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番外編 お仕置きして③
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ペチンッ ペチンッ
「ひ、んっ、あぅ!」
熊狩に晒した尻を叩かれるたび走るピリッとした痛みと、甘い痺れがたまらなくて腰が勝手に動く。
「こら、動いたら狙いが定まらないだろ?」
「だって…気持ちいいから…、んぅッ、熊狩に叩かれるの、好き…」
「っ、あんまりカワイく煽るなよ」
痛いのは嫌いだ。あんなに嫌だったのに、今だけは酷くしてほしいって思う。
―――良かった。熊狩、嫌じゃないんだ。
叩かれて善がってるオレの姿を見ても、他のDomみたいにオレを"変態"や"モノ好き"だって馬鹿にしたり罵ったりしない。
可愛いって… 興奮したような息遣いと上擦った声にオレの悩みなんて杞憂だったと知った。
「熊狩だったら、なんでもいいよ…」
だからもっと痛くして?と、心から甘えた声を出しての懇願だった。
顔を上げて熊狩の顔色を伺うように見れば、途端ぱぁっと顔を紅潮させた。
「琥太郎、可愛いっ! なんでそんなにかわいいんだ!?」
興奮しきった熊狩の声。
そして、少し勢いをつけた手の平はーーバチンッ!と尻へと振り下ろされた。
「ひぁあ゛ぁあっ、ーー!?」
ぶるりと全身を走った快楽。ジンジンと痺れるような下半身と、信じられないくらいの甘い余韻。
…!? う…嘘… オレいま……!?
「ふふ。叩かれただけでイッちゃったね」
―――っ!
あまりの衝撃に姿勢を崩してしまった。
(ど、どうしよう…)
熊狩に"待て"のコマンドは使われてなかったけど、許可をもらうまでオレはイクのを我慢できなかった。
プレイ中なのに、お仕置き中なのに…、自分がすごくダメなことをしてしまった気がして凹んでしまった。
「あ、…っ、う…っ、勝手に、出してごめんなさい…怒らないで…」
「琥太郎」
はやく、 腰をあげなきゃ、っ…!
内心は酷く焦っているのに、イッた余韻で足はガクガクと震えるし、腰はすぐ上がらない。
「謝ってるのにもじもじさせるなんて、エロいなぁ?それともあれくらいじゃ物足りないのか?」
「…! ち、ちがう…、まって、…」
ドクンッと心臓が跳ねた。
だって熊狩の欲求は、「自分のパートナーを甘やかしたい」のはずだ。
その目に今のオレは… どう映っている?
本能を剥き出しにした男のSubなんてーーー…
「琥太郎は誰に叩かれても、そんな風になるの?」
「‥‥は、?」
「"教えろ"。じゃなきゃ俺は安心できない」
強いsayのコマンドなのに、よしよしと熊狩はオレの頭を撫でる。
(お前以外の、Domに叩かれて…感じる?)
そんなこと考えただけで嫌悪感から鳥肌が立つ。
だって今のオレは、他のDomなんて相手したら一発でサブドロップを起こすと分かっている。だけど、それを証明できるはずもない。
「……っ、昔のこと言って、ほんとに安心するだけ?オレのこと嫌いになったり、しない?」
「嫌い?なんで?」
「なんで、って…じゃぁお前は今までSubとしてきたプレイ内容、オレに言えんの…?オレ以外の、他の人達を何人満足させてきたの…?」
コマンドを使って晒すことも、言わせることもプレイの一環だけど…、他のDomにならよかったことでも、その相手が熊狩ならオレは口を閉ざしたい。
教えたくない、熊狩からも聞きたくない。
「痛いのも恥ずかしいのも全部いやなのに…、おれはsubだから…、薬も効かないから… ダメか?オレじゃ…やっぱり熊狩を満足させらんない?」
「は!?」
熊狩は驚きのあまり固まってしまった。
……ズルいよ。ずっとコマンド使って教えろ教えろばっかりじゃん。
好きになった相手(オレ)のことを知りたいとか言うくせに、自分の過去は明かさないままなんてフェアじゃない。
「熊狩はさ…、そもそも男が好きってわけでもないんだろ…?」
「えっ。ちょ、まって!?」
「っ、待たないっ!!熊狩だって、オレに言ってないことばっかじゃん!?さっきみたいに、ほんとは…思いっきりしたいって思ってるくせに!!」
ここで沸々と腹の底にあった熊狩への不満が、悲しみに釣られるようにでてきてしまった。
「ひ、んっ、あぅ!」
熊狩に晒した尻を叩かれるたび走るピリッとした痛みと、甘い痺れがたまらなくて腰が勝手に動く。
「こら、動いたら狙いが定まらないだろ?」
「だって…気持ちいいから…、んぅッ、熊狩に叩かれるの、好き…」
「っ、あんまりカワイく煽るなよ」
痛いのは嫌いだ。あんなに嫌だったのに、今だけは酷くしてほしいって思う。
―――良かった。熊狩、嫌じゃないんだ。
叩かれて善がってるオレの姿を見ても、他のDomみたいにオレを"変態"や"モノ好き"だって馬鹿にしたり罵ったりしない。
可愛いって… 興奮したような息遣いと上擦った声にオレの悩みなんて杞憂だったと知った。
「熊狩だったら、なんでもいいよ…」
だからもっと痛くして?と、心から甘えた声を出しての懇願だった。
顔を上げて熊狩の顔色を伺うように見れば、途端ぱぁっと顔を紅潮させた。
「琥太郎、可愛いっ! なんでそんなにかわいいんだ!?」
興奮しきった熊狩の声。
そして、少し勢いをつけた手の平はーーバチンッ!と尻へと振り下ろされた。
「ひぁあ゛ぁあっ、ーー!?」
ぶるりと全身を走った快楽。ジンジンと痺れるような下半身と、信じられないくらいの甘い余韻。
…!? う…嘘… オレいま……!?
「ふふ。叩かれただけでイッちゃったね」
―――っ!
あまりの衝撃に姿勢を崩してしまった。
(ど、どうしよう…)
熊狩に"待て"のコマンドは使われてなかったけど、許可をもらうまでオレはイクのを我慢できなかった。
プレイ中なのに、お仕置き中なのに…、自分がすごくダメなことをしてしまった気がして凹んでしまった。
「あ、…っ、う…っ、勝手に、出してごめんなさい…怒らないで…」
「琥太郎」
はやく、 腰をあげなきゃ、っ…!
内心は酷く焦っているのに、イッた余韻で足はガクガクと震えるし、腰はすぐ上がらない。
「謝ってるのにもじもじさせるなんて、エロいなぁ?それともあれくらいじゃ物足りないのか?」
「…! ち、ちがう…、まって、…」
ドクンッと心臓が跳ねた。
だって熊狩の欲求は、「自分のパートナーを甘やかしたい」のはずだ。
その目に今のオレは… どう映っている?
本能を剥き出しにした男のSubなんてーーー…
「琥太郎は誰に叩かれても、そんな風になるの?」
「‥‥は、?」
「"教えろ"。じゃなきゃ俺は安心できない」
強いsayのコマンドなのに、よしよしと熊狩はオレの頭を撫でる。
(お前以外の、Domに叩かれて…感じる?)
そんなこと考えただけで嫌悪感から鳥肌が立つ。
だって今のオレは、他のDomなんて相手したら一発でサブドロップを起こすと分かっている。だけど、それを証明できるはずもない。
「……っ、昔のこと言って、ほんとに安心するだけ?オレのこと嫌いになったり、しない?」
「嫌い?なんで?」
「なんで、って…じゃぁお前は今までSubとしてきたプレイ内容、オレに言えんの…?オレ以外の、他の人達を何人満足させてきたの…?」
コマンドを使って晒すことも、言わせることもプレイの一環だけど…、他のDomにならよかったことでも、その相手が熊狩ならオレは口を閉ざしたい。
教えたくない、熊狩からも聞きたくない。
「痛いのも恥ずかしいのも全部いやなのに…、おれはsubだから…、薬も効かないから… ダメか?オレじゃ…やっぱり熊狩を満足させらんない?」
「は!?」
熊狩は驚きのあまり固まってしまった。
……ズルいよ。ずっとコマンド使って教えろ教えろばっかりじゃん。
好きになった相手(オレ)のことを知りたいとか言うくせに、自分の過去は明かさないままなんてフェアじゃない。
「熊狩はさ…、そもそも男が好きってわけでもないんだろ…?」
「えっ。ちょ、まって!?」
「っ、待たないっ!!熊狩だって、オレに言ってないことばっかじゃん!?さっきみたいに、ほんとは…思いっきりしたいって思ってるくせに!!」
ここで沸々と腹の底にあった熊狩への不満が、悲しみに釣られるようにでてきてしまった。
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