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8 人間サイド
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必死に胸板にしがみつき、ふるふると小刻みに肩を震わせている小さな存在に酷く胸が痛む。
「う、う゛みぃ~~っ、!」
「すまない、すまなかった…」
「ふぇ、っ、××っ~~~っ!!」
まるで"迎えが遅い!"と拗ねて見えてしまうのは何故か…
そんな淡い期待も束の間だった。出会った頃のほどでなくとも、人魚の腕には白い包帯が巻かれていた。
「痛かったな…」
「?」
途端己の不甲斐なさが苦しくなり、ぐっと歯を食いしばった。
よほど体が痛くて動けなかったんだろう。だから、逃げられずバージル(部下)に保護された。
いや…、彼がちゃんとした人間に保護されてよかった。
「よかったぁ。ようやく銭湯生活から解放されるっす」
「………すまない。苦労をかけたな」
「あぁ大丈夫っすよ。上司が倒れた日に保護されたはずの人魚くんが海にいるなんて、絶対おかしいじゃないですか~?しかも怪我して泣いてたんですよ、その子」
「そうだったのか…」
泣いていた、の言葉が心をグザっと突き刺す。
怖がらせるつもりはなかったんだ…いいや、自分は今も彼を泣かせてしまっている。
また、一目会いたいが為に怖がらせてしまった。
どこまで自分は自分勝手な愚か者なのだろうと自嘲した。
「ふふん。俺にもお礼のハグしてくれちゃってもいいんですよ?」
「そうだな。今ならお前にもハグできそうだ」
「うぇ、すいませんっ!冗談っす」
バージルとしては人魚との間に芽生え始めた奇妙な友情がなくなるのは寂しいが、上司と人魚がお互い会いたがっていた事は痛いほど伝わった。
それはまるで長年離れ離れになっていた恋人が再会したような…。
ただ、ひとつ気になったことがあった。それを、あえて口にするべきかは野暮かもしれないが…。
「すんませんけど、いい加減人んちの風呂場でいちゃつくのやめてもらません?」
「すっ、すまない…悪かった…」
「なんか歯切れ悪くないっすか?」
何故か微動だにしない上司に首を傾けるバージル。
「バージル。あと少しの間、ここの風呂場を借りれないか?」
「なんて??」
「情けないことに俺は彼に完全に嫌われてしまってな…。無理やり連れて帰ればまたストレスを与えてしまうだろ。もちろん生活費等は俺が全て負担するし、この子の次の居場所を手配するまでだ」
「はぁ!?!?」
上司のとんでも発言にバージルは度肝を抜かれた。
いやまて、アンタの腕の中でぐすぐす泣いている人魚が恐怖で怯えているとでも思っているのか…?
しかし、上司の目は真剣そのものだ。
「うみ、う゛、み…っ、」
「悪かった。お前を海に帰したくないと、俺が独占しようとしたばかりに傷つけてしまった」
「っ、…っ…」
「あと少し我慢してくれ。もっといい環境を手配するからな?」
「あーーーーの!! ちょっといいっすかね??」
二人っきりの世界~みたいな雰囲気に水を差すのは大変心苦しいが、約一名が致命的な勘違いをしている。
それより泣いている人魚が気の毒でしょうがない。
「ねぇ、人魚くん。俺の名前はなんでしょう?」
上司の胸板に顔を埋める彼の肩をちょんちょんとつつけば、「?」とバージルへと泣き腫らした目を向ける。
「おい」
「いいから見ててください。俺の、な・ま・え、は?」
バージルは自分の方を指差し、名前を答えるよう聞く。
一方的、今さら何を聞くのかと人魚は首を傾げ、しっかり”バージル”と発音した。
「ばーじる…」
「なっ!?」
驚く上司をしり目に今度は自分の隣を指差す。
「この人の名前は?」
「うみ!」
「……………」
「ね?」
ね、ではない。
笑顔では済まされない、壮絶な勘違いに男もようやく気付いたのだ。
「えぇーっとね、この人の名前は」
「まて。……いい、俺から言う」
言いたいことは色々あったが、不甲斐なさや情けなさをすべてかなぐり捨てて優先すべきことがあった。
自分自身を指差し、はっきりと名乗る。
「サザナ」
「さ、ぁ……な、?」
慣れない発音だ。
うまく言えず、けれど意図は通じたのかなんとか言おうと頑張っている。
「ふっ、っ…まぁサザナって古い言葉で海って意味なんですし、いっそ海でいいんじゃないっすか?」
「お前は適当なことを言うな」
よっぽどおかしいのか、バージルは笑いをこらえるので必死で震えている。
「サザナだ」
「さっ、ざな!」
ほら、ちゃんと言えたぞ!?
ドヤっと満足気に笑う人魚をしっかり抱き、うみを改めサザナは微笑み返した。
屋敷に帰ったあとサザナは使用人をキツく問い詰めた。
そうすると一部の中に、"異国の言葉が通じない人魚を屋敷に置いておくのが気味悪かった”。"旦那様があの人魚に取り憑かれたのではないかと思った"。などと、洗いざらい白状する者がいた。
異国や文化の違いなど関係ない。さらに個人的な感情で亜人が人間から差別・迫害されるような真似をして許されるはずがない。
ましてや彼は助けを呼ぼうとして怪我をしたのだ。
彼らに厳罰を言い渡した後、サザナはあの水槽がある部屋へと戻った。
「~~~♪」
悠々と楽しそうに泳ぎ回る人魚の姿。
さすがに海に帰りたいと思っていないことが窺える。
「本当、俺はいままで君の何を見ていたんだろうな…」
"その年になるまで恋愛経験がないから拗らせるんですよ"とバージルに呆れられた時は、ぐぅの音も出なかった。
「そういえば、君には名前がないのか?」
「?」
自分たちは名前を明かしたが彼は名前を名乗っていない。
もしかすると人魚には名前がないのだろうか…?
(しかしないのは不便だな)
いつものように足場に上がり、人魚に近寄る。
そうすると彼はニコニコと笑顔を浮かべながら水面から顔を上げた。
「サザナ、サザナ」
「ん?どうした?」
「ふふっ」
やっと意思の疎通が出来たのがよっぽど嬉しいのか、たいした用がなくとも彼はサザナを繰り返し呼ぶ。
くるくると水槽の中を旋回しては、歌のように語りかけてくる。
「……リツ」
「?」
「仮でもお前の名前だ、リツ」
「ーーり、つ…?」
安易かもしれないが旋律のリツからとった名前だ。
目を丸くし固まっている人魚にやっぱりダメだっただろうか?と瞬間、人魚はグイッとサザナの腕を引き、
「な、っ!?」
その頬に触れるだけのキスをした。
「リツ、××××、サザナ、××!」
「ま、まってくれ、このキスはどうゆう意味だ!?」
「×××♪」
"教えない♪"と、揶揄われた気がした。
そしてリツは嬉しそうに笑い水中へと潜ってしまった。
「お、おい、リツ…!?」
顔を真っ赤にするサザナと、耳を赤く染め笑うリツ。
勿論、人間のサザナが人魚の常識を知らないことくらい承知していた。
それでも人魚の、リツの心の中は春の海のように暖かい。
(どうしよ、プロポーズされちゃった)
【野生の人魚は名前をもたないわけではない。彼らは結婚するとき、お互いに名前を付けあう】
捕まった人魚は、とっくに心まで捕らえられていた。
=======
あとがき
ここまで読んでくださりありがとうございました!
「う、う゛みぃ~~っ、!」
「すまない、すまなかった…」
「ふぇ、っ、××っ~~~っ!!」
まるで"迎えが遅い!"と拗ねて見えてしまうのは何故か…
そんな淡い期待も束の間だった。出会った頃のほどでなくとも、人魚の腕には白い包帯が巻かれていた。
「痛かったな…」
「?」
途端己の不甲斐なさが苦しくなり、ぐっと歯を食いしばった。
よほど体が痛くて動けなかったんだろう。だから、逃げられずバージル(部下)に保護された。
いや…、彼がちゃんとした人間に保護されてよかった。
「よかったぁ。ようやく銭湯生活から解放されるっす」
「………すまない。苦労をかけたな」
「あぁ大丈夫っすよ。上司が倒れた日に保護されたはずの人魚くんが海にいるなんて、絶対おかしいじゃないですか~?しかも怪我して泣いてたんですよ、その子」
「そうだったのか…」
泣いていた、の言葉が心をグザっと突き刺す。
怖がらせるつもりはなかったんだ…いいや、自分は今も彼を泣かせてしまっている。
また、一目会いたいが為に怖がらせてしまった。
どこまで自分は自分勝手な愚か者なのだろうと自嘲した。
「ふふん。俺にもお礼のハグしてくれちゃってもいいんですよ?」
「そうだな。今ならお前にもハグできそうだ」
「うぇ、すいませんっ!冗談っす」
バージルとしては人魚との間に芽生え始めた奇妙な友情がなくなるのは寂しいが、上司と人魚がお互い会いたがっていた事は痛いほど伝わった。
それはまるで長年離れ離れになっていた恋人が再会したような…。
ただ、ひとつ気になったことがあった。それを、あえて口にするべきかは野暮かもしれないが…。
「すんませんけど、いい加減人んちの風呂場でいちゃつくのやめてもらません?」
「すっ、すまない…悪かった…」
「なんか歯切れ悪くないっすか?」
何故か微動だにしない上司に首を傾けるバージル。
「バージル。あと少しの間、ここの風呂場を借りれないか?」
「なんて??」
「情けないことに俺は彼に完全に嫌われてしまってな…。無理やり連れて帰ればまたストレスを与えてしまうだろ。もちろん生活費等は俺が全て負担するし、この子の次の居場所を手配するまでだ」
「はぁ!?!?」
上司のとんでも発言にバージルは度肝を抜かれた。
いやまて、アンタの腕の中でぐすぐす泣いている人魚が恐怖で怯えているとでも思っているのか…?
しかし、上司の目は真剣そのものだ。
「うみ、う゛、み…っ、」
「悪かった。お前を海に帰したくないと、俺が独占しようとしたばかりに傷つけてしまった」
「っ、…っ…」
「あと少し我慢してくれ。もっといい環境を手配するからな?」
「あーーーーの!! ちょっといいっすかね??」
二人っきりの世界~みたいな雰囲気に水を差すのは大変心苦しいが、約一名が致命的な勘違いをしている。
それより泣いている人魚が気の毒でしょうがない。
「ねぇ、人魚くん。俺の名前はなんでしょう?」
上司の胸板に顔を埋める彼の肩をちょんちょんとつつけば、「?」とバージルへと泣き腫らした目を向ける。
「おい」
「いいから見ててください。俺の、な・ま・え、は?」
バージルは自分の方を指差し、名前を答えるよう聞く。
一方的、今さら何を聞くのかと人魚は首を傾げ、しっかり”バージル”と発音した。
「ばーじる…」
「なっ!?」
驚く上司をしり目に今度は自分の隣を指差す。
「この人の名前は?」
「うみ!」
「……………」
「ね?」
ね、ではない。
笑顔では済まされない、壮絶な勘違いに男もようやく気付いたのだ。
「えぇーっとね、この人の名前は」
「まて。……いい、俺から言う」
言いたいことは色々あったが、不甲斐なさや情けなさをすべてかなぐり捨てて優先すべきことがあった。
自分自身を指差し、はっきりと名乗る。
「サザナ」
「さ、ぁ……な、?」
慣れない発音だ。
うまく言えず、けれど意図は通じたのかなんとか言おうと頑張っている。
「ふっ、っ…まぁサザナって古い言葉で海って意味なんですし、いっそ海でいいんじゃないっすか?」
「お前は適当なことを言うな」
よっぽどおかしいのか、バージルは笑いをこらえるので必死で震えている。
「サザナだ」
「さっ、ざな!」
ほら、ちゃんと言えたぞ!?
ドヤっと満足気に笑う人魚をしっかり抱き、うみを改めサザナは微笑み返した。
屋敷に帰ったあとサザナは使用人をキツく問い詰めた。
そうすると一部の中に、"異国の言葉が通じない人魚を屋敷に置いておくのが気味悪かった”。"旦那様があの人魚に取り憑かれたのではないかと思った"。などと、洗いざらい白状する者がいた。
異国や文化の違いなど関係ない。さらに個人的な感情で亜人が人間から差別・迫害されるような真似をして許されるはずがない。
ましてや彼は助けを呼ぼうとして怪我をしたのだ。
彼らに厳罰を言い渡した後、サザナはあの水槽がある部屋へと戻った。
「~~~♪」
悠々と楽しそうに泳ぎ回る人魚の姿。
さすがに海に帰りたいと思っていないことが窺える。
「本当、俺はいままで君の何を見ていたんだろうな…」
"その年になるまで恋愛経験がないから拗らせるんですよ"とバージルに呆れられた時は、ぐぅの音も出なかった。
「そういえば、君には名前がないのか?」
「?」
自分たちは名前を明かしたが彼は名前を名乗っていない。
もしかすると人魚には名前がないのだろうか…?
(しかしないのは不便だな)
いつものように足場に上がり、人魚に近寄る。
そうすると彼はニコニコと笑顔を浮かべながら水面から顔を上げた。
「サザナ、サザナ」
「ん?どうした?」
「ふふっ」
やっと意思の疎通が出来たのがよっぽど嬉しいのか、たいした用がなくとも彼はサザナを繰り返し呼ぶ。
くるくると水槽の中を旋回しては、歌のように語りかけてくる。
「……リツ」
「?」
「仮でもお前の名前だ、リツ」
「ーーり、つ…?」
安易かもしれないが旋律のリツからとった名前だ。
目を丸くし固まっている人魚にやっぱりダメだっただろうか?と瞬間、人魚はグイッとサザナの腕を引き、
「な、っ!?」
その頬に触れるだけのキスをした。
「リツ、××××、サザナ、××!」
「ま、まってくれ、このキスはどうゆう意味だ!?」
「×××♪」
"教えない♪"と、揶揄われた気がした。
そしてリツは嬉しそうに笑い水中へと潜ってしまった。
「お、おい、リツ…!?」
顔を真っ赤にするサザナと、耳を赤く染め笑うリツ。
勿論、人間のサザナが人魚の常識を知らないことくらい承知していた。
それでも人魚の、リツの心の中は春の海のように暖かい。
(どうしよ、プロポーズされちゃった)
【野生の人魚は名前をもたないわけではない。彼らは結婚するとき、お互いに名前を付けあう】
捕まった人魚は、とっくに心まで捕らえられていた。
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ここまで読んでくださりありがとうございました!
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