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おみくじ
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寂れた駅の薄暗い待合室で、私は生後四か月になる息子におっぱいをあげている。
待合室には数人の男がいる。私の顔をちらちらと窺っては、隣の者と囁きを交わす。
「ほら、あの女が金銀財宝を盗んだ……」
やがて息子がおっぱいを飲むのを止めた。着崩れを直し、息子をしっかりと胸に抱き、そそくさと待合室を後にした。
ひたすら山道を登ると、神社に辿り着いた。鳥居を潜って境内に足を踏み入れ、参道に沿って進む。
本殿の前で、首から上がない神主が掃き掃除をしている。私に気が付くと、箒を賽銭箱に立てかけてこちらに歩み寄ってきた。懐から円筒形の物体を取り出し、差し出す。おみくじだ。
私は引いた。大凶だった。
「あーあ、残念」
神主の首の上、本来なら口がある部分から、中年男性の声が発せられた。息を呑み、胸元を見下ろした。息子がいない。
待合室には数人の男がいる。私の顔をちらちらと窺っては、隣の者と囁きを交わす。
「ほら、あの女が金銀財宝を盗んだ……」
やがて息子がおっぱいを飲むのを止めた。着崩れを直し、息子をしっかりと胸に抱き、そそくさと待合室を後にした。
ひたすら山道を登ると、神社に辿り着いた。鳥居を潜って境内に足を踏み入れ、参道に沿って進む。
本殿の前で、首から上がない神主が掃き掃除をしている。私に気が付くと、箒を賽銭箱に立てかけてこちらに歩み寄ってきた。懐から円筒形の物体を取り出し、差し出す。おみくじだ。
私は引いた。大凶だった。
「あーあ、残念」
神主の首の上、本来なら口がある部分から、中年男性の声が発せられた。息を呑み、胸元を見下ろした。息子がいない。
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