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第8章
4話 【白✖️黒の闘い】
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トヨの手作りのチューリップを持って学校へ行くと、みゆきは、
「手作りのチューリップ、綺麗だね。それに、これなら落ちても割れないね」
と言った。そして、二人で顔を見合わせて、喜びあった。
しかし、そんな二人の喜びに水を差すように、翌朝、チューリップが無残な形で発見された。
花の部分がもぎ取られ、茎の部分の割り箸は、全部が真っ二つに折られていた。
缶も、誰かが踏んづけたように、ペシャンコになっていた。
その様子を見た希和は、さすがに呆然として、みゆきと手を取り合って、
「いったい、誰がこんなひどいことをしたの!」
と、怒りをあらわにした。
『ばあちゃんが、一本一本手作りしてくれたのに……。親友だった留美の為に、一生懸命作ってくれたのに…….』
希和は、祖母と留美と自分の三人とも傷付けられたような気分だった。
希和が、怒りと悲しみがごっちゃになった複雑な気持ちで、床に転がった無残な姿のチューリップを拾おうと、ひとつ目の花に触れた時だった。
突然、チューリップを傷付けた人物の残留思念が、希和の頭の中に入ってきた。
『ふん。死んでしまった人間に、いつまで花を飾るんだよ! 手作りのチューリップだって? ふざけんな! あたしなんか、誰にも心のこもった手作りの物なんか、作ってもらったことないのに』
この言葉の主である人物の顔を見て、希和は驚いた。
同じクラスの相田悦子だった。
悦子はあまり笑わない、どこかひねた雰囲気を漂わせた子だった。
でも、まさかトヨがわざわざ作ってくれた物を、メチャクチャにするような意地悪な人間には、希和には到底思えなかった。
ただ、「誰にも手作りの物を作ってもらったことがない」という、悦子の言葉をなぞってみた時、希和はある光景を思い出した。
それは、先日の水曜日のことだった。
「手作りのチューリップ、綺麗だね。それに、これなら落ちても割れないね」
と言った。そして、二人で顔を見合わせて、喜びあった。
しかし、そんな二人の喜びに水を差すように、翌朝、チューリップが無残な形で発見された。
花の部分がもぎ取られ、茎の部分の割り箸は、全部が真っ二つに折られていた。
缶も、誰かが踏んづけたように、ペシャンコになっていた。
その様子を見た希和は、さすがに呆然として、みゆきと手を取り合って、
「いったい、誰がこんなひどいことをしたの!」
と、怒りをあらわにした。
『ばあちゃんが、一本一本手作りしてくれたのに……。親友だった留美の為に、一生懸命作ってくれたのに…….』
希和は、祖母と留美と自分の三人とも傷付けられたような気分だった。
希和が、怒りと悲しみがごっちゃになった複雑な気持ちで、床に転がった無残な姿のチューリップを拾おうと、ひとつ目の花に触れた時だった。
突然、チューリップを傷付けた人物の残留思念が、希和の頭の中に入ってきた。
『ふん。死んでしまった人間に、いつまで花を飾るんだよ! 手作りのチューリップだって? ふざけんな! あたしなんか、誰にも心のこもった手作りの物なんか、作ってもらったことないのに』
この言葉の主である人物の顔を見て、希和は驚いた。
同じクラスの相田悦子だった。
悦子はあまり笑わない、どこかひねた雰囲気を漂わせた子だった。
でも、まさかトヨがわざわざ作ってくれた物を、メチャクチャにするような意地悪な人間には、希和には到底思えなかった。
ただ、「誰にも手作りの物を作ってもらったことがない」という、悦子の言葉をなぞってみた時、希和はある光景を思い出した。
それは、先日の水曜日のことだった。
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