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すし昌平
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物憂い昼下がり、一人の客が「すし昌平」の暖簾を潜った。四十代前半と思しい女性だ。女性はカウンターの中央の椅子に座った。
「へいらっしゃい。お客さん、なにを握りやしょう?」
カウンターの内側から大将が声を送った。五十代半ばに見受けられた。その隣では、弟子らしい若い男が黙々と寿司を握っている。ネタは、カンパチだろうか。
「そうねぇ、今日は、あたしのおっぱいを握ってもらおうかしら。ちょうど今が旬だし」
「お客さんのおっぱいね。分かりやした」
大将はカウンターから上半身を乗り出すと、酢飯まみれの右手で女性の胸を衣服越しに揉み始めた。
「いいシリコン使ってるねぇ、お客さん。この弾力、まるで女子高生のそれだ」
「あら、失礼しちゃうわ。私、歴とした十八歳の女子よ」
寒いジョークを恥ずかしげもなく口にして、女性は微笑む。大将も笑った。彼の右手の五指は、依然として乳房を揉んでいる。
「お客さん、次はなににしやしょう?」
「じゃあ、大将のお奨めを貰おうかしら」
「お奨めですか。では、こんなネタはいかがでしょう」
大将は右手を乳房から離し、その手で懐から拳銃を取り出した。銃口を相手に向け、引き金を引く。銃声が轟き、女性の額に風穴が穿たれ、床に崩れ落ちた。
「……えー、本日を持ちまして、すし昌平は暖簾を下ろすことになりやした。当店をご愛顧くださったみなさま、今まで本当にありがとうございやした」
銃口を己のこめかみに宛がい、弾丸を発射した。銃声に一歩遅れて、大将の体がゆっくりと横に傾き、床に倒れた。
静寂に包まれた「すし昌平」の店内で、若い男が無言で寿司を握っている。ネタは、モンゴウイカだろうか。
「へいらっしゃい。お客さん、なにを握りやしょう?」
カウンターの内側から大将が声を送った。五十代半ばに見受けられた。その隣では、弟子らしい若い男が黙々と寿司を握っている。ネタは、カンパチだろうか。
「そうねぇ、今日は、あたしのおっぱいを握ってもらおうかしら。ちょうど今が旬だし」
「お客さんのおっぱいね。分かりやした」
大将はカウンターから上半身を乗り出すと、酢飯まみれの右手で女性の胸を衣服越しに揉み始めた。
「いいシリコン使ってるねぇ、お客さん。この弾力、まるで女子高生のそれだ」
「あら、失礼しちゃうわ。私、歴とした十八歳の女子よ」
寒いジョークを恥ずかしげもなく口にして、女性は微笑む。大将も笑った。彼の右手の五指は、依然として乳房を揉んでいる。
「お客さん、次はなににしやしょう?」
「じゃあ、大将のお奨めを貰おうかしら」
「お奨めですか。では、こんなネタはいかがでしょう」
大将は右手を乳房から離し、その手で懐から拳銃を取り出した。銃口を相手に向け、引き金を引く。銃声が轟き、女性の額に風穴が穿たれ、床に崩れ落ちた。
「……えー、本日を持ちまして、すし昌平は暖簾を下ろすことになりやした。当店をご愛顧くださったみなさま、今まで本当にありがとうございやした」
銃口を己のこめかみに宛がい、弾丸を発射した。銃声に一歩遅れて、大将の体がゆっくりと横に傾き、床に倒れた。
静寂に包まれた「すし昌平」の店内で、若い男が無言で寿司を握っている。ネタは、モンゴウイカだろうか。
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