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私のアデミル様に抱かれたいだとかそんな思いをあざ笑うように急遽王都に行くことになり、ミミアを始めとするメイドたちは慌てて旅準備をしてくれた。
こうなると私の思惑なんて後回しだ。荷物にコルセットとドレス一式が含まれているのを見てげんなりとした。
王城からの呼び出しなんて絶対悪いことに決まっている。
私は旅路を楽しむこともできずアデミル様も思うところがあるらしくじっと考え込んでいた。
そして十日をかけて王都へたどり着き、一旦宿屋に入る。ここはお忍びの貴族が使うような高級宿屋だ。
そこでひとっ風呂浴びてからドレスアップする。久々のコルセットに私の胃は飛び出そうだ。
髪も丁寧に巻かれて真珠の髪飾りを飾られる。くそう、ここまでしてやっているんだから下らない用だったら王を呪ってやる。見てろよこれでも闇魔法マスターなんだからな私。
「シオリ」
部屋にやってきたのは白銀の鎧に身を包んだアデミル様だった。歩きに合わせて純白のマントが翻って格好いい。
「アデミル様、格好いいです。惚れ直しました」
私が素直に感想を言うと彼は少しだけ照れたけれどシオリ、ともう一度私の名を呼んだ。
「はい」
「今回呼ばれたのは多分、きみが聖女だとバレたためだと思う」
「え、あの巫女の人ポンコツなんじゃないんですか」
ポンコツ、と私の言いように彼は少しだけ笑った。
「道中早馬をやって調べさせたのだがどうやら巫女が代替わりしたようでな。新しい巫女がきみを正しい聖女だと宣託を下ったたそうなんだ」
宣託。ということは神様がばらしたんだな。あの野郎、こっちの味方かと思ったらなんだかんだで巫女にも良い顔してやがった。神は平等。そういうことか。
けれど嵐が来ると教えてくれただけ儲けものだ。まあそれもたまたま私が供え物をしたからだが。
「アデミル様」
「なんだ」
「もしそうだったとして、アデミル様はどうなさいますか」
もちろん、とアデミル様は私の目をしっかと見て言った。
「みすみすきみを渡すつもりはない」
「王命に背いてでもですか」
「それは……」
言い淀んだアデミル様に大丈夫です、と私は笑った。
「神様が先日、教会で言いました。私は誰よりも強いって。そして世界の全てを壊してでもアデミル様を選ぶくらいの強欲であれ、と」
欲張っていいですか、と問いかけると彼はハーとため息を吐いて視線を伏せるともう一度私を見た。
「無茶はしてもいいが無理はしないこと」
私はにっこりと笑ってはい!と頷いた。
王城に上がると、謁見の間に通された。
「アデンミリヤム・イル・ヴィルフォア辺境伯、御前に上がりました」
「同じくシオリ・オサナイ・ヴィルフォア、御前を失礼します」
膝をつくと王はうむ、と鷹揚に頷いて控えていた巫女さんに視線を向けた。
「シオリ・オサナイ・ヴィルフォア。そなたが真なる聖女だとの宣託が下ったがそれは誠か」
巫女さんの偉そうな声にアデミル様が視線をそちらに向ける。
「誠にございます」
「なぜそれを報告しなかった」
「シオリは既にわたくしに下賜されたもの。今更聖女だからと返す必要性を感じませんでしたので」
「聖女は王室のためのものである。返還を願う」
「お返しすることはできません。わたくしと妻は愛し合っております。やすやすと手放すことはできませんな」
「妻なら他の女を与えよう。聖女は代わりが聞かぬ」
そんなやりとりを聞きながら、私はイライラとしていた。
苦しいのだ、コルセットが。早くこの場を後にして脱いでしまいたい。
なのにいつまでたっても話が終わらない。聖女を返せ、返せません、そのやりとりを言葉の表現を変えてひたすら延々とやり取りをしている。
イライライラ。私は自分が思っているより気が短い。こちらの世界に来てそれを思い知らされている。
でもイライラしているのは私だけではなかったようだ。
「もうよい!」
王がとうとう苛立った声を上げて伝家の宝刀を抜いた。
「聖女を返還せよ。これは王命である」
それを聞いた途端、私の中でも何かがぶちっと切れた。
私はすっくと立ち上がるともういいです、と王に向かって宣言した。
「私はアデミル様の妻です。そちらの良いように使われるつもりはありません」
「きさま、王命に逆らうのか」
「そもそもなぜ異世界人の私があなたの命令に従わなければならないんですか?今ままでの聖女がどうだったかは知りませんが私はあなたに従いません」
「辺境伯の立場がどうなっても良いのか」
「では聞きますが、いまここにいる貴族の方々」
ぱちん、と私が指を鳴らすと左右に控えていた貴族たちがばたばたと倒れた。
王と巫女と私とアデミル様。息をしているのはその四人と衛兵たちだけになった。
「な、なにをした!」
「殺しました。今ならまだ生き返らせれます。私の言う事、理解できますか?」
「王を脅すのか!」
「あなただって私を脅したじゃないですか。だからやり返しただけです。私にはその力がある。神が与えてくれた力です。それはあなたより強いしそこの巫女より強い。アデミル様を守るために神が与えてくれた力です。私という異端児が現れた時点であなた方は神に見放されているんですよ。いい加減気づいてくれませんか」
「か、神よ!」
巫女が慌てて空を見上げる。するとふっとあの声が降ってきた。
「私はね、面白い子が好きなんだ。お前たちはいい加減面白くない。一度滅びた方がいい」
「そんな、神よ、神よ!」
巫女が悲鳴じみた声を上げる。声は王にも届いていたのか絶望的な顔をしている。あ、ちゃんと贔屓してくれてたんだ神様。
「シオリ、生き返らせるには光魔法を使う必要がある。それはお前の魂を削る行為だ。その金喰らいの役立たずたちはそのまま死なせてやりなさい。この中で有用な人間は私が生き返らせよう。ふむ、十三人だな。一人につきケーキひとつだぞ」
「はーい!屋敷に戻ったら毎日お届けします!」
神の言葉ににこっと笑って片手を上げると巫女がへなへなとその場にへたり込んだ。
「こんな、こんなこと……神は私たちの味方ではなかったのか」
その問いへの応えはもうない。みなまで言わすなということだろう。
「今後、私たちへの不用意な干渉はやめてください。それを約束してくださるならあなたがたは殺しません」
「わ、わかった、約束する!約束するから命だけは……!」
完全に立ち位置が逆転したことを確認して私は約束ですよ、とにっこりと笑った。
「私はあなたを指先一つで殺せます。それを忘れないでくださいね。聖女に逆らうということがどういうことか、理解してください」
こくこくと頷く国王にフーとため息を吐いてアデミル様が立ち上がった。
「無茶は許したが……」
「無理はしてませんよ」
「まあいい。帰ろう。私たちの屋敷へ」
「はい!」
大量の死体の間を私たちは花道のように歩いて帰路についたのだった。
(続く)
こうなると私の思惑なんて後回しだ。荷物にコルセットとドレス一式が含まれているのを見てげんなりとした。
王城からの呼び出しなんて絶対悪いことに決まっている。
私は旅路を楽しむこともできずアデミル様も思うところがあるらしくじっと考え込んでいた。
そして十日をかけて王都へたどり着き、一旦宿屋に入る。ここはお忍びの貴族が使うような高級宿屋だ。
そこでひとっ風呂浴びてからドレスアップする。久々のコルセットに私の胃は飛び出そうだ。
髪も丁寧に巻かれて真珠の髪飾りを飾られる。くそう、ここまでしてやっているんだから下らない用だったら王を呪ってやる。見てろよこれでも闇魔法マスターなんだからな私。
「シオリ」
部屋にやってきたのは白銀の鎧に身を包んだアデミル様だった。歩きに合わせて純白のマントが翻って格好いい。
「アデミル様、格好いいです。惚れ直しました」
私が素直に感想を言うと彼は少しだけ照れたけれどシオリ、ともう一度私の名を呼んだ。
「はい」
「今回呼ばれたのは多分、きみが聖女だとバレたためだと思う」
「え、あの巫女の人ポンコツなんじゃないんですか」
ポンコツ、と私の言いように彼は少しだけ笑った。
「道中早馬をやって調べさせたのだがどうやら巫女が代替わりしたようでな。新しい巫女がきみを正しい聖女だと宣託を下ったたそうなんだ」
宣託。ということは神様がばらしたんだな。あの野郎、こっちの味方かと思ったらなんだかんだで巫女にも良い顔してやがった。神は平等。そういうことか。
けれど嵐が来ると教えてくれただけ儲けものだ。まあそれもたまたま私が供え物をしたからだが。
「アデミル様」
「なんだ」
「もしそうだったとして、アデミル様はどうなさいますか」
もちろん、とアデミル様は私の目をしっかと見て言った。
「みすみすきみを渡すつもりはない」
「王命に背いてでもですか」
「それは……」
言い淀んだアデミル様に大丈夫です、と私は笑った。
「神様が先日、教会で言いました。私は誰よりも強いって。そして世界の全てを壊してでもアデミル様を選ぶくらいの強欲であれ、と」
欲張っていいですか、と問いかけると彼はハーとため息を吐いて視線を伏せるともう一度私を見た。
「無茶はしてもいいが無理はしないこと」
私はにっこりと笑ってはい!と頷いた。
王城に上がると、謁見の間に通された。
「アデンミリヤム・イル・ヴィルフォア辺境伯、御前に上がりました」
「同じくシオリ・オサナイ・ヴィルフォア、御前を失礼します」
膝をつくと王はうむ、と鷹揚に頷いて控えていた巫女さんに視線を向けた。
「シオリ・オサナイ・ヴィルフォア。そなたが真なる聖女だとの宣託が下ったがそれは誠か」
巫女さんの偉そうな声にアデミル様が視線をそちらに向ける。
「誠にございます」
「なぜそれを報告しなかった」
「シオリは既にわたくしに下賜されたもの。今更聖女だからと返す必要性を感じませんでしたので」
「聖女は王室のためのものである。返還を願う」
「お返しすることはできません。わたくしと妻は愛し合っております。やすやすと手放すことはできませんな」
「妻なら他の女を与えよう。聖女は代わりが聞かぬ」
そんなやりとりを聞きながら、私はイライラとしていた。
苦しいのだ、コルセットが。早くこの場を後にして脱いでしまいたい。
なのにいつまでたっても話が終わらない。聖女を返せ、返せません、そのやりとりを言葉の表現を変えてひたすら延々とやり取りをしている。
イライライラ。私は自分が思っているより気が短い。こちらの世界に来てそれを思い知らされている。
でもイライラしているのは私だけではなかったようだ。
「もうよい!」
王がとうとう苛立った声を上げて伝家の宝刀を抜いた。
「聖女を返還せよ。これは王命である」
それを聞いた途端、私の中でも何かがぶちっと切れた。
私はすっくと立ち上がるともういいです、と王に向かって宣言した。
「私はアデミル様の妻です。そちらの良いように使われるつもりはありません」
「きさま、王命に逆らうのか」
「そもそもなぜ異世界人の私があなたの命令に従わなければならないんですか?今ままでの聖女がどうだったかは知りませんが私はあなたに従いません」
「辺境伯の立場がどうなっても良いのか」
「では聞きますが、いまここにいる貴族の方々」
ぱちん、と私が指を鳴らすと左右に控えていた貴族たちがばたばたと倒れた。
王と巫女と私とアデミル様。息をしているのはその四人と衛兵たちだけになった。
「な、なにをした!」
「殺しました。今ならまだ生き返らせれます。私の言う事、理解できますか?」
「王を脅すのか!」
「あなただって私を脅したじゃないですか。だからやり返しただけです。私にはその力がある。神が与えてくれた力です。それはあなたより強いしそこの巫女より強い。アデミル様を守るために神が与えてくれた力です。私という異端児が現れた時点であなた方は神に見放されているんですよ。いい加減気づいてくれませんか」
「か、神よ!」
巫女が慌てて空を見上げる。するとふっとあの声が降ってきた。
「私はね、面白い子が好きなんだ。お前たちはいい加減面白くない。一度滅びた方がいい」
「そんな、神よ、神よ!」
巫女が悲鳴じみた声を上げる。声は王にも届いていたのか絶望的な顔をしている。あ、ちゃんと贔屓してくれてたんだ神様。
「シオリ、生き返らせるには光魔法を使う必要がある。それはお前の魂を削る行為だ。その金喰らいの役立たずたちはそのまま死なせてやりなさい。この中で有用な人間は私が生き返らせよう。ふむ、十三人だな。一人につきケーキひとつだぞ」
「はーい!屋敷に戻ったら毎日お届けします!」
神の言葉ににこっと笑って片手を上げると巫女がへなへなとその場にへたり込んだ。
「こんな、こんなこと……神は私たちの味方ではなかったのか」
その問いへの応えはもうない。みなまで言わすなということだろう。
「今後、私たちへの不用意な干渉はやめてください。それを約束してくださるならあなたがたは殺しません」
「わ、わかった、約束する!約束するから命だけは……!」
完全に立ち位置が逆転したことを確認して私は約束ですよ、とにっこりと笑った。
「私はあなたを指先一つで殺せます。それを忘れないでくださいね。聖女に逆らうということがどういうことか、理解してください」
こくこくと頷く国王にフーとため息を吐いてアデミル様が立ち上がった。
「無茶は許したが……」
「無理はしてませんよ」
「まあいい。帰ろう。私たちの屋敷へ」
「はい!」
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