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コンビニエンスストアにて
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夜の八時過ぎに近所のコンビニを訪れると、トイレの前、レジからは死角に当たる場所で、半裸の若い男女が息を殺して愛の営みに勤しんでいた。
公共施設などの不特定多数の目につく場所で、秘密裏に、あるいは堂々と性交を行う内容のアダルトビデオが存在することは知っていたが、そのようなプレイが行われている現場に遭遇するとは夢にも思わなかった。
「AVの撮影ですか?」
小声で尋ねたが、女はなにも答えない。男の腰の動きに連動して、大振りの乳房がダイナミックに揺れ動くばかりだ。
男がこちらに顔を向けた。唇を動かしたが、声は発せられなかった。性交をしながら人と口を利くことは、意外と難しいものなのかもしれない。
「お客さん、なにやっているんですか!」
出し抜けの声に振り向くと、店員がこちらに駆け寄ってくるのが見えた。
そそくさとその場を去ろうとした僕の腕を、店員が掴んだ。有無を言わさず店の外に連れ出そうとする。
「ちょっと、なにをするんですか」
「店でそういう行為をされるのは迷惑だから、出て行ってもらうんです」
店員は憤然と答えた。どうやら僕が二人の仲間だと勘違いしているらしい。
どう思われようが別に構わないが、ここで今日の夕食を調達するつもりだったので、購入前に店を追い出されるのは都合が悪い。僕は性交をしている二人に向かって叫んだ。
「僕はあなたたちとは無関係ですよね?」
しかし、性行為をしながら人と口を利くことはやはり難しいらしく、女は無言で胸を揺らし、男は腰を振りながら口をぱくつかせるばかりだ。
僕はコンビニから追い出され、夕食を買いそびれた。
公共施設などの不特定多数の目につく場所で、秘密裏に、あるいは堂々と性交を行う内容のアダルトビデオが存在することは知っていたが、そのようなプレイが行われている現場に遭遇するとは夢にも思わなかった。
「AVの撮影ですか?」
小声で尋ねたが、女はなにも答えない。男の腰の動きに連動して、大振りの乳房がダイナミックに揺れ動くばかりだ。
男がこちらに顔を向けた。唇を動かしたが、声は発せられなかった。性交をしながら人と口を利くことは、意外と難しいものなのかもしれない。
「お客さん、なにやっているんですか!」
出し抜けの声に振り向くと、店員がこちらに駆け寄ってくるのが見えた。
そそくさとその場を去ろうとした僕の腕を、店員が掴んだ。有無を言わさず店の外に連れ出そうとする。
「ちょっと、なにをするんですか」
「店でそういう行為をされるのは迷惑だから、出て行ってもらうんです」
店員は憤然と答えた。どうやら僕が二人の仲間だと勘違いしているらしい。
どう思われようが別に構わないが、ここで今日の夕食を調達するつもりだったので、購入前に店を追い出されるのは都合が悪い。僕は性交をしている二人に向かって叫んだ。
「僕はあなたたちとは無関係ですよね?」
しかし、性行為をしながら人と口を利くことはやはり難しいらしく、女は無言で胸を揺らし、男は腰を振りながら口をぱくつかせるばかりだ。
僕はコンビニから追い出され、夕食を買いそびれた。
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