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第6章
2話 【希和の愁い】
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『キワチャン、エライネ。オテテ、ツメタイデショ。コノ、イシノウエ、タイヨウノネツデ、アッタカイヨ』
希和の頭の中に語りかけてくる声に促されて辺りを見ると、大きなトンボの"オニヤンマ"が、近くの大きな石の上で、希和のほうを見ながら羽を震わせていた。
オニヤンマの周りには、赤トンボをはじめとする、色んな種類のトンボがたくさん止まって希和を見ていた。
『ありがとう、オニヤンマさん。本当にこの石の上温かいね。私の手、焼き芋になっちゃいそうだよ』
と、希和が話しかけると、
『タイヘン、タイヘン。キワチャンノ、オテテガ、ヤキイモニ、ナッチャウヨ』
と言いながら、オニヤンマや赤トンボたちが急いで飛んできて、石の上に置かれた希和の両手の上に集まって、日陰を作った。
そんな、トンボたちの心温まる行いに、希和は笑いながらも、涙が込み上げてきた。
『トンボさんたち、どうもありがとう。楽しかったよ』
と、笑顔でお別れの挨拶をすると、トンボさんたちは嬉しそうに、希和の頭の周りをクルクルと数回旋回すると、山の方へ飛んで行ったのだった。
希和は家路を辿りながら、自然や生物たちの"見返りを求めない優しさや親切"を、直接肌で感じたことで、自分のシャーマンとしての未熟さを痛感し、恥じた。
畑仕事をしていると、昨日まで小さかった野菜が、数日後には驚くほど成長しているのがわかり、とても愛おしくなるのだった。野菜を掘り起こすと、大小のミミズが顔を出した。トヨから、ミミズは土壌を肥沃にする為の、縁の下の力持ちの役割をしていると聞いていたので、気持ち悪いというより、かわいいという感情が湧いてくる。
希和の頭の中に語りかけてくる声に促されて辺りを見ると、大きなトンボの"オニヤンマ"が、近くの大きな石の上で、希和のほうを見ながら羽を震わせていた。
オニヤンマの周りには、赤トンボをはじめとする、色んな種類のトンボがたくさん止まって希和を見ていた。
『ありがとう、オニヤンマさん。本当にこの石の上温かいね。私の手、焼き芋になっちゃいそうだよ』
と、希和が話しかけると、
『タイヘン、タイヘン。キワチャンノ、オテテガ、ヤキイモニ、ナッチャウヨ』
と言いながら、オニヤンマや赤トンボたちが急いで飛んできて、石の上に置かれた希和の両手の上に集まって、日陰を作った。
そんな、トンボたちの心温まる行いに、希和は笑いながらも、涙が込み上げてきた。
『トンボさんたち、どうもありがとう。楽しかったよ』
と、笑顔でお別れの挨拶をすると、トンボさんたちは嬉しそうに、希和の頭の周りをクルクルと数回旋回すると、山の方へ飛んで行ったのだった。
希和は家路を辿りながら、自然や生物たちの"見返りを求めない優しさや親切"を、直接肌で感じたことで、自分のシャーマンとしての未熟さを痛感し、恥じた。
畑仕事をしていると、昨日まで小さかった野菜が、数日後には驚くほど成長しているのがわかり、とても愛おしくなるのだった。野菜を掘り起こすと、大小のミミズが顔を出した。トヨから、ミミズは土壌を肥沃にする為の、縁の下の力持ちの役割をしていると聞いていたので、気持ち悪いというより、かわいいという感情が湧いてくる。
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