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番外編 お仕置きして②
しおりを挟む「琥太郎、Kneel」
ぶわっと、久しぶりのコマンドに鳥肌が立った。
あ…、っ…。
すぐさま命令通りペタンと腰をつけた。それだけではぁはぁと軽く息が上がるし、熊狩の低い声にいつもより命令の強制力を強く感じて、『次は何を命令してくれるんだ?』と期待に満ちた顔で熊狩を見つめた。
「言われなくても、ちゃんと視線を俺に向けて偉いな」
「くま、がり…?」
ど、どうしよ… 褒めてはくれたけど、なんだか熊狩が怒ってる。
熊狩はSubに尽くしたいっていう稀有なDomだ。オレが、お仕置きなんて頼んだせいだろうか?
もしも無理をさせてるんなら中止した方が………、
「ただでさえ、俺は琥太郎を躾けた顔も知らないDomに嫉妬してんのに今度はメディアとか…、ほんと勘弁してもらいたいよ」
(お、怒ってない…?)
琥太郎の前では余裕あるDom面したかった、なんてことを悔しそうにも微笑んでいる熊狩がいた。
「琥太郎にこれから全部教えるのは俺の役目だ。だから言われたこと以外する君には、ちゃんと躾とお仕置きが必要だな」
そっと頭を撫でられて、"セーフワード"を覚えているか確認されたから何度も頷いた。
「よかった」
安堵したような優しい声にぞわぞわする。
お仕置きは痛くて怖い認識しかなかったのに、頑張りたいと思っている。
お願いだ。もっと服従させて‥‥。
「脱いで。ぜんぶ脱いだら、四つん這いになって尻をこっちに向けるんだ」
「え。でも、電気ついたまま…」
いきなりの脱げと四つん這いになれの命令に戸惑った。前に風呂場でケアをされたことはあったけど、熊狩は勃ってなかったんだ。
男の裸なんて見ても平気なんだろうか…?その気持ちが萎えたりしないか心配だった。
「電気は消さない。嫌ならしなくていいけど」
「ちっ、違う…! 嫌じゃない」
恥ずかしいことだって分かってるのに、これに耐えたら熊狩はご褒美をくれる。そしたらもっと気持ちよくしてもらえるって知っている。
――――Domに跪いて、褒められて心の底から溶かされたい
「琥太郎?」
「‥‥‥‥っ、ちょっと待って」
っ、ダメだ。これ以上躊躇うと熊狩からプレイを中断されてしまう気がした。
――――よしっ。ようやく一回深呼吸をして覚悟を決めた
パサッと簡単に脱げる上と違いベルトのあるズボンはそうじゃない。ただ金具を外すだけ、それだけの動作なのに…
「手、震えてる」
「あっ、‥‥ちがうっ」
震えてない、早く脱ぎたいのに… 熊狩のことを焦らしたいって思っている。
(はっ‥‥ クソっ!!)
ズボンと下着を一緒に降ろすと命令通り、四つん這いになって熊狩のほうへ尻を突き出した。
けどなにかが不満なのか、それともオレの奉仕が足りてないのか、熊狩は黙ったままで何も言わなかった。
「違う。これはお仕置きだろ?もう少し足を開いて腰をあげるんだ」
――――え
いつもなら、よくできましたって褒めてくれるじゃん・・。
「琥太郎。全部"見せろ"」
これは命令だ、そして お仕置きしてほしいって望んだのはオレの方だ。
だけど……
「っ、は、恥ずかしい‥‥っ」
「無理ならセーフワードって教えたはずだろ?」
!?
冷たい声にビクッと背筋が凍った。
―――― セーフワード
熊狩が教えてくれた、オレがオレの身を守るための言葉だ。
でも‥‥‥‥ これを使ったらプレイが終わってしまう。
オレは熊狩のものだから平気だ。ちゃんと躾けていいって、分かってほしい
「……っ、ん」
言われた通りぐいっと腰をあげたのに「もっとだ」と言われてしまい、カッと火が付いたように顔が熱くなった。
恥ずかしいのに、”命令”が欲しくて…っ
「琥太郎は恥ずかしいのが好きなのか?いやらしい液が垂れてる」
「―――っ、!」
ふふっと笑う熊狩の声に思わずカァーッと背中までが熱くなった。
自分でも気づいてなかった。こんな丸出しの、上半身を低くして高く腰を上げた情けない格好を披露して、興奮してたなんて…。
「こら、足は閉じない。キープだよ」
「っ… だめ、見ないで…!!」
「見せてんのは琥太郎の方だろ?」
「ちが、・…ひぁっ!?」
"これはコマンドだから!"
そう訴える前に、ぺちんっ!と尻を叩かれて思わず変な声をあげてしまった。
「―――まっ、待って!」
「痛い?」
痛くは、ない… 続けて欲しい
(でも、熊狩はほんとうに、大丈夫なのか…?)
聞きたいけど聞けない
どうしよ、もっと欲しい…
「やめてほしい?」
「つ、続けて… もっと 続けて‥」
どうしよう
やめてほしいなんて 微塵も思ってない‥‥
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