イマワノキワ -その時に私を呼んでー

たまひめ

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第3章

3話 【待たれたヒーローの誕生】

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 今日も、テレビの中でコメンテーターたちが、
「法律の手直しが必要ですね」
 と、当たり前のことをわめいている。
「おらたちが聞きたいのはそういうことじゃない。法律の手直しをするには、おらたち国民は、具体的にどう行動すればいいべか? その方法を教えて欲しいんじゃ」
 と、トヨは国民の声を代弁するかのように言った。
 検察も弁護士も裁判所も、"前例"に縛られて"死刑"を求刑することを恐れている。
 トヨは、吐き捨てるように言った。
「税金で給料を貰っている奴等、ちゃんと仕事ばしろ!」
 それは、年金問題や、厚生労働省と薬品会社との癒着による事件、各省庁の外郭団体への天下り問題にもいえることだった。
「だいたい、仕事でミスしても、官僚と公務員だけ処置が甘いのは、どう考えてもおかしくなかっぺ? あと、議員職も、ボランティアでもやりたいという人に、一度任せればよかっぺよ」
 トヨは、日頃の思いを述べた。
 司法のプロに任せていても、こんな体たらくなのだ。
 国民が司法に参加する"裁判員制度"が始まって結構経った。
「ばあちゃんには、"裁判員制度"は、国民に国民を裁いてもらうことによって、司法のプロたちが自分たちの責任を回避しているように見えるべさ」
 と、独自の感想を言った。
 しかし不平不満を感じても、国民は実際に、また具体的にどのように行動すればいいのかわからない人が大半だ。
 電話やメールで抗議したり、選挙で一票を入れないなどのほか、生活に追われている国民がそれ以上に異を唱える方法があるだろうか?
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