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2章 屋敷での生活
え?聞いてません!!
しおりを挟む武器選びの報告も終え、家族とのんびりした時間を過ごしていたティナだったが、父の言葉でのんびりとした気持ちではいられなくなった・・・。
___________________
「ティナ、明日王宮に行って貰いたい。」
「ンクッ!」
紅茶を今まさに飲もうとしていたティナは父の言葉に驚き、紅茶を喉に詰まらせそうになる。
(お、王宮!?何ぜ??正直、攻略者の王子達が居るからあまり行きたくなかったのになぁ~。)
いくらゲームとは違うと思っていても、本当にゲームじゃないか何てわからない。下手したらティナは死ぬかもしれないのだ。なるべく自分の身を危険にさらしたくないのは当然のことだろう。
(私がゲームの流れが事細かに覚えていたらっ!)
ティナはキャラの設定や流れをぼんやりと覚えているくらいで、ストーリーなどを細かく覚えていないのだ。つまり、いつ何が起きるのかわからない。
「り、理由を伺っても?」
ティナはそう問いかけ、ひきつりそうな顔を紛らわせるために紅茶をすする。
「あぁ、そんなに気を張らなくても大丈夫だぞ。ティナは皇太子殿の婚約者だろう?大々的に発表する前に少しでも仲が深められたらと陛下からのはからいでな。」
「ぐっ、げほっ!げほっ!」
「お行儀が悪くてよ?」
「大丈夫?ティナ」
一度目は耐えたが、耐えきれずむせてしまったティナを厳しく母のマリーナが咎める。実は、武器を持つ代わりに礼儀作法も覚えなさいと母から言われてしまったのだ。なので言葉使いや細かい動きにも気を使わなければならない。しかし、前世の記憶もあるせいか、礼儀作法の基盤はできているので、あまり苦戦はいていない。礼儀作法の先生も、ティナのあまりの飲み込みの良さに驚いていた。ちなみに、家族や召し使い達は「さすがティナ(だわ)(様)!」とうなずいていた。もう少し疑問に思っても良いと思う、、、。
兄のリュオは心配そうにティナの背をさすってくれた。
「あの、私と皇太子様が婚約者?初耳なのですが??」
「「「えっ」」」
ティナ以外の三人が驚いた声を出す。
「あなた?以前ティナに説明するとおっしゃっていましたよね?」
「せっ説明したと思っていたのだが、、、。」
「あ・な・た?」
「すまない。忘れていたようだ。」
(お父様は仕事は出来るのに変な所で抜けてるっ!!)
宰相のフェルナンドは、王宮でピクリとも笑わず、ミスをした者に絶対零度の視線を向けることから「生きる氷像」と呼ばれていると聞いたことがある。また、フェルナンドはとても有能で王宮の仕事で外交なども担当しているらしい。
(家ではデレデレした顔しか見たこと無いけどね。)
「理由は分かりました。断ることも出来ないのでしょう?」
「、、、まあ、そうだな。」
「、、、、分かりました。明日お伺いします。」
こうしてティナは王宮に向かうことになったのだった。
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