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一章 幼少期

起きてから

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│チュンチュン


「ふわぁ~むにゅう・・・」



(・・・!起きたみたいだ。)

(本当だねぇ~)

(どーする?声かけるか??)



「おはよぉございます?」
 眠たそうな声で少女は挨拶をした。

「・・・おはよう。痛むところはあるか?」

「おはよー!」

「おはよぉ~。よく寝れた?」

「えっと、ここは?」
 起きたら知らないところにいて、少女は不安そうにしている。

「あぁ。俺はルイド。安心してほしい。君に危害を与えるつもりはない。」
 ルイドは黒豹の獣人で、切れ目で艶やかな毛並みが特徴だ。獣人の騎士団の副団長をしている。実力も凄い。

「俺はカイ!よろしくな!!」
 カイは犬の獣人で、足が速く、愛嬌のある顔をしている。良くも悪くも感情が表情にでやすい。騎士団の中でトップスリーの実力。

「僕はヒュースだよ。仲良くしてねぇ。」
 ヒュースは狐の獣人で、糸目で何を考えているのかわからない。気付いたら隣にいる。騎士団の中でトップフォーの実力だ。

「わたしは・・・だれ?」
 少女は頭を打ってしまったのか、極限まで追い詰められた状態だったせいか、記憶を無くしてしまったらしい。泣きそうな声でルイド達に尋ねた。

「・・・!君は、ティアーナと言うらしい。何か覚えていることはあるか?」
 ルイドは息を飲み、ティアーナに尋ねた。

「ううん・・・おぼえてない、です。」
 今にも泣きそうだ。

「あぁ~、そんな顔すんなよ。こいつも怒ってるわけじゃねぇーから!元からこん顔なの。」

「・・・一言余計だ。カイ」


「そぉーだよ。安心して。あっ、ティアーナって長いから、ティナって呼んでいいかな?」

「えっと、うん。ティアーナ。ティナ、ティナ・・・」

 少女は自分の名前を確認するように何度も呟く。そして花が咲いたように笑った。
「わたしはティナ!」
ルイド達は初めてみたティナの笑顔を見て、ホッとした表情をした。

(くうぅぅ~)
 緊張がほぐれてきたのか、ティナのお腹が可愛い音をたててなった。

「ブハッ!可愛い音だな!んじゃ、そろそろ飯の時間だし、食いに行こーぜ!」

「・・・あぁ。一応、出来るだけ消化の良さそうな物を用意しよう。」

「そーしよー。僕もお腹へっちゃっよ。」


│││││││││││││││││││││


「おはよー!」

「・・・おはよう。」

「おはよぉ~今日の朝ごはんはなにかな?」

「!おはようございます!カイさん、副団長、ヒュースさん!!・・・と、えーと・・・」

「・・・ティアーナだ。ティナと呼ぶことにした。」

「そうなんですね!おはようございます!ティナさん!」

「おはよぉございます!」

「まぁ、挨拶もそこそこにして、ご飯にしよっか。」

(((やべぇ。ヒュースさんがお腹減り過ぎて機嫌が悪くなってきている!目が、目が笑ってない!!)))

「はい!もう準備できてます!!」
「「ます!」」

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