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第3章 エルフ大公国を襲う悪意!
第2話(累計・第83話) クーリャ75:びっくりするわたし。まさかメイドおばちゃんが超一流戦士だったなんて!
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いつもの夕食後の会議。
今回は、家族といつものメンバー以外にダニエラ、エル君。
そしてゴットホルトさんとアデーレさんがいる。
「お父様、わたくしの口から皆様にお話しても良いですわね」
「ああ。もうダニエラ様やエルロンド様もあらかた事情を知っているだろうけれども、クーリャの口からちゃんと話を聞いた方が間違いあるまい。ただ、聞く以上はこの秘密は絶対に他言無用。秘密を守ってくれている間、私と男爵領の皆は君たちを絶対に守護すると約束しよう」
やっとお父様の許可を得らえたので、わたしは「秘密」を話すことにした。
敵対する可能性のある相手ならいざ知らず、この先も味方であるダニエラやエル君に事情をずっと話さないのは心苦しい上に、相談もできないから都合が悪い。
「マクシミリアン様。わたくしは、クーリャ様に両親や国共々守ってもらっています。なので、ドワーフ王国はクーリャ様のお味方でありたいと思っております。ですが、わたくしだけで無く、側仕えのアデーレまで一緒にお話を聞いても構いませんか?」
「ああ、構わないです、ダニエラ様。アデーレ殿、いい加減私の隙を伺うのは辞めてくれないかい? 殺気がないけど、気になって仕方がないよ」
「え! マクシミリアン様!!」
「なんだとぉ!」
ダニエラがお父様に自分に仕えてくれているアデーレさんも話を聞いて良いかと聞くと、お父様は妙な事を言い、それに反応してローベルトとマスカーが戦闘態勢に入って、アデーレさんに切りかかった。
「ぎゃ?」
「何故にぃ?」
しかし、2人とも一瞬でアデーレさんの手によって転がされる。
……あれって合気道? それとも柔術? 素手で剣を抜いた男性を簡単にあしらえるおばちゃんって何者? まさか、ダニエラの本当の警護役ってアデーレさんだったのぉ??
ドワーフ族らしい太っちょなおばさん風のアデーレさん。
それまでの静かな笑顔から、急に挑戦的な顔に表情を変えた。
「なるほど、王が警戒するだけの事がありますね。マクシミリアン様、申し訳ありません。貴方様について最終確認をさせて頂きました」
2人の騎士を上から押さえつけながら凄みのある笑みを浮かべるアデーレさん、実にカッコいい。
「最初からおかしいと思ったんだよね。鍛冶師のゴットホルト殿が警護役というのは、どう考えてもあり得ないからね。そりゃ、父親みたいに大事にしてくれていたというのは話を聞いてたけれど。真の警護役が横にいるんじゃ、ドワーフ王も安心だね」
お父様は、最初からアデーレさんが、警護役だって予想していたみたい。
わたしは、何も知らずに彼女の前で色々馬鹿やっていたのが、今になって恥ずかしくなる。
「マクシミリアン様。では、彼女が?」
押さえつけられたままのローベルトが、お父様に問う。
「ああ、ローベルト。彼女こそが、ドワーフ王国最強のメイド。王様の隠し警護役さ。前々から凄腕の女性戦士がいるって噂くらいは聞いていたけれど、納得だね。で、僕はダニエラ様やドワーフ王国の味方として合格かい、アデーレ殿?」
「この度は、クーリャ姫様に王やダニエラ姫様含めて王国内の多くの方々を救って頂きました。王はわたくしをダニエラ様の側仕えとして、こちらに派遣なさる際、ダニエラ姫様を害するものがいたら男爵様でも容赦なく消しなさい。逆にダニエラ姫様を守ってくださるのなら、命にかけてクーリャ姫様共々こちらの方々を守れと言われております」
どうやら、アデーレさんはウチがダニエラを害するのなら容赦なく攻撃してくるつもりだった様だ。
……まあ、お父様含めてウチにそんな馬鹿な事考える人は居ないけどね。わたしのお友達は、わたしが守るもん!
そしてアデーレさんは、ローベルトとマスカーを開放して話す。
「ですので、この命に代えましてクーリャ姫様の事は秘密を含めてお守りします。王からもクーリャ姫様の事は、ダニエラ姫様や本国に被害無き場合は報告無用と言われておりますし。お二人の騎士様、ご無礼をしてしまい、申し訳ありませんでした」
アデーレさんに簡単に制圧されてしまった2人の騎士は、かなり恥ずかしそうにしている。
……あれは、しょうがないもん。ローベルトやマスカーもアデーレさんを殺す気はなかったとはいえ、素手で制圧され返されるとは思わないよね。
ドワーフ王国として、わたしに「秘密」があるのは既に承知。
助けてもらった恩人扱いしてくれているようだ。
……ダニエラもそんな事言っていたし、敵対して損するのは嫌だったのね。そりゃ、無血で城内制圧できる相手を敵にはしたくないか。同じ方法で毒ガス作戦やっていたら、皆殺し出来てたし。
「ダニエラ様、アデーレさん。わたくしや父を信用頂き、ありがとう存じます。わたくし、信じて下さる方々の事は絶対にわたくしからは裏切りませんので」
「あのぉ。ボクの事忘れていませんか? もちろん、ボクはクーリャちゃんやダニエラちゃんの絶対の味方だよ。だから、今度2人ともハグさせ……痛いよぉ!」
場の空気を一切読めないエル君に、わたしとダニエラの靴が飛んだのは、言うまでもない。
「と、娘が勝手に言っちゃったけど、基本僕、いえ、ニシャヴァナ男爵の私も、ダニエラ様やエルロンド様をクーリャの大事な友人としてお守りすることをお約束致します」
「わたくしの様な側仕えのお話をお聞き願い、ありがとう存じます、男爵様。では、クーリャ様。お話をお願い致します」
表情を笑みに変えたアデーレさん。
わたしは、彼女の強さを見抜けなかったのを反省する。
……信用おけると思った第一印象に間違いはなかったけど、あそこまで強いなんてね。これは、戦い方のコツ聞かなきゃ。
「あ、アデーレ。貴方、そんなに強かったのですか?」
「あら、ダニエラ姫様。観察眼をもっと鍛えないといけませんよ。わたくしが居ますから、ダニエラ姫様が自由に留学できているのですからね」
どうやら、ダニエラ自身もアデーレさんの強さを知らなかったみたい。
後日、この間の王様救出作戦やゴーレム戦の際も、アデーレさんがダニエラを守るために陰からわたしの作戦を支援してくれていたと知った際には、更に納得をした。
……わたし、まだまだなのぉ。
今回は、家族といつものメンバー以外にダニエラ、エル君。
そしてゴットホルトさんとアデーレさんがいる。
「お父様、わたくしの口から皆様にお話しても良いですわね」
「ああ。もうダニエラ様やエルロンド様もあらかた事情を知っているだろうけれども、クーリャの口からちゃんと話を聞いた方が間違いあるまい。ただ、聞く以上はこの秘密は絶対に他言無用。秘密を守ってくれている間、私と男爵領の皆は君たちを絶対に守護すると約束しよう」
やっとお父様の許可を得らえたので、わたしは「秘密」を話すことにした。
敵対する可能性のある相手ならいざ知らず、この先も味方であるダニエラやエル君に事情をずっと話さないのは心苦しい上に、相談もできないから都合が悪い。
「マクシミリアン様。わたくしは、クーリャ様に両親や国共々守ってもらっています。なので、ドワーフ王国はクーリャ様のお味方でありたいと思っております。ですが、わたくしだけで無く、側仕えのアデーレまで一緒にお話を聞いても構いませんか?」
「ああ、構わないです、ダニエラ様。アデーレ殿、いい加減私の隙を伺うのは辞めてくれないかい? 殺気がないけど、気になって仕方がないよ」
「え! マクシミリアン様!!」
「なんだとぉ!」
ダニエラがお父様に自分に仕えてくれているアデーレさんも話を聞いて良いかと聞くと、お父様は妙な事を言い、それに反応してローベルトとマスカーが戦闘態勢に入って、アデーレさんに切りかかった。
「ぎゃ?」
「何故にぃ?」
しかし、2人とも一瞬でアデーレさんの手によって転がされる。
……あれって合気道? それとも柔術? 素手で剣を抜いた男性を簡単にあしらえるおばちゃんって何者? まさか、ダニエラの本当の警護役ってアデーレさんだったのぉ??
ドワーフ族らしい太っちょなおばさん風のアデーレさん。
それまでの静かな笑顔から、急に挑戦的な顔に表情を変えた。
「なるほど、王が警戒するだけの事がありますね。マクシミリアン様、申し訳ありません。貴方様について最終確認をさせて頂きました」
2人の騎士を上から押さえつけながら凄みのある笑みを浮かべるアデーレさん、実にカッコいい。
「最初からおかしいと思ったんだよね。鍛冶師のゴットホルト殿が警護役というのは、どう考えてもあり得ないからね。そりゃ、父親みたいに大事にしてくれていたというのは話を聞いてたけれど。真の警護役が横にいるんじゃ、ドワーフ王も安心だね」
お父様は、最初からアデーレさんが、警護役だって予想していたみたい。
わたしは、何も知らずに彼女の前で色々馬鹿やっていたのが、今になって恥ずかしくなる。
「マクシミリアン様。では、彼女が?」
押さえつけられたままのローベルトが、お父様に問う。
「ああ、ローベルト。彼女こそが、ドワーフ王国最強のメイド。王様の隠し警護役さ。前々から凄腕の女性戦士がいるって噂くらいは聞いていたけれど、納得だね。で、僕はダニエラ様やドワーフ王国の味方として合格かい、アデーレ殿?」
「この度は、クーリャ姫様に王やダニエラ姫様含めて王国内の多くの方々を救って頂きました。王はわたくしをダニエラ様の側仕えとして、こちらに派遣なさる際、ダニエラ姫様を害するものがいたら男爵様でも容赦なく消しなさい。逆にダニエラ姫様を守ってくださるのなら、命にかけてクーリャ姫様共々こちらの方々を守れと言われております」
どうやら、アデーレさんはウチがダニエラを害するのなら容赦なく攻撃してくるつもりだった様だ。
……まあ、お父様含めてウチにそんな馬鹿な事考える人は居ないけどね。わたしのお友達は、わたしが守るもん!
そしてアデーレさんは、ローベルトとマスカーを開放して話す。
「ですので、この命に代えましてクーリャ姫様の事は秘密を含めてお守りします。王からもクーリャ姫様の事は、ダニエラ姫様や本国に被害無き場合は報告無用と言われておりますし。お二人の騎士様、ご無礼をしてしまい、申し訳ありませんでした」
アデーレさんに簡単に制圧されてしまった2人の騎士は、かなり恥ずかしそうにしている。
……あれは、しょうがないもん。ローベルトやマスカーもアデーレさんを殺す気はなかったとはいえ、素手で制圧され返されるとは思わないよね。
ドワーフ王国として、わたしに「秘密」があるのは既に承知。
助けてもらった恩人扱いしてくれているようだ。
……ダニエラもそんな事言っていたし、敵対して損するのは嫌だったのね。そりゃ、無血で城内制圧できる相手を敵にはしたくないか。同じ方法で毒ガス作戦やっていたら、皆殺し出来てたし。
「ダニエラ様、アデーレさん。わたくしや父を信用頂き、ありがとう存じます。わたくし、信じて下さる方々の事は絶対にわたくしからは裏切りませんので」
「あのぉ。ボクの事忘れていませんか? もちろん、ボクはクーリャちゃんやダニエラちゃんの絶対の味方だよ。だから、今度2人ともハグさせ……痛いよぉ!」
場の空気を一切読めないエル君に、わたしとダニエラの靴が飛んだのは、言うまでもない。
「と、娘が勝手に言っちゃったけど、基本僕、いえ、ニシャヴァナ男爵の私も、ダニエラ様やエルロンド様をクーリャの大事な友人としてお守りすることをお約束致します」
「わたくしの様な側仕えのお話をお聞き願い、ありがとう存じます、男爵様。では、クーリャ様。お話をお願い致します」
表情を笑みに変えたアデーレさん。
わたしは、彼女の強さを見抜けなかったのを反省する。
……信用おけると思った第一印象に間違いはなかったけど、あそこまで強いなんてね。これは、戦い方のコツ聞かなきゃ。
「あ、アデーレ。貴方、そんなに強かったのですか?」
「あら、ダニエラ姫様。観察眼をもっと鍛えないといけませんよ。わたくしが居ますから、ダニエラ姫様が自由に留学できているのですからね」
どうやら、ダニエラ自身もアデーレさんの強さを知らなかったみたい。
後日、この間の王様救出作戦やゴーレム戦の際も、アデーレさんがダニエラを守るために陰からわたしの作戦を支援してくれていたと知った際には、更に納得をした。
……わたし、まだまだなのぉ。
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