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2章 脇役と不死の王龍
『よく聞け、我の高潔なる名前を!!』
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正体不明の女の子を前に、思わず叫んだシオウの悲鳴。
「シオウッ!?」
バンッ
ゼアロルドは飛び起き、扉を叩き開ける勢いで近くにいた騎士達らが駆けつけた。そして一同は、目を疑っていた。
「ま、まって!ごめん、大声出しちゃって!」
シオウが転げ落ちたベッドの上にいるのは、くわぁっと欠伸をしている―――特徴ある耳をした少女。
その子を庇うように両手を開き、「待って」と叫ぶシオウ。
「この子は、きっと迷子なんです!」
シオウ、シオウ、 ロゥ??
危険なことなんてないのに俺を含めた全員が困惑する状況だ。何があったかと聞かれても、俺もうまく説明できないのが申し訳ないけど…。
「俺は平気です、驚いただけで… 君もごめんな?急に叫んだりして」
「?」
少女に謝るも、肝心の彼女は"んー?"と愛らしい顔を傾けるだけだった。
ははは、参ったなぁ―――。
なんて言おうか、伝え方に悩んでいた時
「全員、すぐ食堂に移動してください。他の仲間も私が呼んできます」
どうしたんだろ?
ひどく困惑した表情を浮かべているアルタイルさんの提案で、場所をここよりずっと広い食堂へと移すことになった。
◇ ◇ ◇
――――その少女は何者だ!?
――――昨夜、一体何があったんだ!?
そんな感じにザワつく雰囲気。
ただし、それだけじゃないのも伝わってくる。なんてったって少女の風貌は…。
(うーん、見れば見るほど…)
健康的な頬に丸々とした顔立ちは見た目的に、小学校の低学年くらいかな?
キラキラした若い甘栗色の髪と大きな翡翠色の瞳。健康的な頬の色。突然現れた謎の美少女はシオウの隣に座り、ホットミルクを飲んでいる。
「隊長に似てますね」
「あぁ、ゼアロルドさんに似ている」
「むしろ隊長以外に誰がいますかね?」
(そうだよねぇ…)
俺も思っていた。さっきから飛び交う名前と隊長という呼び名に俺も皆んなも、う゛~んだ。
やっぱりゼアロンさんに似ていると思うけど、肝心の本人は俺達の正面に座ってムスッとした表情と態度で否定している。
(ゼアロンさんの身内じゃないんなら、この子の両親はどこにいるんだ?こんな小さな子供を一人っきりにするなんて…)
その時、急に食堂の出入り口がざわっとした。
「やぁ。君たち、久しぶりだね」
「―――――――え?」
ざわざわする食堂に現れたのは、美しい青銀の長髪と同じ色の瞳。
顔半分を覆う眼帯をしていたって分かる、彼の名前は――――
「……! イーリエさん!?」
* * *
「シオウ様。復帰後の再会は、はじめてだね」
「イーリエさん!もう立って大丈夫なんですか、お元気そうで良かったです!」
「ありがとう。またシオウに会えて嬉しいよ」
ぴょこぴょこと喜ぶシオウがたまらず可愛いのだろう。イーリエも花が咲いたように微笑み、シオウの頭を撫でる。
(イーリエさんって、結構背があるんだなぁ……)
いつも誰かに運ばれていたから実感はなかったけど、こうして近寄るとイーリエの身長のほうがシオウよりもずっと高かったのだと知った。
「イーリエ、―――」
「あぁ。なるほど………」
「?」
イーリエさんは、既に事情を把握していたらしい。
シオウの隣で大人しく座っている謎の少女に、ふむふむと興味津々だった。
「ねぇ、お嬢さん?君のお名前は?」
「………」
拒否するように少女は答えない。
それどころか、チラッとシオウの方を見たのだ。
(あぁそうだよね!名乗るときはまず自分からじゃないと、ね?)
「おはよう、俺は左都志央だよ。シオウって呼んでね。君のお名前は?」
「………ママ。おはよう、今日はいい天気ね」
「んーママじゃないけどなぁ、そうだ……ん??」
「『われは、唐揚げの妖精さん』」
「え」
「あぁ、唐揚げ美味しいよねぇ。シオウ様がよく作ってくれるの、みんな大好きだよ。でも今聞きたいのは、お名前の方かなぁ」
「唐揚げの妖精さん!ママは、我をそう呼ぶ」
????
本日何度目かの、困惑する一同。
しかし少女は椅子の上に立ちあがり、全員に告げた。
「よく聞け人間ども
我こそは精霊の王にして神オルベリオンの眷属、 "唐揚げの妖精さん"であるぞ!」
「控えおろう!!」と、異世界ファンタジーのはずなのに
どこぞの御奉行様のようにふん!と鼻息を漏らす、自称唐揚げの妖精さんだった。
正体不明の女の子を前に、思わず叫んだシオウの悲鳴。
「シオウッ!?」
バンッ
ゼアロルドは飛び起き、扉を叩き開ける勢いで近くにいた騎士達らが駆けつけた。そして一同は、目を疑っていた。
「ま、まって!ごめん、大声出しちゃって!」
シオウが転げ落ちたベッドの上にいるのは、くわぁっと欠伸をしている―――特徴ある耳をした少女。
その子を庇うように両手を開き、「待って」と叫ぶシオウ。
「この子は、きっと迷子なんです!」
シオウ、シオウ、 ロゥ??
危険なことなんてないのに俺を含めた全員が困惑する状況だ。何があったかと聞かれても、俺もうまく説明できないのが申し訳ないけど…。
「俺は平気です、驚いただけで… 君もごめんな?急に叫んだりして」
「?」
少女に謝るも、肝心の彼女は"んー?"と愛らしい顔を傾けるだけだった。
ははは、参ったなぁ―――。
なんて言おうか、伝え方に悩んでいた時
「全員、すぐ食堂に移動してください。他の仲間も私が呼んできます」
どうしたんだろ?
ひどく困惑した表情を浮かべているアルタイルさんの提案で、場所をここよりずっと広い食堂へと移すことになった。
◇ ◇ ◇
――――その少女は何者だ!?
――――昨夜、一体何があったんだ!?
そんな感じにザワつく雰囲気。
ただし、それだけじゃないのも伝わってくる。なんてったって少女の風貌は…。
(うーん、見れば見るほど…)
健康的な頬に丸々とした顔立ちは見た目的に、小学校の低学年くらいかな?
キラキラした若い甘栗色の髪と大きな翡翠色の瞳。健康的な頬の色。突然現れた謎の美少女はシオウの隣に座り、ホットミルクを飲んでいる。
「隊長に似てますね」
「あぁ、ゼアロルドさんに似ている」
「むしろ隊長以外に誰がいますかね?」
(そうだよねぇ…)
俺も思っていた。さっきから飛び交う名前と隊長という呼び名に俺も皆んなも、う゛~んだ。
やっぱりゼアロンさんに似ていると思うけど、肝心の本人は俺達の正面に座ってムスッとした表情と態度で否定している。
(ゼアロンさんの身内じゃないんなら、この子の両親はどこにいるんだ?こんな小さな子供を一人っきりにするなんて…)
その時、急に食堂の出入り口がざわっとした。
「やぁ。君たち、久しぶりだね」
「―――――――え?」
ざわざわする食堂に現れたのは、美しい青銀の長髪と同じ色の瞳。
顔半分を覆う眼帯をしていたって分かる、彼の名前は――――
「……! イーリエさん!?」
* * *
「シオウ様。復帰後の再会は、はじめてだね」
「イーリエさん!もう立って大丈夫なんですか、お元気そうで良かったです!」
「ありがとう。またシオウに会えて嬉しいよ」
ぴょこぴょこと喜ぶシオウがたまらず可愛いのだろう。イーリエも花が咲いたように微笑み、シオウの頭を撫でる。
(イーリエさんって、結構背があるんだなぁ……)
いつも誰かに運ばれていたから実感はなかったけど、こうして近寄るとイーリエの身長のほうがシオウよりもずっと高かったのだと知った。
「イーリエ、―――」
「あぁ。なるほど………」
「?」
イーリエさんは、既に事情を把握していたらしい。
シオウの隣で大人しく座っている謎の少女に、ふむふむと興味津々だった。
「ねぇ、お嬢さん?君のお名前は?」
「………」
拒否するように少女は答えない。
それどころか、チラッとシオウの方を見たのだ。
(あぁそうだよね!名乗るときはまず自分からじゃないと、ね?)
「おはよう、俺は左都志央だよ。シオウって呼んでね。君のお名前は?」
「………ママ。おはよう、今日はいい天気ね」
「んーママじゃないけどなぁ、そうだ……ん??」
「『われは、唐揚げの妖精さん』」
「え」
「あぁ、唐揚げ美味しいよねぇ。シオウ様がよく作ってくれるの、みんな大好きだよ。でも今聞きたいのは、お名前の方かなぁ」
「唐揚げの妖精さん!ママは、我をそう呼ぶ」
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しかし少女は椅子の上に立ちあがり、全員に告げた。
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我こそは精霊の王にして神オルベリオンの眷属、 "唐揚げの妖精さん"であるぞ!」
「控えおろう!!」と、異世界ファンタジーのはずなのに
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