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793. 閑話 とある掲示板の情景2
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夜になると千晴は清涼に連絡を取った。
無論、千晴教に関する対応の為だった。
「千晴、少し落ち着いたようだね。
それでどうしたの?何か困りごとかな」
千晴は一気呵成に捲し立てた。
息を切らした千晴が落ち着くのを待って、清涼は話始めた。
「あーその件、『ヴェルトール王国戦記』での
旬の話題だよね。
僕も一瞬、千晴のことかなと思ったけど、
まさか本当に千晴だったとは驚きだよ」
電話越しに清涼が笑っているのが千晴に聞え、
顔が真っ赤になってしまった。
「そのことで、千晴教を真似ねるプレーヤーが
出始めているらしいね。恐らく上手くいかないだろうけど」
清涼の説明を受けて、ますます千晴教への
憎悪を燃やす千晴だった。
「まあ、ゲーム内のことだし、気にすることないよ。
多分、誠一さんが何かの拍子に名前を言ってしまったのを
NPCが騒ぎ立てたのが始まりだろうね。
その内に沈静化するさ」
ほんの少しだけ安心した千晴は続いて、
『異世界人の誘い』について清涼に尋ねた。
「ちょっと待って。何で千晴は、今、それを聞くんだ?」
清涼の声色が一瞬にして変わった。
先ほどの朗らかな感じの声から低く冷たい感じの声に変った。
「えっちょっとその称号の能力というか
機能的な何かを知りたかったんだけど、
ネットで調べても何も分からなくて」
「そうそういうことなら、まあ、良いけど。
その称号は『ヴェルトール王国戦記』の
都市伝説的なものに位置する称号なのさ。
普通に検索しても何故かヒットしない。
恐らく一部のヘビーユーザしか知らない称号なんだよ。
この世界から一名を王国の舞台に召喚して、
ランダムに『ヴェルトール王国戦記』のNPCに
転生させると言われている。
過去には、魔人に転生させられた者もいるらしい。
所得条件や発動条件は全く不明なんだ。
それで千晴、それを聞いた本当の理由は何?」
笑い声を挟みながらも清涼から刺々しい口調を
千晴は感じた。
ここで清涼から嫌われる訳にはいかないと思い、
島崎の件を清涼に話した。
清涼の声は動揺を隠しきれなかった。
清涼は、声を震わせながら荒げた。
千晴が始めて聞く、清涼の声だった。
「なんだって!なんだよそれ!
使っちまったのかよ、『異世界人の誘い』を!
ふっざけんじぇねえって。
どんだけお前に付き合って、金を使ったと思ってるんだよ。
島崎とかいう奴が乱世の王国の舞台に召喚されただと。
何なんだよ、マジでそれ洒落になんねえよ。
一発くらい大人しくそいつにやらせておけば、
済んだ話だろ」
狂ったように捲し立てる清涼だった。
千晴は受話器より流れる清涼の暴言と音量に辟易して、
受話器を耳から離した。
しかし、スピーカー選択している訳でもないのに
受話器から流れ出る清涼の呪詛は千晴の耳に聞えた。
「聞いているのか!千晴、釈明しろよ。
ふざけんなよ、やっと見つけた称号持ちだったんだぞ。
おまえ、島崎とかいう奴をこの世界から抹消したんだぞ、
このヒトゴロシ」
だんだんと意識が朦朧として清涼の言っていることが
理解できなくなってきた千晴だった。
この男は本気で『ヴェルトール王国戦記』の
世界に転移するつもりだったのだろうか。
そのためなら、千晴が島崎の欲望の贄にされてもいいと
言っているのだろうか。
何もかも考えたくなった千晴は怒声をまき散らす受話器を
そのままに椅子から床にコロンと転がり、そのまま意識を失った。
無論、千晴教に関する対応の為だった。
「千晴、少し落ち着いたようだね。
それでどうしたの?何か困りごとかな」
千晴は一気呵成に捲し立てた。
息を切らした千晴が落ち着くのを待って、清涼は話始めた。
「あーその件、『ヴェルトール王国戦記』での
旬の話題だよね。
僕も一瞬、千晴のことかなと思ったけど、
まさか本当に千晴だったとは驚きだよ」
電話越しに清涼が笑っているのが千晴に聞え、
顔が真っ赤になってしまった。
「そのことで、千晴教を真似ねるプレーヤーが
出始めているらしいね。恐らく上手くいかないだろうけど」
清涼の説明を受けて、ますます千晴教への
憎悪を燃やす千晴だった。
「まあ、ゲーム内のことだし、気にすることないよ。
多分、誠一さんが何かの拍子に名前を言ってしまったのを
NPCが騒ぎ立てたのが始まりだろうね。
その内に沈静化するさ」
ほんの少しだけ安心した千晴は続いて、
『異世界人の誘い』について清涼に尋ねた。
「ちょっと待って。何で千晴は、今、それを聞くんだ?」
清涼の声色が一瞬にして変わった。
先ほどの朗らかな感じの声から低く冷たい感じの声に変った。
「えっちょっとその称号の能力というか
機能的な何かを知りたかったんだけど、
ネットで調べても何も分からなくて」
「そうそういうことなら、まあ、良いけど。
その称号は『ヴェルトール王国戦記』の
都市伝説的なものに位置する称号なのさ。
普通に検索しても何故かヒットしない。
恐らく一部のヘビーユーザしか知らない称号なんだよ。
この世界から一名を王国の舞台に召喚して、
ランダムに『ヴェルトール王国戦記』のNPCに
転生させると言われている。
過去には、魔人に転生させられた者もいるらしい。
所得条件や発動条件は全く不明なんだ。
それで千晴、それを聞いた本当の理由は何?」
笑い声を挟みながらも清涼から刺々しい口調を
千晴は感じた。
ここで清涼から嫌われる訳にはいかないと思い、
島崎の件を清涼に話した。
清涼の声は動揺を隠しきれなかった。
清涼は、声を震わせながら荒げた。
千晴が始めて聞く、清涼の声だった。
「なんだって!なんだよそれ!
使っちまったのかよ、『異世界人の誘い』を!
ふっざけんじぇねえって。
どんだけお前に付き合って、金を使ったと思ってるんだよ。
島崎とかいう奴が乱世の王国の舞台に召喚されただと。
何なんだよ、マジでそれ洒落になんねえよ。
一発くらい大人しくそいつにやらせておけば、
済んだ話だろ」
狂ったように捲し立てる清涼だった。
千晴は受話器より流れる清涼の暴言と音量に辟易して、
受話器を耳から離した。
しかし、スピーカー選択している訳でもないのに
受話器から流れ出る清涼の呪詛は千晴の耳に聞えた。
「聞いているのか!千晴、釈明しろよ。
ふざけんなよ、やっと見つけた称号持ちだったんだぞ。
おまえ、島崎とかいう奴をこの世界から抹消したんだぞ、
このヒトゴロシ」
だんだんと意識が朦朧として清涼の言っていることが
理解できなくなってきた千晴だった。
この男は本気で『ヴェルトール王国戦記』の
世界に転移するつもりだったのだろうか。
そのためなら、千晴が島崎の欲望の贄にされてもいいと
言っているのだろうか。
何もかも考えたくなった千晴は怒声をまき散らす受話器を
そのままに椅子から床にコロンと転がり、そのまま意識を失った。
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