5 / 46
少年
しおりを挟む
部屋を借りているアパートの階段を上りながら、考えたことは二つ。
シャワーを浴びたい。
フレデリカさんに絡まれると面倒だから、不在だといいのだけど。
二階に辿り着いた時点で、フレデリカさんの気配は感じられなかった。ただ、雰囲気だけでは断定できない。耳を凝らしつつ、自室のドアの鍵穴にキーを挿し込む。
瞬間、フレデリカさんのことは脳内から消し飛ばされた。
施錠されていないのだ。
……おかしい。
訝りながらもドアを開けると、開けてすぐの場所に誰かが立っていた。有無を言わさずに中に引っ張り込まれる。
ドアが閉まる。薄闇の中で鈍色の刃が鈍く光った。種類までは分からないが、とにかくナイフ。わたしの顎と首の境目に、きっさきが突きつけられている。相手は背後から片腕でがっちりとわたしを捕獲している。剥き出しになった腕は、太くはないが筋肉質だ。
「きみ、抵抗しないで」
微かに幼さを孕んだ男声が耳元でささやく。芯に備わっている凄みは、ささやかれてから一拍を置いて認識した。感情を正常に覚える人間であれば、声を荒らげて凄まれるよりも恐ろしい、という評価を下していたかもしれない。
「抵抗しなければ殺すつもりはないから。きみ、かわいいし」
首肯。
「でも、ちょっと臭いね。しょんべん?」
首肯。
「どんなプレイをしたの? 変態なんだ? こんなかわいい顔して? ますますかわいいなー」
臀部のクレバスに沿うようにして、股間が押し当てられる。硬く、熱い。
「テンション上がんないから、とりあえずシャワー浴びようか。バスルームへレッツゴー」
スクールバッグの肩紐をわたしの肩から外し、無造作に投げ捨てる。床に叩きつけられた拍子に口が開き、何冊かの教科書が滑り出た。体が離れたことで、振り向く余地が生まれ、男の姿を視界に映すことに成功した。
身長は百八十センチくらい。金髪。痩身。切れ上がった双眸は凶暴性と冷酷さを感じさせるが、それでいて、親しみを誘発する類のあどけなさを残している。わたしと同年代だろう。右頬に刻まれた動物のタトゥーのモティーフは、狼だろうか。ボディラインを浮き立たせる漆黒のシャツを着用していて、下はジーンズを穿いている。
ベルトに取りつけられたホルスターのような収納ケースに、今、ナイフが収められた。再びわたしを背後から抱きしめ、
「行こう、風呂場。臭くなくなったら、きみは絶対にもっとかわいくなる」
耳元でささやきかけて、移動開始。密着しているので歩きにくいが、少年は有無を言わさない。
脱衣場に到着すると、少年は手早く服を脱ぎ捨てた。筋肉質な腕から推察される通りの、引きしまった肉体の持ち主だ。
案の定、ペニスは勃起している。目算したところ、全長は二十センチ強。わたしも裸になる。
「おっ、ノーパンノーブラ! 高校生なのにつけてないって、やべー! しっかし、かわいいおっぱいだなー」
にこにこしながら顔を接近させる。口に含む気配を見せたが、尿の臭いを嗅いで思い留まったのだろう。顔を遠ざけ、わたしの手を引いてバスルームに入る。
まずシャワーを浴びたあと、ボディソープを手で塗りたくられる。手つきは荒っぽい。おっぱいもまんこも、乱暴に、なおかつ執拗にこすられた。自分の体にはボディソープをつけずに、またシャワー。尿の臭いは完全に消えた。
少年はわたしにその場にしゃがむように命じ、巨根を突き出した。
「ほい。やって」
命令に従い、フェラチオする。
「ははっ、下手くそだなぁ」
少年は爽やかに笑って、わたしの濡れた髪の毛をくしゃくしゃっと乱す。わたしが舌と唇での愛撫を続けている間、少年はおっぱいに手を伸ばして揉みしだいたり、わたしの頭を撫でたり、ペニスを口腔に挿入して腰を軽く前後させたりした。
髪の毛の先から滴る雫が途切れたころ、少年はペニスを口から引き抜いた。わたしの手を引いてバスルームから出る。
「ほい」
バスタオルを手渡されたので、少年の体を拭く。ペニスは依然として勃起したままだ。軽く揉むようにその部分を拭くと、さも嬉しそうに歯をこぼした。犬歯が異様に鋭かった。
やがて少年の体表から水滴が消滅した。自分の体も拭こうとしたところで、お姫様だっこをされた。頬にキスをされ、そのままベッドがある六畳間まで運搬される。わたしの体重を苦にしている様子はなく、腕力の強さが窺える。道中、キッチンの真横を通り過ぎたさいに、パンの空き袋、魚肉ソーセージの包装フィルム、コーヒー牛乳の紙パック、などが床に散らばっているのが見えた。
物のようにベッドに放り投げられ、わたしの体は弾む。追いかけるように少年が覆い被さってきた。おっぱいを揉みしだかれながら、キスをされた。口内を貪るような荒々しいキスだ。唇から唇が離れると、すぐさま乳首に吸いつかれた。音を立てて吸われ、しゃぶりつくされる。乳首と乳輪のピンク色が唾液で濡れて鮮やかになる。
ようやく顔が離れたと思ったら、両脚を大きく開かされた。少年はハミングしながら先端の照準を定める。
「うりゃ」
痛みが体を縦方向に貫き、わたしは処女を喪失した。
シャワーを浴びたい。
フレデリカさんに絡まれると面倒だから、不在だといいのだけど。
二階に辿り着いた時点で、フレデリカさんの気配は感じられなかった。ただ、雰囲気だけでは断定できない。耳を凝らしつつ、自室のドアの鍵穴にキーを挿し込む。
瞬間、フレデリカさんのことは脳内から消し飛ばされた。
施錠されていないのだ。
……おかしい。
訝りながらもドアを開けると、開けてすぐの場所に誰かが立っていた。有無を言わさずに中に引っ張り込まれる。
ドアが閉まる。薄闇の中で鈍色の刃が鈍く光った。種類までは分からないが、とにかくナイフ。わたしの顎と首の境目に、きっさきが突きつけられている。相手は背後から片腕でがっちりとわたしを捕獲している。剥き出しになった腕は、太くはないが筋肉質だ。
「きみ、抵抗しないで」
微かに幼さを孕んだ男声が耳元でささやく。芯に備わっている凄みは、ささやかれてから一拍を置いて認識した。感情を正常に覚える人間であれば、声を荒らげて凄まれるよりも恐ろしい、という評価を下していたかもしれない。
「抵抗しなければ殺すつもりはないから。きみ、かわいいし」
首肯。
「でも、ちょっと臭いね。しょんべん?」
首肯。
「どんなプレイをしたの? 変態なんだ? こんなかわいい顔して? ますますかわいいなー」
臀部のクレバスに沿うようにして、股間が押し当てられる。硬く、熱い。
「テンション上がんないから、とりあえずシャワー浴びようか。バスルームへレッツゴー」
スクールバッグの肩紐をわたしの肩から外し、無造作に投げ捨てる。床に叩きつけられた拍子に口が開き、何冊かの教科書が滑り出た。体が離れたことで、振り向く余地が生まれ、男の姿を視界に映すことに成功した。
身長は百八十センチくらい。金髪。痩身。切れ上がった双眸は凶暴性と冷酷さを感じさせるが、それでいて、親しみを誘発する類のあどけなさを残している。わたしと同年代だろう。右頬に刻まれた動物のタトゥーのモティーフは、狼だろうか。ボディラインを浮き立たせる漆黒のシャツを着用していて、下はジーンズを穿いている。
ベルトに取りつけられたホルスターのような収納ケースに、今、ナイフが収められた。再びわたしを背後から抱きしめ、
「行こう、風呂場。臭くなくなったら、きみは絶対にもっとかわいくなる」
耳元でささやきかけて、移動開始。密着しているので歩きにくいが、少年は有無を言わさない。
脱衣場に到着すると、少年は手早く服を脱ぎ捨てた。筋肉質な腕から推察される通りの、引きしまった肉体の持ち主だ。
案の定、ペニスは勃起している。目算したところ、全長は二十センチ強。わたしも裸になる。
「おっ、ノーパンノーブラ! 高校生なのにつけてないって、やべー! しっかし、かわいいおっぱいだなー」
にこにこしながら顔を接近させる。口に含む気配を見せたが、尿の臭いを嗅いで思い留まったのだろう。顔を遠ざけ、わたしの手を引いてバスルームに入る。
まずシャワーを浴びたあと、ボディソープを手で塗りたくられる。手つきは荒っぽい。おっぱいもまんこも、乱暴に、なおかつ執拗にこすられた。自分の体にはボディソープをつけずに、またシャワー。尿の臭いは完全に消えた。
少年はわたしにその場にしゃがむように命じ、巨根を突き出した。
「ほい。やって」
命令に従い、フェラチオする。
「ははっ、下手くそだなぁ」
少年は爽やかに笑って、わたしの濡れた髪の毛をくしゃくしゃっと乱す。わたしが舌と唇での愛撫を続けている間、少年はおっぱいに手を伸ばして揉みしだいたり、わたしの頭を撫でたり、ペニスを口腔に挿入して腰を軽く前後させたりした。
髪の毛の先から滴る雫が途切れたころ、少年はペニスを口から引き抜いた。わたしの手を引いてバスルームから出る。
「ほい」
バスタオルを手渡されたので、少年の体を拭く。ペニスは依然として勃起したままだ。軽く揉むようにその部分を拭くと、さも嬉しそうに歯をこぼした。犬歯が異様に鋭かった。
やがて少年の体表から水滴が消滅した。自分の体も拭こうとしたところで、お姫様だっこをされた。頬にキスをされ、そのままベッドがある六畳間まで運搬される。わたしの体重を苦にしている様子はなく、腕力の強さが窺える。道中、キッチンの真横を通り過ぎたさいに、パンの空き袋、魚肉ソーセージの包装フィルム、コーヒー牛乳の紙パック、などが床に散らばっているのが見えた。
物のようにベッドに放り投げられ、わたしの体は弾む。追いかけるように少年が覆い被さってきた。おっぱいを揉みしだかれながら、キスをされた。口内を貪るような荒々しいキスだ。唇から唇が離れると、すぐさま乳首に吸いつかれた。音を立てて吸われ、しゃぶりつくされる。乳首と乳輪のピンク色が唾液で濡れて鮮やかになる。
ようやく顔が離れたと思ったら、両脚を大きく開かされた。少年はハミングしながら先端の照準を定める。
「うりゃ」
痛みが体を縦方向に貫き、わたしは処女を喪失した。
応援ありがとうございます!
0
お気に入りに追加
6
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる