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未来の勇者ですが敵幹部に惚れまして!
前編
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暗雲の立ちこむ薄暗い空の、魔王城。
「よっと。……風魔法かぁ、ちっと操作が難しいな」
まだ声変わりのしていない声をした少年は、破壊された部屋にそっと降り立つ。
ボロボロに引き裂かれたカーテンと、窓ガラスの割れた広い部屋。
部屋を見渡すまでもない。部屋の中央には堂々とお目当てのものがあった。
まるで巨竜が産んだかのような、大きくて立派な卵が一つ。
「やっとここまで… なーんて初見の場所ですが」
さっさと目的を果たさせてもらいましょうかね。
少年が両手を翳した瞬間、――――――バンッッと勢いよく部屋の扉が開かれた。
「人間ッ、それ以上魔王様に近づくな!!」
「――――!?」
キラキラと靡く美しい銀色の長髪。
ルビーのように輝く赤い瞳と、尖った長い耳。
人間の子どもなどに侵入されるなど!、っと湧き上がる怒りと屈辱に塗れても美しいと思える美貌の持ち主に
「え、だれ この美しい人!?」
少年は思わず顔を真っ赤にして叫んだ。
さぁて、時は遡る遡る。
国に街の名前、中世のヨーロッパ風の景色、剣に魔法の存在。そして見たことのない幻想的な生き物だけでなく、大きな壁で隔たれた人間と魔族の住む国の境界線。
―――なにもかもが中学生時代にやり込んだRPGゲーム【ファイナルストーリー】の世界観まんまだった。
そして俺こと”ナツオ=ハーバルト”。
ちょっとだけ珍しい響の名前と黒い髪に黒い瞳。俺にとってはどっちも馴染み深いんだけど、顔立ちだけは前世とは程遠い。
そんな俺は順調に育てば勇者になるらしい。――――らしいってのいまの俺は、まだ7つといたいけな子どもなんだ。メインストーリーが始まるずっと前の時点。なんならこの記憶だって先日、バナナの皮を踏んですってんころりん、頭を強打したことで思い出したものだった。
(まーじで、転生なんかロクなもんじゃないな…)
その前世の死因てのも、気まぐれに実家に帰省してみれば不運にも空き巣に遭遇してしまったせいだ。
鉢合わせした俺にパニクった犯人(男)に腹をブッ刺されたとこまで覚えてるんだが… まぁ以後の記憶がないんだからそういうことなんだろうと納得はしてる。いや、殺された件に関しては微塵もしてないが…。
と・に・か・く、だ!!
魔族の国に新たな魔王、人々からは"サタン"と畏怖される者が誕生する。
そしてサタンは主人公(俺)が18歳になる日に魔族を率いて人間達の住む国を蹂躙しようと攻め込んでくるんだ。
そうなったら悲劇だ、俺の生まれ育った村は焼かれて家族も友人もみんな死ぬ。そして生き残った主人公(俺)一人が長い旅をするんだが……、魔族に荒らされた国はほぼ皆殺しと酷い目に遭っている。
「………ゲーム、じゃない」
少なくとも、今の俺にとっちゃゲームの内容は予言だ。
理不尽な殺され方をしたからこそ分かる。
痛くて怖くて心細くて、後悔の中で死んでいく虚しさと恐怖が―――。
誰も、あんな目に遭ってほしくない。
だけど俺だって死ぬと分かっていて勇者になんぞなりたくない。ファイナルストーリーの世界じゃ、魔王と勇者は相打ちという形で人生の幕を閉じるんだ…。
(あ、なら魔王よりも強くなったらいいんじゃね??)
まだまだ幼くて未熟でも、ここがゲームを模範したような世界なら最初は基礎中の基礎をやればいい。
つまり早期からのレベルUPだ!!
そのあとで武器や装備品を揃えれば魔王対策は十分じゃね!?
(そうだ、命は大事に!!攻め込まれる前に力をつけるんだ!!)
「うおりやぁ!!」
齢7つにして己を鍛え上げることにした。
良さげな木の棒を持って素振り素振り、筋トレにランニング!!!
「まぁ将来は兵士にでもなる気かしらねぇ、うふふ」
「いやぁナツオは俺たちの自慢の子だ、城を守る騎士になるかもしれんぞ」
畑作業をする両親には微笑ましく映るみたいでなによりだが、俺の目標は兵士でも騎士でもなんでもない!!
ーーーおらおらおらぁああ!!
俺の肩に人の命、自分の命も危ういのだから必死にもなる。
こうして雨にも負けず風にも負けない体力作りをしているうちに大人の目も少しずつ変わってくるもんで、なんと今日は親父が訓練の相手をしてやると腰を上げてくれた。
「さぁ、かかってこい!」
「っす!―――たぁ!!」
ステータス画面なんてないけど俺は未来の勇者様だ。当然剣のセンスはあると、
「――――、!?」
「ワッハッハ!まだまだなぁお前も!」
つもりだったが父とはいえ大人相手にうまくいくはずもない。
俺の攻撃は簡単に避けられ、ぽすっと親父が持つ細い木の棒であっけなく倒された。
「うぅー…」
「どうした、悔しそうに唸ってばかりじゃ隙ができるばかりだぞ」
確かにそうだが、間合いだ。親父には隙が一切なくないか?
いつもは豪快に笑う農夫なのに今日は厳しい真剣な眼差しが怖いつーか、片手に待ってる鍋蓋が盾に見える気もする。
(あ。そうだった、すっかり忘れてた…)
「もうアナタ、ちょっとは手加減してあげなさいよ」
「すまんすまん。しかし我が子に稽古をつけるのはなぁ冒険者時代ずっと憧れてたんだぜ?……ナツオはセンスがありそうだ、こりゃ俺の勝ちだな?」
「そっ、そんなことないわよ??ナツオだって魔道に興味あるかもしれないじゃない!」
「…………」
そうだったこの二人、いまは農家なんてやってるが元は凄腕冒険者っていう設定があった。
『はぁ、今日もダメだったな…』
とぼとぼと家に帰る姿と、ゲーム序盤の台詞。
実は主人公はサラブレッドだったのに心根は優しく、たいへん内気な性格だった。近所の悪ガキどもに馬鹿にされ、いじめられる側の。
そもそもゲームの物語は主人公の村が襲われた復讐からはじまるんだ。
主人公が師匠になる人物とはその先で出会う。
………両親のおかげで根本から覆せるかもしれない
そんな可能性がひとつ。いま生まれた―――――!!!
「ぼく、剣と魔法、どっちも覚えたい!!」
目を輝かせて俺はお願いをした。
◇ ◇ ◇
そして月日は流れて俺は10歳になった。
この頃になると反抗期というパワーワードが許される。
今日も学校帰り、両親に黙って村の外にいるモンスター…といっても通常攻撃くらいしかしてこない雑魚狩りをした。
(ファイアボール3回かぁ…)
魔法はまずイメージが大事だと母さんから教わった。
相性のいい属性はすぐ扱えるようになるけど相性の悪い属性は習得に時間がかかる。さらに大きな魔法を扱えるかは本人のセンスと潜在的な魔力量にもよるらしい。
落胆すんな、これも成長だ。
ゲームじゃ剣技スキルだけで魔法は一切覚えなかった主人公だった。
修行の成果があるんだと、ちゃんと励ましにはなった。
「ナツオ~?またアナタ、ミル草原にファイアボール打ったわね??」
ゴゴゴゴゴ…と不穏なオーラを漂わせ、満面の笑顔で出迎えてくれた俺の魔法の師匠兼母さん。
俺はいま反抗期なんだ… そっと目をそらした。
「や、やってません…」
「嘘をおっしゃい!!うちは野菜を作る農家で焼畑農業に手を出す気はありませんよ!」
「まぁ母さん、そう辛くあたるな。ナツオも怪我がないんだろ?お前の炎に驚いた毒キノコワームが飛び出してきたって、ソイツを討伐中だった若手冒険が喜んでたぞ」
よくやった!と喜んでる親父と「もぉそうやって甘やかさないでよ」と母さんが怒っている。なんとも微笑ましい光景だ。
(……すいません、経験値のおこぼれをもらってました)
例えパーティーを組んでいなくとも俺が傷つけた敵を誰かがすぐ討伐してくれると、微々たるものでも俺にも経験値がもらえると知った。
チリも積もれば山となるもので、今日レベルアップの確認したところ新たに氷結魔法が使えるようになった。
ついでにその毒キノコワームはもう一体いて、おっきい方を俺が仕留めときました…とは明かせない。
「ナツオ、明後日あたり父さんと一狩りいくか!」
「いく~~~!!!」
「ちょっと!次は母さんといく約束でしょ!?」
反抗期とは一体なんなのか
ただの血の気の多い冒険者一家だろ。
こうして訓練と修行に明け暮れるうちに実力もついてきて、俺は若気の至りですっかり調子に乗ってしまった。
「よっと。……風魔法かぁ、ちっと操作が難しいな」
まだ声変わりのしていない声をした少年は、破壊された部屋にそっと降り立つ。
ボロボロに引き裂かれたカーテンと、窓ガラスの割れた広い部屋。
部屋を見渡すまでもない。部屋の中央には堂々とお目当てのものがあった。
まるで巨竜が産んだかのような、大きくて立派な卵が一つ。
「やっとここまで… なーんて初見の場所ですが」
さっさと目的を果たさせてもらいましょうかね。
少年が両手を翳した瞬間、――――――バンッッと勢いよく部屋の扉が開かれた。
「人間ッ、それ以上魔王様に近づくな!!」
「――――!?」
キラキラと靡く美しい銀色の長髪。
ルビーのように輝く赤い瞳と、尖った長い耳。
人間の子どもなどに侵入されるなど!、っと湧き上がる怒りと屈辱に塗れても美しいと思える美貌の持ち主に
「え、だれ この美しい人!?」
少年は思わず顔を真っ赤にして叫んだ。
さぁて、時は遡る遡る。
国に街の名前、中世のヨーロッパ風の景色、剣に魔法の存在。そして見たことのない幻想的な生き物だけでなく、大きな壁で隔たれた人間と魔族の住む国の境界線。
―――なにもかもが中学生時代にやり込んだRPGゲーム【ファイナルストーリー】の世界観まんまだった。
そして俺こと”ナツオ=ハーバルト”。
ちょっとだけ珍しい響の名前と黒い髪に黒い瞳。俺にとってはどっちも馴染み深いんだけど、顔立ちだけは前世とは程遠い。
そんな俺は順調に育てば勇者になるらしい。――――らしいってのいまの俺は、まだ7つといたいけな子どもなんだ。メインストーリーが始まるずっと前の時点。なんならこの記憶だって先日、バナナの皮を踏んですってんころりん、頭を強打したことで思い出したものだった。
(まーじで、転生なんかロクなもんじゃないな…)
その前世の死因てのも、気まぐれに実家に帰省してみれば不運にも空き巣に遭遇してしまったせいだ。
鉢合わせした俺にパニクった犯人(男)に腹をブッ刺されたとこまで覚えてるんだが… まぁ以後の記憶がないんだからそういうことなんだろうと納得はしてる。いや、殺された件に関しては微塵もしてないが…。
と・に・か・く、だ!!
魔族の国に新たな魔王、人々からは"サタン"と畏怖される者が誕生する。
そしてサタンは主人公(俺)が18歳になる日に魔族を率いて人間達の住む国を蹂躙しようと攻め込んでくるんだ。
そうなったら悲劇だ、俺の生まれ育った村は焼かれて家族も友人もみんな死ぬ。そして生き残った主人公(俺)一人が長い旅をするんだが……、魔族に荒らされた国はほぼ皆殺しと酷い目に遭っている。
「………ゲーム、じゃない」
少なくとも、今の俺にとっちゃゲームの内容は予言だ。
理不尽な殺され方をしたからこそ分かる。
痛くて怖くて心細くて、後悔の中で死んでいく虚しさと恐怖が―――。
誰も、あんな目に遭ってほしくない。
だけど俺だって死ぬと分かっていて勇者になんぞなりたくない。ファイナルストーリーの世界じゃ、魔王と勇者は相打ちという形で人生の幕を閉じるんだ…。
(あ、なら魔王よりも強くなったらいいんじゃね??)
まだまだ幼くて未熟でも、ここがゲームを模範したような世界なら最初は基礎中の基礎をやればいい。
つまり早期からのレベルUPだ!!
そのあとで武器や装備品を揃えれば魔王対策は十分じゃね!?
(そうだ、命は大事に!!攻め込まれる前に力をつけるんだ!!)
「うおりやぁ!!」
齢7つにして己を鍛え上げることにした。
良さげな木の棒を持って素振り素振り、筋トレにランニング!!!
「まぁ将来は兵士にでもなる気かしらねぇ、うふふ」
「いやぁナツオは俺たちの自慢の子だ、城を守る騎士になるかもしれんぞ」
畑作業をする両親には微笑ましく映るみたいでなによりだが、俺の目標は兵士でも騎士でもなんでもない!!
ーーーおらおらおらぁああ!!
俺の肩に人の命、自分の命も危ういのだから必死にもなる。
こうして雨にも負けず風にも負けない体力作りをしているうちに大人の目も少しずつ変わってくるもんで、なんと今日は親父が訓練の相手をしてやると腰を上げてくれた。
「さぁ、かかってこい!」
「っす!―――たぁ!!」
ステータス画面なんてないけど俺は未来の勇者様だ。当然剣のセンスはあると、
「――――、!?」
「ワッハッハ!まだまだなぁお前も!」
つもりだったが父とはいえ大人相手にうまくいくはずもない。
俺の攻撃は簡単に避けられ、ぽすっと親父が持つ細い木の棒であっけなく倒された。
「うぅー…」
「どうした、悔しそうに唸ってばかりじゃ隙ができるばかりだぞ」
確かにそうだが、間合いだ。親父には隙が一切なくないか?
いつもは豪快に笑う農夫なのに今日は厳しい真剣な眼差しが怖いつーか、片手に待ってる鍋蓋が盾に見える気もする。
(あ。そうだった、すっかり忘れてた…)
「もうアナタ、ちょっとは手加減してあげなさいよ」
「すまんすまん。しかし我が子に稽古をつけるのはなぁ冒険者時代ずっと憧れてたんだぜ?……ナツオはセンスがありそうだ、こりゃ俺の勝ちだな?」
「そっ、そんなことないわよ??ナツオだって魔道に興味あるかもしれないじゃない!」
「…………」
そうだったこの二人、いまは農家なんてやってるが元は凄腕冒険者っていう設定があった。
『はぁ、今日もダメだったな…』
とぼとぼと家に帰る姿と、ゲーム序盤の台詞。
実は主人公はサラブレッドだったのに心根は優しく、たいへん内気な性格だった。近所の悪ガキどもに馬鹿にされ、いじめられる側の。
そもそもゲームの物語は主人公の村が襲われた復讐からはじまるんだ。
主人公が師匠になる人物とはその先で出会う。
………両親のおかげで根本から覆せるかもしれない
そんな可能性がひとつ。いま生まれた―――――!!!
「ぼく、剣と魔法、どっちも覚えたい!!」
目を輝かせて俺はお願いをした。
◇ ◇ ◇
そして月日は流れて俺は10歳になった。
この頃になると反抗期というパワーワードが許される。
今日も学校帰り、両親に黙って村の外にいるモンスター…といっても通常攻撃くらいしかしてこない雑魚狩りをした。
(ファイアボール3回かぁ…)
魔法はまずイメージが大事だと母さんから教わった。
相性のいい属性はすぐ扱えるようになるけど相性の悪い属性は習得に時間がかかる。さらに大きな魔法を扱えるかは本人のセンスと潜在的な魔力量にもよるらしい。
落胆すんな、これも成長だ。
ゲームじゃ剣技スキルだけで魔法は一切覚えなかった主人公だった。
修行の成果があるんだと、ちゃんと励ましにはなった。
「ナツオ~?またアナタ、ミル草原にファイアボール打ったわね??」
ゴゴゴゴゴ…と不穏なオーラを漂わせ、満面の笑顔で出迎えてくれた俺の魔法の師匠兼母さん。
俺はいま反抗期なんだ… そっと目をそらした。
「や、やってません…」
「嘘をおっしゃい!!うちは野菜を作る農家で焼畑農業に手を出す気はありませんよ!」
「まぁ母さん、そう辛くあたるな。ナツオも怪我がないんだろ?お前の炎に驚いた毒キノコワームが飛び出してきたって、ソイツを討伐中だった若手冒険が喜んでたぞ」
よくやった!と喜んでる親父と「もぉそうやって甘やかさないでよ」と母さんが怒っている。なんとも微笑ましい光景だ。
(……すいません、経験値のおこぼれをもらってました)
例えパーティーを組んでいなくとも俺が傷つけた敵を誰かがすぐ討伐してくれると、微々たるものでも俺にも経験値がもらえると知った。
チリも積もれば山となるもので、今日レベルアップの確認したところ新たに氷結魔法が使えるようになった。
ついでにその毒キノコワームはもう一体いて、おっきい方を俺が仕留めときました…とは明かせない。
「ナツオ、明後日あたり父さんと一狩りいくか!」
「いく~~~!!!」
「ちょっと!次は母さんといく約束でしょ!?」
反抗期とは一体なんなのか
ただの血の気の多い冒険者一家だろ。
こうして訓練と修行に明け暮れるうちに実力もついてきて、俺は若気の至りですっかり調子に乗ってしまった。
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