45 / 61
本編
Module_045
しおりを挟む
「――で? 俺に何をしろって?」
マレーン商会の襲撃が発生してから数時間後。食事中であったセロは、「あれっ? これってデジャヴじゃね?」という思いを抱きつつも、イルゼヴィルの側近――グラースという屈強な大柄の男に捕まり、抵抗も虚しく再びマレーン商会にてイルゼヴィルと対面することとなった。
「この状況を見ればだいたいは分かるだろう? 私の親友たるイルネが襲われた。君にはその制裁に協力して欲しいんだよ。もちろん協力してくれた礼はする」
「制裁って……それってただの私刑じゃあ……」
「うん? 何か言ったかね?」
「イエ、ナンデモアリマセン………」
「そう。ならばよし。聞き分けのよい子は好感が持てるね」
グラースに襟首を掴まれたセロは、上から吊られた格好のままイルゼヴィルと対峙する。ちらりと目を左右に走らせて周囲を見回せば、そこは到底同じ場所とは思えないほどに荒れ果てた室内であった。家具は倒れ、調度品が破壊されてその無残な姿を床の上に曝け出す光景は、とてもではないが人が住んでいるとは思えない有様だ。
「……はぁ。まぁ報酬があるのなら手伝うのもやぶさかではないが……そもそもの話、あの会頭さんがどこにいるか、分かるのか?」
足をぷらぷらと揺らしつつ訊ねるセロに、イルゼヴィルはわずかにその口の端を持ち上げながら「もちろん」と答える。
「君はイルネと同じ能力がある。なら、コレが一体何か分かるだろ?」
不敵な笑みを見せるイルゼヴィルは、内ポケットから千切れたイヤリングをセロの前に掲げながら訊ねる。
「――あぁ、なるほど。コレ……発信機だろ?」
「正解。イルネが言うには、これは『双信機』というらしいがな。このイヤリングはそれぞれ発信機と受信機を備えている。一定の間隔になると、自動的に互いの現在地を示す信号を発信するんだそうだ。もっとも、受信側で拾える距離に限界があるんだが、幸いにも襲撃から時間が経ってなかったからな。発信機から放たれる信号をもとに部下共に捜索させたらすぐに居場所を特定できたよ」
「なら、どうして俺を? 居場所が特定できたのなら、すぐに乗り込めばいいのに」
セロのもっともな指摘に、イルゼヴィルは胸元のポケットから取り出した煙草に火を付け、紫煙を吐き出しながら答える。
「乗り込むだけなら簡単よ。ただ、場所がねぇ……」
イルゼヴィルはアンニュイな表情を浮かべつつ、再び紫煙を吐き出すと、続く言葉を口にする。
「――デラキオ商会が管理する大工房なのよ。あそこにはイルネたち以外にも大勢の機巧師たちがいる。機巧師はこの街の発展に欠かせない存在だ。それに、あの工房には彼らにとっては命よりも大切な数々の道具がある。できれば彼らの居場所を無闇に奪うことは避けたいのよ」
「なるほどね。それで俺にどうしろと? 俺はただのモグリの機巧師だ。ライセンスが無い以上、あまり大っぴらなことはできないぞ?」
事情を把握したセロは、眉間に皺を寄せつつ頭を掻いてイルゼヴィルに問いかける。一方、セロの言葉を受けたイルゼヴィルは、微笑みながらサラリと告げる。
「あら、そんなものは大した問題では無いわよ。君はただ私とグラースの精霊武具をメンテナンスしてもらえればいいから。本当はもう少ししたらイルネに頼もうとしてたんだけど、この状況だし、君は他人の精霊武具をメンテナンスした経験があるようだしね。もちろん、君のことはこの場限りにしておくから。漏らしたヤツはキッチリ制裁しておくから、安心してね」
微笑みながら告げられた言葉に、セロの背筋に一瞬寒気が走る。見た目からの表情からは掛け離れた、組織のボスとしての冷徹な一面がその瞳に宿っていた。
「あ、あぁ……そうしてもらえると助かるよ。それで? 作戦の具体的な時間とその内容は?」
セロはイルゼヴィルの本気度に気圧されつつ、さらに質問して話題の中心を変える。
「作戦の決行は、これより二時間後。グラースと彼が率いる部隊が正面から仕掛けるから、その間に私と貴方で中に侵入して、イルネたちを救助する。大筋はこんな感じかしらね」
「正面は陽動……か。ただ、中に侵入するにしても、建物内部の見取り図や構造を事前に把握しておかないと、作戦の成功は見込めないだろう? こういう陽動作戦は短期勝負だ。侵入する人数はこっちの方が少ないわけだし、向こうに地の利がある以上、できるだけその差は埋めておいた方がいい。加えて、表で仕掛ける部隊はどれくらいの時間を稼げるかも見積もっておかないと。想定より早く戦線が崩れた場合、俺たちに人員が多く割かれるだろう。そんな場合にどう対処するか、前もって何パターンかシミュレーションしておく必要があると思うが?」
イルゼヴィルの言葉にセロが自分の意見を述べると、グラースは目を見張り、イルゼヴィルは面白そうに口の端を吊り上げた。
「……おいおい、聞いたか、グラース。この坊やはなかなかの逸材のようだな」
「はい、大佐。言葉の端々から状況を想定し、敵の出方を想定した上でどのように対処するか……この年でそこまで具体的にシミュレーションできるのは、素直に驚嘆するに値すると思います」
イルゼヴィルの問いかけに、グラースはゆっくりと頷きながら答える。
「イルネほどでは無いが……実に興味深いねぇ。どうやったらその年でそんな考えを持てるんだか」
「いやぁ、アハハ……」
口角を持ち上げて微笑を浮かべつつも、獲物を捉えた肉食獣の如く鋭い目を向けるイルゼヴィルに対し、セロは乾いた笑いを上げながら受け流す。
(うん……言えるワケないよな。転生前にやってた、ネットのFPSゲームで鍛えた……なんて)
カリカリと軽く頭を掻きながら言い淀むセロに、イルゼヴィルは軽く息を吐いて「まぁ今は聞かないさ。それよりも、イルネのことがあるからな……」と話の中心を切り替え、話を進める。
やがて、イルゼヴィルとの打ち合わせを終えたセロは、グラースからメンテナンスをする精霊武具を預かると、そのまま商会の地下へと向かっていった。イルゼヴィルの調べによれば、この商会の地下にある「工房」は、襲撃の影響を奇跡的に受けていなかった。「追加で必要な素材があれば用意する」とイルゼヴィルは告げたが、セロが見たところ、それほど損傷していないことから、微調整程度で充分なことが分かる。
「ただ、何が起こるか分からないからなぁ……時間もまだあるし、念には念を入れて、精霊術の発動効率を上げて、余ったスペースに新たな機能を加えておくか……」
そうして本人の預かり知らぬ間に、セロの手によって二人の相棒が改造されていく。
ーーそして。
「そろそろ時間だ。メンテナンスの方は終わったか?」
ノックをして工房に入って来たイルゼヴィルに、セロは不敵な笑みを見せて呟く。
「……あぁ、終わったよ」
セロは入って来たイルゼヴィルとグラースに、それぞれの精霊武具を手渡し、自らも腰にベルトタイプのガンホルダーを下げた。
「ならば良し。さて諸君……我々の友人を虐める不届き者を成敗するとしようか。各々、その魂に戦いの炎を灯せ。我らは戦場に立つ者……生き血を啜り、死人の肉を喰らいながら勝利を掴む者なり。さぁ、諸君。行こうかーーわれらの勝利をもぎ取りに」
イルゼヴィルの口から紡がれる言葉が、ひりつくほどの緊張感を伴いながら場に響き渡った。
マレーン商会の襲撃が発生してから数時間後。食事中であったセロは、「あれっ? これってデジャヴじゃね?」という思いを抱きつつも、イルゼヴィルの側近――グラースという屈強な大柄の男に捕まり、抵抗も虚しく再びマレーン商会にてイルゼヴィルと対面することとなった。
「この状況を見ればだいたいは分かるだろう? 私の親友たるイルネが襲われた。君にはその制裁に協力して欲しいんだよ。もちろん協力してくれた礼はする」
「制裁って……それってただの私刑じゃあ……」
「うん? 何か言ったかね?」
「イエ、ナンデモアリマセン………」
「そう。ならばよし。聞き分けのよい子は好感が持てるね」
グラースに襟首を掴まれたセロは、上から吊られた格好のままイルゼヴィルと対峙する。ちらりと目を左右に走らせて周囲を見回せば、そこは到底同じ場所とは思えないほどに荒れ果てた室内であった。家具は倒れ、調度品が破壊されてその無残な姿を床の上に曝け出す光景は、とてもではないが人が住んでいるとは思えない有様だ。
「……はぁ。まぁ報酬があるのなら手伝うのもやぶさかではないが……そもそもの話、あの会頭さんがどこにいるか、分かるのか?」
足をぷらぷらと揺らしつつ訊ねるセロに、イルゼヴィルはわずかにその口の端を持ち上げながら「もちろん」と答える。
「君はイルネと同じ能力がある。なら、コレが一体何か分かるだろ?」
不敵な笑みを見せるイルゼヴィルは、内ポケットから千切れたイヤリングをセロの前に掲げながら訊ねる。
「――あぁ、なるほど。コレ……発信機だろ?」
「正解。イルネが言うには、これは『双信機』というらしいがな。このイヤリングはそれぞれ発信機と受信機を備えている。一定の間隔になると、自動的に互いの現在地を示す信号を発信するんだそうだ。もっとも、受信側で拾える距離に限界があるんだが、幸いにも襲撃から時間が経ってなかったからな。発信機から放たれる信号をもとに部下共に捜索させたらすぐに居場所を特定できたよ」
「なら、どうして俺を? 居場所が特定できたのなら、すぐに乗り込めばいいのに」
セロのもっともな指摘に、イルゼヴィルは胸元のポケットから取り出した煙草に火を付け、紫煙を吐き出しながら答える。
「乗り込むだけなら簡単よ。ただ、場所がねぇ……」
イルゼヴィルはアンニュイな表情を浮かべつつ、再び紫煙を吐き出すと、続く言葉を口にする。
「――デラキオ商会が管理する大工房なのよ。あそこにはイルネたち以外にも大勢の機巧師たちがいる。機巧師はこの街の発展に欠かせない存在だ。それに、あの工房には彼らにとっては命よりも大切な数々の道具がある。できれば彼らの居場所を無闇に奪うことは避けたいのよ」
「なるほどね。それで俺にどうしろと? 俺はただのモグリの機巧師だ。ライセンスが無い以上、あまり大っぴらなことはできないぞ?」
事情を把握したセロは、眉間に皺を寄せつつ頭を掻いてイルゼヴィルに問いかける。一方、セロの言葉を受けたイルゼヴィルは、微笑みながらサラリと告げる。
「あら、そんなものは大した問題では無いわよ。君はただ私とグラースの精霊武具をメンテナンスしてもらえればいいから。本当はもう少ししたらイルネに頼もうとしてたんだけど、この状況だし、君は他人の精霊武具をメンテナンスした経験があるようだしね。もちろん、君のことはこの場限りにしておくから。漏らしたヤツはキッチリ制裁しておくから、安心してね」
微笑みながら告げられた言葉に、セロの背筋に一瞬寒気が走る。見た目からの表情からは掛け離れた、組織のボスとしての冷徹な一面がその瞳に宿っていた。
「あ、あぁ……そうしてもらえると助かるよ。それで? 作戦の具体的な時間とその内容は?」
セロはイルゼヴィルの本気度に気圧されつつ、さらに質問して話題の中心を変える。
「作戦の決行は、これより二時間後。グラースと彼が率いる部隊が正面から仕掛けるから、その間に私と貴方で中に侵入して、イルネたちを救助する。大筋はこんな感じかしらね」
「正面は陽動……か。ただ、中に侵入するにしても、建物内部の見取り図や構造を事前に把握しておかないと、作戦の成功は見込めないだろう? こういう陽動作戦は短期勝負だ。侵入する人数はこっちの方が少ないわけだし、向こうに地の利がある以上、できるだけその差は埋めておいた方がいい。加えて、表で仕掛ける部隊はどれくらいの時間を稼げるかも見積もっておかないと。想定より早く戦線が崩れた場合、俺たちに人員が多く割かれるだろう。そんな場合にどう対処するか、前もって何パターンかシミュレーションしておく必要があると思うが?」
イルゼヴィルの言葉にセロが自分の意見を述べると、グラースは目を見張り、イルゼヴィルは面白そうに口の端を吊り上げた。
「……おいおい、聞いたか、グラース。この坊やはなかなかの逸材のようだな」
「はい、大佐。言葉の端々から状況を想定し、敵の出方を想定した上でどのように対処するか……この年でそこまで具体的にシミュレーションできるのは、素直に驚嘆するに値すると思います」
イルゼヴィルの問いかけに、グラースはゆっくりと頷きながら答える。
「イルネほどでは無いが……実に興味深いねぇ。どうやったらその年でそんな考えを持てるんだか」
「いやぁ、アハハ……」
口角を持ち上げて微笑を浮かべつつも、獲物を捉えた肉食獣の如く鋭い目を向けるイルゼヴィルに対し、セロは乾いた笑いを上げながら受け流す。
(うん……言えるワケないよな。転生前にやってた、ネットのFPSゲームで鍛えた……なんて)
カリカリと軽く頭を掻きながら言い淀むセロに、イルゼヴィルは軽く息を吐いて「まぁ今は聞かないさ。それよりも、イルネのことがあるからな……」と話の中心を切り替え、話を進める。
やがて、イルゼヴィルとの打ち合わせを終えたセロは、グラースからメンテナンスをする精霊武具を預かると、そのまま商会の地下へと向かっていった。イルゼヴィルの調べによれば、この商会の地下にある「工房」は、襲撃の影響を奇跡的に受けていなかった。「追加で必要な素材があれば用意する」とイルゼヴィルは告げたが、セロが見たところ、それほど損傷していないことから、微調整程度で充分なことが分かる。
「ただ、何が起こるか分からないからなぁ……時間もまだあるし、念には念を入れて、精霊術の発動効率を上げて、余ったスペースに新たな機能を加えておくか……」
そうして本人の預かり知らぬ間に、セロの手によって二人の相棒が改造されていく。
ーーそして。
「そろそろ時間だ。メンテナンスの方は終わったか?」
ノックをして工房に入って来たイルゼヴィルに、セロは不敵な笑みを見せて呟く。
「……あぁ、終わったよ」
セロは入って来たイルゼヴィルとグラースに、それぞれの精霊武具を手渡し、自らも腰にベルトタイプのガンホルダーを下げた。
「ならば良し。さて諸君……我々の友人を虐める不届き者を成敗するとしようか。各々、その魂に戦いの炎を灯せ。我らは戦場に立つ者……生き血を啜り、死人の肉を喰らいながら勝利を掴む者なり。さぁ、諸君。行こうかーーわれらの勝利をもぎ取りに」
イルゼヴィルの口から紡がれる言葉が、ひりつくほどの緊張感を伴いながら場に響き渡った。
0
お気に入りに追加
125
あなたにおすすめの小説

結婚30年、契約満了したので離婚しませんか?
おもちのかたまり
恋愛
恋愛・小説 11位になりました!
皆様ありがとうございます。
「私、旦那様とお付き合いも甘いやり取りもしたことが無いから…ごめんなさい、ちょっと他人事なのかも。もちろん、貴方達の事は心から愛しているし、命より大事よ。」
眉根を下げて笑う母様に、一発じゃあ足りないなこれは。と確信した。幸い僕も姉さん達も祝福持ちだ。父様のような力極振りではないけれど、三対一なら勝ち目はある。
「じゃあ母様は、父様が嫌で離婚するわけではないんですか?」
ケーキを幸せそうに頬張っている母様は、僕の言葉にきょとん。と目を見開いて。…もしかすると、母様にとって父様は、関心を向ける程の相手ではないのかもしれない。嫌な予感に、今日一番の寒気がする。
◇◇◇◇◇◇◇◇◇
20年前に攻略対象だった父親と、悪役令嬢の取り巻きだった母親の現在のお話。
ハッピーエンド・バットエンド・メリーバットエンド・女性軽視・女性蔑視
上記に当てはまりますので、苦手な方、ご不快に感じる方はお気を付けください。
絶対婚約いたしません。させられました。案の定、婚約破棄されました
toyjoy11
ファンタジー
婚約破棄ものではあるのだけど、どちらかと言うと反乱もの。
残酷シーンが多く含まれます。
誰も高位貴族が婚約者になりたがらない第一王子と婚約者になったミルフィーユ・レモナンド侯爵令嬢。
両親に
「絶対アレと婚約しません。もしも、させるんでしたら、私は、クーデターを起こしてやります。」
と宣言した彼女は有言実行をするのだった。
一応、転生者ではあるものの元10歳児。チートはありません。
4/5 21時完結予定。

魅了が解けた貴男から私へ
砂礫レキ
ファンタジー
貴族学園に通う一人の男爵令嬢が第一王子ダレルに魅了の術をかけた。
彼女に操られたダレルは婚約者のコルネリアを憎み罵り続ける。
そして卒業パーティーでとうとう婚約破棄を宣言した。
しかし魅了の術はその場に運良く居た宮廷魔術師に見破られる。
男爵令嬢は処刑されダレルは正気に戻った。
元凶は裁かれコルネリアへの愛を取り戻したダレル。
しかしそんな彼に半年後、今度はコルネリアが婚約破棄を告げた。
三話完結です。

三歳で婚約破棄された貧乏伯爵家の三男坊そのショックで現世の記憶が蘇る
マメシバ
ファンタジー
貧乏伯爵家の三男坊のアラン令息
三歳で婚約破棄され
そのショックで前世の記憶が蘇る
前世でも貧乏だったのなんの問題なし
なによりも魔法の世界
ワクワクが止まらない三歳児の
波瀾万丈

転生しても山あり谷あり!
tukisirokou
ファンタジー
「転生前も山あり谷ありの人生だったのに転生しても山あり谷ありの人生なんて!!」
兎にも角にも今世は
“おばあちゃんになったら縁側で日向ぼっこしながら猫とたわむる!”
を最終目標に主人公が行く先々の困難を負けずに頑張る物語・・・?
ナイナイづくしで始まった、傷物令嬢の異世界生活
天三津空らげ
ファンタジー
日本の田舎で平凡な会社員だった松田理奈は、不慮の事故で亡くなり10歳のマグダリーナに異世界転生した。転生先の子爵家は、どん底の貧乏。父は転生前の自分と同じ歳なのに仕事しない。二十五歳の青年におまるのお世話をされる最悪の日々。転生チートもないマグダリーナが、美しい魔法使いの少女に出会った時、失われた女神と幻の種族にふりまわされつつQOLが爆上がりすることになる――
【商業企画進行中・取り下げ予定】さようなら、私の初恋。
ごろごろみかん。
ファンタジー
結婚式の夜、私はあなたに殺された。
彼に嫌悪されているのは知っていたけど、でも、殺されるほどだとは思っていなかった。
「誰も、お前なんか必要としていない」
最期の時に言われた言葉。彼に嫌われていても、彼にほかに愛するひとがいても、私は彼の婚約者であることをやめなかった。やめられなかった。私には責務があるから。
だけどそれも、意味のないことだったのだ。
彼に殺されて、気がつけば彼と結婚する半年前に戻っていた。
なぜ時が戻ったのかは分からない。
それでも、ひとつだけ確かなことがある。
あなたは私をいらないと言ったけど──私も、私の人生にあなたはいらない。
私は、私の生きたいように生きます。

(完結)醜くなった花嫁の末路「どうぞ、お笑いください。元旦那様」
音爽(ネソウ)
ファンタジー
容姿が気に入らないと白い結婚を強いられた妻。
本邸から追い出されはしなかったが、夫は離れに愛人を囲い顔さえ見せない。
しかし、3年と待たず離縁が決定する事態に。そして元夫の家は……。
*6月18日HOTランキング入りしました、ありがとうございます。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる