40 / 61
本編
Module_040
しおりを挟む
一方、マレーン商会での手伝いを終えたセロは、この日もギルドに赴いていた。
「……えっ? 今、何て?」
ギルドに到着したと同時にロータスに呼び止められたセロは、彼女から「やっとこの前の買取り依頼の査定が終わったわ」との報告を受けてカウンターへとやって来た。
そこで彼に対応したファレナから、告げられた査定額に、目を丸くして思わず聞き返したのである。
「ですから……総計で4,500万リドルになります」
一瞬明後日の方向に飛んでいた意識を呼び戻すと、セロはやや声のトーンを落として確認する。
「本気で?」
「本気です」
セロの問いに、カウンターにいるファレナは表情一つ変えずに頷きながら答えた。
「……それにしても多過ぎないか? いや、くれると言うなら、ありがたく受け取るが、額が額なだけに不安を覚えるぞ。こう言っては何だが、自分でもビックリしてるほどだからな」
顔を引き攣らせながら呟くセロに、ファレナは一度大きなため息を吐いた後に、諭すように語る。
「いいですか? 確かにセロさんの気持ちも分かりますが、貴方はあれだけ大量の魔物を仕留めたんですよ? それも綺麗に眉間を撃ち抜いて。加えて仕留めた魔物はついさっき仕留めたばかりのように新鮮でした。中にはランクの低い魔物もいましたが、どちらかといえばランクが比較的高めの魔物が割合として多かったんです。これぐらいの金額はむしろ妥当ですよ」
ファレナは加えて「なお、この金額はギルドで処理した手数料を差し引いた金額です」とも告げる。
(……ということは、買取り依頼をする前に、自分で魔物を解体すれば、それだけギルドに納めるお金が少なくなるってコトか)
ファレナの説明を聞きつつ、セロは「次はそのあたりも考慮するかと」頭の中に刻む。
「ちなみに、一回の買取り依頼でこれだけの金額となったのは初めてです。えぇ、ぶっちぎりの一位ですとも。おかげさまで査定で死ぬかと思いましたけど」
「あはははは……お疲れ様です」
どこか死んだ魚のような目で「査定イヤ……魔物イヤ……」と呪詛のようにブツブツ呟きながら身を震わせるファレナに、セロは引き攣った笑みを見せながら労いの言葉をかけるのがせいぜいだった。
(うーん、ただ魔物を倒しただけなのに、こんなに貰えるとは思わなかった……)
カウンターの上に出された、目も眩むほどの金額をセロは手早くアイテムポーチの中に仕舞い込む。
(にしても、4,500万リドルかー。あのデラキオ商会で提示された額よりも高いんだよなぁ……正直、どう使えばいいか分からん)
掲示板に張り出された依頼を眺めつつ、セロは今後の方針を練り始めた。
ーーお金はもう十分にある。
ーー借りていた金は返した。
「やっぱり、一度あの家に戻る必要があるかなぁ……」
セロはふと頭に浮かんだ言葉をそのまま声に出す。もともとセロはカラクたちに付いて来た形でやって来た身である。スタイプスの森にある、彼の家には手付かずの材料やメイキングボックスを始めとした精霊導具が置きっ放しのままだ。
「そうと決めれば、まずは生活用品を買い揃えて置かないとかなぁ……あの森じゃあ手軽に加工品は入手出来ないし。服も見ておかないと……」
掲示板から目を外し、セロは指を折りながら今後の予定を詰めるざっと目ぼしいものをピックアップした矢先、ギルドの扉が勢いよく開け放たれた。
「うん? 何だ一体……?」
セロは「人が考えごとをしてるのに……」と眉をわずかに顰めさせつつ、音の聞こえた方へ顔を向ける。
「あああっ! いたああああっ!」
すると、そこにはビシィッとセロに指を突き付けて仁王立ちするユーリアの姿があった。
「へっ? ……俺?」
事態が呑み込めず、自分で自分を指しながらポツリと呟くセロ。
「ちょ~っと来てもらうわよー!」
「いやいやいや! 何でだよ!」
一瞬の隙を縫うように、ツカツカとセロの近くに歩み寄ったユーリアは、彼の腕をガシッと掴むと、そのまま踵を返すように表へと出る。「せめて理由を言え!」と足掻くセロをまるで無視し、ユーリアは「時間がないから」の一点張りで彼を引きずる。
「会頭っ! 見つけましたっ!」
そのままマレーン商会の建物の中に入ったユーリアは、もはや抵抗する気も失せたセロをイルネの前に連れてくる。
「やぁセロ。昨日ぶりだね」
「アハハハハッ! どうも。こっちはオタクの商会のモンに理由も言われずいきなり引きずり回されてチョイとイラついてるんだ。その頭に綺麗な風穴開けてやろうか? 今なら格安で空けられるぜ?」
セロは青筋を見せつけつつ、イルネに迫る。対する彼女は「おぉ、怖い」と半分笑いながら冗談っぽく身体を震わせる。
「あらあら、まぁまぁまぁ……そんなにイラつかないでくれないかしら。あんまり沸点が低いと、将来ハゲるって聞くわよ?」
「よし分かった。アレだな? 喧嘩売ってんだな? 今なら格安で買うぜ?」
目をカッと開き、不機嫌さを露わにしながら話すセロに対し、イルネはどこか面白そうに微笑みつつ言葉を紡ぐ。
「フフッ……ごめんなさいね。ちょっとからかってみただけよ。確かに何も告げずに拐う真似をしたのは済まないと思っているわ。けれど、ユーリアの言う通り、時間が無いというのもまた事実なのよ。それに、これくらいの煽りで突っかかっていると、コロッと手玉に取られるわよ?」
形だけの謝罪の言葉を発するイルネに、セロは歯軋りをしながらどうにか苛立ちを押さえ込む。
「……それで? どういうことだ?」
深く息を吐いてやっとの思いで怒りを鎮めたセロは、訝しむ表情を見せながら聞き返す。
「フフッ。私の口から説明することもできるけれど……詳しくは当事者から聞いた方がいいだろうね」
イルネは机の端に置いてあった呼び鈴をおもむろに鳴らす。やがて扉をノックする音と共にユーリアが連れ込んだのは、一人の小柄な老人だった。
「セロ、こちらは『アノマス商会』のラウル=ディノマス」
「ラウルだ。仲間内からは『ラウル爺』とも呼ばれとる。よろしく頼む」
セロはペコリと軽く頭を下げ、ラウル爺が差し出した手を握る。大きな革手袋に所々油汚れが付いた作業着、ワックスか何かでガチガチに固めたW形の大きな口髭、額に留めたゴーグルに、腰に巻着付けたベルトから顔を覗かせる工具類……
それはまさにセロがイメージした通りの「職人」の姿でもあった。
「それで? 話があるってコトだが……」
おもむろにセロが本題を切り出した瞬間、ラウルは深々と頭を下げ、わずかに身を震わせながら呟く。
「頼む……っ! 俺のトコに、お前さんたちが作った装置を貸してくれないか」
「装置……って言うとーー」
チラリと確認するようにイルネの顔を見るセロに、彼女は彼の推測が当たっていることを裏付けるかの如くゆっくりと頷く。
「あぁ、あの解除装置のことさ」
「あの装置を? 何でまた……」
背景を知らないセロは、困惑の表情を見せつつ頭を下げるラウルに問いかけた。
「それはーーワシらも同じなんじゃよ。デラキオ商会で渋られたメンテナンス依頼を引き受けたはいいものの、その精霊武具にはロックがかけられていてな。8桁の解除コードを見つけ出す装置を製作しようにも、最近デラキオ商会が市場に流れる素材の大多数を買い占めておってな。そんな状況では新たな装置を作るのは商会の懐では厳しいモンがあるんじゃよ」
「デラキオ商会が素材の買い占め? それは本当なのか?」
ラウルの言葉に、やや驚きながら訊ねるセロに、イルネが「私はほぼ間違いないと睨んでる」と告げた。
「……えっ? 今、何て?」
ギルドに到着したと同時にロータスに呼び止められたセロは、彼女から「やっとこの前の買取り依頼の査定が終わったわ」との報告を受けてカウンターへとやって来た。
そこで彼に対応したファレナから、告げられた査定額に、目を丸くして思わず聞き返したのである。
「ですから……総計で4,500万リドルになります」
一瞬明後日の方向に飛んでいた意識を呼び戻すと、セロはやや声のトーンを落として確認する。
「本気で?」
「本気です」
セロの問いに、カウンターにいるファレナは表情一つ変えずに頷きながら答えた。
「……それにしても多過ぎないか? いや、くれると言うなら、ありがたく受け取るが、額が額なだけに不安を覚えるぞ。こう言っては何だが、自分でもビックリしてるほどだからな」
顔を引き攣らせながら呟くセロに、ファレナは一度大きなため息を吐いた後に、諭すように語る。
「いいですか? 確かにセロさんの気持ちも分かりますが、貴方はあれだけ大量の魔物を仕留めたんですよ? それも綺麗に眉間を撃ち抜いて。加えて仕留めた魔物はついさっき仕留めたばかりのように新鮮でした。中にはランクの低い魔物もいましたが、どちらかといえばランクが比較的高めの魔物が割合として多かったんです。これぐらいの金額はむしろ妥当ですよ」
ファレナは加えて「なお、この金額はギルドで処理した手数料を差し引いた金額です」とも告げる。
(……ということは、買取り依頼をする前に、自分で魔物を解体すれば、それだけギルドに納めるお金が少なくなるってコトか)
ファレナの説明を聞きつつ、セロは「次はそのあたりも考慮するかと」頭の中に刻む。
「ちなみに、一回の買取り依頼でこれだけの金額となったのは初めてです。えぇ、ぶっちぎりの一位ですとも。おかげさまで査定で死ぬかと思いましたけど」
「あはははは……お疲れ様です」
どこか死んだ魚のような目で「査定イヤ……魔物イヤ……」と呪詛のようにブツブツ呟きながら身を震わせるファレナに、セロは引き攣った笑みを見せながら労いの言葉をかけるのがせいぜいだった。
(うーん、ただ魔物を倒しただけなのに、こんなに貰えるとは思わなかった……)
カウンターの上に出された、目も眩むほどの金額をセロは手早くアイテムポーチの中に仕舞い込む。
(にしても、4,500万リドルかー。あのデラキオ商会で提示された額よりも高いんだよなぁ……正直、どう使えばいいか分からん)
掲示板に張り出された依頼を眺めつつ、セロは今後の方針を練り始めた。
ーーお金はもう十分にある。
ーー借りていた金は返した。
「やっぱり、一度あの家に戻る必要があるかなぁ……」
セロはふと頭に浮かんだ言葉をそのまま声に出す。もともとセロはカラクたちに付いて来た形でやって来た身である。スタイプスの森にある、彼の家には手付かずの材料やメイキングボックスを始めとした精霊導具が置きっ放しのままだ。
「そうと決めれば、まずは生活用品を買い揃えて置かないとかなぁ……あの森じゃあ手軽に加工品は入手出来ないし。服も見ておかないと……」
掲示板から目を外し、セロは指を折りながら今後の予定を詰めるざっと目ぼしいものをピックアップした矢先、ギルドの扉が勢いよく開け放たれた。
「うん? 何だ一体……?」
セロは「人が考えごとをしてるのに……」と眉をわずかに顰めさせつつ、音の聞こえた方へ顔を向ける。
「あああっ! いたああああっ!」
すると、そこにはビシィッとセロに指を突き付けて仁王立ちするユーリアの姿があった。
「へっ? ……俺?」
事態が呑み込めず、自分で自分を指しながらポツリと呟くセロ。
「ちょ~っと来てもらうわよー!」
「いやいやいや! 何でだよ!」
一瞬の隙を縫うように、ツカツカとセロの近くに歩み寄ったユーリアは、彼の腕をガシッと掴むと、そのまま踵を返すように表へと出る。「せめて理由を言え!」と足掻くセロをまるで無視し、ユーリアは「時間がないから」の一点張りで彼を引きずる。
「会頭っ! 見つけましたっ!」
そのままマレーン商会の建物の中に入ったユーリアは、もはや抵抗する気も失せたセロをイルネの前に連れてくる。
「やぁセロ。昨日ぶりだね」
「アハハハハッ! どうも。こっちはオタクの商会のモンに理由も言われずいきなり引きずり回されてチョイとイラついてるんだ。その頭に綺麗な風穴開けてやろうか? 今なら格安で空けられるぜ?」
セロは青筋を見せつけつつ、イルネに迫る。対する彼女は「おぉ、怖い」と半分笑いながら冗談っぽく身体を震わせる。
「あらあら、まぁまぁまぁ……そんなにイラつかないでくれないかしら。あんまり沸点が低いと、将来ハゲるって聞くわよ?」
「よし分かった。アレだな? 喧嘩売ってんだな? 今なら格安で買うぜ?」
目をカッと開き、不機嫌さを露わにしながら話すセロに対し、イルネはどこか面白そうに微笑みつつ言葉を紡ぐ。
「フフッ……ごめんなさいね。ちょっとからかってみただけよ。確かに何も告げずに拐う真似をしたのは済まないと思っているわ。けれど、ユーリアの言う通り、時間が無いというのもまた事実なのよ。それに、これくらいの煽りで突っかかっていると、コロッと手玉に取られるわよ?」
形だけの謝罪の言葉を発するイルネに、セロは歯軋りをしながらどうにか苛立ちを押さえ込む。
「……それで? どういうことだ?」
深く息を吐いてやっとの思いで怒りを鎮めたセロは、訝しむ表情を見せながら聞き返す。
「フフッ。私の口から説明することもできるけれど……詳しくは当事者から聞いた方がいいだろうね」
イルネは机の端に置いてあった呼び鈴をおもむろに鳴らす。やがて扉をノックする音と共にユーリアが連れ込んだのは、一人の小柄な老人だった。
「セロ、こちらは『アノマス商会』のラウル=ディノマス」
「ラウルだ。仲間内からは『ラウル爺』とも呼ばれとる。よろしく頼む」
セロはペコリと軽く頭を下げ、ラウル爺が差し出した手を握る。大きな革手袋に所々油汚れが付いた作業着、ワックスか何かでガチガチに固めたW形の大きな口髭、額に留めたゴーグルに、腰に巻着付けたベルトから顔を覗かせる工具類……
それはまさにセロがイメージした通りの「職人」の姿でもあった。
「それで? 話があるってコトだが……」
おもむろにセロが本題を切り出した瞬間、ラウルは深々と頭を下げ、わずかに身を震わせながら呟く。
「頼む……っ! 俺のトコに、お前さんたちが作った装置を貸してくれないか」
「装置……って言うとーー」
チラリと確認するようにイルネの顔を見るセロに、彼女は彼の推測が当たっていることを裏付けるかの如くゆっくりと頷く。
「あぁ、あの解除装置のことさ」
「あの装置を? 何でまた……」
背景を知らないセロは、困惑の表情を見せつつ頭を下げるラウルに問いかけた。
「それはーーワシらも同じなんじゃよ。デラキオ商会で渋られたメンテナンス依頼を引き受けたはいいものの、その精霊武具にはロックがかけられていてな。8桁の解除コードを見つけ出す装置を製作しようにも、最近デラキオ商会が市場に流れる素材の大多数を買い占めておってな。そんな状況では新たな装置を作るのは商会の懐では厳しいモンがあるんじゃよ」
「デラキオ商会が素材の買い占め? それは本当なのか?」
ラウルの言葉に、やや驚きながら訊ねるセロに、イルネが「私はほぼ間違いないと睨んでる」と告げた。
0
お気に入りに追加
124
あなたにおすすめの小説
幼い公女様は愛されたいと願うのやめました。~態度を変えた途端、家族が溺愛してくるのはなぜですか?~
朱色の谷
ファンタジー
公爵家の末娘として生まれた6歳のティアナ
お屋敷で働いている使用人に虐げられ『公爵家の汚点』と呼ばれる始末。
お父様やお兄様は私に関心がないみたい。愛されたいと願い、愛想よく振る舞っていたが一向に興味を示してくれない…
そんな中、夢の中の本を読むと、、、
転生調理令嬢は諦めることを知らない
eggy
ファンタジー
リュシドール子爵の長女オリアーヌは七歳のとき事故で両親を失い、自分は片足が不自由になった。
それでも残された生まれたばかりの弟ランベールを、一人で立派に育てよう、と決心する。
子爵家跡継ぎのランベールが成人するまで、親戚から暫定爵位継承の夫婦を領地領主邸に迎えることになった。
最初愛想のよかった夫婦は、次第に家乗っ取りに向けた行動を始める。
八歳でオリアーヌは、『調理』の加護を得る。食材に限り刃物なしで切断ができる。細かい調味料などを離れたところに瞬間移動させられる。その他、調理の腕が向上する能力だ。
それを「貴族に相応しくない」と断じて、子爵はオリアーヌを厨房で働かせることにした。
また夫婦は、自分の息子をランベールと入れ替える画策を始めた。
オリアーヌが十三歳になったとき、子爵は隣領の伯爵に加護の実験台としてランベールを売り渡してしまう。
同時にオリアーヌを子爵家から追放する、と宣言した。
それを機に、オリアーヌは弟を取り戻す旅に出る。まず最初に、隣町まで少なくとも二日以上かかる危険な魔獣の出る街道を、杖つきの徒歩で、武器も護衛もなしに、不眠で、歩ききらなければならない。
弟を取り戻すまで絶対諦めない、ド根性令嬢の冒険が始まる。
主人公が酷く虐げられる描写が苦手な方は、回避をお薦めします。そういう意味もあって、R15指定をしています。
追放令嬢ものに分類されるのでしょうが、追放後の展開はあまり類を見ないものになっていると思います。
2章立てになりますが、1章終盤から2章にかけては、「令嬢」のイメージがぶち壊されるかもしれません。不快に思われる方にはご容赦いただければと存じます。
ナイナイづくしで始まった、傷物令嬢の異世界生活
天三津空らげ
ファンタジー
日本の田舎で平凡な会社員だった松田理奈は、不慮の事故で亡くなり10歳のマグダリーナに異世界転生した。転生先の子爵家は、どん底の貧乏。父は転生前の自分と同じ歳なのに仕事しない。二十五歳の青年におまるのお世話をされる最悪の日々。転生チートもないマグダリーナが、美しい魔法使いの少女に出会った時、失われた女神と幻の種族にふりまわされつつQOLが爆上がりすることになる――
メインをはれない私は、普通に令嬢やってます
かぜかおる
ファンタジー
ヒロインが引き取られてきたことで、自分がラノベの悪役令嬢だったことに気が付いたシルヴェール
けど、メインをはれるだけの実力はないや・・・
だから、この世界での普通の令嬢になります!
↑本文と大分テンションの違う説明になってます・・・
転生悪役令嬢に仕立て上げられた幸運の女神様は家門から勘当されたので、自由に生きるため、もう、ほっといてください。今更戻ってこいは遅いです
青の雀
ファンタジー
公爵令嬢ステファニー・エストロゲンは、学園の卒業パーティで第2王子のマリオットから突然、婚約破棄を告げられる
それも事実ではない男爵令嬢のリリアーヌ嬢を苛めたという冤罪を掛けられ、問答無用でマリオットから殴り飛ばされ意識を失ってしまう
そのショックで、ステファニーは前世社畜OL だった記憶を思い出し、日本料理を提供するファミリーレストランを開業することを思いつく
公爵令嬢として、持ち出せる宝石をなぜか物心ついたときには、すでに貯めていて、それを原資として開業するつもりでいる
この国では婚約破棄された令嬢は、キズモノとして扱われることから、なんとか自立しようと修道院回避のために幼いときから貯金していたみたいだった
足取り重く公爵邸に帰ったステファニーに待ち構えていたのが、父からの勘当宣告で……
エストロゲン家では、昔から異能をもって生まれてくるということを当然としている家柄で、異能を持たないステファニーは、前から肩身の狭い思いをしていた
修道院へ行くか、勘当を甘んじて受け入れるか、二者択一を迫られたステファニーは翌早朝にこっそり、家を出た
ステファニー自身は忘れているが、実は女神の化身で何代前の過去に人間との恋でいさかいがあり、無念が残っていたので、神界に帰らず、人間界の中で転生を繰り返すうちに、自分自身が女神であるということを忘れている
エストロゲン家の人々は、ステファニーの恩恵を受け異能を覚醒したということを知らない
ステファニーを追い出したことにより、次々に異能が消えていく……
4/20ようやく誤字チェックが完了しました
もしまだ、何かお気づきの点がありましたら、ご報告お待ち申し上げておりますm(_)m
いったん終了します
思いがけずに長くなってしまいましたので、各単元ごとはショートショートなのですが(笑)
平民女性に転生して、下剋上をするという話も面白いかなぁと
気が向いたら書きますね
【書籍化進行中、完結】私だけが知らない
綾雅(要らない悪役令嬢1/7発売)
ファンタジー
書籍化進行中です。詳細はしばらくお待ちください(o´-ω-)o)ペコッ
目が覚めたら何も覚えていなかった。父と兄を名乗る二人は泣きながら謝る。痩せ細った体、痣が残る肌、誰もが過保護に私を気遣う。けれど、誰もが何が起きたのかを語らなかった。
優しい家族、ぬるま湯のような生活、穏やかに過ぎていく日常……その陰で、人々は己の犯した罪を隠しつつ微笑む。私を守るため、そう言いながら真実から遠ざけた。
やがて、すべてを知った私は――ひとつの決断をする。
記憶喪失から始まる物語。冤罪で殺されかけた私は蘇り、陥れようとした者は断罪される。優しい嘘に隠された真実が徐々に明らかになっていく。
【同時掲載】 小説家になろう、アルファポリス、カクヨム、エブリスタ
2024/12/26……書籍化確定、公表
2023/12/20……小説家になろう 日間、ファンタジー 27位
2023/12/19……番外編完結
2023/12/11……本編完結(番外編、12/12)
2023/08/27……エブリスタ ファンタジートレンド 1位
2023/08/26……カテゴリー変更「恋愛」⇒「ファンタジー」
2023/08/25……アルファポリス HOT女性向け 13位
2023/08/22……小説家になろう 異世界恋愛、日間 22位
2023/08/21……カクヨム 恋愛週間 17位
2023/08/16……カクヨム 恋愛日間 12位
2023/08/14……連載開始
婚約破棄は結構ですけど
久保 倫
ファンタジー
「ロザリンド・メイア、お前との婚約を破棄する!」
私、ロザリンド・メイアは、クルス王太子に婚約破棄を宣告されました。
「商人の娘など、元々余の妃に相応しくないのだ!」
あーそうですね。
私だって王太子と婚約なんてしたくありませんわ。
本当は、お父様のように商売がしたいのです。
ですから婚約破棄は望むところですが、何故に婚約破棄できるのでしょう。
王太子から婚約破棄すれば、銀貨3万枚の支払いが発生します。
そんなお金、無いはずなのに。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる