒柳白斗だけだった。
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トヨの遠隔からの助言で我に返った希和は、全身が真っ黒な毛で覆われ大きな尾を持ち、銀色に妖しく光る目をした狐の姿の黒柳を見た。黒柳の本当の姿を見破ったのだ。
「チッ、もう少しで、シロのお前の力を半減することができたのに」
黒柳は目を吊り上げ、希和を睨みつけながら、悔しそうに言った。
黒弧族は、人の憎しみや恨みが大好物なので、担任や生徒たちを利用して、希和の心の奥に潜む心を呼び覚まし、白妙族のシャーマンが持つ正義の力を弱めようとしたのだった。
「でも、まあいい。お前は、人間の心の闇の部分を見ようとしない。エセ正義感を気取った半人前だ!」
希和の弱点を巧みに突きながら、なおも、
「忌野さん、知っているか? "卑弥呼の名の表記の仕方を変えて、捏造した"のは、実はオレたちの先祖だ」
と言って、黒柳は希和の動揺を誘おうとした。
「卑弥呼は、我々黒弧族ではなく、白妙族を後継者として選んだ。だから、オレたちの先祖は卑弥呼に一矢を報いるため、彼女の名前をおとしめるものに変えて、後世に伝えたんだ」
黒柳は、自分の衝撃の告白によって驚いている希和の様子を、面白がって眺めた。
「卑弥呼の本当の名前を知りたいか? 実はオレも聞いていないから知らないんだ」
と、ニヤニヤしながら嘘をついた。
黒柳は、卑弥呼の本当の名前を父親から聞いていたが、それは切り札となりうる情報なので、希和には悟られないようガードした。
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