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本編
Module_052
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「なっ――!?」
突如として視界から消え失せたセロの姿に、セイラスは思わず声を詰まらせ、目を見開いて驚く。だが、驚くセイラスを嘲笑うように、彼の横からセロの声が聞こえて来た。
「おいおい、トロトロしてる余裕はないだろ? 呆けてる間に死んじまうぜ?」
「ーーっ!? グハッ!?」
セイラスが呟かれたセロの声を捉えた瞬間、彼の腹にセロの膝が深く食い込む。その強烈な攻撃に、思わずセイラスの顔が苦悶の表情に歪んだ。
「クソッ! クソクソクソオオオオッ――! 言わせておけば、このガキがああああッ!」
「さっきまでの丁寧な口調はどうしたよ? 化けの皮が剥がれたってトコか? ガキって……ソレがお前の本性ってヤツか? 随分とまぁゲスな言葉を使うじゃん」
「舐めるなぁああああああっ!」
余裕ぶった態度でおどけた調子で話しかけるセロに、セイラスはこめかみに青筋を浮かべつつ、ナイフを手に襲い掛かる。
だが、セイラスの振るうナイフは、セロを捉えることが出来ず、虚しく彼の傍をただ通過するのみであった。リズミカルに地を蹴り、まるでひらひらと舞う蝶の如く軽やかな身のこなしでもって襲い来る刃を見事に躱すセロに、逆にセイラスの焦りが募っていく。
(な、何故だっ! どうしてヤツはここまで回避できる……!)
自慢ではないが、セイラスは自身のスピードに少なからぬ自信があった。これまでもこのスピードを武器に、多くの人間の首を狩って来た実績があるからだ。そのスピードは彼の同業者ですら一目を置くほどで、それが依頼料の高さとなって目に見える形で表れている。
しかし、それほどまでの実力者が、一向にセロに一撃すら与えられず、逆に手玉に取られているのだ。それはセロと対峙するセイラスに限らず、端から両者の様子を窺っていたデラキオもそれまでの余裕を失い、驚きからその場で身じろぎもせず言葉が出ないほどだ。
と、その時。セイラスの繰り出した蹴りをバック宙で回避したセロがポツリと呟く。
「――ふむ。やっぱり『身体強化』だけじゃあ決め手に欠けるか。なら……『加速』!」
空中に身を躍らせた状態で素早く術式を展開したセロは、その足が地に着くや否や、ぐっと足に力を入れて駆け出す。セロからすれば、何気ない一動作に過ぎない。
だが、もともと展開していた「身体強化」に加え、「加速」の術式を追加展開したことにより、セロの速度は最早対峙するセイラスにさえ追いつけないほどのレベルにまで達する。
「消えた、だと!? ――クソッ! ど、どこにいる!?」
急激なまでに上がったセロの速度に対応できず、セイラスは苛立ちを混ぜた言葉を吐きながら周囲を見回して警戒する。
「ふぅむ……『加速』の術式追加は余計だったか? 消費魔力量的には『速度上昇』ぐらいが丁度よかったかな?」
放たれたセイラスの問いを完全に無視し、一人ブツブツと呟きながら分析するセロの声が辺りに響く。
「ソコかああああああああああああああああっ!」
耳に届いた声に、セイラスは聞こえて来た方角に顔を向け、獲物を仕留めるようにナイフを大上段に構える。だが、次に彼の耳が捉えたのは――
――ドパァン!
耳を塞ぎたくなるほどの轟音であった。そして同時に、頭を締め上げるかと思えるほどの激痛がセイラスを襲う。
「ぐああああああああっ!? な、何が……」
身体を襲う激痛と抜けていく力に、セイラスは崩れるようにしてその場に伏せ、倒れた。そして、倒れた彼が目にしたのは、夥しい量の血を床の上に撒き散らす自らの腕だった。
「俺の……腕、だと?」
肘から下の、自分の右腕が引き千切られるように視線の先に転がり、それまで手にしていたはずのナイフが腕のすぐ傍に落ちていた。だが、それを目にしたセイラスは、はたと気づく。
――それまで意識するまでも無く歩いていた自分が、なぜ倒れているのかを。
「ま、まさ……か……」
脳裏を掠めたおぞましい状況を想像したセイラスの顔が、みるみる青褪めたものへと変化する。そして、彼の想像を現実として突き付ける声が、いつの間にか傍に歩み寄っていたセロの口から告げられた。
「あ~、うん。ご想像の通りだ。もういい加減、付き合うのも面倒になって来たから、両手両足を愛銃で同時にブチ抜いて、引き千切ってやったよ」
「なっ……なっ……な、んでーー」
「たかが銃で、なんで手足が引き千切られたと思ってんのか? ハッ、冥土の土産ってワケじゃないが、教えてやるよ。コイツの中に込めた弾はちょっとばかし特別製でな。撃ち出された弾が対象に当たると、弾頭が潰れると同時に中にある火属性の精霊片が反応して爆発が起きる。その爆発を弾丸に刻んだ精霊構文によって規模を拡大させるのさ」
ニヤリと笑みを浮かべて解説するセロに、セイラスは四肢を捥がれたたまま呻き声を上げる。
「おいおい、そんな悲壮に満ちた顔なんてするなよ。これってお前が今までしてきたことと同じことだろ? なぁ、サイコ野郎。これまで散々愉しみながら人を甚振って、弄んで、捨てるように殺してきたんだ。そろそろ仕舞いにしようか。俺はお前のように愉しみながら人を殺す快楽殺人者じゃあないんでね。お前の命で手打ちにしてやるよ」
「そ、そん……た、たす――」
涙を流しながら掠れ声で助けを乞うセイラスに、セロはその額にカトラスの銃口を突き付け――躊躇うことなくその引き金を引いた。
「お見事でございました、我が主。あのまま放置しても大量失血で事切れていたものを、わざわざ手を掛けて葬るとは。お優しいですな」
銃口から漏れる煙をフッと吹き消したセロに、歩み寄ったベリアルが恭しく頭を垂れながら彼の手際を称賛する。
「あぁ、そうか。そう言われれば……そうだな。しまった……弾を余計に使っちまった」
ベリアルの指摘に、セロはやや残念そうな声を漏らしながら愛銃をホルスターに仕舞う。一方のベリアルは、主たるセロの言葉とその裏に込められた思いが一致していないことを心の内に秘めつつ、さらに言葉をかけた。
「して、その死体はいかがなさいますか? 頭が吹き飛び、既に人としての体を成していないとはいえ、このまま放置するとアンデッド化する可能性もありますが」
「アンデッド化ってことは、下手するとこのまま起き上がって襲ってくるってことか? うへぇ……だったらお前の焔で燃やしておいてくれ。なんなら使い魔に喰わせてもいい。処理は任せるよ」
「かしこまりました」
セロの返答に軽く頭を下げたベリアルは、早速「罪喰い蛇」を召喚し、床に転がったセイラスの死体を処理し始める。
「さて。『オープニング』はこれで終わりかな? んじゃ、そろそろ……『メインイベント』といこうか」
無意識のうちに口角を吊り上げたセロは、彼をこの騒動に巻き込ませた張本人――デラキオのいる方へと身体を向ける。
自分の腹心の部下がアッサリと倒され、どんな顔をしているのかと思っていたセロだがーー
「えぇ……嘘だろ……」
彼の視線の先には、そこには先ほどイルゼヴィルたちと共に逃げたはずのレイナに、つい先ほどまでセイラスが手にしていたナイフを突きつけるデラキオの姿があった。
「く、来るなぁ、この化け物っ! い、いいか! ほんのわずかでもそこから動いてみろ! この娘がどうなってもいいのか!」
ナイフをこれ見よがしに見せつけつつ、狂ったように叫ぶデラキオを前に、セロは「これじゃあメインイベントが始まらないじゃんかよ……さて、どうしようか……」と軽くため息を漏らしながら頭の中で策を巡らせていた。
突如として視界から消え失せたセロの姿に、セイラスは思わず声を詰まらせ、目を見開いて驚く。だが、驚くセイラスを嘲笑うように、彼の横からセロの声が聞こえて来た。
「おいおい、トロトロしてる余裕はないだろ? 呆けてる間に死んじまうぜ?」
「ーーっ!? グハッ!?」
セイラスが呟かれたセロの声を捉えた瞬間、彼の腹にセロの膝が深く食い込む。その強烈な攻撃に、思わずセイラスの顔が苦悶の表情に歪んだ。
「クソッ! クソクソクソオオオオッ――! 言わせておけば、このガキがああああッ!」
「さっきまでの丁寧な口調はどうしたよ? 化けの皮が剥がれたってトコか? ガキって……ソレがお前の本性ってヤツか? 随分とまぁゲスな言葉を使うじゃん」
「舐めるなぁああああああっ!」
余裕ぶった態度でおどけた調子で話しかけるセロに、セイラスはこめかみに青筋を浮かべつつ、ナイフを手に襲い掛かる。
だが、セイラスの振るうナイフは、セロを捉えることが出来ず、虚しく彼の傍をただ通過するのみであった。リズミカルに地を蹴り、まるでひらひらと舞う蝶の如く軽やかな身のこなしでもって襲い来る刃を見事に躱すセロに、逆にセイラスの焦りが募っていく。
(な、何故だっ! どうしてヤツはここまで回避できる……!)
自慢ではないが、セイラスは自身のスピードに少なからぬ自信があった。これまでもこのスピードを武器に、多くの人間の首を狩って来た実績があるからだ。そのスピードは彼の同業者ですら一目を置くほどで、それが依頼料の高さとなって目に見える形で表れている。
しかし、それほどまでの実力者が、一向にセロに一撃すら与えられず、逆に手玉に取られているのだ。それはセロと対峙するセイラスに限らず、端から両者の様子を窺っていたデラキオもそれまでの余裕を失い、驚きからその場で身じろぎもせず言葉が出ないほどだ。
と、その時。セイラスの繰り出した蹴りをバック宙で回避したセロがポツリと呟く。
「――ふむ。やっぱり『身体強化』だけじゃあ決め手に欠けるか。なら……『加速』!」
空中に身を躍らせた状態で素早く術式を展開したセロは、その足が地に着くや否や、ぐっと足に力を入れて駆け出す。セロからすれば、何気ない一動作に過ぎない。
だが、もともと展開していた「身体強化」に加え、「加速」の術式を追加展開したことにより、セロの速度は最早対峙するセイラスにさえ追いつけないほどのレベルにまで達する。
「消えた、だと!? ――クソッ! ど、どこにいる!?」
急激なまでに上がったセロの速度に対応できず、セイラスは苛立ちを混ぜた言葉を吐きながら周囲を見回して警戒する。
「ふぅむ……『加速』の術式追加は余計だったか? 消費魔力量的には『速度上昇』ぐらいが丁度よかったかな?」
放たれたセイラスの問いを完全に無視し、一人ブツブツと呟きながら分析するセロの声が辺りに響く。
「ソコかああああああああああああああああっ!」
耳に届いた声に、セイラスは聞こえて来た方角に顔を向け、獲物を仕留めるようにナイフを大上段に構える。だが、次に彼の耳が捉えたのは――
――ドパァン!
耳を塞ぎたくなるほどの轟音であった。そして同時に、頭を締め上げるかと思えるほどの激痛がセイラスを襲う。
「ぐああああああああっ!? な、何が……」
身体を襲う激痛と抜けていく力に、セイラスは崩れるようにしてその場に伏せ、倒れた。そして、倒れた彼が目にしたのは、夥しい量の血を床の上に撒き散らす自らの腕だった。
「俺の……腕、だと?」
肘から下の、自分の右腕が引き千切られるように視線の先に転がり、それまで手にしていたはずのナイフが腕のすぐ傍に落ちていた。だが、それを目にしたセイラスは、はたと気づく。
――それまで意識するまでも無く歩いていた自分が、なぜ倒れているのかを。
「ま、まさ……か……」
脳裏を掠めたおぞましい状況を想像したセイラスの顔が、みるみる青褪めたものへと変化する。そして、彼の想像を現実として突き付ける声が、いつの間にか傍に歩み寄っていたセロの口から告げられた。
「あ~、うん。ご想像の通りだ。もういい加減、付き合うのも面倒になって来たから、両手両足を愛銃で同時にブチ抜いて、引き千切ってやったよ」
「なっ……なっ……な、んでーー」
「たかが銃で、なんで手足が引き千切られたと思ってんのか? ハッ、冥土の土産ってワケじゃないが、教えてやるよ。コイツの中に込めた弾はちょっとばかし特別製でな。撃ち出された弾が対象に当たると、弾頭が潰れると同時に中にある火属性の精霊片が反応して爆発が起きる。その爆発を弾丸に刻んだ精霊構文によって規模を拡大させるのさ」
ニヤリと笑みを浮かべて解説するセロに、セイラスは四肢を捥がれたたまま呻き声を上げる。
「おいおい、そんな悲壮に満ちた顔なんてするなよ。これってお前が今までしてきたことと同じことだろ? なぁ、サイコ野郎。これまで散々愉しみながら人を甚振って、弄んで、捨てるように殺してきたんだ。そろそろ仕舞いにしようか。俺はお前のように愉しみながら人を殺す快楽殺人者じゃあないんでね。お前の命で手打ちにしてやるよ」
「そ、そん……た、たす――」
涙を流しながら掠れ声で助けを乞うセイラスに、セロはその額にカトラスの銃口を突き付け――躊躇うことなくその引き金を引いた。
「お見事でございました、我が主。あのまま放置しても大量失血で事切れていたものを、わざわざ手を掛けて葬るとは。お優しいですな」
銃口から漏れる煙をフッと吹き消したセロに、歩み寄ったベリアルが恭しく頭を垂れながら彼の手際を称賛する。
「あぁ、そうか。そう言われれば……そうだな。しまった……弾を余計に使っちまった」
ベリアルの指摘に、セロはやや残念そうな声を漏らしながら愛銃をホルスターに仕舞う。一方のベリアルは、主たるセロの言葉とその裏に込められた思いが一致していないことを心の内に秘めつつ、さらに言葉をかけた。
「して、その死体はいかがなさいますか? 頭が吹き飛び、既に人としての体を成していないとはいえ、このまま放置するとアンデッド化する可能性もありますが」
「アンデッド化ってことは、下手するとこのまま起き上がって襲ってくるってことか? うへぇ……だったらお前の焔で燃やしておいてくれ。なんなら使い魔に喰わせてもいい。処理は任せるよ」
「かしこまりました」
セロの返答に軽く頭を下げたベリアルは、早速「罪喰い蛇」を召喚し、床に転がったセイラスの死体を処理し始める。
「さて。『オープニング』はこれで終わりかな? んじゃ、そろそろ……『メインイベント』といこうか」
無意識のうちに口角を吊り上げたセロは、彼をこの騒動に巻き込ませた張本人――デラキオのいる方へと身体を向ける。
自分の腹心の部下がアッサリと倒され、どんな顔をしているのかと思っていたセロだがーー
「えぇ……嘘だろ……」
彼の視線の先には、そこには先ほどイルゼヴィルたちと共に逃げたはずのレイナに、つい先ほどまでセイラスが手にしていたナイフを突きつけるデラキオの姿があった。
「く、来るなぁ、この化け物っ! い、いいか! ほんのわずかでもそこから動いてみろ! この娘がどうなってもいいのか!」
ナイフをこれ見よがしに見せつけつつ、狂ったように叫ぶデラキオを前に、セロは「これじゃあメインイベントが始まらないじゃんかよ……さて、どうしようか……」と軽くため息を漏らしながら頭の中で策を巡らせていた。
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