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806. 不快4
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千晴は、誠一の態度を見て、一喝した。
『一番、重要な件よ!
ちょっと勝手に変な宗教とか広めないでよね。
あんた、何考えているの。
カルトって呼ばれるような宗教の教祖にでもなりたいの?
馬鹿じゃないの』
誠一の虚ろだった表情が一瞬で驚きの表情となった。
もちろん、それは千晴教のことであった。
『いやいやいや、千晴さん。聞いてください。
それは全くの誤解です。僕も迷惑しているんです。
いつの間にか千晴さんと皆を繋ぐ伝道者みたいな
立ち位置になっているし。助けてください』
こんな女であったが、誠一は自分と同じ感覚の持ち主と
話せたため、本音をぶつけた。
『ちょっ、何言ってるのよ。
あなたが始めたんでしょ』
『誓って、言います。絶対に違います。
千晴さん、僕も千晴さんと同じ世界に住んでいた人間ですよ。
宗教への信仰であんなに熱狂的になれる訳ないです。
ほとほと困っていますが、否定すれば
何が起こるか分からなくて、適当に彼らに
合わせているんです』
誠一の勢いに気圧される千晴だった。
『ちょっ、何言っているのよ。
そんなの知らないわよ。
あんた、自分で何とかしなさいよ。
私だって困っているだから』
千晴があたふたと答えている状況が
手に取る様に誠一には分かった。
『そうだ、良い案がありますよ、千晴さん。
『神の懐紙』を下賜してください。
それに千晴さんを敬うことを禁止させる旨を
書いてください。それを僕が読み上げます。
それで全てが済みます』
誠一はここぞとばかりにぐいぐいと踏み込んだ。
『今、そのアイテムないわよ。
ゲットできたら、直ぐに送るわよ。
それまで何とか変に広まらないようにしときなさいよ』
『わかりました。そうします』
その後、普段なら他愛ない日常の会話で終わるのだが、
今日は千晴が直ぐに会話から離れてしまった。
言葉は、全て記録されている。
そのため、不用意に呟くことは厳禁であった。
しかし、誠一の心の中での呟きを千晴が
覗き込むことはできなかった。
誠一は心の中で千晴を思いっきり罵った。
約束を違えた。しかもそれは誠一と仲間が命を賭して、
成功に導いた『神堕ちの儀』の対価のはずであった。
元々、信用のおける女でなく、単に貴重なエリクサーを
自分の鼻先にぶら下げて、思い通りに言うことを
聞かせたくなったのだろう。
頭の軽い女の安い打算に振り回されるのは
真っ平ごめんだと誠一は心の中で罵っていた。
しばらくすると、誠一はアホらしくなり、
ベッドに潜り込むとすやすやと眠り始めた。
『一番、重要な件よ!
ちょっと勝手に変な宗教とか広めないでよね。
あんた、何考えているの。
カルトって呼ばれるような宗教の教祖にでもなりたいの?
馬鹿じゃないの』
誠一の虚ろだった表情が一瞬で驚きの表情となった。
もちろん、それは千晴教のことであった。
『いやいやいや、千晴さん。聞いてください。
それは全くの誤解です。僕も迷惑しているんです。
いつの間にか千晴さんと皆を繋ぐ伝道者みたいな
立ち位置になっているし。助けてください』
こんな女であったが、誠一は自分と同じ感覚の持ち主と
話せたため、本音をぶつけた。
『ちょっ、何言ってるのよ。
あなたが始めたんでしょ』
『誓って、言います。絶対に違います。
千晴さん、僕も千晴さんと同じ世界に住んでいた人間ですよ。
宗教への信仰であんなに熱狂的になれる訳ないです。
ほとほと困っていますが、否定すれば
何が起こるか分からなくて、適当に彼らに
合わせているんです』
誠一の勢いに気圧される千晴だった。
『ちょっ、何言っているのよ。
そんなの知らないわよ。
あんた、自分で何とかしなさいよ。
私だって困っているだから』
千晴があたふたと答えている状況が
手に取る様に誠一には分かった。
『そうだ、良い案がありますよ、千晴さん。
『神の懐紙』を下賜してください。
それに千晴さんを敬うことを禁止させる旨を
書いてください。それを僕が読み上げます。
それで全てが済みます』
誠一はここぞとばかりにぐいぐいと踏み込んだ。
『今、そのアイテムないわよ。
ゲットできたら、直ぐに送るわよ。
それまで何とか変に広まらないようにしときなさいよ』
『わかりました。そうします』
その後、普段なら他愛ない日常の会話で終わるのだが、
今日は千晴が直ぐに会話から離れてしまった。
言葉は、全て記録されている。
そのため、不用意に呟くことは厳禁であった。
しかし、誠一の心の中での呟きを千晴が
覗き込むことはできなかった。
誠一は心の中で千晴を思いっきり罵った。
約束を違えた。しかもそれは誠一と仲間が命を賭して、
成功に導いた『神堕ちの儀』の対価のはずであった。
元々、信用のおける女でなく、単に貴重なエリクサーを
自分の鼻先にぶら下げて、思い通りに言うことを
聞かせたくなったのだろう。
頭の軽い女の安い打算に振り回されるのは
真っ平ごめんだと誠一は心の中で罵っていた。
しばらくすると、誠一はアホらしくなり、
ベッドに潜り込むとすやすやと眠り始めた。
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