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ミーちゃん
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ミーちゃんは陽介が飼っている雌の三毛猫だ。性格は温厚で人懐こく、下校途中の小学生の集団に撫でられるままになっていたり、彼女と外見がそっくりな野良猫と仲睦まじく日向ぼっこをしていたり、という姿をよく見かけた。
ある日の午後、買い物に行こうと家を出た陽介は、自宅近くの郵便ポストの前で、気持ちよさそうにうたた寝をしている愛猫を見かけた。飼い主に気がついたミーちゃんは、起き上がってめいっぱい伸びをし、彼に歩み寄って彼の脚に頬を擦りつけた。
陽介はその際、ミーちゃんがつけている黄色い首輪が、今にもちぎれそうになっていることに気がついた。買い物をする予定の店には、ペット用品も売っているので、ついでに新しい首輪も買うことに決めた。木の枝に引っかかるなどして、身動きが取れなくなっては大変だ。壊れかけの首輪を愛猫の首から外し、ジーンズの尻ポケットに押し込み、目的地へ向かった。
陽介と入れ違いに、二人の男が郵便ポストの前を通りがかった。背の高い、手ぶらの男と、背の低い、ケージを提げた男で、両者とも作業服を着ている。ミーちゃんを認めるなり、二人は足を止めて顔を見合わせた。
「首輪をしていない三毛猫……。依頼主が言っていた猫はこいつか」
「野良の割には人を怖がっていないようだが」
「町で暮らす猫の中には、人間から餌を貰うやつもいるから、警戒心が希薄でもおかしくはないさ。さあ、早く仕事を終わらせよう」
背の低い男がケージの扉を開けた。すかさず背の高い男がミーちゃんの首根っこを掴み、ケージの中に放り込んだ。扉が閉ざされる。目を白黒させているミーちゃんを連れて、二人は郵便ポストの前から立ち去った。
それから間もなく、買い物袋を提げた陽介が帰ってきた。黄色い首輪もよく似合っていたが、赤い首輪も女の子らしくてきっと可愛いだろうな、などと思いながら帰ってきた。
ある日の午後、買い物に行こうと家を出た陽介は、自宅近くの郵便ポストの前で、気持ちよさそうにうたた寝をしている愛猫を見かけた。飼い主に気がついたミーちゃんは、起き上がってめいっぱい伸びをし、彼に歩み寄って彼の脚に頬を擦りつけた。
陽介はその際、ミーちゃんがつけている黄色い首輪が、今にもちぎれそうになっていることに気がついた。買い物をする予定の店には、ペット用品も売っているので、ついでに新しい首輪も買うことに決めた。木の枝に引っかかるなどして、身動きが取れなくなっては大変だ。壊れかけの首輪を愛猫の首から外し、ジーンズの尻ポケットに押し込み、目的地へ向かった。
陽介と入れ違いに、二人の男が郵便ポストの前を通りがかった。背の高い、手ぶらの男と、背の低い、ケージを提げた男で、両者とも作業服を着ている。ミーちゃんを認めるなり、二人は足を止めて顔を見合わせた。
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「野良の割には人を怖がっていないようだが」
「町で暮らす猫の中には、人間から餌を貰うやつもいるから、警戒心が希薄でもおかしくはないさ。さあ、早く仕事を終わらせよう」
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それから間もなく、買い物袋を提げた陽介が帰ってきた。黄色い首輪もよく似合っていたが、赤い首輪も女の子らしくてきっと可愛いだろうな、などと思いながら帰ってきた。
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